2018年9月20日〜23日まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2018(20日・21日はビジネスデイ)。さまざまな新作・話題作の試遊が行われているプレイステーションブースの一角に、2019年2月22日に発売が予定されている『Days Gone』の試遊コーナーが世界初出展されていた。
『Daze Gone』は、広大なオープンフィールドの中で襲いくるさまざまな脅威から、時には身を潜め、時には戦いながら、生き残るための道を探していくという、ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイド・スタジオが手掛ける、オープンワールド・サバイバル・アクションゲームとなっている。
本作の舞台は、パンデミックによって人間社会が崩壊し、人口が激減したアメリカの西海岸北西部。プレイヤーは、荒廃した世界の中で生き残る理由を探して旅を続ける賞金稼ぎの“ディーコン・セントジョン”となり、思考を持たず、本能の赴くままに行動する驚異の存在となったウイルス感染者“フリーカー”や、パンデミックから生き残った人間たちとの争いや困難を乗り越えていくことになる。
今回の東京ゲームショウ2018には、本作の物語の一部分を体験できる“ストーリーモード”と、襲い来る敵の大群の殲滅を目指す“フリーカーモード”の、ふたつのモードが用意されていた。体験プレイの前には、ブリーフィングルームのようなところで操作説明を紹介する数分間の動画を視聴。その後、試遊席に移動していずれかのモードのプレイが始まる流れとなっていた。試遊プレイの時間は15分間。
“ストーリーモード”は、難度が低めに設定されており、敵の数もそれほど多くないために初めてのプレイには最適で、なおかつ本作の主人公のディーコンと相棒とのやりとりを見ながら、探索や戦闘といったゲームの流れを体験できるものとなっている。
試遊版のステージは、広大な自然が見渡せる、廃墟と化した田舎町が舞台。ディーコンとその相棒(NPC)が、旅で使用するバイクを修理するためにフリーカーがうようよとしている中、廃墟にあるガレージから燃料ポンプを見つけ出す、といったもの。
“フリーカーモード”は、おびただしい数のフリーカーを相手に身を守りながら、殲滅を目指すというもの。これまでのゾンビ系作品でもほとんど見られないような、大量の感染者たちが一斉に襲いかかってくる迫力は相当なもので、プレイヤーに向かって、文字通り雪崩のように襲いかかってくる。一見するとほとんど無理ゲーといってもいいほどだが、ステージ中には燃料入りのドラム缶や、積み上げられた材木など、うまく利用すれば的を一網打尽にできる仕掛けも用意されている。
限られた時間ながら、所見だったのでまずは“ストーリーモード”をプレイ。このモードの目的は前述の通り、バイクの修理に必要な“燃料ポンプ”を見つけ出すこと。廃墟と化した町の中心部に、ガソリンスタンドのような建物があり、目的の品はその中にありそうだとのことで、さっそく潜入開始。
そこかしこにフリーカーたちの姿を見ることができるものの、むやみやたらと襲いかかってくるわけでもなく、遠巻きに様子を見ながらであれば、比較的自由な移動が可能。建物や廃車の影に身を潜めつつ移動しているだけで、目的までは無傷で到達することができた。ステージの中や建物内には、クラフティングに用いる素材もあちらこちらに墜ちている。(今回の試遊プレイでは時間的余裕がなく試せなかったが)本編ではこれらの素材を使って、武器や防具、罠などのアイテムを作っていくことになるのだろう。
フリーカーたちも積極的に攻撃してくることがないとはいえ、不用意に近づいたり、物音を立てたりすると、突如として牙をむいたかのように襲いかかってくる。幸い、試遊版では最初からショットガンを手にしているので、それほど苦もなく倒すことができたが、残弾のことなどを考えると、できるだけ戦闘を行わずに進めたほうがいいかもしれない。
そんな風にときおり戦闘しつつ探索を続けた結果、目的の品を発見。この“燃料ポンプ”を、別行動をしていた相棒のもとに持ち帰り、あるイベントをこなせば“ストーリーモード”はクリアーとなる。
『Days Gone』の操作法だが、左スティックが移動、右スティックが視点、L2ボタンで武器を構え、R2ボタンで撃つという、比較的オーソドックスなスタイルなので、TPS(三人称視点シューティング)タイプのゲームに慣れている人なら、すぐに慣れることができるだろう。筆者は10分に満たない時間で“ストーリーモード”をクリアーできたので、続けて“フリーカーモード”を試させてもらった。
