『ARK』にインスパイアされたサバイバルゲーム『コナン アウトキャスト』 冒涜的なライトノベル作家がハイボリア時代でヨグ様の神官を目指す!(第1回)

2018年8月23日に発売されたプレイステーション4用サバイバルアクション『Conan Outcasts(コナン アウトキャスト)』。ライトノベル作家の内山靖二郎氏によるプレイリポートをお届け。

 2018年8月23日、『Conan Outcasts(コナン アウトキャスト)』の日本語版がとうとうプレイステーション4に移植された。
 “コナン”と聞けば、いろいろなキャラクターを連想するだろうが、中にはムキムキマッチョの蛮族を思い浮かべる人もいるはず。
 そう――『コナン アウトキャスト』の“コナン”は、古代の世界で活躍する蛮族の英雄コナンを描いた、ロバート・E・ハワードの小説『コナン』シリーズを題材としている。
 小説もさることながら、アーノルド・シュワルツェネッガーが主演した映画『コナン・ザ・グレート』(1982年公開)のインパクトは絶大であったので、そちらでご存じのかたも多いだろう。

コナンは80年以上にわたり、さまざまなメディアで愛されてきた英雄だ。

 さて、そんな英雄コナンが活躍した、ハイボリア時代(紀元前12000年前くらい)がゲームの舞台。
 野蛮な時代ではあるが、原始人ばかりというわけでもなく、おのおのの宗教に根ざした、それなりの文明を築いている。そんな彼らの文明は、のちの大災害で滅びてしまうのだが……その話は、また別の機会に。

 ともかく、そんな野蛮ながらもエキゾチックな世界で生き延びるため、キャラクターは素材を集め、道具を作り、食料を得て、住居を建て、敵と戦うことになる。
 ジャンルとしては、オープンワールドサバイバルアクション。いわゆる、サンドボックスゲームだ。恐竜世界でサバイバルする『ARK: Survival Evolved(アーク:サバイバル エボルブド)』、または『マインクラフト』とも共通点の多いゲームだとすれば、イメージが湧くのでは?
 ただし、『コナン アウトキャスト』には『コナン』シリーズの世界観を再現するため“信仰”や“奴隷”といった特徴的な要素が組み込まれている。
 入り口から数歩先までは、これまで親しんできたサンドボックスゲームの経験が役立ち、すんなりと進められる。ところが、さらに足に踏み込んだとき、プレイヤーはいつの間にか自分が『コナン』の世界にどっぷりハマっていることに気づかされるだろう。

 プレイヤーの操るキャラクターが、砂漠に全裸で追放されてしまうところからゲームはスタートするのだが、そこから先はまったくもって自由――プレイヤーは、それぞれのやり方でサバイバルをしていく。
 用意されたシナリオを追いかけるのではなく、自分のキャラクターの生き様から、ストーリーを脳内で妄想するのも楽しい遊び方だ。

プレイ開始時に、自分の外見、部族、信仰する神などが選べる。

 そこで本記事では、右も左も知らぬまま砂漠に追放されてしまった男の手記という体裁で、 冒険の舞台となる“追放の地”のサバイバル生活をお届けしよう。
 ただし、この男は恐ろしい獣神ヨグを崇拝する狂信者である。
 この神様は現代人の視点で見ると、かなりヤバい存在だ。

獣神ヨグはクセがすごい。

 果たして、このサバイバル生活の中で、彼は何を生きる目的として見出すのだろうか……?

この男、重罪につき追放処分

 ダルファル族の男――オオナン。
 いまのオレに残されたのは、この名と罪状だけ。
 公然わいせつ、海賊行為、高利貸絞殺という数多の罪状により、オレは“追放の地”にて磔(はりつけ)の刑に処された。
 いくつかは偽りの罪であったが、それを差し引いても、オレは磔にされるだけの罪は犯してきた。
 そのままハゲワシの餌となるところだったが……幸運にも、通りすがりの蛮族に助けられ、九死に一生を得る。
 その蛮族は名乗ることも、恩に着せることもなく、この言葉だけを残していった。

「生きて 愛して 命を燃やし 生き延びるため戦うのだ!」

ここからすべてが始まった。

 その言葉は、オレの心に深く刻まれた。
 もしかすると、彼こそが世に知られた英雄――コナンだったのかもしれない。

 彼との出会いから、オレの“追放の地”でのサバイバルが始まったのだ。

愛するものは――神

 命の恩人の言葉に従い、オレは“追放の地”で、何があろうと生き延びると決意した。
 だが、この過酷な世界で生きるためには、心の支えとなるもの――愛するものが必要だ。
 女は人生を狂わせる。
 公然わいせつの前科を持つ身としては、もう女はこりごりだった。

