エンハンスより、2018年11月9日発売予定のプレイステーション4用ソフト(プレイステーション VRにも対応)『テトリス エフェクト』。発売に先駆けて、メディア向けの先行体験会が開催された。

 エンハンスより、2018年11月9日発売予定のプレイステーション4用ソフト(プレイステーション VRにも対応)『テトリス エフェクト』。

 本作は、『スペースチャンネル5』、『Rez』などを手掛けた水口哲也氏の最新作。世界でもっとも有名なパズルゲーム『テトリス』に、水口氏がこれまで手掛けてきた映像と音楽の融合という要素が加わったことで、まったく新しい感覚の作品に仕上がっている。

 そんな同作の発売に先駆けて行われた、メディア向けの先行体験では、水口氏とディレクターの石原孝士氏より、新たなゲームモードやオンラインに関する情報など、本作の魅力がたっぷり紹介された。

写真左:石原孝士氏、写真右:水口哲也氏

 本作には、大きく分けてふたつのモードが存在する。そのひとつが“Journey Mode”。テトリミノを規定ライン数消すごとにつぎのステージに進んでいき、全27ステージのクリアーを目指すという本作のメインモード。各ステージには専用のグラフィック、音楽、効果音が用意されているのだが、プレイしていると「つぎはどんなステージなのかな?」と、まさに“旅(Journey)”をしているワクワク感が堪らない。

 難易度は、プラクティス、ビギナー、ノーマル、エキスパートの4段階から選択可能で、テトリミノの落下スピードや、つぎのステージに進むための規定ライン数が変化するので、初心者から上級者まで楽しめる。ただし、プラクティスでは、ステージ16までしかプレイできないので注意が必要しよう。

 本モードの詳細なプレイリポートは以下の関連記事をチェックしてほしい。

 さらに、全27ステージをクリアーすると、背景映像や音楽だけを鑑賞することができる、“シアター”が開放される。実際に体験してみると、美しい映像と心地よい音に、とにかく癒された。プレイ中には気付かなかった、細かな演出もじっくり確認できるので、気分転換したいときなどにもオススメ。

 そして、もうひとつの“Effect Modes”の詳細がついに発表。本モードは、“マラソン”や“ウルトラ”といった『テトリス』でおなじみのルールのほか、降りそそぐテトリミノを活用してハイスコアを目指す“カウントダウン”、ハプニングを乗り越えてマラソン完走を目指す“ミステリー”など、特殊なルールの『テトリス』を楽しめるというもの。

 各ルールは、プレイヤーがそのときに感じている(あるいは感じたいと思う)“ムード”を呼び起こすようにデザインされているのがポイント。ムードは、ゆったりしたいときの“リラックス”、集中したいときの“フォーカス”、親しみやノスタルジーを楽しみたいときの“クラシック”、またちょっと変わったことにトライしたいときの“アドベンチャー”の4つのカテゴリに分けられており、インターネットに接続していれば、世界中のプレイヤーが、いま、どの“ムード”で遊んでいるのかを確認することができるというおもしろい試みも用意されている。

 Effect Modesでプレイできるルールとカテゴリ分けは以下の通り。

クラシック

  • マラソン
    150ラインクリアにチャレンジ
  • ウルトラ
    3分間のスコアアタックにチャレンジ
  • スプリント
    40ラインクリアまでのタイムアタックにチャレンジ
  • マスター
    最高速を超えたテトリスにチャレンジ

リラックス

  • フリーマラソン
    ゲームオーバーのないマラソンをプレイ
    (※テトリミノが盤面の上部まで埋まってしまいそうになったら、積み上がったテトリミノがすべてクリアされ、また最初からプレイできる)
  • クイックプレイ
    好きなステージを選んでプレイ
  • プレイリスト:海
    海をテーマにした環境音ステージでリラックス
  • プレイリスト:風
    風をテーマにした環境音ステージでリラックス
  • プレイリスト:世界
    世界をテーマにした環境音ステージでリラックス

フォーカス

  • オールクリア
    タイムリミットまでのAll Clear回数を競う
  • コンボ
    タイムリミットまでのComboの合計数を競う
  • ターゲット
    タイムリミットまでのターゲットクリア回数を競う

アドベンチャー

  • カウントダウン
    降りそそぐIテトリミノを活用してハイスコアを目指す
  • 浄化
    増え続けるダークブロックを3分間消し続ける
    (※ラインクリアやコンボでダークブロックを消すことができる)
  • ミステリー
    ハプニングを乗り越えてマラソン完走を目指す

