『ARK』にインスパイアされたサバイバルゲーム『コナン アウトキャスト』。冒涜的なライトノベル作家がハイボリア時代でヨグ様の神官を目指す!(第2回)

2018年8月23日に発売されたプレイステーション4用サバイバルアクション『Conan Outcasts(コナン アウトキャスト)』。ライトノベル作家の内山靖二郎氏によるプレイリポートの第2回をお届け。

 2018年8月23日、日本語版が発売された『Conan Outcasts (コナン アウトキャスト)』は、オープンワールドサバイバルアクションのサンドボックスゲームだ。
 プレイヤーはロバート・E・ハワードの小説“コナン”シリーズを題材とした、古代の世界でサバイバルをすることになる。
 罪人が追放される過酷な土地で、材料を集め、道具を作り、食料を得て、住居を建て、敵と戦うことで、自分だけのストーリーを紡いでいく。

 そんな『コナン アウトキャスト』のプレイリポートも第2回。
 砂漠に追放された罪人のオオナンは、絶望の中――恐ろしい獣神であるヨグ様を信仰することで精神的に強くなる。
 そして、ヨグ様の栄光をたたえることが、自分の生きる意味だと気づいた。

 砂漠を越えたところにある川辺で、オオナンは獲物を狩り、家を建て、安定した生活を送ることができるようになったが……コナンの世界は、そんなに甘いものではないと、すぐに知ることになる。

 では、ここからは追放の地で生き延びようとする、ヨグ様の熱狂的信者オオナンの手記という体裁で、『コナン アウトキャスト』のサバイバル生活をレポートしよう。

追放の地の自然はバリエーション豊かだ。

※第1回は以下よりご覧ください。

『ARK』にインスパイアされたサバイバルゲーム『コナン アウトキャスト』 冒涜的なライトノベル作家がハイボリア時代でヨグ様の神官を目指す!(第1回)

2018年8月23日に発売されたプレイステーション4用サバイバルアクション『Conan Outcasts(コナン アウトキャスト)』。ライトノベル作家の内山靖二郎氏によるプレイリポートをお届け。

まわりは手強い敵ばかり

 オレの名は――オオナン。
 数多の罪状により、この追放の地にて処刑されるところだったが、名も知らぬ蛮族によって助けられた。
 そのことをオレはヨグ様のお導きと感じ、神の栄光をたたえることこそ、自分の生きる理由だと信じるようになった。

 ところで、以前、オレは自分が生態系の頂点に達したと言った。
 ……あれは嘘だ。

 この追放の地は、オレの予想以上に広大であり、奥深かった。

砂嵐の向こうに謎めいた遺跡が見える。

 最初に投げ出された砂漠から、北に進んだところにある川辺。
 オレが安住の地と感じたこの土地は、追放の地において、ほんの入り口に過ぎなかったのだ。
 川を越えた先には、さまざまな地形、自然現象、謎めいた亡霊、古代遺跡、ダンジョン、追放者たちの大集落など、脅威に満ちた世界が広がっていた。
 オレはまさしく井の中の蛙。
 川辺でピチャピチャ、水遊びをしていただけの小物に過ぎなかったのだ。

自然界に君臨するもの

 大自然の驚異との出会いは、最初、静かなものだった。

 オレの住居の北側には、川の流れから分離した、小さく浅い池がある。
 とても景色がよく、そのときのオレは散歩気分で歩いていた。
 すると、もはや狩りの定番の獲物であるクロコダイルよりも、ふた回りほど大きなワニを見かけた。
 尻尾にトゲが生えていることを除けば、外見はクロコダイルそのものである。

美しい光景の中にそいつはいた。

 もしかすると、この川のヌシだろうか?

 そんな興味本位で手を出したのが、大きな過ちだった。

 強いっ!
 硬いっ!

 いくら攻撃しても、相手はびくともしない。

いくら流血しようとも、大ワニはひるまない。

 ヤツは血は流している。
 なら殺せるはず!

 戦いの序盤はそう思っていたが……それは甘い考えだった。
 これまで相手にしてきたクロコダイルが掘っ立て小屋だとするなら、この巨大ワニは難攻不落の城。
 しかも、猛烈に突進してきては、オレの命の半分を刈り取っていく、動く城だ!

