東京ゲームショウ2018では、国内初お目見えとなる『デビル メイ クライ 5』のプレイアブル出展やダンテの新情報などが発表された。その内容について詳細を語ってくれたインタビューの全貌をお届けしよう。

 東京ゲームショウ2018(以下、TGS2018)では、『デビル メイ クライ 5』ネロ編のプレイアブルが国内初出展され、ステージではダンテの実機プレイが世界初公開となった。さらに日本語キャスト(21日発表)などを含め、いろいろと気になるところを開発陣にうかがってきた。インタビュー応じていただけたのは、こちらのお三方。

伊津野英昭氏(いつの ひであき)

ディレクター

岡部眞輝氏(おかべ みちてる)

シニアプロデューサー

マシュー・ウォーカー氏

プロデューサー

――東京ゲームショウ2018では、国内初のプレイアブル出展となります。8月に開催されたgamescom 2018(※1)出展バージョンとの違いはあるのでしょうか?

※1……ドイツのケルンで毎年開催されている、ヨーロッパ最大規模のゲームイベント。

伊津野 デビルブレイカーに、パンチラインとバスターアームが追加されています。gamescom 2018ではふたつでしたが、こちらでは4つのデビルブレイカー楽しめますよ。

――では、これからTGS2018で試遊する人は、そのあたりも気にしてプレイしてもらうといいかもですね。

伊津野 短い試遊時間で4種類のデビルブレイカーをすべて使うのはたいへんだと思いますが、日本のユーザーさんならばできるかなと思い。

――今回もネロ編とのことですが、武器の追加以外は、gamescomで出展されてた範囲と同じでしょうか?

岡部 戦闘を1ヵ所省いてテンポを上げています。どうせなら皆さんにボスまでたどり着いてほしいので。やはりプレイしていただいた皆様にはボスを体験していただきたいですし。あと、追加されたバスターアームの攻撃力が高いので、進めやすくなっていると思いますよ。

――やはりボスのゴリアテ戦は体験してほしいんですね。

マット そうです。ちなみにgamescomでSランククリアーを達成した人は、ひとりかふたりしかいなかったんです。PAX(※2)ではふたりくらいです。なのでTGS2018では、ぜひそれ以上の方たちにSを出していただきたいです。

※2……アメリカやオーストラリアで行われる、ユーザーを対象にしたゲームイベント。

岡部 gamescomに比べると若干難度は下がってはいますが、Sランクを取るのは難しいのは変わらずなのでたいへんだと思います。予想は、1日にひとりふたり現れるかな? という感じです。何度もプレイすれば可能とは思いますが、一発勝負でのSクリアーは相当難しいと思いますよ。

――本作では新しいシステムもいろいろありますし、シリーズをプレイしていた人も手こずりそうですね。

マット でも、日本のファンならできると思うんですよ。僕は期待しています。

――Sクリアーを狙うために、一般日は2日とも来場して挑戦する人はいそうですね。

伊津野 gamescomやPAXでも、同じ人が何度も挑戦していた姿は見かけました。Sクリアーは、その方がされていました。

――ダンテの実機プレイがステージ上で初のお披露目となりました。ダンテの武器のアイデアはどのような発想から生まれたのでしょうか?

伊津野 まずバイクのキャバリエーレですが、ダンテの武器にはいつもテーマがあり“僕らが中高生くらいのときに憧れていたものを武器にしたい”という思いがあるんです。『DMC3』では、それが満場一致でギターだったと。そのときにバイクも候補にあったんですけど、あの時代はゲームに組み込むハード的な制約もあり実現が難しかったんです。レディが乗ってたバイクを、高所から落ちながらヌンチャクのように振り回す。“バイチャク”と呼んでいたのですが、それを実現できなくて。『DMC2』にもバイクネタがあって、バイクで戦闘するステージもあったのですが、いろいろな都合でボツになってしまい……。長かったですが、今回ついにバイクを武器にできるときが来ました。

――プレイしてみると、バイクで敵を轢いたり分離させて斬ったりと、どれも爽快感がありますね。

岡部 地上では、当たったのを確認してからつぎを入力すると攻撃が繋がっていくタイプの武器で、一発の破壊力が高い武器です。空中では逆に、バイチャクのようにバイクの推力を利用した軽快な武器になっています。かなり気合を入れて作った武器ですね。

――バイクを分離して両手に半分ずつ持ち振り回すアイデアは、どのように生まれたのですか?

