2018年9月某日、ロックスター・ゲームスのスタッフが来日して行われた『レッド・デッド・リデンプション2』(以下、『RDR2』)を実際にプレイできるハンズオン・デモ。プレイステーション4版の実機によるデモプレイを体験してきたので、そのリポートをお届けしたい。

 2018年9月某日、ロックスター・ゲームスのスタッフが来日して行われた『レッド・デッド・リデンプション2』(以下、『RDR2』)を実際にプレイできるハンズオン・デモ。プレイステーション4版の実機によるデモプレイを体験してきたので、そのリポートをお届けしたい。

 そもそも、ロックスター・ゲームスが発売前のタイトルを“プレゼンテーション”ではなく“ハンズオン”という形で体験させるのは、非常に珍しいこと。筆者もこれまでさまざまなロックスター・ゲームスのタイトルを発売前に取材してきたが、今回のようなケースは『Rockstar Games Presents Table Tennis』(2006年発売)以来ではないだろうか?

 今回のハンズオンは、それだけロックスターが『RDR2』に力を注ぎ込んでいるという証である。発売日を目前に控え、少しずつではあるがキャラクターやエリア紹介が明らかになってきている状況において、今回のデモはじつに衝撃的な体験だった。その内容について報告する前に、現時点で判明している『RDR2』の特徴について解説しておこう。

 『RDR2』は、『グランド・セフト・オートV』(以下、『GTAV』)以来、5年ぶりとなる完全新作であり、ロックスター・ゲームスのすべてのスタジオ、並びにスタッフが総力戦で挑んだタイトルとなっている。そこには、『GTAIII』から始まったオープンワールドという概念、技術、センス、培った経験がすべて注ぎ込まれており、とくに『RDR2』では、あらゆる現象が、ロード画面を挟まずシームレスに移行するよう、つなげられている。ムービーシーンも戦闘も、建物に入るときも全部がシームレスとなっているのだ。これは文字にしてしまうと簡単に感じるが、じつはたいへんな技術である。

 つぎに特徴的なのが、AIの進化。具体的には、プレイヤーの操作する主人公アーサー・モーガンと、彼に関わる/関わらない膨大な数のNPCたちの行動や会話に、進化が見られるということだ。

 ここでもゲームのすべてが有機的に連動しており、そのインタラクティブ性も爆発的に進化。プレイヤーは、アーサーを通して、この世界に登場するあらゆる人々と交流ができる。そして、新たに導入された“名誉システム”により、NPCの反応もリアルタイムに変化するのだが、このシステムに関しては後ほど詳しく解説しよう。

 ポイントを整理すると、『RDR2』には3つの大きなテーマがあることがわかる。

(1)ハードの性能を最大限に引き出したオープンワールドの構築
(2)リアルでシネマティックなアニメーションとグラフィック
(3)プレイヤーとゲームの中の世界が双方向で関わるまったく新しい体験

 とくに(2)と(3)は、これまでさまざまなゲームタイトルで挑戦されてきた課題であり、実現するには膨大なデータと作業量、そして確かな技術力によるシステムの構築が必要だった。並大抵のことではない。なぜ開発に5年も費やしたか、その答えの片鱗がわかると思う。

 以上を踏まえつつ、本題のハンズオン・デモのレポートに突入したい。

雪深き山で展開する列車強盗に真髄を見た!

 2部構成で行われた、今回のハンズオン・デモ。まずはロックスター・ゲームスのスタッフによるデモプレイから始まった。ゲームとしては最序盤となるチャプターと思われるが、非常にエキサイティングな展開に圧倒されてしまった。

 雪深きハーゲン山の無人の山小屋にて、猛吹雪を避けるために逗留するダッチ・ファミリーの面々。何らかの理由で重傷を負い、仲間と妻子に介抱されるジョン・マーストンと、この吹雪の中で打開策を練る親分のダッチ・ファン・デル・リンデとの会話からデモは始まる。

 ダッチが考え出した起死回生のアイデアは、北米大陸の鉄道産業を牛耳る資産家コーンウォールの列車を襲い、金を奪い取ってから雪山を脱出するというもの。命がけの作戦だが、怪我人を抱えて遭難一歩手前、かつ無一文の状態では、たとえ吹雪がおさまっても脱出もままならない。ダッチはアーサーとともに動ける仲間に役割を振り分け、持てる力を総動員して列車強盗に挑むことになる。

 このあたりのやり取りは、雪中ということもあり、まるでタランティーノ監督の(目下のところの)最新作『ヘイトフル・エイト』(2016年公開)を彷彿とさせてくれる。雪中西部劇はウエスタン映画のサブジャンルだが、撮影が困難であるため、本数は決して多くない。しかし、時代背景を考えれば雪中のドラマはあたりまえのように存在するので、この状況を再現したのは見事。以前に執筆したレビューでも、雪中ウエスタン映画の傑作として『殺しが静かにやって来る』を紹介したが、タランティーノの『ヘイトフル・エイト』もオススメだ。ゲームをプレイする前に、ぜひ鑑賞して世界観の予習復習に役立ててほしい。

 吹雪が弱くなったタイミングで、山を降りて列車の通過するトンネルへ向かうダッチ・ファミリーの戦闘部隊。ここでは仲間の馬たちとはぐれずに並走するシステムが紹介された。Xボタンをホールドすることにより、連打や方向キーによるハンドル操作を必要とせずオート状態で並走できる。