 圧倒的なパワーは、まさしく大自然の驚異としか形容しようがない。
 驚きと恐怖の中、オレにできることは、ただウサギのように逃げることだけだった。

 ああ、ヨグ様。
 情けない信徒をお許しください。

追放の地の人間ども

 オレは、大自然の驚異に完敗した。
 ただ、そのおかげで視野が広がった気がする。

 そこで、オレはこれまでの住処から、遠く離れた場所まで探索することにした。
 この追放の地には、まだ未知の存在が隠されているようだ。
 敵を知らねば、安心してヨグ様の栄光をたたえることもできない。

 追放の地には、オレ以外にも人間たちが生きている。
 オレと同じく、罪を背負い、追放された者たちだ。
 そのことは、だいぶ前から知っていた。

眼下に野営地の灯りが見える。

 しかし、彼らと交流することはなかった。
 大きなたき火のまわりに獣の皮の寝床を敷いて、野営するだけの野蛮な連中。
 こちらがヨグ様の威光を知らしめようと、平和的に接しても無駄である。
 すでに人間としての理性を失っており、こちらの顔を見れば、無条件で襲いかかってくる。
 もはや、そこらの獣と変わりはない。

人間どうしの血を流す戦い

 ところが、ある日のことだ。

 住処のある川から少し離れたところを探索していると、これまでの追放者の野営地とは比べものにならない、大きな集落を発見した。
 立ち並ぶのは粗末なテント。
 だが、大勢の人間がともに暮らしているということは、ここには社会がある。文化的な暮らしがある。
 しかも、彼らはオレと同じダルファル族だったのだ!

たくさんのダルファル族が暮らす集落。

 オレはすっかりうれしくなり、さっそく彼らとの交流を図ろうとしたのだが……。

 無駄だった。
 希望はもろくも打ち砕かれた。

 彼らも、ほかの追放者と変わりはない。
 同族であるオレに、まるで獣のように襲いかかってきたのだ!

この砂漠はなんて寒いんだろう

 多勢に無勢。
 しかも、彼らの武器は、明らかに人を殺すために凶悪に洗練されている。
 鋭い刃はオレの体を深く切り裂き、出血が止まらなくなる。
 じわじわと体力が減っていく。
 これはまずい。
 不利を悟ったオレは撤退する。
 それでも、血は止まらない。
 無慈悲にオレの命は流れ落ちて、体力は消耗していく。
 砂漠の酷暑の中でも、寒くて震えるほどだった。

このように囲まれては為す術がない。

 執拗に追ってくる殺戮者たちから逃れようと、懸命に走り続けたが……オレの記憶はここまでだ。

 意識を失い、オレはまた目覚めた。

目覚めるときはいつも全裸。

 そこはオレの住居のベッド。
 以前のように、追放された砂漠の地に放り出されたわけではなかった。

 死を覚悟した直後、“リスポーン地点”とかなんとか聞かれた気がした。
 そこで、どうせならば自分のベッドに帰りたいと望んだのだが……それと何か関係があるのか?
 もしかすると、いまのはただの悪夢だったのかもしれない。

 きっと、そうだろう。
 そう思いたい……。

 ただ、これまで苦労して作った道具や装備がなくなっているのは、紛れもない事実である。
 ああ、これも悪夢だというのなら……早く醒めてくれ。

本当の戦いかたを教えてやる

 巨大ワニからの敗走は、大自然の摂理として素直に受け入れられた。
 しかし、ダルファル族の連中に追い立てられたのは、オレにとっては我慢ならない屈辱である。

 オレは生き延びるためには、戦わねばならないことを悟った。
 これでもオレは、ここに追放される前は名の知られた海賊だ。
 最初から、集落の人間が敵だとわかっていれば、戦いかたはいくらでもある。

 まず、あえて相手の見張りの前に現れて、集落から離れた場所に誘導。
 物陰でサクッと始末する。
 こいつらは、ほとんど連携が取れていない。
 所詮は、素人の集まりだ。
 こちらが姿を見せると、イノシシのように突進してくる。
 それを誘導して、各個撃破していけば、相手が何人いようと同じことだ。

