2015年にPC(Steam)でアーリーアクセス版が発表されてから、爆発的なヒットを記録している『ARK: Survival Evolved(アーク:サバイバル エボルブド)』。同作を生み出したのは、アメリカのゲーム開発会社であるStudio Wildcardだ。2018年9月、都内でStudio Wildcardのメディア向け新作発表会が行われ、CEOのダグ・ケネディー氏と、ビジネスデベロップメントを務めるマーク・ダイアナ氏、プロデューサーのジョン・ブラハン氏が登場し、いくつかのゲームソフトについて構想を語った。本稿では、そのプレゼンテーションの模様をお届けしていく。
ボクセルの世界でサバイバルをくり広げる『PixARK』の家庭版が発表!
ケネディー氏の挨拶から始まったプレゼンテーションでは、まず、現在PC・Xbox Oneでアーリーアクセス版が提供中の『PixARK』についての新情報が発表。『PixARK』は『ARK: Survival Evolved』のゲーム性をさらに親しみやすくシンプルにした内容で、かわいらしいボクセル調のグラフィックが特徴的なアクションゲームだ。
ランダム生成のマップを舞台に、『ARK: Survival Evolved』と同じく100体を超える種類の生物を手懐けたり、騎乗したりできるほか、ボクセルのブロックを使った建築システムや、魔法、スキルツリーによるキャラクターの成長システムなど、独自の要素も数多く盛り込まれている。
同作は2018年3月末にアーリーアクセス版が配信、正式版のリリースは、2019年の春を目標にしているとのこと。さらにダイアナ氏は、コンソール版を日本でも展開する予定があることを明かした。
そして、正式版の発売直後から販売されるという“New Skyward DLC”の情報も公開。すでに着々と準備が進んでいるというこのDLC(ダウンロードコンテンツ)では、新しい島や、そこに棲息する新生物、建築の素材、装備などが追加されるとのことだ。最後に質疑応答が行われ、ダイアナ氏が回答を行った。
Q オンラインマルチプレイは『ARK: Survival Evolved』のように大人数でのプレイになるのでしょうか?
A 『ARK: Survival Evolved』のオンラインマルチプレイと同じような感覚で楽しめるものを目指しているので、最大70人でのマルチプレイが可能になります。
Q PVP(プレイヤーどうしの戦い)のような要素はありますか?
A はい。PVPだけではなく、PVE(敵クリーチャーなどとの戦い)も用意しています。
Q 『ARK: Survival Evolved』ではゲームを進めると、島に関するストーリーがわかる仕組みになっていましたが、『PixARK』でも同じような要素はあるのでしょうか?
A 『PixARK』はランダム生成のマップが特徴なので、『ARK: Survival Evolved』ほどのストーリー性は存在しません。
Q 正式版のリリースへ向けて、今後の計画について教えていただけますか?
A アーリーアクセス版でファンからいただいたフィードバックを正式版に反映できるように、リリースを予定している2019年の春までしっかり時間をかけていく予定です。
『ARK: Survival Evolved』最後のDLCでは怪獣や巨大ロボが登場!?
