【レビュー】『ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス』見た目はキュート、中身はメッチャ“骨太”なRPGがここに!

ファミ通の攻略担当ライターによる、『ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス』のレビューをお届け。

 2018年11月29日に発売となった、ニンテンドー3DS用ソフト『ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス』(以下、『PQ2』)。本作は、『ペルソナ5』、『ペルソナ4』、『ペルソナ3』でそれぞれ活躍したキャラクターたちが一堂に集結し、力を合わせて不思議な映画の世界を冒険していくRPGだ。当記事では、週刊ファミ通の攻略記事を作るために本作をじっくりプレイしたライターの視点で、“骨太”なシリーズ最新作をレビューする。

 『ペルソナQ』シリーズは、『ペルソナ』シリーズの世界観と、同じくアトラスの人気RPG『世界樹の迷宮』シリーズのシステムの“いいとこ取り”をしたようなコラボ作品。そのため、『世界樹の迷宮』シリーズでおなじみの、探索を進めていきながら数々のギミックを下画面に書き込み、マッピングを楽しむ要素はしっかり踏襲。そのうえで、戦闘は『ペルソナ』シリーズ特有の、ペルソナを駆使した要素が盛り込まれている。

『ペルソナ』シリーズらしい、骨太なバトルが展開!

シリーズのタイトルにも冠している“ペルソナ”は、『PQ2』でも重要な要素のひとつ。本作では全キャラクターが、メインのペルソナのほかにもう1体のペルソナ(サブペルソナ)を装備できる。

 ファンの中には、『ペルソナ』シリーズは遊んでいるけれど『世界樹の迷宮』シリーズは未経験という人もいるかもしれないが、本作はヘルプやチュートリアルが親切でわかりやすいため、そのあたりの心配は無用。遊んでいるうちに、各要素が理解できるような導線ができている。

 ただし逆に、『ペルソナ』シリーズは遊んだことがないけれど『世界樹の迷宮』シリーズは好きなので遊んでみたいという人は、つぎの1点だけご注意を。本作は、『ペルソナ』各作品のキャラクターの関係性や各原作の出来事まで事細かに説明されるわけではないので、総勢28名ものペルソナ使いが続々と登場すると、パーティーの人選などに迷ってしまうかもしれない。(しかしそれもまた一興で、お気に入りのメンバーだけのパーティーで突っ走ってもいいシステムもあるので心配はご無用。詳しくは後述で!)

 ファンにとって魅力の柱となるのは、大きく以下の3点だろう。

魅力その1:時を超えて巡り合う、ペルソナ使いたちの共演!

 『ペルソナ』シリーズの経験者ならご存じの通り、各作品の物語は、舞台も違えば時代も異なる。ゆえに、“全員が高校生の状態で出会う”ことは本来ならありえない。しかし、この『PQ2』では、各作品のとあるタイミングでペルソナ使いたちが謎の映画館に迷い込んでしまい、そこで描く品の垣根を越えた邂逅を果たす……という展開になっているため、ナンバリングタイトルでは実現不可能な夢の共演が存分に味わえるのがポイントだ。

 同年代のペルソナ使いどうしの新たな友情や信頼関係が描かれていく物語は、まさにファン必見。また、メインストーリーはもちろん、“特別上映”(いわゆる“クエスト”的な位置付け)などで見られる、キャラクターどうしのミニエピソードも豊富。もともと好きだったキャラクターはより好きになれるだろうし、そのほかのキャラクターにも新たな魅力を見出せたりと、会話の楽しさ&多様さはシリーズでもトップクラスと感じた。

女子陣にかわいがられるコロマルに嫉妬の炎を燃やすクマ。映画館ロビーの風景は、ストーリー進行と共に変化していくので、見逃せないポイント。

芸術に情熱を傾ける祐介と雪子。独特の感性を持つふたりの世界には常人は入れない……!?

もちろん、『PQ2』オリジナルの登場人物が絡んでくるメインストーリーにも注目。

 また、本作は、『ペルソナ3 ポータブル』で登場した女性主人公も見どころのひとつ。『ペルソナ3 ポータブル』では男性主人公と女性主人公のどちらかを選んでゲームを始めるため、このふたりが顔を合わせることは絶対になかった。それが今回、どうして“対面”することになるのか? そういった面でも目が離せない。女性主人公は物語の序盤から登場するが、知人がひとりもいない中、あっという間に『ペルソナ5』の怪盗団メンバーに溶け込んでいく。元気な言動が気持ちよく、コミュ力の高さに驚かされる……ズバリ、筆者イチオシのキャラクターだ(笑)。

名前は“主人公(女)子”から取って公子にした。ファンのあいだで定着している愛称“ハム子”も意識しつつ……(笑)。

魅力その2:いかにして弱点を突くか……骨太の戦闘に挑め!