罪状は腹に貼り付けられている。

 そのとき、オレの脳裏に浮かんだのは、命をかけて愛するに相応しきもの。
 オレの部族、ダルファル族が崇拝する神――ヨグだった。
 空なる居所の主。力と勝利を授けてくれる獣神である。

 これまで神を信じることのなかったオレだが……いまこうしているのは、ヨグ様が自分を生まれ変わらせてくれたのだと感じた。
 ならば、自分なりの信仰をヨグ様にささげよう。
 オレはそう決意したのだ。

過酷な砂漠に放り出されたが、同時にすべてが自由である

渇きを癒やさねば

 砂漠。
 それは生者を拒絶する過酷な世界。
 たとえ、ヨグ様への信仰があっても、喉の渇きには抗えない。
 水だ。
 生き延びるためには、とにかく水が必要だ。
 しかし、まわりは見渡す限り岩と砂ばかり。いくら歩いても、水どころか、日差しを遮る影さえまばらの過酷な世界。

神が与えてくれた地図。

 ……ところが、突然、オレの脳裏に周辺の地図が浮かび上がった。
 これぞ天啓!!
 しかも、オレのいる位置までマークされている。なんて便利なんだろう!
 地図によると、現在地から北に向かえば、川にぶつかるようだ。
 これぞ、ヨグ様のお導き。
 神に感謝しつつ、水を求め、北を目指すことにした。

あの蛮族の助けがなければ、このような姿となっていただろう。

神に祝福された土地

 砂漠を越えて、ようやくたどり着いたのは、目にもまぶしい緑の茂る土地。
 ここは神の楽園――

緑が増えて、水の気配がする。

 と、思ったのも束の間。
 いきなり醜い怪物に遭遇する。

楽園に似つかわしくない醜悪な怪物。

 しかも、怪物は非常に好戦的であり、こちらを見た途端、猛然と襲いかかってきた。
 まったくもって神の楽園にふさわしくない冒涜的な存在だが、こちらは丸腰である。
 生き延びるためには、敵に背を向けることもやむなし。
 オレは必死に逃げ出したのだが――。

ヒャッハー、水だ、水だ!

 ……おかしい。
 また、砂漠に戻っている。
 最後の記憶は、怪物から逃げようとしたが、スタミナが切れてしまい、ボコボコにされたところまで。
 そのあと意識が途切れてしまい、“リスポーン地点”とか何とかが頭に浮かんだような気がしたが……目が覚めたら、最初にいた砂漠に戻っていた。
 これも神の試練の一部なのだろうか?
 とにかく、いまのオレには、あの怪物は危険すぎる。
 今度は慎重に、怪物を避けつつ、川を目指すことにしよう。

これで命をつなぐことができる。

 苦労の末、ようやく川辺に到着。
 ためらうことなく川に飛び込み、乾ききった体を水に浸す。
 最高だ!
 生き返った!!

 この心からの歓喜と感動が、オレを成長させてくれたのか……新たな力(スキル)に目覚めそうな気がした。
 腕力、身のこなし、生命力――どのスキルも、過酷な自然で生きるために必要なものばかりで迷ってしまう。
 あの蛮族の言葉である“生き延びるために戦う”のに必要なものは、なんだろうか?

 腕力か?
 生命力か?

 これから多くの経験をして、オレはスキルを高めていくだろう。
 しかし、それだけでは、この過酷な自然で生きることは無理だとも感じつつあった。

生き延びるためのスキル。

生み出す力、生み出される力

 ……これまでは、他者から奪い取るだけの人生だった。

 奪い続けて追放された結果が、いまのオレ。
 逆にすべてを奪われ、文字通り裸一貫となった。

 しかし、この過酷な“追放の地”に、奪えるものはない。
 ここでオレがすべきは奪うのではなく、自分で生み出すこと。
 そのためには道具が必要。
 馬鹿なオレでもそれはわかる。
 川の水で渇きを癒やしたオレは、足元に転がる“木の枝”と“石”に気づいた。
 以前ならば、見向きもしなかったガラクタだが、これを組み合わせ、石器を作れないだろうか?