やつらはかなりの距離を追いかけてくる。

 敵とはいえ、同族の命を奪うことには抵抗がある。
 だが、これもヨグ様の威光をたたえるためと思い、オレは冷酷に集落の住人をひとりずつ始末していった。

 やがて、戦場に静寂が訪れた。
 ヤツらは全滅したのだ。
 何も動くもののない集落を歩いていると……そこで、オレは驚くべきものを発見するのだった。

戦いのむなしさを知る

 彼らの集落の奥に設置されていたもの。
 それは、なんと“ヨグの裂け目”――ヨグ様への祈りの場所。
 つまり、ここにいた人間たちは……なんということだろうか!

 オレと同じく、ヨグ様を信仰する者たちだったのだ!!

全滅した集落で見つけたヨグの裂け目。

 そうだ……オレたちは同じ神を信じている者どうしで、殺し合っていたのだ。

 なぜだ?
 なぜ、ヨグ様を信じる者どうしで……あのような血なまぐさい争いをしなければならなかったのか!?

 オレは呆然と、足元で息絶えるヨグ信者たちを見つめていた。
 そして、考える。
 ヨグ様はどうして、オレをこのような辛い目に合わせるのか?

 何かがおかしい。
 間違っている。

 ……そうだ。
 間違っている。

 ここに暮らしていた連中の信仰は、間違っているのだ。

 だからこそ、ヨグ様はオレを差し向けたのだ。
 正しい信仰を広めるために。
 ヨグ様の威光を広めるために。

新しい世界に必要なもの

 追放の地には、ヨグ様の間違った信仰が広まっていることがわかった。
 オレが正しき信仰を広めねば!

 しかし、そのためには石器に頼るような原始的な生活では無理がある。

 必要なものはわかっている。
 鉄だ。
 鉄さえあれば、この何もない追放の地に文明を築くこともできるだろう。

 ただ、鉄の材料となる鉄鉱石は、非常に珍しいものだ。
 石器の材料探しをするとき、ごくたまに石の中に紛れている程度。
 これではとても安定した鉄の製造など無理な話だ。

 戦いに疲れていたオレは、その心を癒やすのも兼ねて、鉄鉱石を探す旅に出ることにした。

 それはさほど長い旅ではなかった。
 名も知らぬ古代の遺跡のふもと。
 そこに見慣れぬ色をした岩が林立しているのを見つけた。
 もしやと思い、ツルハシで叩いてみると、「キンッ」という、これまでとは違う硬質な音がする。

見渡す限り鉄鉱石が並んでいる。

 見つけた!
 これぞ鉄鉱石の鉱脈だっ!!

 まさか、まさか!
 これほど鉄鉱石が密集して存在しているとは、想像もしていなかった。
 まさしく大地の恵み。

 ヨグ様に感謝をっ!!

奴隷ではない、信者だ

 ヨグ様のお導きにより、鉄鉱石の鉱脈を発見できた。
 そこで、さっそくオレは鉄の量産を開始する。

 ただし、最初の目標は鉄器の製造ではない。
 まず作ろうとしたのは"苦難の輪"だった。

 この"苦難の輪"の製造には膨大な鉄が必要である。
 正直、鉄器の製造を優先すべきではないかと思うこともあったが……それでも、オレはこの"苦難の輪"を優先した。

 ヨグ様を信仰する同族を虐殺してしまったことによる、オレの喪失感。
 それを埋めるために、この設備がどうしても必要だったからだ。

 苦心の末、ようやく完成した"苦難の輪"は、見るからにこれまでの設備とは異質だった。
 重い鉄の輪を、人間が延々と押して、回す設備。
 しかも、この行為には“何も意味がない”のだっ!!
 ひたすら人間に無為な行為をさせるだけの悪魔的装置。

この作業には終わりも成果物もない。

 いや、正確には意味はある。
 反抗心を持つ敵の捕虜に、この"苦難の輪"を押させる。
 それは終わることのない、苦痛に満ちた作業。
 しかも、何の成果物もない、むなしい作業だ。
 やがて、捕虜の心は打ちのめされ、空虚に満たされ、反抗心など消え失せる。
 そうして、捕虜は従順な奴隷――ではなく、ヨグ様の信者へと生まれ変わるのだ。

 そう……この"苦難の輪"は、オレにとって、ヨグ信者製造機なのだっ!!