 『PQ2』では、映画世界(シアター)ごとに特色の異なる迷宮が登場。第1シアターでは“カモシダーマン”という映画の世界が舞台となる。「最初の迷宮だし、難度は低めでしょ」……と思っている人も、けっして油断することなかれ。アトラスのゲームらしく、じっくり楽しんでこそ味わいがある難易度となっているので、最初から腰を据えて挑んでみてほしい。

 そこで重要となるのが、敵の弱点を突くと発生する“BOOST!”システム。弱点を突かれてダウンした敵は、そのターンの行動が最後に回り、確率で行動不能になるうえ、BOOST状態になったキャラクターは、つぎの行動の際のスキル消費コストがゼロになる。それを活かして再び敵の弱点を突いたり、この隙に補助系のスキルを使って味方をサポートしたりと、幅広い戦術が楽しめるのだ。そうやって少しずつ、登場する敵の特徴を知り、いかに的確に相手の弱点を突けるか考えるのが戦闘の醍醐味。うまく弱点を突けないと戦闘が長引いてしまうため、どのペルソナなら弱点を突けるか、誰にどんな行動を取らせるのがベストか……など、考えるのが楽しいバランスに仕上がっている。

敵の弱点を探り、少しずつ敵の能力を暴いていくプロセスも楽しい。1度戦った敵は、戦闘中のアナライズや“テキペディア”でいつでも情報を確認できる。

敵全員をダウンさせると、“総攻撃”で敵全体に大ダメージを与えられるのも魅力。さらに総攻撃でトドメを刺すと、特殊な演出も!

 また、迷宮の随所には“F.O.E”と総称される特別な強敵が徘徊している。F.O.Eは各迷宮のボスに匹敵するような強さを誇り、これを見事に倒せば相応の戦利品が得られるが、初探索時に挑んでも返り討ちにされること必至。こうした強敵を、味方のレベルが十分に上がってから挑戦して倒すといった、やり込み要素も大きな魅力だ。

初見でF.O.Eに勝つのはほぼ無理。強くなってから挑むと、戦闘開始時のメッセージも変わる。

魅力その3:徐々にマップが完成していくワクワク感!

 下画面に表示される地図は、最初はまっさらで、周囲に何があるかもわからない状態。実際に一歩一歩進んでいくことで、歩いたマスに色が付き、少しずつ地図が完成していく。扉やギミック、宝箱の位置を示すアイコンを自分で置いたり、F.O.Eの徘徊ルートをメモしたりと、自分だけのマップを作り上げていく冒険感が味わえる。

多彩なツールを使ってアイコンを置いたり、自分だけのメモも記入可能。記入したメモの前にいくと、上画面にそのメモが表示される。

 なお、地図作りで若干手間がかかるのは、壁を表わす線の書き込み。しかしこれは、オプション画面のコンフィグで、オートマップをONにすると自動で書き込んでくれるので、サクサク遊びたい人はこの機能を利用するといい。もちろん、すべて手書きでコツコツとマッピングする、いわばDIY感を大切にしたい人は、とくに利用しなくてもいい。

 また、物語を早く進めたいなら、迷宮の各フロアを隅々まで踏破する必要はない。しかし、エリア踏破率が100%になることで開く、特殊な宝箱が各フロアにひとつずつ置かれているのがミソ。この宝箱からは、非常に便利なアイテムが手に入ることが多いため、取っておくと探索や戦闘で重宝するのだ。結果として、「中身も気になるし、せっかくだから踏破しよう!」という気になるし、踏破するという行為自体に、自己満足以外の意味を持たせてくれている。

踏破率が足りないと開かないが、下画面にまだ歩いていない大体の位置が表示されるので、そこを目指せばオーケー。もしくは、足りない踏破率の分に応じてニンテンドー3DSのゲームコインを使えば開けられる。

 以上、おもに3つの魅力を紹介してきたが、ほかにも魅力的な部分は多々ある。好きなキャラクターやペルソナの育成は言うまでもなく、随所で挿入されるアニメーションムービーは前作の倍以上というボリュームがあるし、シリーズ特有のオシャレな音楽など、見どころ&聴きどころが満載だ。この『PQ2』が少しでも気になっているという人は、迷うことなかれ。ぜひ手に取って、ペルソナ使いたちが織り成す不思議な冒険を体験しよう!

 なお、こちらの記事では、本作のプレイガイドをお届けしている。さらに詳しい攻略情報&各種データ類(←めっちゃ便利!)は、週刊ファミ通2018年12月13日号(2018年11月29日発売)の特集記事に掲載しているので、こちらもぜひチェックしてほしい!(詳しくはこちら



(C)ATLUS (C)SEGA All rights reserved.