材料さえあれば、いろいろなものが作れる。

 もちろん、それは簡単なことではない。
 具合のいい石器を作るには、いくつもの“木の枝”と“石”が必要となる。
 裸のまま、川辺や林を歩き回っては、役立ちそうなものを拾っていく。
 飢えは、地を這う幼虫を食うことでごまかした。
 とても満足のいく味とは言えないが、空腹をしのぐことはできた。

 材料を拾い集め、虫を食らいながら、オレは自然から与えられて生きているのだということを、嫌と言うほど思い知らされた。

このサバイバルでは虫も貴重な食料だ。

 苦労して完成した、初めての石器。
 奪い続けてきたオレが、初めて生み出したモノ。

 感動も冷めぬうちに、さっそくオレは、これまで大きすぎて使い物にならなかった川岸の石を叩き割ってみた。
 すると、これまで探し回っていた苦労が嘘のように、具合のいい石がゴロゴロと取れた。

 すばらしい!!

 奪うのでも、与えられるのでもない。
 自分自身で生み出すことのできる喜びに、オレは歓喜した。
 ヨグの神よ、感謝します!

岩を叩き割れば、石器の材料はいくらでも手に入る。

慢心は油断を生む

 石器のおかげで、オレの生活は飛躍的に向上した。
 切り倒した木を燃料にして、たき火を起こし。
 石器で狩った動物(川には大型の亀がおり、いい獲物となった)を調理する。
 久しぶりのステーキだ!
 ようやく肉が食えたことで、オレの心にはだいぶゆとりが生まれていた。
 しかし、そんなオレの油断を大自然は見逃さなかった。
 いつものように狩りをしていると、突然、あたりが暗くなった。
 気づくと、南の空が砂の雲に覆い尽くされている。
 砂嵐だっ!!

圧倒的な自然の猛威に、裸で立ち向かうのは愚かだ。

 熱い砂が、むき出しのオレの肌を切り裂いていく。
 大自然の猛威に、オレはあまりに無力だった。
 砂嵐の中、逃げ惑うが、みるみる体力が奪われ、やがてオレは意識を失ってしまった。

 ……気がつくと、オレは最初にいた砂漠の真ん中にいた。
 これまで生み出した石器や食料は、砂嵐にはぎ取られ、なにもかも失われていた。

 またもオレはすべてを奪われてしまったのだ。

 ゼロから、やり直し……と、落胆しかけたが、オレはすぐに思い直す。
 オレにはこれまでの経験(スキル)と、ヨグ様への信仰心が残されている。
 それはなによりも大事なもの。
 これさえあれば、オレは何度でもやり直せる。
 そして、相手が何者であろうと、このふたつをオレから奪うことはできないのだ。

本能のまま生きるのはやめよう

 砂漠から戻ると、まずオレは川辺に生える草の繊維を編んで、簡単な服を作ってみた。
 裸よりはマシといった程度だが、具合はいい。
 まさかオレにこんな器用なことができるとは、自分でも意外だった。
 衣服、食事がそろったら……当然、次に必要となるのは、住居である。

ようやく全裸生活から解放された。

 石器を得てから、いつかはやらねばとも思っていたが、大量の材料が必要となるため後回しにしてきたことだ。
 しかし、先日の砂嵐で、オレは住居の必要性を痛感した。

 住居を建てれば、そこが生活の拠点となる。
 どうせなら、住みやすい場所を選びたい。
 水辺が近く、岩場と林も近くにあるのがいい。
 また、遠くからでも住処がわかるよう、古代人が建造したと思われる崩れかけた大橋の近くに、木と石の家を建てることにした。
 最初は材料集めが面倒と思っていたが、それだけに専念すれば、案外と楽なものである。

 砂地に土台を造り、壁を組み上げていく。
 みるみるとできあがる我が家に、オレは大きな達成感を得ていた。

 衣食住、3つがそろったことで、ようやく人間に戻ることができた気がしたからだ。

外見は立派な家だが、まだ屋根がない。

そうして生態系の頂点へ

 住居を得たことで、オレの考え方に変化が生まれた。
 これまでオレはすべてのものを、自分で持ち運んでいた。
 逆を言えば、持ち運べるもの以外を持とうとはしなかったのだ。
 しかし、定住の場所を得たことで、オレは持ち運べないものを、貯めるようになったのだ。
 地味だが、これはオレの生活における、大きな変革であった。

 そして、石器と経験のおかげで、オレは戦いにおいても強くなっていた。
 初めて遭遇した醜悪な怪物など、もはや相手にならない。
 狂暴なオスの大亀、タフなクロコダイル……そして、オレと同じ人間の追放者たち。
 武器もなく、知識もないときは脅威であったが、もはや恐るるに足らず。
 いつの間にか、オレはこの川辺の生態系の頂点に達していたのだ。

