ユービーアイソフトは、TPSスタイルのオンラインアクションRPG『ディビジョン2』のPC版を、エピック・ゲームズの運営するゲーム配信プラットフォーム“Epic Gamesストア”で配信する。

 これはEpic Gamesストアの完全独占というわけでなく、同社直販のUbisoft Storeでもゲームの販売は行われるとのことだが、一方でValveが運営するSteamでの配信予定はなくなった模様。Steamに掲載されていた製品ページも消滅している。

ユービーアイソフトの『ディビジョン2』PC版はSteamではなくEpic Gamesストアでのリリースに。今後もさらに多くのユービーアイタイトルが追加予定_02
Epic Gamesストアのトップには早速『ディビジョン2』が登場。なお同ストアではアドベンチャーゲーム『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』PC版の無料提供を開始する。

 なおエピック・ゲームズとユービーアイソフトは、どちらのストアで買っても問題なくマルチプレイやソーシャル機能を利用できるよう、ユービーアイソフト側のオンラインサービスであるUplayの機能をEpic Gamesランチャーのそれに合わせて統合していくほか、他タイトルについてもEpic Gamesストアでの配信を目指すとのこと。同サイトに掲載された告知文では「EpicはUbisoftと手を組み、さらに多くのタイトルをEpic Gamesストアに追加していく予定です」と綴られている。

 Epic Gamesストアは、業界で伝統的に使われてきた「70%」の開発/パブリッシング側の取り分(=ストア側が30%を取る)に対し「88%」の利益配分率を掲げて昨年末にオープンし、インディーパブリッシャーや中堅パブリッシャー、小規模ながら評価の高いゲームスタジオなどが参入してきた。 ユービーアイソフトは今回の発表により、Epic Gamesストアへの海外大手パブリッシャー参入第一弾ということになる。

 過去にも何度かお伝えしているが、エレクトロニック・アーツは自社配信サイトのOriginで『バトルフィールド』シリーズなどのPC版を展開してきており、近年はアクティビジョンが『Destiny 2』や『コール オブ デューティ ブラックオプス4』などのPC版を、同グループ傘下のBlizzard EntertainmentのBattle.net専売で販売。ベセスダ・ソフトワークスも最新作『Fallout 76』PC版を同社のBethesda.net専売するなど、海外の大手パブリッシャーの多くがPCゲーム販売においてSteam以外の選択肢を模索してきた。

 こうした流れに対して、Steamはゲームの収益が1000万ドル以上に達した場合に以降の分配率を75%に引き上げ、5000万ドルを超えるとさらに80%にするという施策を昨年11月に発表。これは本作のような大手パブリッシャーの大作を念頭に置いたものだったが、今回の“流出”となってしまった。

 なお今回の発表に合わせて、『ディビジョン2』PC版の仕様や動作環境などが公開されている。4K解像度やHDRに対応し、ワイドスクリーンやマルチスクリーン出力も可能。ユーザーインターフェースやHUDなどのカスタマイズも行えるという。

 参考までに1080p解像度を秒間60フレームで遊べるという“推奨動作環境”は、CPUがCore i7-4790以上、メモリー8GB以上、GPUがGeForce GTX970以上(ビデオメモリー4GB以上)といった感じになっている、

ユービーアイソフトの『ディビジョン2』PC版はSteamではなくEpic Gamesストアでのリリースに。今後もさらに多くのユービーアイタイトルが追加予定_01
PC版の仕様や動作環境などが公開。フレームレートや解像度の制限はなく、ユーザーインターフェースのカスタマイズなども対応する予定だ。