求めるのは科学的根拠に基づいたリアリティー――志倉千代丸氏が語る『シュタインズ・ゲート』などの“科学アドベンチャー”の作りかたと未来

週刊ファミ通2018年9月27日号(2018年9月13日発売)の『シュタインズ・ゲート』特集に掲載された志倉千代丸氏のインタビュー。同インタビューの完全版をファミ通.comで特別に掲載。誌面では語られなかった話題はもちろん、なぜか写真満載でお届けします。

 『シュタインズ・ゲート エリート』の完成を記念して制作した、週刊ファミ通2018年9月27日号(2018年9月13日発売)の『シュタインズ・ゲート』特集。46ページにも及ぶボリュームでお届けした同特集で、志倉千代丸氏のインタビュー記事を7ページにわたり掲載した。しかし、7ページ使っても載せきれなかった話題もいくつかあったため、ファミ通.comで特別に志倉千代丸氏インタビューの完全版を公開する運びとなった。誌面を読んだ人もそうでない人も、ぜひ注目してほしい。また、志倉氏の写真を「これでもか!」と掲載したので、志倉氏のファンは超チェック。

プロフィール

志倉千代丸氏(しくらちよまる)

1980年代末からゲーム製作に携わる。『シュタインズ・ゲート』を代表とする科学アドベンチャーシリーズの企画・原作を務めるかたわら、人気の作詞・作曲家としても有名。さらに、ドワンゴ取締役なども務める実業家の顔も持ち、その非凡な才で、幅広い舞台で活躍を続ける。(文中は志倉)

ひねくれ者だからこそ無視できないリアリティー

――まずは科学アドベンチャーシリーズを作ろうと思ったきっかけから教えてください。

志倉 それには大前提として、僕が“ひねくれ者”であることをお伝えする必要があります。

――そんなところから(笑)。

志倉 とにかく僕は否定から入るクセがあって、リアリティーのない物語に感情移入ができないんです。物語のリアリティーとは科学的であることだと僕は思っていて、これはもう絶対に揺るがないんですよ。たとえば本来、ロボットものだったら根拠や理屈より、エンタメとして楽しめればいい世界設定のものが多いですよね。でも僕は、巨大ロボットが倒れたら、それはだいぶ高いビルが倒れたのと同じで、フルエアバックがないとパイロットの身を守れずに死ぬでしょ、とか思ってしまう。ほかにも、レバーやボタン操作だけで、どうやってこんなに複雑な挙動をさせられるんだと、いろいろ考えちゃうんです。だからロボットものを作ると、過去のロボット作品を否定するような形になってしまい、その結果『ロボティクス・ノーツ』のような「けっきょくできるのはポンコツだろう」というひねくれた答えにたどり着いてしまうわけです。それと“ラッキースケベ”(※1)もですね。主人公にフェロモンなど、女性を惹き寄せる何かがなければあり得ない、ということまで考えてしまう。現代のこの世界で起こる出来事に関しては、どうしても科学をおざなりにはしたくないし、科学的な根拠がないとつまらないと感じているので、しっかりした科学を根拠にしたアドベンチャーゲームを作ろうと思ったんです。そうした科学の説明をするうちに、僕の作品はTIPSがすごい量になってしまって(笑)。

※1:ラッキースケベ……偶発的に発生、遭遇した、ちょっとエッチなシチュエーション。

――確かに(笑)。いま話されたような部分が科学アドベンチャーの発想のもとになっているところですよね。たとえばラッキースケベ(的な妄想の具現化)を科学的に突き詰めていった先に『カオスヘッド』があったり。

志倉 ええ。ほかにも、僕がかつて作った、超太古の世界が舞台の『アイテムゲッター』というファンタジー作品でも、科学要素が出てきます。現代では超凄腕のプログラマーやハッカーのことを“ウィザード級”と言いますよね? その発想もあり、術式こそ違えど、ファンタジーの魔法ですらプログラムでできているんだという設定が、僕の中でのリアリティーだったんです。まぁ、これは大コケしたんですけど(笑)。

――(苦笑)。ちなみに、そんなリアリストな志倉さんに訊いてみたいのですが、タイムマシンは実際に作れると思いますか?