伊津野 ダンテの場合は昔からなのですが、チーム全員から“カッコイイやつ募集”という意見を求めています。その中で『DMC2』から加わったアニメーターの人が、バイクをふたつに分けて車輪を武器にするようなものを絵に描いたんです。それを見て「これカッコイイ!」と。その1枚のイラストで決まり作り始めましたね。
マット イメージ的にはチェーンソーで戦ってる感じですね。

――確かに、見てみるとチェーンソーとは共通点がありますね。

伊津野 あとは草刈り機とか。バイクはチェーンソーと草刈り機を合わせたような武器ですね。わかりにくいですが(笑)。

――ふつうの人間は持ち上げられませんよね。まさにダンテならではの武器! という感じがします。

岡部 武器として使っているときも、アクセルを開けて推力を得られるんです。バイクの力も利用していて、少しダンテも振り回されるような動きになっていますね。

――ダンテには、ほかにも気になる武器がありましたね。

岡部 バルログと名付けた手と脚に装備する格闘武器があります。これはブロウ(パンチ)モードとキックモードをコマンドで切り換えて戦えるのが特徴ですね。キックモードは破壊力があり、ブロウモードは素早く連打できると。このふたつのモードを、特定の技を出すことで切り換えながら戦えるんです。少しわかりにくいですが『ストリートファイターZERO』シリーズの元を想像してもらえればなと。

――バイクも驚きましたが、バルログも楽しそうですね。試遊では、このふたつに注目というところでしょうか。ちなみに、gamescomではオートマチックアシストを使わずにプレイしたので今回使ってみたんですが、メチャメチャ便利ですね。武器も自動で切り換えてくれるので、「こういう戦いかたもあるのか」と勉強になるところもあります。

伊津野 オートと聞くとゲームをよくプレイされる方ほど「初心者向け?」と敬遠してしまいがちですが、本作のオートマチックアシストは本当に便利なので、まず最初は使ってみていただきたいですね。

――オートアシストのときに、コンボの途中にも武器を切り換えていたんですよ。「コンボ中にも切り換えられるんだ」という新しい発見もありました。

伊津野 ダンテはネロと差別化させていて、すごく忙しいキャラクターになっています。武器をガンガン切り換えながら戦うスタイルですね。それをいきなり自分だけで制御するのは難しい。そこでオートマチックアシストが役立つんです。そして、「ここはこう攻撃したかったな」と思うようになってきたら操作に慣れてきた証拠なんです。それまでの助けとしてオートマチックアシストを使ってもらえたらうれしいですね。

――L3ボタンを長押しすると、つぎの目的地にカメラが自動で向いてくれるのがすごく便利だと感じました。これなら迷子にならずに済みそうです。これはシリーズでは初ですよね?

伊津野 そうですね。でも、これを使われたらゲームデザイナーとして負けだとも思っているんです。自然に行きたくなる方向に行けば先に進めるマップ作りが目標なので、そうそう迷うことはないかと。

――どうしても「あっちにはなにがあるんだろう?」など寄り道した後などに使うかもしれませんね。

マット それはありそうです。そして少し道を外れると、当初進もうとしていた道を見失ってしまったり。本作は謎解きなどもありますが、やはりアクションゲームとして楽しんでもらいたいのがいちばんなので、そのあたりの意識は下げようと思い今回のシステムを導入しました。もちろん、それを使ったからといってペナルティーがあるようにはしません。

――時間が限られている試遊では、とくに親切なシステムだと思います。「迷ったらL3ボタン長押し」これを覚えておけばバッチリですね。あと、地形がどんどん変化していく演出も驚きました。

伊津野 広いマップの構造変化もロードなしで行えるようになったので、これはハードの進化のおかげです。

――確かにロードがないのも快適ですね。話は変わりますが、今回初公開となる、ダンテ編で戦ったボスについてお聞かせください。

伊津野 ボスの名前はキャバリエーレアンジェロと言います。アンジェロとを聞いてピンときた方もいるかもしれませんが、第1作で登場したムンドゥスの作った忘れ形見という設定ですね。このボスは不完全な存在で、拠り所がないと機能しないんです。ですが、拠り所を見つけると、かなりパワフルな悪魔になりますよ。

――どのような形状なのでしょうか?