殴って静かにさせろ

 ただし、いまの"苦難の輪"には、大事なものが不足している。
 当然、それは人間の捕虜だ。

 これまでオレは、敵はすべて始末してきた。
 出会った瞬間から、問題無用で襲いかかってくる野蛮な連中をいかに捕虜にするのかは、なかなか難問だ。

 ヤツらを大人しくさせるには、始末するしかない。
 大人しい追放者は、死んだ追放者だけ。

 しかし、いまはそんな考えは捨てねばならない。
 試行錯誤した末、オレが導き出した解決方法は――

 棍棒で殴って、気絶させる。

 これだっ!

 ところが、実際やってみると、かなり難しい。
 命を奪うよりも、よほど大変だ。
 ひたすら棍棒で殴り続ける。
 とにかく、殴り続ける。
 良心も同情も捨て去り、ただただ殴り続ける。

 先に音を上げたのは相手のほうだ。
 悲鳴をあげて倒れたが……よし、まだ息をしている。

 それにしても、ずいぶんと苦労させられた。
 普通に戦うよりも疲れるし、戦いが長引くぶん、こちらのダメージも大きい。

 しかし、まだ仕事は終わっていない。
 オレはくたびれきっていたが、事前に用意しておいた縄を使って、気絶した相手を縛り付ける。これで住処まで引きずっていくのだ。

捕虜は持ち帰るまでが仕事だ。

捕虜は粥で動く

 捕らえた捕虜を“苦難の輪”の前に立たす。

 いったいこれからなにが始まるのか、不安そうな顔だ。
 そこで、オレは“苦難の輪”の前に、粥を置いてやった。
 あちこちに自生する雑穀と雑草を煮込んだだけの粗末な食事だ。
 しかし、腹を空かせている捕虜にとっては、またとない食事である。
 目を輝かせる捕虜に、オレは言ってやる。

たき火やかまどで料理が作れる。

「粥が欲しければ、この輪を回せ」

 炎天下での重労働。
 しかも、その行為はなんの成果も生まない、むなしい作業だ。
 それでも、粥が欲しければ、捕虜は輪を回すしかない。

 捕虜は黙々と“苦難の輪”を回し始めた。

 オレにはわかる。
 過酷な重労働が、捕虜から考える力を奪っていくのが。
 しかし、命までは奪わない。
 最低限の休息と食事は与えてやる。
 そして、また“苦難の輪”を回すだけの作業に戻らせる。

 長い時間をかけて、捕虜の心は真っ白となる。

 そのとき、オレは捕虜を“苦難の輪”から解放してやる。
 そして、耳元で優しく囁くのだ。

「すべてはヨグ様の思し召しだ」――と。

生まれ変わると無口になる

 ようやく“苦難の輪”によって矯正された捕虜は、シェム族の女性だった。
 以前は、戦士だったらしい。
 そこで、オレは彼女に鉄を生産する大事な炉の警備を任せることにした。
 すると、彼女は従順に炉の前に立ち続けた。

 すばらしい!

 これぞ“苦難の輪”の効果だろう。
 オレが前に立っても、彼女は襲いかかってこない。
 オレはそのことに少なからず感激していた。

身も心もヨグ様のものとなり大人しくなった。

 この追放の地において、初めてオレに襲いかかってこない生きた人間を見た。
 ただ、彼女はオレに対して、何も喋ろうとはしなかった。

 どうしたのだろうか?