志倉 作れます。僕は『シュタインズ・ゲート』を生み出す過程で多くの資料や論文を読みあさり、解釈し、いつしか実際に時間超越を可能とする、とある理論に辿り着いてしまいました。ただ、ここでは言えません。なぜなら弊社には“機関”が……。あ、こういう冗談はいいですか(笑)。でも本当に作れるとは思っています。その僕の考えているロジックについて、ファミ通さんがもしご興味を持っていただけるなら、ぜひまた別の機会をください。ただしゲームの話は一切出てきませんが!

――検討させてください(笑)。もうひとつ、本題に入る前にお聞きしたいのですが、同じく志倉さんが手掛ける『オカルティック・ナイン』や『アノニマス・コード』も、扱いは科学アドベンチャーシリーズとしてもいいのでしょうか?

志倉 『オカルティック・ナイン』は、当時は科学アドベンチャーではない的な雰囲気を出していたのですが、けっきょくこれも“超常科学”なため、科学アドベンチャーシリーズということに変えました。『アノニマス・コード』もです。余談ですが『オカルティック・ナイン』は、アニメは評価していただいたものの、その後に出たゲームはアニメと内容がほぼ同じで、結末も主人公のその後が描かれなかったこともあって、ファンの皆さんに怒られたんです。実際、僕は以前にファミ通さんの取材で「アニメの終わりかたが気になるでしょう。これはゲームで補完されます」的なことを言いましたし、その準備もしていました。でも当時、現場では「いろいろ間に合わない。でも発売日のほうが重要で、延期はできないから発売!」と、発売を強行してしまうという、その判断に僕が気づけなくて。

――それは公言しても大丈夫なんですか?

志倉 もちろん。僕の言い訳にもなります(笑)。今度Nintendo Switchに移植するときには完全版を出しますが……。

――いま、さらっとNintendo Switch版の情報が飛び出した気がするのですが! NintendoSwitch版を開発中ということですね(笑)。

志倉 Nintendo Switchで出します! で、すでに発売中の他機種版を買っていただいた方には、追加部分のパッチを無料で出しますともアナウンス済みです。それも、もうちょっとでアナウンスから1年近くになりますね……。『アノニマス・コード』ともに、同時並行で多くの制作ラインが動いている都合もあり、お待たせしてたいへん申し訳ありませんが、絶賛取組中ですので、もう少しお待ちください。

目指したのは時間超越の全部入り。3つの核で形成された意欲作

――では、いよいよ話を『シュタインズ・ゲート』に移したいと思いますが、ここまで人気が出ることを予想していましたか?

志倉 僕個人としては、人気はぜんぜん出ていないと思っています。と言うのは、僕は社会現象クラスまでいって、初めて人気作品と呼べると思っていますから。たとえば僕の母や妹、その旦那はアニメをふだん見ないので、『シュタインズ・ゲート』を知らないんですよ。それって社会現象になっていないからなんです。実際、幅広い層に認知されている小林幸子さんに曲を提供したときは、母親から「お前すごいね。さっちゃんに曲を書いたんだって?」と褒められたりしましたが、『シュタインズ・ゲート』はそのレベルじゃない。これは謙虚ではなく、本気でそう思っているんですよ。ときどき美容室とかでアニメの話が出て、「最近は『シュタインズ・ゲート』を観ています」と言われて、「あ、それ僕が作りました」なんていう、うれしい瞬間もありますけどね(笑)。そうしたものとは違う意味でのうれしさで言うと、最初のXbox 360で発売したときに即50000本に達成して、そこからじわじわと口コミで広がっていったことです。口コミでの広がりは、“誰かが誰かにおもしろさを伝えたくなる作品”ということなので、そのじわ売れ感はすごくうれしかったですね。

――じわ売れしていく中で、ここで一気に売れたというタイミングはありましたか?

志倉 認知という意味では、『シュタインズ・ゲート』はアニメのタイミングでぐっと認知度が上がったので、やはりアニメの力はすごいなと思いましたね。ただ、売上はシリーズ全体で見れば段階的に少しずつじわ売れしていった感じなので、「ここで一気に売れた」というタイミングは、残念ながら味わっていないです。

――なるほど。ちなみに「当時、こうしておけばよかった」と思うことはありますか?

