東京ゲームショウ2018に出展中の、期待のプレイステーション4用新作タイトル『アッシュと魔法の筆』。本作のクリエイティブディレクターによる、実際のプレイを交えたプレゼンテーションの模様をリポートしよう。

魔法の筆で町再生!? 『アッシュ』の世界とは?

 2018年9月20日(木)から9月23日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2018。その会期中に実施された、PS4期待の新作タイトル『アッシュの魔法の筆』のプレゼンテーションの模様をリポートする。本作は、描いたものに命を宿す不思議な絵筆を持ったアッシュが、さびれた港町で起こす奇跡を描くアクションアドベンチャーだ。ほこりが舞う薄暗い街並みと、壁に描かれた色鮮やかな落書きの対比が印象的な世界で、はたしてどんな冒険が描かれるのか?
 プレゼンテーションでは、東京ゲームショウに合わせて来日した本作のクリエイティブディレクター、ドミニク・ロビリヤード氏(以下:ドミニク氏)が、直々にプレイしながら、本作の魅力をアピールしてくれた。

【2018年9月26日16時:ドミニク氏のお名前の表記に誤りがあったため修正しました。読者並びに関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びします。】

『アッシュと魔法の筆』 TGSトレーラー

クリエイティブディレクター、ドミニク・ロビリヤール氏。着ているTシャツは、開発スタッフが内部で作った『アッシュと魔法の筆』のオリジナルTシャツ。3色の“かいぶつ”が確認できる。

いじめっ子から逃げるステルス要素も

 最初に説明されたのは、本作の物語について。ドミニク氏によると、主人公アッシュはいじめっ子たちに破られたスケッチブックのページを集めるために、港町を探索。ページを拾うごとに、ペインティングのスキル(手法)が増えていき、絵で描けることが増えていく。いじめっ子たちは、アッシュを見つけると絵筆を奪って隠すなどのイジワルをしてくるため、彼らを避けながら街を移動するステルス要素も、本作の魅力のひとつとのこと。

舞台となる港町は、かつては活気あふれていたが、災害によって誰も住まない村となり、いたずら好きな子どもたちのアジトに。
いじめっ子から逃げるため、屋根の上を移動するパルクールアクションや、ワイヤーにぶら下がり向こう側に移動するジップラインアクションもある。

そもそも絵って簡単に描けるの?

 そしてゲームは本作のキモの部分、絵を描く場面に。デュアルショックを上下左右に軽く動かし始めたドミニク氏。絵筆の動きは、デュアルショック内蔵のモーションセンサーに対応しており、R2ボタンを押しながらコントローラを動かすことで、ゲーム内の壁につぎつぎと絵が描かれていく。絵はウインドウ表示されるパーツから、描きたいパーツを選び、位置や大きさ、そしてパーツの組み合わせを自由かつ感覚的にプレイヤーが決めていく形だ。ドミニク氏の「絵心がない人でも、誰でもキレイな絵が描けるのが魅力です」の言葉の通り、壁には美しい絵があっという間に完成。本作のお絵描きアクションの敷居の低さを、氏は力説した。また、アッシュが描く絵は、大きく“景色”と“かいぶつ”のふたつに分けられ、それぞれ描ける場所や効果が違うとのこと。

絵筆で描く、パーツやアイテムの長さや大小を、R2ボタンを押した長さで調整していく。
太陽を描くと、草の先が明るくなるなど、演出も細かい!

“かいぶつ”という名だけど、かわいいかも!?

“かいぶつ”を描くドミニク氏。アッシュのパートナーでもある“かいぶつ”は、プレイヤーが描く形や使う色によって、外見はもちろん、性格や使用できるパワーが異なってくると言う。さらに、「“かいぶつ”はAIで制御されており、謎解きを手伝ったり、遊んでくれたり、絵のリクエストをしてきたりします。“かいぶつ”とのコミュニケーションや、それによって深まる関係性も、本作のおもしろさです」とドミニク氏。今回のプレゼンでは、実際に描いた赤い“かいぶつ”とやり取りしながら、“かいぶつ”の持つ炎の力で行く手を阻む障害物を燃やすという謎解きを見せてくれた。途中、壁の中を移動する“かいぶつ”が、アッシュに遊んでくれとアピールしたり(ここでは壁に蝶々を描いて対応)、ご機嫌になると特別な絵などを描けるスーパーペイントというアイテムをくれたりと、絵というより、完全に意思を持った生き物という感じだ。蝶々で遊んだりする姿や、くねくねした動きを含め、本作の“かいぶつ”たちはキュートという言葉が似合いそう。

町の中には使われてない電球が残されていて、電球がある壁に絵を描くことで、明かりがともる仕組みになっている。電球の明かりで町を明るくしていくのが、ステージの目的に。

