2019年発売予定のプレイステーション4、Xbox One用ソフト『JUMP FORCE』。本作は、『ONE PIECE』や『ドラゴンボール』、『NARUTO -ナルト-』といった大人気作品を生み出し続けている「週刊少年ジャンプ」の50周年を記念した作品だ。世界中から愛されるジャンプキャラクターたちどうし、作品の枠を超えた夢の対戦アクションを楽しめる。
そんな本作のクローズドβテストが2018年10月12日~10月14日に行われた。テストではおもにオンライン対戦をプレイすることができたので、実際にプレイしてみた感想をお届けしたい。
なお、今回のクローズドβテストはプレイステーション4版で実施されたもの。記事の内容や、記事中のボタン表記などは、すべてプレイステーション4のクローズドβテスト版準拠のものとなる。
現実世界にジャンプヒーローが!? グラフィックがめちゃくちゃリアル!!
実際にプレイしてみて最初に驚いたのは、グラフィックの圧倒的なまでのリアルさだ。本作ではニューヨークや香港など、実在する場所が対戦のステージにされているのだが、ニューヨークのステージに立ち並ぶ高層ビルやネオンライトの輝きが眩しい香港の街並みは、「あれ、これって実写使ってる?」と思ってしまうほど。
しかし、ステージをよく見るとそんな思いは振り払われる。本作のテーマは“漫画×リアル”。実写と見紛うようなリアルなステージに、JUMPの世界が融合しているのだ。たとえば、ニューヨークには『NARUTO -ナルト-』に登場する“神樹<シンジュ>”があたり一面に出現しており、その影響か一部の建物は崩れてがれきが散乱している。
リアルなのはステージ背景だけではない。キャラクターの描写もとことんリアルを追求している。もちろん、キャラクターデザインは原作に忠実に再現されているのだが、肌の質感によるものなのか、とにかくリアルな現実世界のステージに立っていても違和感がない。
また、戦闘中に一定以上のダメージを受けると服や身体がボロボロになるなど、細かい演出によっても“リアルな戦闘”というものが表現されている。
ところで、“ジャンプヒーローたちが現実世界で戦ったらどうなるのか”という妄想をしたことはあるだろうか。記者は妄想が得意なので多々あるのだが、現実世界の都市はジャンプヒーローたちの戦いの場としては狭すぎると思うのだ。思っていたらこうなった。
エリア移動の演出はステージによって異なるが、上画像のようにタンクローリーを爆発させて吹っ飛ばすなど、やりすぎなくらいド派手なものばかり! ちなみに、格好いいだけでなく相手の覚醒ゲージ(※)を減らせたり、エリア移動後に追撃が可能だったりと戦局も有利になるので一石二鳥だ。
※覚醒ゲージ……“覚醒アクション”に必要なゲージ。覚醒状態になるとキャラクターが強化されるほか、一部のキャラクターは姿も変わる。
ジャンプヒーローたちの超高速アクションバトルが誰でも簡単に楽しめる!
ここからは、改めて本作のシステムについて説明していこう。本作は1対1で戦う対戦アクションバトルゲーム。ただしプレイヤーはそれぞれ好きなキャラクターを3人選んでチームを編成し、そのチームどうしで戦うため、キャラクターとしては3対3の構図となる。
正直なところ、プレイした第一印象は、「このゲーム難しい!」だった。後にこれは誤解だったとわかるのだが……。というのも、キャラクターの動きがとにかく速いのだ。ジャンプヒーローらしく瞬間移動もお手のもので、吹っ飛ばした相手の落下点に先回りしてもう1回吹っ飛ばすなど、まさにマンガの世界の動きそのものが体験できる。
さらに、3人のキャラクターが使えるということは、すなわち3人分のコマンドや操作を覚えなければならないということになる。この時点で、これはけっこう敷居が高いゲームなのでは? と感じたのだ。
しかし、その後もプレイを続けていてわかったのだが、本作ではキャラクターごとに特有のコマンドがあるわけではなく、全キャラクター共通の操作で技が出すことができる。そのため、キャラクターごとに個別練習が必要になるわけではない。
また、コンボについても□ボタンのラッシュ(弱攻撃)とアナログスティックを組み合わせる派生ラッシュだけで簡単に超格好いいコンボになる。記者の場合は【アナログスティック、□、□、□、□、必殺技で締め】というコンボをどのキャラクターでも使いまわしていた。
これに気付いてからは、いろいろなキャラクターを選んでチームを組んでみた。おなじ作品のキャラクターどうしで組ませたり、主人公たち、はたまた敵役で組んでみたり。刀を使うキャラチーム、拳で戦うキャラチームなど、オリジナルのチームコンセプトを考えるのも本作の楽しみかたのひとつだ。
システム面ではもうひとつ、近年の格闘アクション系ゲームでは定番の、脱出アクションがある点は安心だ。本作の場合、攻撃を受けている最中にL1ボタンを押すことでエスケープが発動し、相手のコンボから抜け出せたり、相手にダウンさせられたタイミングでL2ボタンを押して仲間と交代することで、いわゆる“起き攻め”を回避できたりする。そのため、何もできずに負けるということがめったに起こらない印象だ。
“何もできずに負けることはほぼない”というのはけっこう重要で、負けた対戦も「もう少しで勝てたのに!」というちょうどいい悔しさが残ることが多く、自然とつぎの対戦へ移ってしまう。今回は時間制限のあるテストだったが、製品版が発売されたあかつきには「つぎ負けたら終わりにしよう」なんて思いながらも、いざ負けると「やっぱり悔しいからもう1戦!」とエンドレスにプレイし続けてしまう未来が見えた。
50周年記念タイトルの名にふさわしいクオリティー、そして……?
これだけ綺麗なグラフィックで、ジャンプヒーローたちのド派手な必殺技エフェクトやハイスピードアクションバトルが楽しめる……これはまさに、50周年記念にふさわしいタイトルだと感じた。しかし、まったく不満がなかったわけではない。
まず、ローディングが長いこと。今回はテストということもあって、マッチング自体は一瞬でされるのだが、対戦前のローディングが若干ストレスを感じる程度には長い。また、対戦中、エフェクトがド派手な特定の技を使うと(おそらく読み込みのために)画面が固まってしまうのは、少し興が醒めると言わざるを得ない。
とはいえ、焦ってはいけない。あくまでも今回はクローズドβテストで、その目的はオンラインシステムのさまざまな技術検証。要は、不具合を見つけて修正するためのものでもある。つぎにプレイできるタイミングまでに修正されていれば問題ないのだ。文句なしの神ゲーになることを信じて待つこととしよう。