『ARK: Survival Evolved』のプレゼンテーションでは、海外ですでに発表されていたNintendo Switch版を、日本国内でも展開する予定であることが明かされた。
ダイアナ氏は、Nintendo Switch版について「『ARK: Survival Evolved』を外に持ち出してプレイできることに興奮を隠しきれない」と、改めてNintendo Switchの魅力に触れながら、「『ARK: Survival Evolved』にあったすべての内容が楽しめる」とアピール。
当日は実機でのプレイを見ることができたほか、携帯モードで実際にプレイできた。Joy-Conでキャラクターを操作する感覚は、すでに国内でも展開中のプレイステーション4版と遜色なく快適。グラフィックも、Nintendo Switchで表現できる最善を目指し、開発を続けていくとのことだ。
Nintendo Switch版は2018年11月末に世界同時発売(日本版の発売時期は未定)を予定しており、発売後の2019年前半には、ほかの機種で用意されたDLCのすべてを配信することを目標にしているそうだ。
続いて、『ARK: Survival Evolved』3本目のDLCで、2018年11月6日にリリースとなる“Extinction”の情報が公開。“Extinction”は、いまのところ最後のDLCとして開発されているが、『ARK: Survival Evolved』の人気が衰えていないだけに、「さらなるDLCを作るかもしれないね」と笑顔で語っていた。
さて、“Extinction”の舞台となるのは、未知の疫病によってハイテク化され、恐竜以外の生物が死滅してしまった未来の地球。プレイヤーがサバイバルに挑むことになるマップは過酷な環境となっており、特殊な装備を作らないと攻略できない有毒なエリアもあるという。
さらに、未来の地球には“キングカイジュウ”という名の超巨大な生物が登場。その大きさは、「現在いちばん大きい恐竜が、キングカイジュウの爪くらい」だという。あまりに大きく、ちょっと想像がつかないが、ダイアナ氏によると「ゲーム史上もっとも大きな生物になるかもしれない」そうだ。ほかにも、エリアごとに特徴の異なる4種の“カイジュウ”が存在しており、その大きさはキングカイジュウの半分程度になっている。
キングカイジュウはその大きさゆえに、通常の攻撃ではダメージを与えることができないため、プレイヤー側も巨大なロボットに乗り込んで戦うことになる。腕や脚といったパーツごとにクラフトしていき、最後に組み立てることで乗れるようになるというこのロボットの発想は、「『ガンダム』を始めとする日本のアニメから影響を受けている」とダイアナ氏。組み立てたときの大きさは、キングカイジュウと通常のカイジュウの中間程度の大きさになるとのことだった。
Nintendo Switch版の『ARK: Survival Evolved』や、DLCの“Extinction”についても、プレゼンテーション終了後に質疑応答の時間が設けられた。
Q Nintendo Switch版はプレイステーション4版と同等の内容になるのでしょうか?
A プラットフォームごとにベストなものを提供したいと考えています。Unreal Engineがいろいろなプラットフォームに対応できるようなものを提供してくれているので、コンテンツとしてダウングレードしているということはありません。プレイステーション4 Proと、Nintendo Switch版のグラフィックが同等というわけではないのですが、Nintendo Switch版には持ち運べるという魅力があります。持ち運んだときにベストな体験ができるようなものを目指しています。
Q Nintendo Switch版でのオンラインマルチプレイの最大人数はプレイステーション4版と同じですか? それから、携帯モードでのローカル通信は可能でしょうか。
A ほかのプラットフォームと同様の仕様で、最大70人でのオンラインマルチプレイが可能です。さらに、ローカル通信でのマルチプレイにも対応しています。
Q “Extinction”のロボットはどのように戦うのですか?
A パーツごとに複数のプレイヤーが乗り込み、それぞれ操作して戦います。パーツ単体で攻撃することができるので、たとえば、通常のカイジュウなら脚だけで倒すことができるかもしれませんが、キングカイジュウとの戦闘では、プレイヤーどうしの協力が必要不可欠になるでしょう。
Q “Extinction”の巨大生物はなぜカイジュウという名称に? また、ワールドワイドでカイジュウという名前になるのでしょうか?
A 人々の興味を引くためにも、カイジュウはベストなネーミングだと考えました。東宝の『ゴジラ』などの影響でカイジュウという言葉の認知度も上がっていますし、ハリウッド映画でもカイジュウをモチーフにした作品が数多く作られています。その結果、アメリカを中心に“大きなモンスター=カイジュウ”という認識が浸透しているので、ワールドワイドでカイジュウという名称で展開する予定です。
Q カイジュウを手懐けることはできますか?
A いまのところその予定はありませんが、Studio Wildcardとしては、ファンの要望にはできるだけ応えたいと思っているので、リリース後にファンからそういった要望があれば、キングカイジュウ以外の4種類はもしかすると手懐けられるようになるかもしれません。
Q カイジュウとの戦闘では、プレイヤーの拠点が踏みつぶされたりといったことも起こるのでしょうか?
A 4種類のカイジュウはそれぞれの特定のエリアに棲息しているのですが、キングカイジュウは全エリアをうろついているので、拠点が壊されることもあるかもしれません。丈夫な拠点を作ってください(笑)。
Q PVPでロボット対ロボットの戦闘は行えますか?
A 公式のサーバーではできませんが、レンタルサーバーではできます。この部分が『ARK: Survival Evolved』のユニークな部分だと思うのですが、レンタルサーバーではプレイヤーが独自の遊びを生み出すことができるんです。