2018年9月20日〜23日まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2018(20日・21日はビジネスデイ)。開催初日の9月20日には、近年の日本の家庭用ゲーム産業の発展に寄与された人物若しくは、団体を対象に選考、表彰を行う“経済産業大臣賞”と、2017年4月1日から2018年3月31日のあいだに日本国内でリリースされた作品を対象に選考、表彰を行う“年間作品部門”の発表・表彰式が行われた。司会進行は、毎年の同表彰式でおなじみの伊集院光氏が担当。
続けて、ゲーム産業の発展に寄与した人物などを表彰する日本ゲーム大賞2018 経済産業大臣賞を発表。同章には、“Nintendo Switch 開発チーム”が選出された。選考理由は、“いつでも、どこでも、誰とでも”というニンテンドースイッチの斬新性、非常に早い速度での普及台数の増加によるムーブメントの創造など、飽くなきゲームの可能性を追求する姿勢と驚異的な実績が評価されてのもの。
受賞式のステージには、任天堂で執行役員企画制作本部副本部長を務める小泉歓晃氏が登壇。小泉氏は、「開発チームに対してこの賞をいただきましたが、スイッチは開発だけでなく、さまざまな人の協力があって生まれたものです。この場を借りて、協力してくれたすべての方にお礼を申し上げます」と、受賞のよろこびを語っていた。
経済産業大臣賞に続いて、海外市場において最も高い評価を得た作品に贈られる“グローバル賞”を発表。日本作品部門は、ニンテンドースイッチ用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が、海外作品部門は第二次世界大戦の戦いを描いた『コール オブ デューティ ワールドウォーII』が受賞を果たした。
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(任天堂)
『コール オブ デューティ ワールドウォーII』(ACTIVISION / SLEDGEHAMMER GAMES)
続けて、日本国内でもっとも多い本数を売り上げた作品に贈られる“ベストセールス賞”を発表。国民的RPGの最新作としてPS4、ニンテンドー3DSのマルチプラットフォームで発売された『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』が受賞。シリーズのシナリオ・ゲームデザインを手掛ける堀井雄二氏は、「『ドラゴンクエスト』として、めずらしく2機種同時発売となりましたが、『ドラゴンクエスト』なら買ってくれるという人がいたり、両方買ってくれる人もいたりして、300万本を突破しました。本当にありがとうございます」とコメント。いっしょに登壇したディレクターの内川毅氏も、「最初にPS4とニンテンドー3DSで出すという話を聞いたときは、あまりの破天荒振りに驚かされましたが、堀井さんといっしょに最期までやりきることができてよかったです」と、開発時のエピソードを披露していた。
『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』(スクウェア・エニックス)
つぎに、日本を代表する12名のクリエイターが選出する“ゲームデザイナーズ大賞”。ステージには審査員長を務める桜井政博氏が登壇。「(受賞作品については)おそらく、この中でも知っている人は2割程度だと思います。でも、複数人の審査員がこの作品に投票し、見事1位になりました」と新感覚のパズルゲーム『Gorogoa』を発表した。
「ゲームデザイナーズ大賞は今年で9年目になりますが、これまでは海外のインディー作品が選ばれることが多くありました。でも、いまインディー向けのプラットフォームはレッドオーシャン(競争が激しい市場)になってきており、単純なアイデアの作品というだけでは厳しくなってきています。そんな中で、考えれば考えるほどどうやって設計したのかわからないのが、『Gorogoa』です。気になる人は、ぜひ遊んでみてください」と、桜井氏は独創的なゲームデザインの秀逸さを褒めていた。
『Gorogoa』(Annaaurna Interactive)
ここからは、2017年4月1日から2018年3月31日のあいだに国内発売された作品の中から、一般投票と日本ゲーム大賞選考委員会による審査を経て選出された、“日本ゲーム大賞2018 優秀賞”の11作品が紹介されていった。
“日本ゲーム大賞2018”の優秀賞作品が紹介されたところで、最後に年間を代表する作品に与えられる大賞を発表。栄えある大賞には、『モンスターハンター:ワールド』が選ばれた。受賞理由は、従来のファンのみならず新たなユーザーからも支持を受けており、ハードの性能をフルに活かした新たなチャレンジに対して、多くの賞賛の声が寄せられたことによるもの。
『モンスターハンター:ワールド』(カプコン)
ステージにはプロデューサーの辻本良三氏、エグゼクティブディレクター/ アートディレクターの藤岡要氏、ディレクターの徳田優也氏の3名が登壇。辻本氏は辻本氏は「本作は規模が非常に大きかったので、発売するまで本当に楽しんでもらえるのか、不安でした。でも今回、皆さまに評価していただき、このような賞をいただけて本当にうれしいです」と、年間を代表する作品賞大賞受賞のよろこびを語っていた。