 初めて会ったときは、口汚く、オレに威嚇の言葉を吐きかけてきたというのに……まるで別人のようだ。
 せっかく話し相手ができたと思ったが、その期待は裏切られた。
 まあいい。
 オレはいつもヨグ様と心の中で会話しているのだから。

奪われ、絶望する

 突然の悲劇だった。

 オレの住処には、たまに大型の亀――“シェールバック”が迷い込んでくる。
 基本的に害はない。
 それどころか食料にもなるため、オレはいつも無視していたのだが……そのことを知らない彼女が、いきなりシェールバックに攻撃を仕掛けたのだ。

シェールバックを見て突然興奮しだした。

 オレは呆れた顔で様子を見ていたが……それがいけなかった。
 シェールバックを追いかけるのに夢中になった彼女は、近くにある追放者の野営地に足を踏み込んでしまったのだ。

 オレは慌てて助けに向かったが、追放者たちは野蛮な声をあげて、オレと彼女に襲いかかってきた。

 ……だが、それもすぐに静かになった。
 シェールバックに気を取られていた彼女が、追放者に背中を切りつけられ、無残な屍を野に晒すこととなったからだ。

死んでしまえばただの肉の塊だ。

 オレには、何もできなかった……。

 いや、それは嘘だ。
 オレは彼女が「どこまで戦えるのか」に興味があった。
 戦士としての実力を見定めようと、積極的に彼女を助けようとしなかった。

 その結果はこれだ。
 取り返しのつかないことをしてしまった。

 オレは初めての仲間を……自分の好奇心のせいで失ったのだ。

思い出の地からの離別

 もはや、この血に濡れた川辺に暮らすことは耐えられなかった。
 心を癒やすためにも。
 そして、新たな気持ちでヨグ様を崇拝するためにも、オレは住処を変えようと決意した。

 もっとも、それはこの土地の広大さを思い知ったときから、ずっと考えていたことだ。

 追放の地全体に比べると、いまの住処は端に位置すると言ってもよい。
 これからヨグ様の威光を広めるにしても、もっと中央に新たな拠点を構えたほうが、なにかと便利なはず。
 ただ、苦労して建てた家や、コツコツと充実させてきた生産設備を捨てるのが惜しく、ズルズルと先延ばしにしてきたのだ。

 だが、彼女の死が、オレにきっかけを与えてくれた。
 家も設備も、きっぱりと捨て去ることにした。

 そう……彼女の思い出とともに。

クモの大群に追われながらも新天地を目指す。

新天地を求めて

 オレは、新天地を求める旅に出た。
 険しい岩山。
 広大な砂漠。
 それらをいくつも越えて、やがてオレは深い峡谷にたどり着いた。

そこはまるで楽園だった。

 水深の浅い、清涼な川の流れる、静かな土地。
 ガゼルが群れをなし、草を食む、平和な光景。

 オレはひと目で、ここが気に入ってしまった。

 重要な鉄鉱石の鉱脈からは、やや離れているのは気になったが、この心癒やす光景には代えがたい。
 さっそくオレは、ここに新たな拠点を建設することにした。

 この和やかな風景は、きっと彼女のことも忘れさせてくれるだろう。

永住の地にするための努力

 おそらく、ここは永住の地となるだろう。
 前の家は、丸太と岩を積み上げただけの原始的な建物だった。

 それではいけない。
 これからヨグ様の信者たちの中心となる家だ。
 彼らに、神の威光を知らしめる立派な家にしなくては。

 そこでオレは、新たな家はレンガ造りにしようと思った。
 正直、丸太と岩だけの家に比べて、手間は何倍もかかる。
 大量のレンガを焼き、木材も丸太から板へと成形し、鉄の補強材で仕上げをする。
 途中、何度も諦めようとしたが、ヨグ様への信仰が後押ししてくれた。

家造りはまず土台からだ。

 オオカミから身を守るには、ワラや木の家ではなく、レンガの家を建てろと、昔から言うではないか。

 以前、発見した鉄鉱石の鉱脈に何度も通い、コツコツと材料を集めていく。
 炉もふたつに増やした。
 そうしてできた材料で、家の土台を造り、壁を立てていく。
 こだわったのは、普通は木の板で作る屋根も、レンガ造りとしたところだ。

今度の家には屋根もある。

 どうだろうか?
 この隙のない強固な外観。
 それはもはや砦と言ってもいい。
 きっと、信者たちには安心感を与えるだろう。
 そして、その気持ちはヨグ様への信頼にもつながっていくのである。

もっと! もっと信者を!