伊津野 コウモリの羽根のようなものをマントのように展開し、それを盾代わりにしてこちらの攻撃を防いできます。電撃をまとってガードする力を高めてるので、まずは電撃を剥がしてからガードを解かせて攻めていく必要があります。行動パターンがはっきりしているので、しっかり動きを観察すれば倒しやすいボスではあるのですが、闇雲に戦っていたらまず勝てないでしょうね。

――試遊させていただいたときは、調子に乗って攻撃しまくっていたら反撃を食らってやられました。

伊津野 反撃できるタイミングを見極めるのは、人によっては時間がかかると思いますが、確実に倒せるようになりますよ。あと、じつは何回もコンテニューできるんです。

――これはアクションゲームが苦手な人にとってはうれしい仕様ですね。

伊津野 ただ、コンテニューをくり返すと値上がりするんですよ、必要なオーブの数が。しかも難度が高いほど値上がり幅も大きいんです。でも衝撃だと思いますよ、コンテニューでレッドオーブを使うのは。ちなみに本作ではレッドオーブを購入することも出来るようにしています。「やり込んでレッドオーブを貯める、その間に自然にプレイヤーも上達して難関が突破できる」と言ったサイクルを考えていますが、その他に「早く先に進みたい」と感じるプレイヤーに向けての選択肢を増やしました。といってもアーケードゲームでコンティニューする感覚と変わらない感じの価格設定になる予定です。

――コンテニュー前提でレッドオーブをたくさん集めるか、自分の力で倒すか、という感じですか。

伊津野 コンテニュー以外では、これまでのように直前のチェックポイントからやり直したり、ミッションを最初からやり直すか、いずれかを選ぶことはできます。Sクリアーを狙う場合はミッションを最初からやり直すなど、プレイヤーの目的によって使い分けていらだければいいかなと。あと、気づいた人もいるかもしれませんが本作はアイテムで体力を回復できないんです。その代わりにゲームオーバー時の選択肢を増やしたという感じですね。

岡部 あとコンテニューにも種類があって、少量のレッドオーブで復活すると体力が微量しか回復しませんが、体力が完全回復する方法もあります。

――つまり「ボス倒す直前だったのに!」というような状況では、回復する体力が微量でも少量のレッドオーブで復活しよう、というような使い分けですか?

伊津野 そのような感じですね。「この状況はどっちで復活するべきか?」と悩むわけです。

――クリアーランクは気にせずエンディングまで進みたい、というユーザーにはとくにうれしいシステムですね。『DMC』シリーズはガチなアクションゲームという印象が強いだけに意外でした。

伊津野 今回はシリーズをプレイされていない方でも映像を見てプレイしてくれるかな、と感じたので。そのような方たちが挫折しないように、というところは意識しました。どなたにも楽しんでもらうのがいちばんですね。

3人目の正体は……?

――これまで謎とされてきた、メインビジュアルに映っている3人目のプレイアブルキャラクターの正体も気になります。

伊津野 彼は“謎の男 V”ですね。

――え、それが名前なんですか?

伊津野 彼がゲーム内で、「Vと呼んでくれ」と言って登場するんですよ。

マット 最新のトレーラーを観ていただければわかるのですが、ダンテへ仕事を依頼した人物がVなんですよ。

――そうなんですね! あと彼の複雑な模様の入れ墨(?)も気になります。ニコも似たような入れ墨をしていますが、ここもなにか関係が?