志倉 企画段階にあった、自分の携帯電話でゲームに介入するシステムを実装してもよかったかなと思いますね。“自分の携帯電話でゲームに介入できるインタラクティブ性を出せたら、アドベンチャーゲームとしては新しい”という考えが、企画段階の重要なポイントとしてあったんです。自分の携帯電話でデタラメな答えを打つと、オンライン上でつながっている紅莉栖に「ちゃんと打ちなさいよ」と怒られるみたいな。そうした要素を実装しつつ、“フォーントリガー”も盛り込めばいいんじゃないかとスタッフと話していたんですが、サーバーまわりとハードウェアの規約の問題で、開発に時間もかかりそうだったので、フォーントリガーだけの実装になって。ほかにもいくつか削った仕様がありますが、それらの中ではいちばん大きな要素ですね。それに、当時は『シュタインズ・ゲート』がここまで長く続くとは正直思っていなかったので、もし2~30000本売れただけの作品に対し、ずっとサーバーを準備しておくのもちょっとな、と。

――そんな『シュタインズ・ゲート』の魅力は、やはりその緻密に作り込まれたシナリオにあると思いますが、シナリオを作る際にこだわった部分や注意した部分はどんなところですか?

志倉 時間超越の作品を作るうえで、新たな要素も昔からある要素も入れた、“全部入り”をやりたいというこだわりはありました。タイムリープなら『時をかける少女』、タイムマシンなら『バック・トゥ・ザ・フューチャー』など、いくつも作品があるわけですが、僕らは“Dメール”、“タイムリープ”、“タイムマシン”の3つの核を全部入れようと。しかも、その3つはすべて物理学、ロジックによって構造が同じ、というのが最初の企画のテーマでした。カテゴリー的には物理学なんですけど、タイムリープは物理学だけでは説明できないということで脳科学も入ってきて、「いちばんこの世で速いものは何か?」と考えたときに出た答えがデータだったんです。データ化さえすれば光速に近づける、時間を超えられるんじゃないかと。そうした構成が、いちばんリアルに感じてもらえるためにこだわった部分ですね。科学的になぜそうなるのかという部分にキャラクターが苦悩するわけじゃないですか。その苦悩を乗り越えていく中でプレイヤーはキャラクターの心情を知り、物理や脳科学のことも学んで、知的好奇心が満たされていく。その感覚が、僕がいちばん大好きな“リアリティー”にあたるものです。もちろん、作品内で矛盾や破綻している部分もゼロではありませんが、そこは“99%の科学と1%のファンタジー”という、最初に僕がこのシリーズにつけたキャッチコピーにもあるように、ファンタジーだから許してほしいところが多少はありますね。

――たとえば岡部の“リーディングシュタイナー”(※2)は、ファンタジーになるのですか?

※2:リーディングシュタイナー……変動前の世界線の記憶を維持する能力のことを、岡部自身が名付けた。“運命探知の魔眼”と書く。

志倉 そうですね。だからフェイリスやルカ子が「ハッ」となる、プチリーディングシュタイナーのようなものが発動する場面は、ちょっとどうなんだと思ったこともあります。その矛盾を何とかなくしたいと思って作ったのが劇場版なんですよ。リーディングシュタイナーは、岡部以外の人も微弱ながら持っているもので、いわばデジャヴの拡大解釈なんです。皆さんも「この光景、どっかで見たぞ?」という既視感を覚えたことがあると思いますが、それこそがリーディングシュタイナーの正体。岡部の場合は「この光景見たぞ」という世界に行けちゃう=世界線の移動ができるほど、その能力に秀でているだけで。だから劇場版で、隣り合った世界線で残っている残留思念を引き継ぐ力=リーディングシュタイナーは、ある意味でゲームのプレイヤーの皆さんも微弱ながら持っている能力なんだ、と提示して。こういう、本編で科学的じゃないなと思っていた部分を、「本当はみんなが持っている能力だから」で着地させたかったんですね。

――ではなぜ岡部だけ、世界線を移動できるまでに強い能力を持っているのでしょう?