※今回の試遊体験では、15分間の試遊時間内であれば途中でモードを変えても構わないとの説明をいただいたが、ブースの混雑状況によっては両方のモードを遊べないかもしれない点には留意していただきたい。
“ストーリーモード”が比較的スムーズにクリアーできたので、(試遊できる)残り時間は少ないながらも、もしかしたらこちらもクリアーできるのでは? と思いながらプレイを開始したが、いざプレイを始めてみると、目の前にはこれまでゲームでは見たことがないような大量の屍人(フリーカー)たちが登場。最初のプレイはこのフリーカーの大群に飲み込まれ、為すすべもなく終えてしまった。後ろ向きに撃ちながら後退していっても、倒す数よりも襲い来る数のほうが多いのだから、たまったものではない。
時間もまだ残っていたことと、あまりのふがいなさに再挑戦。L3ボタン(左スティック)を押し込みながら移動すると走ることができ、フリーカーから一定の距離を取ることは容易にできるものの、走り続けてスタミナを消費すると動きが遅くなってしまい、フリーカーたちの餌食になってしまう。結局、2戦目も最初と同様にフリーカーの群れに覆い尽くされることに。
もう少しだけ時間がある(というよりも、あまりに早くやられてしまっていたので)、三度“フリーカーモード”に挑戦。状況を把握し、落ち着いて周りを見渡してみると、撃てば爆発しそうなドラム缶や、敵を一網打尽にできそうな材木などといった仕掛けがそこかしこに見受けられる。
また、フリーカーモードでは、L2ボタン+R3ボタンで使えるフォーカスが利用可能。これは、自分以外の周りの時間の流れをスローモーションのようにする効果をもたらせてくれ、その間は落ち着いて狙いを定めたり、敵に対処することができるというシステム。『レッド・デッド・リデンプション』を遊んだことのある人なら、デッドアイのようなものと言えばわかるだろう。
ただ、いかに爆発物などのトラップが用意されているとは言っても、それを狙っている間も与えないほど大量のフリーカーが襲いかかってくるので、とにかく動き回って安全な場所を確保し、そこでフォーカスを発動して仕掛けを利用する。これがこのモードの基本的な戦術といえるだろう。
思った通り、フリーカーたちがドラム缶に近づいたところで一発撃てば、大爆発を起こしてまとめて始末することができた。とは言え、なかには火だるまになりながらなおも襲いかかってくるフリーカーの姿も。また、爆風に巻き込まれたのは全体のほんの一部で、後から後からフリーカーがなだれ込んでくる。攻略の糸口はつかめた(気がする)ものの、これだという攻略法を見いだすにはいたらず、結局はフリーカーの海に飲み込まれるようにして朽ち果てたところで、試遊時間が終了となってしまった。
最初から“フリーカーモード”をプレイしていたらきっとクリアーできていたはず……といった負け惜しみを思いつつ試遊台を後にしたのは言うまでもない。
この『Days Gone』は、オープンワールド+ゾンビ(パンデミック)ものが好きな筆者の琴線にドンピシャの作品で、発表時から非常に気になっていた作品だったが、実際に試遊版をプレイしてみて、その感覚に間違いないという思いは確実なものとなった。
ゲーム開始前のブリーフィングでは、“フリーカーモード”ではバイクに乗りながら攻撃を繰り出すことも可能との説明があったものの、試遊時はそんな余裕もなく、その乗り味を確かめることはできなかったのは少し残念だが、荒廃したアメリカ大陸を駆け抜けていく気持ちよさも感じられるに違いない。広大なフィールド感やサバイバルアクションが魅力の本作だが、初見の筆者が最初に驚いたのは、登場人物たちの皮膚のクオリティの高さだ。これまでの高画質系ゲームでも、人物描写は相当リアルになっていたと思っていたが、本作の人物の肌描写は一線を画す出来映えで、毛穴や角質までも見えているようなきめ細かさを見せており、その質感は本物以上になまめかしさを感じてしまった。
また、いちばんの見どころはなんと言ってもフリーカーの大群の描写に尽きる。その数はとにかく圧倒的で、もしこの数の屍者を現実に見たら、その場で人生を諦めてしまいかねないくらい、大量にうごめきあい、襲いかかってくる。大量のフリーカーが津波のようになだれ込んでくる場面は、この手のサバイバル系アクションでも随一のものだろう。
発売までまだ5ヵ月ほど待たなければならないが、どのような雰囲気か体験したい人は、東京ゲームショウ2018のプレイステーションブースに足を運んでみてほしい。ただし、一般日(9月22日・23日)は大変な混雑が予想されるので、体験プレイを狙っていく場合は早めにに訪れたほうがいいだろう。