伊津野 そのあたりはお楽しみにということで(笑)。

――わかりました(笑)。では、謎の男 Vの誕生秘話などをお聞かせください。

伊津野 ダンテやネロとは対照的なキャラクターにしたいということで、痩せ型で文系的な雰囲気を漂わす人物に決まりました。

――ダンテ、ネロとまったく異なるので、彼がどのような戦いをするのかが気になります。

伊津野 見た目もそうですが、戦いかたもダンテやネロとはまったく異なるキャラクターになります。初めて見たときはビックリすると思いますよ。

岡部 そうですね。これまでにないキャラクターだったので、いちばん苦労したかな。

――とても楽しみなキャラクターですね。ちなみにTGS2018ではネロ編をプレイアブル出展しつつ、初日のステージでダンテ情報が発表されました。日本語キャストの発表は明日ですよね?

伊津野 そうですね。こちらも楽しみにしていただければと思います。

――ダンテ役の声優は森川智之さんと発表されました。これまで通り、という感じですね。

伊津野 森川さんは、いつもの森川さんがすごくダンテのイメージに近いんですよ。なので、今回に限らず収録のときには「ふだんどおりの森川さんで大丈夫ですよ」とお願いしています。

――ほかのキャストについても発表されましたね。

伊津野 ネロ役は石川界人さんですね。『DMC4 スペシャルエディション』の収録から、ネロと同じように年齢を重ねて石川さんの演技も大人の男性寄りになっているのが印象的でした。

マット 日本語キャストで個人的に印象的なのはニコですね。

伊津野 ニコ役はLynnさんという方にお願いしました。

マット うん、すごくいい。伊津野の趣味も入っていますが。

伊津野 彼女を採用した理由は、僕の“ひと耳惚れ”ですね。いつか彼女の声をあててほしいと思っていたんです。

――Lynnさんは、いろいろな作品でも声を当てていらっしゃいますよね。

伊津野 Lynnさん、すごく勉強家なんですよ。おかげさまで収録もスムーズに進みました。

――ニコの口調は、少し荒っぽいというか難しそうなイメージがあります。クルマを運転しながら悪態をつくなど……。すごくたいへんそうな収録だなと感じました。

伊津野 そのようなイメージですね。ですが、前提としてかわいくないとダメなんです。みんなに愛されるキャラクターになってほしかったので。トリッシュ、レディ、キリエたちとは違うヒロインとして入れたかったんです。ちょっと不良ぽい感じの女性とうまくやっていきたい気持ちってあるじゃないですか。そういう憧れを具現化したかったと言えばわかりやすいかな。

マット そうですね。

――ちなみに謎の男 V役の方は?

伊津野 内山昂輝さんですね。彼を採用した理由は、ずばり“声”です。オーディションを行って、謎の男 Vのイメージに合う彼を選びました。英語版の方とは少し雰囲気は違うんですけど、華奢だけど強い意志を持っている声と言いますか。言葉では伝えにくいですが、すごく上手なんです。ダンテ、ネロとはまったく違うカッコよさがありますね。

――いま発表されている方々だけでも、豪華な顔ぶれですね。

伊津野 今回初登場するキャラクターはニコと謎の男 Vで、残りのキャラクターはシリーズからの引継ぎなんですよね。アニメ版『DMC』が豪華な声優陣だったので、その流れです。

――収録のほうは、もうすべて終わっているのでしょうか?

伊津野 はい。おかげさまで収録はすべて終わりました。

――いろいろと新情報が出てきて、3月の発売が待ち遠しくなってきました。

岡部 今回は日本語版のトレーラーを作っているので、こちらもぜひご覧になってください。

――楽しみにしています。では最後に、これからTGS2018に来場する方、トレーラーを観るファンの方に、ひと言ずつお願いします。

マット ついに日本で『DMC5』に触れることができます。プレイされる皆さん、ぜひSランククリアーを目指してがんばってください!

岡部 TGS2018開催のタイミングで、『DMC5』の予約も開始しました。試遊していただければ購入を即決してもらえるくらい作品になっていると思いますので、面白いと感じていただけたら、ぜひ予約をお願いします。

伊津野 TGS2018での試遊版は、gamescomやPAXとは違う、新しいものになってます。日本語と英語を開始前に選べるようにもなっているので、お好みのほうでお楽しみください。あと最後にワンポイント攻略を。バスターアームは、ボスがダウンしているときにしか効きません。ボスのパターンを覚えて、ボスがダウンする直前にバスターアームに切り換えるといった、スタイリッシュな戦いを目指してがんばってください!