志倉 やはり、岡部の人を想う気持ちの強さがポイントでしょうね。岡部は自分を演じてでも誰かを守りたいという気持ちがものすごく強い人なんです。ただ、先ほども言ったように、ほかのキャラクターやユーザーの皆さんも力自体は持っている。だから、岡部のようなリーディングシュタイナーの力を持っている人がこの世にいないとも限らないですね。

――シナリオもそうですが、『シュタインズ・ゲート』はシリーズ楽曲がとても多いうえに、人気ですよね。作詞作曲の際は、どんなことを意識したり、想像して制作されていたのでしょう?

志倉 プレイヤーが作品を終えたときに初めて、歌に込めた、本当に伝えたかったこととの答え合わせができるような、あくまでも物語の一部であり伏線の集合体のような楽曲を目指して制作しています。僕の楽曲は“ネタバレソング”などと言われることも多いのですが、作品を遊ばずして実際にネタバレした例はないと断言できます。作品を知らない人にとって理解は難しく「恐らくこうだろう」という解釈や予想を裏切るようにしていますね。

――それぞれの楽曲に込められた想いなどもお聞かせいただけますか?

志倉 数が多すぎてすべての楽曲に込めた想いと言われると、さすがに答えきれません!(苦笑)。なので別の機会にぜひ、歴代科学シリーズの楽曲特集を組んでください(笑)。各楽曲ごとのテーマやメロディーに込めた想い、歌詞の中に隠された伏線など、いまだからこそ言えることは山ほどあるので、すべての楽曲に詰め込んだ想いを初公開します! これだけできっと10ページくらいいけますよ(笑)。とくに思い入れのある曲についても、その音楽特集ページで、選択した理由とともにお答えします!

――そのお話も聞いてみたいところではありますね。制作で苦労した曲なども、ファンは気になるでしょうし。

志倉 そうですね。ただ、楽曲に関しては、この曲が苦労したというより、毎回科学チームの音楽班から言われる「やっぱりサビはキャッチーで、ガツーンとインパクトが欲しいですね」という言葉に苦戦しています(笑)。

綿密に練られた設定と散りばめられた伏線&関連性

――科学アドベンチャーの作品はどんどん増えていますが、新エピソードが浮かんだとき、どのシリーズの物語にするか、それとも新作にするかは、どのように決めているのでしょう?

志倉 ひとつは発売時期を考えて、ですね。その中で、「いまみんなが興味を持ってないだろうけど、作品が発売されるころには興味津々だろう」というものを僕なりに考えています。たとえば『オカルティック・ナイン』なんかは、僕はもうちょっとオカルトブームが来ると思っていたというか、オカルト現象が科学的に解明されていく流れを見ていたつもりだったんですよ。ほかにも『シュタインズゲート・ゼロ』のときは人工知能だったり。自立性を持った人工知能が注目され始めるだろうという予言が2007年くらいにあったのですが、人工知能が発展したタイミングが、ちょうど『ゼロ』のテーマや開発時期とハマったりもしましたね。ちなみに僕は、昔から人工知能の自立性を意識していて、人工知能だけでひとつの科学アドベンチャーシリーズを作ってもいいかなと思っていたくらいです。少し脱線しますけど、人工知能と言うと、皆さん『ターミネーター』みたいなものを想像すると思いますが、人工知能とアンドロイド、ロボティクスはまったく別の分野なので、人工知能に人間が牛耳られる、という事態は起こりません。ただ、人工知能に自立性を持たせると、彼らは自分でどこまでもデジタルでの行動範囲や思考を拡張できてしまうんです。アマデウス紅莉栖だって、あのまま何十年、何百年と生きたら、どんどん変化が生まれます。アマデウス紅莉栖という存在があり続けること、これが果たして誰を豊かにし、誰のためになるのか? マスコットとして会話を続けることもできるけど、自立性を持つとまた違う世界が広がる……。そんなところまで考えて、作品を作っています。『シュタインズ・ゲート』を作るときにも、「これは1と0の物語なので、本編と『ゼロ』のふたつがあって初めて完結する」と考えていましたし。つぎに出る『ロボティクス・ノーツ DaSH』もダル視点で進むゲームになっていますが、これもソフトウェア専門のスーパーハッカーのダルが、どうやってハードウェアの知識を得たのかを描くためのものです。最終的にはタイムマシンができる未来があるかもしれない。『ロボティクス・ノーツ』の世界にダルが行き、そこでの経験によってタイムマシンのメカニックとしての“気づき”を得る=のちのちダルがタイムマシンを完成させることにつながるなど、科学アドベンチャーシリーズはそれぞれにうっすらと“つながり”がある。最初こそ『ロボティクス・ノーツ』はシリーズのプランになかったのですが、メカを学ぶシーンがないとダメだということで入ってきた感じです。『ロボティクス・ノーツ』でダルが種子島に渡ること、それもひとつの分岐点になっているわけです。