強敵だったクロコダイルの群れも、もはや敵ではない。

 また、川辺に罠を仕掛けることで、魚、カニ、エビなど、豊富な食材を、手間をかけることなく確保することもできた。とくに大ぶりのエビは、オレの大好物である。

 砂嵐に怯えることなく。
 石器を使って、獲物を狩り、貯蔵していく。
 誰からも奪うことのない自給自足。
 空腹や襲撃に怯えることのない心満たされた豊かな生活に、オレは満足しつつあった。

 ゆとりができたことで、オレはずっと考えていた大きな計画を実行することを決めた。
 それは神への祭壇――“ヨグの穴”を建築すること。
 家を建築した以上の材料が必要となるが、川辺の頂点であるオレが本腰をいれれば、どうということもないだろう。

“ヨグの穴”とは、神に捧げ物をするための祭壇だ。

すべてはヨグ様に捧げるため

 ……だいぶ時間はかかったが、ようやく“ヨグの穴”が完成した。
 岩で組まれたかまどを、ドクロで飾った簡素なものだが、オレにとっては神と通じることのできる大切な場所である。
 “ヨグの穴”で祈りを捧げると、オレに新たな啓示が下りてきた。
 これまでの野蛮な石器ではなく、新しい宗教的道具――“ヨグの斧”の作り方がわかったのだ。
 大量の骨を使って作られる、ワニの顎のような形状をした斧。
 最初、この斧が何に使われるものか、無知なオレにはわからなかった。

 しかし、ある日、オレの住居の近くに住み着いた追放者どもを撃退したときのことだ。
 獲物から役立つものをはぎ取ろうとしたとき、ふと、オレは“ヨグの斧”を使ってみようと思い立った。
 おそらく、それは神のお導きだったのだろう。
 すると、骨でできた斧だというのに、不思議とすばらしい“収穫物”を取ることができた。
 なにか特別なものを感じ取ったオレは、神への感謝を込めてその“収穫物”を“ヨグの穴”に捧げることにした。

収穫物が何であるかは、ヨグの信者のみが知ることだ。

 すると、どうだろうか。
 奇跡が起きたのだ。
 炎の中には、オレのヨグ様への信仰心の表れとして“信心の顕現”が残されていたのだ。

 安定してはいるが、目的もなく生きるだけの日々を送っていたオレにとって、それは大きな衝撃であった。
 オレの信仰は、ヨグ様に届いていたのだ!

 この“信心の顕現”を増やせば、さらに“ヨグの穴”は力を増すはず。
 こうして初めて、オレは生き延びる以外の目的を得た。
 オレの第二の人生は、信心を蓄え、ヨグ様の栄光をたたえるためにあったのだ。

 そのためには、多くの獲物から収穫物をはぎ取り、“ヨグの穴”に捧げねばならない。

 ただし、これは己のために奪うのではない。
 奪うことは、もうやめた。
 獲物から収穫物をはぎ取るのは、我が神に捧げるため。
 ヨグ様の栄光をたたえる、聖なる行為なのだから……。

ようやく足を踏み出したばかり

 こうして追放者だったオオナンは、獣神ヨグの栄光をたたえることを人生の目的と定めた。
 しかし、オオナンの邪教的サバイバル生活は、まだまだ序盤。
 いまは川辺の狭い地域で安定した暮らしを確保しただけで、『コナン アウトキャスト』全体としては、ほんのさわりの部分である。

 今回、プレイしているオオナンは、ヨグ様の崇拝に重きを置いているが、プレイヤーによっては、豪華な住居の建築、未知の土地への冒険、敵の拠点への攻撃など、いろいろな目的を持ってサバイバルを繰り広げることができる。
 それこそ、プレイヤーの数だけ『コナン アウトキャスト』のストーリーはあるのだ。

 さて、生態系の頂点に達したと豪語するオオナンだが、これから広い世界に旅立ち、自分が井の中の蛙であったことを知ることだろう。
 はたしてどのような苦難が、オオナンを待ち受けるのか?
 それは神のみぞ知る、彼だけのストーリーである。

住居のまわりには、材料を加工するための設備がそろいつつある。

(第2回へつづく)

『ARK』にインスパイアされたサバイバルゲーム『コナン アウトキャスト』。冒涜的なライトノベル作家がハイボリア時代でヨグ様の神官を目指す!(第2回)

2018年8月23日に発売されたプレイステーション4用サバイバルアクション『Conan Outcasts(コナン アウトキャスト)』。ライトノベル作家の内山靖二郎氏によるプレイリポートの第2回をお届け。

著者紹介:内山靖二郎
ライトノベル作家。アナログゲーム『クトゥルフ神話TRPG』のライターもしている。
今回の記事のように、キャラクターになりきり、自分なりのストーリーを脳内で妄想するプレイを好む。



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