 新たな家を建てる作業は、オレに彼女の死から立ち直る時間も与えてくれた。
 いつまでも彼女の死に囚われてはならない。
 多くの人々に、ヨグ様の栄光を広めることこそ、オレの生きる目的なのだから。

 渓谷の新拠点の近くには、砂漠が広がっている。
 偶然にも、そこはオレと同じダルファル族たちの集落が、いくつも点在する地域だったのだ。
 砂漠の窪地で、大型の飛ばない鳥を飼育している者。
 鉄鉱石の鉱脈を警護するように集落を構える者。
 いろいろな集落があったが、この地域最大の集落は、古い廃墟に拠点を構える連中だった。

ダルファル族の大集落にはヨグの祭壇もある。

 ほかの集落とは一線を画しており、多くの弓手が見張りとして立っている。
 まるで、戦場の陣地のようだ。
 ただし、彼らが警護するのは職人たちだ。

 なめし職人、鎧職人、大工、錬金術師、料理人。

 追放の地において、戦士は当たり前の存在。
 むしろ、彼らのような平凡な職人たちこそが、この過酷な土地での生活では重要人物となる。

 これまでオレは、なんでもひとりでやってきた。
 けれど、職人たちと仕事を分担することで、もっと豊かな生活を送れるはず。
 また、専門家の知識によって、作業も効率もアップするだろう。

 そんな職人に協力をしてもらうには、どうしたらいいのか?

 決まっている。
 あの“苦難の輪”によって、ヤツらにヨグ様の信仰を教え込んでやるのだっ!

 さあ、人狩りを始めようか。

とにかくやることはたくさんある

 何度も精神的なショックを受けて、だいぶ正気を失いつつあるオオナンだが……サバイバル生活のほうは、だいぶ進歩してきた。

 攻略のための情報収集などせず、行き当たりばったりで、気の向くままにプレイしているせいで、かなり回り道をしているような気もする。
 けれど、このプレイではオオナンになりきり、コナンの世界を楽しむのが目的なのだから、効率などは気にしない。

 それでも、材料集め、道具の製作、建物の建築、戦闘、奴隷(オオナンは信者と言い張っているが)など、『コナン アウトキャスト』の基本的なシステムは、ひと通り体験することができたと思う。

 ただ、追放の地は広大だ。
 北には、大きな火山がそびえ、未知の遺跡、ダンジョンがあちこちに眠っている。
 また、いまオオナンがヘビーローテーションで侵略しているダルファル族の大集落のほかにも、より強大な大集落があちこちにある。
 ダルファル族よりも、強力な武装に身を包み、時には人間以外の怪物を味方に引き入れていることさえある、恐るべき連中だ。

 また、今回の冒頭で遭遇した、巨大ワニのような自然界のヌシも大きな驚異だ。
 巨大クモ、巨大サソリ、巨大サイなど、どれも桁外れに屈強であり、いまのオオナンではとても太刀打ちできない相手である。

地下に隠れ住む追放者もいる。

 そのほか、各地にぼんやりと浮かびあがる、過去の亡霊らしきもの。
 オオナンに語りかけてくる、光り輝く石板。
 恐ろしいボスが潜むダンジョンなど、この世界にはまだまだ秘密が隠されている。

亡霊は過去に起きたことをくり返しているようだ。

 しかし、いつしか、これらの謎も解き明かされるときが来るはず。
 今後のオオナンの活躍にご期待いただきたい。

 また、次回はいよいよ『コナン アウトキャスト』のオンラインプレイにも挑戦してみる予定なのでお楽しみに!

家の内装に気を遣う余裕も出てきた。

(最終回へつづく)

『ARK』にインスパイアされたサバイバルゲーム『コナン アウトキャスト』 冒涜的なライトノベル作家がハイボリア時代でヨグ様の大神官を目指す!(最終回)

2018年8月23日に発売されたプレイステーション4用サバイバルアクション『Conan Outcasts(コナン アウトキャスト)』。ライトノベル作家の内山靖二郎氏によるプレイリポートの第3回(最終回)をお届け。

著者紹介:内山靖二郎
ライトノベル作家。アナログゲーム『クトゥルフ神話TRPG』のライターもしている。
今回の記事のように、キャラクターになりきり、自分なりのストーリーを脳内で妄想するプレイを好む。



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