ある意味最強の格闘ゲーム、降臨……!
古今東西の神の中で最強は誰なのか?
そんな疑問を持ったことはないだろうか。
神の偉大さや強大さを示すエピソードは数あれど、実際に違い世界にすむ神同士が戦うエピソードなど見たことがない。だが気になる、最強の神は誰だ?
なら、実際に戦って証明してもらおう、最強の神を。
『Fight of Gods』、それは神々が戦う対戦格闘ゲーム。本ソフトは2018年12月13日、賈船より、Nintendo Switchにて発売開始された(価格:1500円)。
この記事ではゲームライター脳間寺院が、『Fight of Gods』の基本システムと参戦神について紹介したうえで、プレイレポートをお届けする。
“※『Fight of Gods』に登場するキャラクター、物語は各国の文化を参考に発想した架空のものです。宗教、文化に対し最大限の敬意を抱き開発を行っております。誤解を招いたり、不快感を与えたりする意図はございません。”
『Fight of Gods』より
基本はオーソドックスな2D格闘ゲーム。ただし戦うのは神々!
『Fight of Gods』は奇抜なキャラ設定とは裏腹に、オーソドックスな2D格闘ゲームに仕上がっている。
弱・中・強の3種類の攻撃とコマンド入力で発動する必殺技、そしてガードを崩せる投げ技など、基本はいわゆる『ストII』系の格ゲーと同じ。攻撃、ガード、投げの3すくみの読み合いを制することが勝敗につながってくる。
本作はコンボがつながりやすいタイプの格ゲーで、1度触れられれば一気にHPを削ることができる(ただしコンボを練習していればの話だが)。Nintendo Switchでの配信前からSteamでアーリーアクセスが始まっていたため、コンボ開発もかなり進んでいるようだ。
2本のゲージが勝負を分ける
本作独自のシステムとして、“神の力”ゲージと呼ばれる特殊なゲージが存在する。
画面下部の緑色のバーが神の力ゲージだ。ラウンドごとに蓄積する神の力ゲージがマックスになると、“神の力”を発動できる。
たとえばジーザスの神の力は“復活”。失った体力を大幅に回復して、なおかつ自分の攻撃力も上げられる。ただし回復後は被ダメージが倍になってしまうデメリットもあるため、使用タイミングには注意したい。
神の力には必殺技を放つタイプの技もあれば、発動してから一定時間強化効果の続くタイプのものもある。ほかの格ゲーでたとえるなら、『ストリートファイターV』の“Vトリガー” のようなものだと思ってもらえればいい。
また、神の力ゲージの下にある黄色いゲージはいわゆる超必殺技ゲージ。神の力ゲージはラウンドごとにリセットされるが、こちらはラウンドをまたいで引き継がれるので、ここぞというタイミングで使いたい。
参戦する神々を紹介、全選手入場ッ!
と、ここまで紹介してきた通り、基本システムだけを見れば、本作はいかにもオーソドックスな格闘ゲームだ。
しかし、本作がオーソドックスなだけの格闘ゲームなのかと言えば、それは断じて否! 時を超えて世界中から集められた豪華絢爛な参戦者(神)こそが『Fight of Gods』最大の魅力なのだ。ここからは、本作に登場する神々を、記者の昂ぶった感情そのままに紹介していこう。
天界最強の神が見たいかーーーっ!
平行世界から集められた14体の神々、この中で最強の神は誰だッ!
“右の頬を打たれたら左の頬を差し出しなさい”、ただしその左頬にはカウンター判定があるぞ!
大工の息子、救い主、世の光、アルファでありオメガ! 磔にされた十字架をブチ折って緊急参戦!
世界で一番有名な男、ジーザスだ!
言うなれば彼の戦闘スタイルは“近距離全能型”。豊富なバリエーションを誇る近接攻撃に適う神はいるのか? 得意技はもちろん体力を大幅に回復する“復活”だァァァ! ジーザスを見たら体力ゲージは2本あると思え!
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悟りを開いた彼に敵はいない! あの孫悟空も掌の上で踊らされた。
天上天下唯我独尊! ブッダァァァァァァ!
掌から放つ気功で相手との間合いをコントロール。神の力“ブッダ・ダーマ”を使えばさらに気功の数が激増ッ! 彼を地に這わせられる神は存在するのかッ?
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続いては日本からの参戦だ。
彼女がいなければ世界は暗黒に包まれてしまう。
この世でイチバン輝く女、太陽神アマテラスだ!
弓とムーンサルトの華麗なコンビネーションを前に近づける者はいない。
神界の待ちガイルとは彼女のことだ!!
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強者揃いのギリシャ神話でつねに頂点に立つ男
その女性遍歴は1000人切りではすまないぞッ!
ちなみに初夜は300年続いたらしい。
全知全能の最高神、ゼウスだァッ!
1度近づけばもう逃げられない。圧倒的なパワーで相手はたまらず感電死!
天界最強のインファイターだ!
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神々がしのぎを削る戦いにやってきたダークホース!
クリスマスを目前に控えコンディションは完璧のようだ。
よい子のみんな、プレゼントに『Fight of Gods』をお願いする準備は出来ているか?
サンタァァァァクロォォォォーースッ!
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まだまだ個性的すぎる神が目白押し!
その人気のあまり神格化された戦士。
彼を一目見た者は恐れおののき、こう言った!
「げぇっ、関羽!」
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飛ばせて落とす堅実派。
北の国からやってきた北欧神話の大親分。
アスガルドの王、オーディンだ!
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生まれたときから完全武装!
戦争と知恵の女神、アテナァァァァ!
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文字数と著者の知識の関係で紹介しきれないが、さらにアヌビス、モーセ、フレイヤなどを加え合計14体の神々がしのぎを削る、まさしく“神々の戦い”の開幕だァッ!
総評:荒削りだがキチンと“格ゲー”している良作
一見して出オチのネタゲーにしか見えない本作だが、プレイしてみると意外にも格闘ゲームとしてしっかり作りこまれているのがわかる。その作りこみは、オンライン未対応なのがもったいないと思うほど。
基本操作や必殺技コマンドは『ストII』系格ゲーに近いため、2D格ゲーに慣れているプレイヤーなら息抜きに丁度いい作品だろう。ただし、いわゆる“簡易入力”のようなシステムがなく、波動拳コマンドや昇竜拳コマンドは最後までスティックを入れなければ技が出ないので、操作には少々慣れが必要だ。
本作のおもしろさの半分以上は神々が戦うというガワの部分にあるのだが、格闘ゲームは基本のゲーム性がシンプルな分、登場するキャラの魅力が重要なジャンル。ぜひプレイして推し神を見つけてほしい。
最強の神は誰なのか? その答えは自らのプレイで証明しよう。
※参考文献:『古代ギリシャのリアル』藤村シシン 実業之日本社
■脳間 寺院(のうま・じいん)京都生まれポケモン育ち、ボンクラオタクはだいたい友達。「ゲームをもっと面白く」をモットーに記事を書くゲームライター。Twitterにてゲームにまつわる情報を発信中。
Twitter:@noomagame