 体験会では、ミステリーをプレイさせていただいた。ミステリーは、上記の通り、ハプニングを乗り越えながら150ラインクリアを目指すというルール。このパフニングというのが、ゴースト(落下場所の表示)が消えたり、一定時間ホールドが使用できなかったり、上下が反転したりと、バリエーション豊富。しかも、ふたつ同時に発生することもあるので、余裕だと思っていたのに急にピンチになってしまうことも。もちろん、ハプニングの中には、すべてのブロックが消えるというような、プレイの手助けをしてくれるもの存在するため、展開が予想できないところがおもしろい。

 実際、記者がプレイする様子を水口氏と石原氏が見ていたのだが、ピンチの状況で巨大なテトリミノが降ってきたときには笑いが起きたし、逆にピンチを切り抜けたときには「おぉー」という歓声が上がったほど。そういう意味で、プレイする様子を生配信したり、SNSを投稿したり、プレイステーション4のシェア機能との相性がよさそうに感じた。

 そして、オンラインに関する詳細も判明。“Journey Mode”と“Effect Modes”のスコアを世界中のプレイヤーと競い合えるほか、週末には“Weekend Event”が開催される。これは、週末になると“Effect Modesでリラックスを遊びましょう”というようなテーマが提示され、期間中にそのテーマにあった“ムード”をプレイすると自動的にポイントが貯まっていき、世界中のプレイヤーの合計が目標ポイントを超えれば、参加者全員にゲーム内アバターなどがプレゼントされるという仕組みになっている。

 世界でもっとも有名なパズルゲーム『テトリス』を、エンハンス流にアレンジした本作。オプションの設定項目も充実しており、テトリミノの形を色で覚えている人のためのカラーが用意されていたり、ネクストブロックの数を変更できるなど、初心者から上級者まで楽しめるようになっている。

 また、水口氏の作品ではおなじみのコントロ―ラを操作するとは別に用意することで、そのコントローラをゲームの音や演出とシンクロする振動機器として利用できる“Trance Vibration”機能が搭載されているほか、モニターでのプレイ時には視点を自由に変えることができたりするなど、これまでの『テトリス』の常識をぶち破る要素も!

 そんな『テトリス エフェクト』の体験版が配信決定。プレイできる期間が11月1日から11月5日12時までと限られているものの、本作の魅力を体感できるチャンスなので、以下の関連記事をチェックして、ぜひダウンロードしてみよう。

 最後に水口哲也氏と石原孝士氏のミニインタビューをお届け。

――オンライン要素を対戦ではなく、このような仕組みにした理由を教えてください。

水口僕たちは『テトリス』で、どうやってほかの人と遊ぶのかということを、いろいろな角度から検証してきたのですが、どうしてもこの気持ちのいい『テトリス』に、対戦して相手を倒すというイメージがどうやっても結びつかなかったんです。実際に対戦の実験もやってみたのですが、どうもしっくりこなくて。そして、僕たちが最終的に選択したのには、みんなで協力をして目標を達成するというような、人との繋がりを重視することにしました。“Effect Modes”のメイン画面では、テトリミノでできた地球が表示されていて、世界中のプレイヤーがいまどこで何のモード(ムード)で遊んでいるのかということがわかるようになっているんですよ。

石原たとえば、日本で“リラックス”をプレイしている人が多い場合は、日本が青色に染まります。おそらく、地域ごとに違いが出たりすると思うので、それを見比べたりするのもおもしろいのかなと。

――全世界のプレイヤーが協力して達成を目指す“Weekend Event”にはどのような狙いがあったのでしょうか?

水口『テトリス』は無垢なものじゃないですか。それを『テトリス エフェクト』では、気分がよくなったり、リラックスしたり、遊ぶことでプラスになるものにしようとチームで話していました。そうなったときに、世界中の人と直接繋がってコミュニケーションするわけではなく、お互いに感じ合ったり、共感し合ったりするのが、『テトリス』にすごく合うんじゃないのかと思ったんです。

――『テトリス』はもともとストイックなゲームですが、『テトリス エフェクト』はそれ以外の要素がありますよね。

水口だから、僕たちも昔からの『テトリス』のプレイヤーがどういう反応なのか、ずっと気になっていたのですが、E3のときに『テトリス』のプロプレイヤーが『テトリス エフェクト』を遊ぶという動画がアップされたんですよね。その動画を見てみると、最初は「遊び辛そうだな」、「ムダなものがあって、余計なものを入れなくてもいいのに」という感じだったのですが、実際にプレイすると「これはこれでアリだね」という反応に変わっていって。さらに、その後、プレイステーション VRでプレイしたときには「うぉーーーー」と興奮していて(笑)。

