オーストラリアのThe Voxel Agentsによるパズルアドベンチャーゲーム『The Gardens Between』を紹介しよう。本作は2018年9月20日にプレイステーション4/Nintendo Switch/PC/Macで配信予定。日本向けのローカライズ版の配信も同タイミングで行われる。

 ちょっと強気そうな女の子アリーナと、メガネの男の子フレントは、知り合ってからいつも一緒に遊んできた友達。『The Gardens Between』は、この親友コンビが不思議な小さな島々をめぐっていく話だ。

 各ステージでの目的は、ふもとの船着き場をスタートして道中でアリーナが持っているランプのようなものに光のパワーを入れ、それを頂上にある祭壇のようなものにセットすること。島にはだいたい螺旋状に道が敷かれていて、基本的には右に進んでいけば次第にゴールがある頂上に近づいていく。

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 しかし、プレイヤーはふたりの移動を自由に操作できない。その代わりに動かせるのが島とその時間。プレイヤーが島を右に回転させると時間が進み、主人公コンビも右に進む。そして逆に左に回転させると時間が戻り、主人公たちも逆再生したように左へ戻っていく。進行に応じて、ふたりの順番が入れ替わったり、別々の道をあるき出したりすることもある。

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時間を進行させると、ふたりが勝手に別々に歩きだすことも。アリーナは上の道へ、フレントは下の道へ。

 だが途中に障害物があったり道が切れていたりするので、なんとかして道を切り開かなくてはならない。ここでカギとなってくるのがフレント君だ。アリーナがランプを扱えるかわりに、探究心旺盛なフレントは仕掛けを動かすスイッチなどを触ることができる。

 そうしてマップに仕掛けられたギミックを作動させると、島の回転による変化とは別にマップ構造が変わったりして、道が通れるようになったり、アリーナがランプに光を収められるようになったりするといった寸法だ。

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ステージごとにキーとなるアイテムがあり、大抵その面のギミックのテーマになっている。このステージではビデオデッキとファミコンらしきゲーム機。

 それぞれの島には、ポップコーンとコーラがあったり、ファミコン風のゲーム機やビデオデッキがあったり、ふたりの思い出と結びついたアイテムがマップギミックとして眠っている。そして数ステージクリアーするごとにその元となった彼らの思い出がフラッシュバックし、星座になって昇華されていく。

 セリフなどのテキスト要素はなく、ひたすらステージ構造と記憶のフラッシュバックシーンでふたりの関係を語っていくというスタイルで、1980年代終盤から1990年代初頭ぐらいを連想させるアイテムが多く、かなりノスタルジックな作りだ(ビデオデッキを使った仕掛けなどは、世代じゃないとちょっと分かりづらいかもしれない)。

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ギミックはプレイヤーが干渉するか選べるものだけでなく、フレントが勝手に動かすものも。ビデオデッキのリモコンを適当に押したのを待っていると……。

 先日シアトルで行われたゲームイベント“PAX WEST”で開発チームに取材したところ、ジブリの映画などの日本文化に影響を受けているそうで、ファンタジーの魔法の中で郷愁を誘う作りや、出てくるモノなどを見れば、それもうなづける(特にオープニング画面で映るふたりの実家は、モロ東京の郊外の沿線沿いの住宅街の感じ)。

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オープニング画面は完全に日本のイメージ。

 ちなみに開発者のひとりは東京ゲームショウでの出展のために来日予定で、日本で発売週を迎える予定とのこと。製品版でもそこまで長い作品ではなくサクサクプレイできるので、大作が続々と発売・発表される合間の癒やしがわりにいかがだろうか。