フロム・ソフトウェアが見出したVRの可能性とは? 『Deracine(デラシネ)』発売記念イベントで語られた、その魅力や開発秘話

2018年11月8日、フロム・ソフトウェアの新たな挑戦として注目が集まるプレイステーションVR専用アドベンチャー『Deracine(デラシネ)』が発売された。それを記念して、東京・ヨドバシカメラマルチメディアAkibaにて関係者によるトークイベントが開催された。

 2018年11月8日、フロム・ソフトウェアの新たな挑戦として注目が集まるプレイステーションVR専用アドベンチャー『Deracine(デラシネ)』が発売。それを記念して、東京・ヨドバシカメラマルチメディアAkibaにて関係者によるトークイベントが開催された。

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)とフロム・ソフトウェアという『Bloodborne』のタッグが送り出す本作は、ジャンルも雰囲気も180度異なる“心温まるテキストアドベンチャー”。

 プレイヤーは時の止まった世界に住む妖精として、寄宿学校に住む少年少女と間接的なコミュニケーションを通じて関わりを深めていく。“実在感と非実在感”がひとつの作品テーマになっており、「キャラクターが目の前にいる」という実在感と、「だけど手を伸ばしても触れない」といった非実在感の共存というVRならではの感覚に物語で答えを提示しようとする意欲作だ。

▲会場に展示されていたすずきらな氏(@RanaS0803)による黒板アート。子供達が発売日を祝っている場面で、“黒板”という素材も舞台となる学校を連想させる。

 イベントでは、 SIEよりプロデューサーの山際眞晃氏、フロム・ソフトウェアより広報担当の小倉康敬氏と北尾泰大氏が登壇し、本作の魅力や開発秘話を語ってくれた。また、MCとして大のフロム作品ファンである荒木美鈴さんもトークに参加し、切れ味鋭いコメントで会場を盛り上げた。

 『Deracine』プロジェクトがスタートするきっかけを作ったのは、『Bloodborne』DLCの打ち上げの席だったという。ディレクターの宮崎英高氏が語った“VRの実在感と非実在感”についてのアイデアが原型になっている。プレイステーションVR発売から間もない時期にはすでに企画が動き出していたわけだ。

▲実機プレイを見ながらゲームについて解説。

 ゲーム内容の魅力としては“断片的な情報を探し、繋ぎ合わせていく”という探索と考察のおもしろさについて紹介。宮崎氏がディレクションした『Dark Souls』や『Bloodborne』シリーズは、本筋は骨太なアクションゲームでありながら、限られたテキストから物語を想像するのが楽しいタイトルでもある。『Deracine』はそうした遊びを濃縮したような内容になっており、フロム・ソフトウェアの世界観が好きなファンなら“脳”を刺激されるのではないかと語られた。

▲女の子に後ろから近づいていく。「ここでバックスタブを……(荒木さん)」「しないです(山際氏)」

 より具体的なシステムとしては、様々なオブジェクトを手に取ることで読める説明文や、キャラクターの思考や台詞がその場に留まった“言霊”、手紙やメモに書き残されたメッセージなどがマップ上にちりばめられており、それらの情報から頭の中で物語の全容を組み立てていく。

 情報の中には、かがんだり覗き込んだりしないと見つからないもの、オブジェクトの裏側にこっそり書かれているものも存在するため、実際に頭や手を動かしながら世界を歩き回る必要がある(操作はPS Moveを両手に持って行う)。こうした身体感覚の一致も意図的に設計されており、画面に表示されるゲーム的な情報やガイドも少なめ。どっぷりと世界に浸れるようになっている。

▲ちなみに、本作のテキストは会話も含めてすべて宮崎氏によるもの。コアなファンには嬉しい情報だ。少女漫画らしいモチーフを取り入れていることもあり「ノリが違う宮崎氏」を楽しんでもらえるのではないかとのこと。

 ここまで紹介された“古典的アドベンチャーとVRの融合”、“フロム・ソフトウェアが作る奥深い世界への没入”といったエッセンスが、本作でしか味わえない体験であることは間違いない。だが『Deracine』は万人が楽しめる作品なのだろうか。トークの内容はそんな赤裸々なトピックスにも踏み込んでいく。

 北尾氏の回答は「人を選ぶニッチなタイトルになっているが、刺さる人には物凄く刺さる」というもの。特に海外では「おもしろい」という感想と「合わない」という感想で割れており、万人受けするような作品とはいえないかもしれない。だが、それでも興味を持って遊んでもらえるような方なら、きっと記憶に残るようなゲームになっていると太鼓判を押した。

 そうした人を選ぶという部分を踏まえた上で、山際氏は「宮崎さんも含めて開発チームみんなが大好きなゲームになっているので、皆さんにも愛していただけたら嬉しい」とコメント。また、小倉氏は「なかなか伝わりにくいからこそ、体験会にぜひ足を運んで空気感を味わってみてください」と述べる。

 会場となったヨドバシカメラマルチメディアAkibaを含めた4店舗では体験会が開催されており、ノベルティとして特製ノートとポストカードも配布される。VRの肝である“体験”や“感覚”の面白さは、実際に遊んでみて初めて伝わる部分も多い。少しでも興味を持った方はぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

ヨドバシカメラ マルチメディアAkibahttp://www.yodobashi-akiba.com/
開催日時:
2018年11月10日(土)・11日(日) 12:00 ~ 19:00
2018年11月17日(土)・18日(日) 12:00 ~ 19:00
住所 :〒101-0028 東京都千代田区神田花岡町1−1
開催場所:6階ゲームコーナー
ヨドバシカメラ マルチメディア梅田https://www.yodobashi.com/ec/store/0081/
開催日時:2018年11月9日(金) 16:00 ~ 20:00
住所 :〒530-0011 大阪府大阪市北区大深町1−1
開催場所:地下2階ゲームコーナー
上新電機 ディスクピア日本橋店http://shop.joshin.co.jp/shopdetail.php?cd=1528
開催日時:2018年11月10日(土) 12:00 ~ 19:00
住所 :〒556-0005 大阪府大阪市浪速区日本橋5丁目9-5
開催場所:1階ゲームコーナー
ビックカメラ 有楽町店https://www.biccamera.co.jp/shoplist/shop-014.html
開催日時:2018年11月11日(日) 11:00 ~ 18:00
住所 :〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-11-1
開催場所:4階ゲームコーナー