水口そのときにやっぱり『テトリス』はすごいなと思いましたね。誰でも遊べて、こういう新しいものでも受け入れてくれるんだなと。ゲームの歴史は、50年くらいになってきましたが、いつも「解像度が上がっても、ゲーム自体は進化させられないのか?」という議論をするじゃないですか。そう考えたときに、『テトリス』のように完成され尽くされたゲームを、イノベーションすることができたら、快感だろうなとずっと思っていたんです。

――『テトリス』のゲーム性を広げたということがすごいと思います。プレイステーション VRにも対応していますし。

水口これからもVRがどんどん浸透していく中で、「みんなが遊べるVR作品がほしいよね」という話をしていて。先ほどもお話したように、『テトリス』は、ご高齢の方もでも1回くらいは遊んだことがあると思うんです。そういう人に『テトリス エフェクト』をVRで遊んでもらったら、すごく感動してもらえるんじゃないかなと。逆に、若くてまだ『テトリス』を遊んだことがないという人でも、ルールや操作が非常にシンプルなので、すぐに楽しめますし、VRにはそういう入り口となる作品が必要だと思います。

石原酔わずに長時間遊べることもポイントですね。

水口人によって個人差はあると思いますが、『テトリス エフェクト』は1時間近く遊んでも大丈夫ですね。

――視点が固定されるからですかね?

水口あとはやっぱり気持ちがいいということも重要みたいです。それは、『Rez Infinite』の“Area X”でも僕たちが追求したことですが、気分がいいというのは、疲れさせないみたいです。やっぱり、「疲れることなく1時間をぶっ続けて遊べるVR作品を作りたい」という話をチームでずっとしていました。

――もし疲れてきたら、シアターモードで癒されるというのもいいかもしれないですね。

水口最近、僕たちもテレビにシアターモードを流しながら仕事しています。今回、音楽は『Rez Infinite』と同じく、Hydelicが担当しているのですが、かなり音楽の完成度が上がっています。E3に合わせて公開したトレーラーでも、ものすごく反響があったので、一部の音楽を予約特典としてプレゼントすることにしました。でも、そのほかにも、すごくたくさん曲があるんですよ。最終的に何かしらの形で楽しめるようにしたいとは思っていますが、それまでの間に音楽を聴く手段として、シアターモードはオススメですね。

――なるほど。

水口Hydelicは、これからおもしろい活動をやっていこうと思っています。基本的に音楽とビジュアルが共感覚的に融合した気持ちよさがHydelicのキーワードのひとつになっているので、いつかそういうものを融合させたライブもやりたいです。

――完成した作品は、開発当初に想定していたものになったのでしょうか?

水口先日、プリプロダクションのときの動画を石原くんと見ながら、「意外とそのままできたね」という話をしていました。そういう意味では、最初のイメージやコンセプトは実現できたかなと。開発の終盤になると、終わらせたくなくなるというか、いつまでもイジっていたくなるんですけど、皆さんに遊んでいただいて、反応や意見を見ながら、次回作に反映させていなと思います。

――石原さんは今回が初ディレクターということでしたが、制作を終えての心境はいかがですか?

石原やはり『テトリス』は『テトリス』ということがあって、そこに新しい体験を入れなければならなかったので、すごく苦労しました。ビジュアルとサウンドを融合させるという部分は、本作でもっとも重要な要素なので、試行錯誤をくり返しました。最終的には、そこがうまく完成して、新しい体験になったと自信を持って言えます。

――いちばん苦労したのはどの部分ですか?

石原やはり、その部分ですね。音と演出のマッチングがうまくいかなくて。『テトリス』で、テトリミノを操作しているときはすごく左脳が動いていて、そこにどうやって右脳的な演出を絡めるのかという答えが出るまでに時間が掛かりましたね。テトリミノを落とすときには迷っているけど気持ちいい。そして、消した瞬間に少し脳がリセットされて、右脳的な快感が生まれるというように、交互に気持ちが変化していくためのバランスを見つけるのが、すごく苦労しました。

――最後に水口さんの今後について、現時点でお話できることがあれば、教えていただけますか?

水口また、石原くんとつぎの作品に向けて構想を練っていこうと思います。『Rez Infinite』の“Area X”や『テトリス エフェクト』の先にある、みんなの想像をもっと超える体験を挑戦したいなと思っています。