 さらに、続いて2体の“かいぶつ”を使った謎解きも公開。ドミニク氏が2体の“かいぶつ”を描いたのだが、体を横長に描くと4足歩行の“かいぶつ”に、縦に長く描くと2足歩行の“かいぶつ”にそれぞれなった。プレイヤーの描く体の形で、“かいぶつ”の歩行形態が自動的に変化するとのこと。また、尻尾や角などのパーツも、角から角を生やすなど、複数を自由に組合せて使えるようだ。できた“かいぶつ”が歌を歌いだすと、「この“かいぶつ”は目立ちたがり屋です」と紹介。そんな愛らしい“かいぶつ”たちのリクエストに応じながら謎を解くドミニク氏だが、「ゲーム中で、リクエストされたパーツをどう使うか、どこに置くかは重要ですが、“かいぶつ”たちの絵のリクエストはあくまで“提案”なので、描かなくてもクリアーできます。プレイヤーそれぞれが、自分の個性を出した絵を描いてほしいですね」と言いながら壁に大作を描き、今回のデモプレイを終えた。

デモプレイ後の質疑応答

 デモプレイ終了後は、取材陣からの質問に答える形で、本作の情報が語られていった。その内容は以下の通り。

――一度書いた絵は消したり、描き直しはできますか?
ドミニク氏 “かいぶつ”は一度作ったら描き直しはできませんが、ほかの絵は描き直しはできます。

――“かいぶつ”の色は何種類ありますか?
ドミニク氏 現在3色まで明らかになっています。黄色い“かいぶつ”は電気のパワーを持っています。

――“かいぶつ”の移動は“壁だけ”なのでしょうか? 壁の外から出ることはないのですか?
ドミニク氏 現時点では答えられません。

――ゲームの目的は?
ドミニク氏 前半は町の中の重要な場所に絵を描いて活気をよみがえらせることですが、後半になっていくにつれ、違う目的が出てきます。現時点では詳しく言うことはできませんが、期待してください。また、前半もステージによって謎解きやインタラクションが異なるので、プレイ感は変わってきます。

――絵を描ける場所は決まっていますか?
ドミニク氏 地面には描けませんが、壁ならどの壁でも描けます。上った屋根にある煙突などにも描けます。また、今回使った絵筆は1ページ分しかパーツがありませんでしたが、最終的に100パーツくらい入れる予定です。“かいぶつ”を含め描ける絵はもっと増えていきますよ。

――絵のパーツですが、今回のプレイだと、太陽とか木と草など、自然由来の物ばかりでしたが、ほかにも種類あるのでしょうか?
ドミニク氏 ほかにもファンタジーっぽいパーツなどもあります。ただ、本作のテーマが、町をよみがえらせる、命を宿らせるというものなので、基本的にはオーガニックなパーツにフォーカスしてパーツを選んでいます。

――実際に手で描く機能はあるのでしょうか?
ドミニク氏 ブラシのパーツによりますが、手書きのように扱えるパーツも用意しています。

――舞台を港町にした理由は?
ドミニク氏 さびれた漁港を舞台に選んだのは、本作のデザイナーの中に漁港出身の人がいて、彼は工業化とともに町に活気が失われ、貧しくなって町全体が暗くなってしまったことを実際に体験していたんです。そして、私はイギリスのブリストルという町出身なのですが、そこでは元気がなくなった街をアートで蘇らせようという運動を行っています。そのふたりの気持ち、思いを、ゲームで合わせた感じです。

――本作のテーマは?
ドミニク氏 大人たちがいなくなった町をよみがえらせるのがメインストーリーではなく、ほかの子どもたちにいじめられている主人公アッシュが、ゲームを進めることで成長していく姿も描いていきます。いじめっ子との関係が変化していくのを、町の再生と平行に見せていきたいと思ってます。

――英語のタイトル『コンクリートジーニ―』の意味は?
ドミニク氏 ジーニーの由来は『アラジンの魔法の笛』のランプの怪人“ジーニー”です。“怪人”はランプをこすると出てきますが、“かいぶつ”は壁をこすると出てくる。コンクリートとは、アッシュが絵を描ける“壁”のことです。

広報担当者からの補足:海外だと“ジーニー”だけで“かいぶつ”の持つニュアンスが通じるのですが、日本では『アラジンと魔法のランプ』のランプの怪人自体は知られていても、彼の“ジーニー”という名前までは、あまり知られてないので、邦題は変更しました。

――本作を楽しみにしている人に一言お願いします。
ドミニク氏 海外及び日本も含め、ユーザーのリアクションが非常にポジティブなモノが多かったのが予想外でした。ユーザーの期待が高いと知って、もっともっと働こう、力を入れようという気持ちになりました。これからさらに頑張りますので、期待してください。