2018年9月20日から9月23日まで、千葉の幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2018(20~21日はビジネスデイ)。この記事では、ディースリー・パブリッシャーブースで試遊できる『EARTH DEFENSE FORCE: IRON RAIN(アース ディフェンス フォース アイアン レイン)』(以下、『EDF:IR』)のプレイリポートをお届けする。
『EDF:IR』は、2017年に発表された作品で、じつは東京ゲームショウ2017でもすでに試遊できていたタイトルだ。地球の平和を脅かす侵略者たちと戦う『地球防衛軍』シリーズのコンセプトは保持しつつ、ナンバリングとは異なる制作会社のユークスが手掛け“もうひとつの『地球防衛軍』”として、新たな敵との戦いやアクションが楽しめる。
東京ゲームショウ2018の試遊台では、昨年のTGS2017で使えた“トルーパー”、“ジェットリフター”のほか、新たに公開された第3の機動歩兵“ヘビーストライカー”の操作や、巨大怪獣ベイザルと戦える任務が楽しめると聞いていたので、さっそく試遊してきた。
ヘビーストライカーの特徴を簡単に説明すると、以下のようになる。
- 2基のエナジーコアを搭載し、機動歩兵“トルーパー”の約3倍の出力を実現
- 前方に電磁バリア“E-フィールド”を展開可能
- 両手で扱うような重火器を片手で持ち、2丁同時に使える
- ブーストを吹かして地面を高速で移動できる
これだけ聞くと「強い! ほかのPAギアはいらないのでは?」とまで思うかもしれないが、もちろん完全無欠ではなく、弱点もある。
というのは、重武装のためか単純な移動はかなり遅く、小回りが効かない点だ。ブーストを吹かせば確かに素早く移動はできるが、ブースト中はエネルギーを消費するので、使い続けることも難しい。
強力な火力を誇る武器は、反面、リロードに膨大な時間がかかるものもあるため、何もできない時間が生まれる場面も出てくる。とっつきにくいが、使いこなせれば高火力……そういう意味では、『地球防衛軍5』の“フェンサー”に近い感覚のPAギアだと言えるだろう。
実際に触ってみた結果、超強力な長所と、エネルギー切れを起こすと絶望的なまでに弱体化する短所を持つ、かなりピーキーな性能だと感じた。テクニカルな操作や残弾管理を楽しみたいという人は、使っていていちばんおもしろい歩兵だと思う。
とにかくエネルギーの管理が大切で、それさえうまくできれば、超火力に前方の攻撃を無力化する絶対防壁“E-フィールド”(ブーストとも並行して使える)などのおかげで、侵略者アグレッサーたちを相手に優位な立ち回りが楽しめるはず!
筆者のように「おっ、ブースト移動はやーい! 馬鹿め、フィールドのおかげで貴様らの飛び道具など利かん!」と、調子に乗ってエネルギー管理をずさんにして突撃すると、途端に“プスン!”といった感じで、エネルギー切れが起こる。
すると、それらの強力な能力は長時間使用不可能になり、後には巨大生物に囲まれた鈍重な棺桶が残るのみだ。幸いにも本作では回復アイテムを携行できるので、L1ボタンでアイテムをドカ食いしながら強引に逃げることはできたが、何とも恥ずかしい気持ちに。
ちなみに、主人公は右スティックと左スティックを同時に押し込むことで使える“オーバードライブ”という、一定時間すべての能力が上昇する特殊能力を持っている。
このオーバードライブ中は、たとえばトルーパーなら“E-ダッジ”と呼ばれる短距離高速ステップが無限になるなど、うまく使えば強敵相手に有利に立ち回れるので、ミッションや兵科ごとに効果的な使いどころを考えるのも楽しそうだ。
こまでも絶望しかない凶悪ミッション
ベイザルが登場するミッションも遊んでみた。任務開始時に精鋭の“ブラスト小隊”がいたので安心していたのだが、その安心は1分も持たずに焦燥に変わることに。
何とこのミッション、ベイザルだけでなく、殺る気満々といった感じのサソリ型アグレッサーのデスストーカーやボムビートルが大挙して押し寄せてくるのだ。奴らは分厚いハサミで正面からの銃撃を防御してくるので、思った以上に固い。生意気な。
ボムビートルは至近距離で倒してしまうと、体内のガスが爆発してダメージを受けてしまう。かといってそれらに気を取られすぎていると、ベイザルの吐くプラズマでなぎ払われたり、突進で吹っ飛ばされたりして大打撃を受けて……と踏んだり蹴ったり。
頼みの綱のブラスト小隊も防戦一方、よく見るとEDFと対立している地下組織“カインドレッド・レベリオン”もエナジージェムの火事場泥棒をしに戦場でちょっかいを出してきている……。
極めつけは、人類が7年前に倒したはずだという敵の母船、ハイヴクラフトまで現れ、カオスな状況に。さらに言うなら、何かカインドレッド・レベリオンの連中の中には、アリを操っているっぽい奴までいる。任務内容もそうだが、物語や彼らの情勢まで気になる、いい意味で“盛りすぎ”感の強いステージだった。
『EDF:IR』は何だか不思議な作品だ。『地球防衛軍』シリーズの基本的な動きやコツはある程度流用できるため、ひねくれた人なら「タイトル変えただけで実質『地球防衛軍6』みたいなもの」と思うかもしれない。
だが、実際に遊ぶと、異なる操作性とアクション、全体の絵作りから感じる雰囲気が違うこともあり、ナンバリングタイトルとの“差”をきちんと感じられる。『地球防衛軍』が多少コミカルな雰囲気を感じるのに対し、こちらはシリアスに寄せたことが大きな理由だろうか。
確実に言えるのは、どちらの作品も根っこの部分のおもしろさは変わらないということ。百聞は一見に如かずとも言うし、ゲームショウに遊びに行ける人は、ぜひとも自分でこの新機軸の『EDF:IR』を体感してほしい!