――そこまで細かく考えられていたんですね。ほかに考えながら作っていることには、どんなものがあるのでしょうか?

志倉 以前から、僕はいろいろなところで言っていますが、アドベンチャーゲームでいちばん大事なのはシナリオで、これがおもしろければ外すことはありません。そして、それと同等か、それ以上に重要なのがキャラクターの魅力。キャラクターの魅力と関係性、これが重要なポイントだと僕は思っています。

――関係性も重要だからこそ、ひとつの作品を作っている最中に、つぎの作品の展開のことも意識しながら制作しているのですか?

志倉 そうです。でも、僕は関係性をスタッフには共有しません。共有すると、みんな頭がこんがらがってしまうので。ある程度作品がまとまってきたところで、僕がつぎの作品につながる要素を入れていくんですよ。たとえばアニメ『ゼロ』の主題歌『ファティマ』は、『アノニマス・コード』に関係があります。

――『アノニマス・コード』の情報としては、“ファティマ第三の予言”というワードが既出です。

志倉 そうです。ほかにも、『アノニマス・コード』で描かれる世界は2036年~2038年。ちょうどディストピアとなった世界から鈴羽が過去に飛んでくる時期と同じです。また、今井麻美さんの新曲『World-Line』も、歌詞の最後で“world-layer”と言っているのですが、あれは世界線と世界層というのを英語で囁いているんですね。そうやって作品の中でもポツポツと入れ込んでいるネタや、物語の中では伏線と思えなかったものが、つぎの作品で回収されることも、シリーズのおもしろさだと思っています。ただ、ナンバリングタイトルだと思われると「『カオスヘッド』はやっていないから、第6弾とか無理」みたいに言われてしまうので、あまりそこはアピールしたくないんです(苦笑)。作品ひとつひとつで成立しているけれど、全部の作品を遊んでいるとちょっとおもしろさが増すかなと。だから『アノニマス・コード』もお楽しみに、という感じですね。

――ちなみに『アノニマス・コード』の情報に関して、音沙汰がなくなってしまいましたが、発売日はいつになるのでしょうか……?

志倉 ごめんなさい、それはちょっと……もう少しお待ちください……(ごにょごにょ)。本作は現在、多くの制作ラインが同時進行している中、もっとも時間を割いている作品ですので、ご期待ください!

――気長に待っています(笑)。『アノニマス・コード』関連でもうひとつお聞きしたいのですが、本作は発表時からシナリオにかなり手を加えているという噂を聞きました。シナリオはどれくらい完成しているのでしょうか?

志倉 マルチエンドなので完全には完成していません。ただしメインルートのシナリオは5回くらい完成し、現在6回目のループ状態に入っています。ループをテーマにした作品であるせいか、僕自身がループしている状態にハマっていましたね。ですが、そのループした回数ぶんが思考巡回の積み重ねとなって、シナリオとしてのおもしろさ、さまざまなトリックやミスリード、そして本作でもっとも肝心な“主人公の能力がセーブ&ロード”というギミックを完成させるにあたり必要なループだったようにも思います。もちろんキャラクターや背景などの素材周りは並行して動ける範囲で作業は進んでいます。