現在シアトルで開催中のゲームイベント“PAX WEST”の会場近くで、新興インディーパブリッシャーのSindiecate Artsに新作『Damnview』を見せてもらったのでご紹介しよう。
『Damnview』は、Brainwash Gangというインディースタジオによる作品で、海外ではプレイステーション4/Xbox One/Nintendo Switch/PCで2019年第1または第2四半期のリリースを予定している。
海外メディア等で『Stardew Valley』がよく引き合いに出されているのだが、確かにゲームとしてドット絵の生活シムという部分は共通する。しかしそのトーンは大分異なり、まずプレイヤーが生活するのは1990年代をイメージした治安悪めの都市。そしてプレイヤーたちの外見はいわゆる“ケモノ”な獣人である。
本作、サブタイトルを“Built from Nothing”としており、プレイヤーが生活基盤の何もない街にやってきた所から始まる。なんとかして家賃を稼ぎ、この街で生活を築いていくのが当面の目標だ。
ストーリーベースで進行するのではなく、プレイヤーの選択でゲームが動いていくサンドボックス型シミュレーションゲームの体裁を取っていて、地道にランドリーで働くこともできれば、ストリート商売に手を出してドラッグなどを売るということも可能。浮いた金で学校に通って技能を磨けば、苦しい底辺生活から抜け出す目もあるかもしれない。
しかし本作は『グランド・セフト・オート』ではないので、気まぐれに街中で銃をぶっ放したり、暴走を繰り広げたりすると、やがて警察に捕まり刑務所にブチ込まれることになる。刑務所には独自の生活体系があり、ストリートとはまた異なる過酷な現実が待っていることだろう。
ランドリーでの労働プレイを見せてもらったが、ラジオ(音声でトークショーやニュースが流れる)に耳を傾けながら仕事をしているとさまざまな客が登場し、会話をしては洗濯物を置いていく(出会いにより次の仕事のきっかけになることもあるとか)。
お仕事部分はミニゲームになっていて、洗濯屋なら現実と同じように服の素材を気にしながら洗濯機を回さなければいけないし、ドラッグを売るなら(ゴルフゲームのショット時のようなUIで)値段をふっかけることもできる。
ちなみに世界にはNPCが約200キャラクターほど登場する予定で、それぞれ独自の生活を送り、プレイヤーの干渉に影響を受けるという。また「昆虫族は夜になると街に繰り出す嫌な成金」、「大型の類人猿で怖いと思ったら心優しいケモノだった」といったように、現実の人種関係なども微妙に反映しているそう。
一方で主人公のキャラメイクはランダムになっていて、自分に割り当てられた属性と向き合って生きていかなければならない設計になる模様。ゲームの中ぐらい融通のきく生活を送りたい人もいると思うが、本作はそうではないのだ。
ゲームはまだ公式にプレイアブル出展するような完成度に至っていない感じだったが、所々から感じるセンスは本物。気になる人は公式ツイッターなどをチェックしてみてはいかがだろうか。