 さらに任意のタイミングでタッチ・パッドを長押しすると、画面の上下が狭まり、いわゆる映画のスクリーンのようなゲーム画面になる“シネマティック・モード”に入れる。ここでも、Xボタンをホールドし続けることによってオート乗馬状態が維持できるだけでなく、画面がドラマティックな視点のさまざまなカットに切り換わりながら、キャラクターの会話の内容にも集中できるという、非常に画期的なシステムとなっている。もちろん乗馬を楽しみたいなら、シネマモードには入らずに続けることも可能だ。

 目的地に到着すればシネマモードは自動で解除され、プレイヤーがつぎに成すべき行動が指示される。もちろん、マップには目的地へのナビゲーションが表示されるので、迷うことはない。そして、移動中にも西部劇らしいダイナミックスコアが流れ、否が応でも強盗気分が盛り上がる。

 吹雪を抜け、束の間の晴れ模様となった現場に到着すると、すでに仲間が線路にダイナマイトを仕掛けている。作業の確認と手助けをすべくアーサーは馬を降りて導火線の設営に向かう。雪には足跡が残り、草木をかき分けると葉が揺れ動き、カサカサとリアルな環境音が聞こえる。耳をすませば、いかにも雪が止んだ直後のような澄んだ空気による音の反響があり、小鳥のさえずりや虫の羽音なども混じり、雄大な大自然に身を置いていることが実感できるのだ。

 導火線を起爆装置に接続すれば、準備完了。ダッチの元に戻り、強盗の準備としてマスクを装着する。L1をホールドするとアイテムが表示され、スティックでアイテム欄を選んでL1を離せば完了と、前作同様の選択システムとなっているが、今回はより直感的に素早く選択できる印象だ。

 いよいよコーンウォール所有の豪華列車が線路を通過するが、ダイナマイトは不発。いきなり計画変更となり、ダッシュでトンネルの反対側に回って列車に飛び乗るアーサーたち。しかし、何人かは間に合わず脱落してしまう。列車から落ちそうな仲間を助けたら、戦闘開始だ。

 ここでは、アーサーみずから率先して突撃するか、仲間に指示するかを選択できる。仲間の顔を見ると選択肢が表示されるので、そこで選ぶのだ。仲間に行かせればナイフで素早く倒してくれるし、自分で撃っても構わない。ここはプレイヤー次第となるわけだ。このような局面は何度も発生するので、状況によって使い分けたいところである。

 走行中の狭い列車内での銃撃戦は、カバーしながら進むのが重要となる。こちらがカバーできるということは敵もカバーしてくるので、デッドアイを効果的に発動させて、敵が顔を出した瞬間を狙って一気に倒すのがベター。先頭の車両までたどり着くと、隠れていた機関士に殴られて、肉弾戦が始まる。

 西部の男の象徴である殴り合いは、今回はさらにリアルになり、単にパンチの連打ではなく、ガードやスウェーによる回避を駆使しなければならない。ガードすると敵がよろめいてスキができるので、一気に攻撃を叩き込むのだが、クリンチされたり羽交い締めにされたりすることもある。それを振りほどき、さらにブン殴る。とどめと言わんばかりに汽車から機関士を突き落とし、ブレーキを引くアーサー。

 列車が停止すると、車内から残りの敵がワラワラと出てくるので、ここで本格的な銃撃戦が始まる。デッドアイは初期レベルでは短時間しか使用できないので、使いどころが肝心だ。岩場や木陰にカバーしながら撃ってくる敵は、1ヵ所にとどまらず、つねに移動してくる。

 慌てずに手前の敵から拳銃で倒し、距離の離れた敵はライフルに持ち替えて倒す。武器の選択はアイテムホールをL1で表示させることでスムーズに展開できる。弾丸も数に余裕がないので、確実に、しかも素早く仕留めることが重要だ。

 ある程度の敵を倒したところで、後続のダッチたちが到着してミッションはクライマックス。鉄の扉で厳重にガードされた特別客車に立てこもる残党を排除するため、扉にダイナマイトを仕掛けて爆破する。客車から出てくる降伏した残党たち。車内に入るとそこは宮殿のような作りになっており、シャンデリアやランプ、飾られた絵画や調度品のディティールも見事。

 何度も書くが、“魂は細部に宿る”のだ。およそオブジェクトとして配置されている戸棚やスツール、机などはすべて調べることが可能で、酒やタバコ、現金や食料などを回収する。ここではアーサーが無記名の有価証券の束を発見。こいつを売り払えば資金が手に入ると、ダッチは大喜びだ。

 いろいろあったが、強奪作戦は成功。最後の課題は、“残党たちをどうするか?”だ。彼らの処分は、ダッチの意向でアーサーに任せられる。慈悲を見せて全員を逃すか、それとも口封じに全員始末するか、選択することになるのだ。

 プレイヤーに迫られる選択肢によって影響を受けるのが、件の“名誉システム”だ。名誉システムはアーサーが善なる行動を取るか、それとも残虐な面を見せるかで、仲間や他NPCからの反応が有機的に変化する。悪名が積もれば街の人々の対応やセリフが変化するし、悪人が寄ってきて犯罪計画を持ちかけてくることもあるだろう。

 善なる行動なら、称賛されて、いい儲け話が舞い込んでくるかもしれない。善悪どちらにもメリットとデメリットが設定されており、その行動次第でワールドの空気は大きく変わるといえる。名誉レベルはゲージとして表示され、左右に振り分けられることで自分がいま、どのような状態かも確認できるという、とても興味深いシステムであり、実際にゲームの中でどのように影響するのか、早くプレイして試して見たいと強く感じ入った次第。

 ここまでが、ロックスター・ゲームスのスタッフによるデモプレイの内容。つぎはいよいよ、筆者がコントローラを持っての実機プレイとなる。その模様は、後編にてリポートしよう!