gamescomにてがっつりとインタビューさせていただいた、Bungieのプロジェクトリード、スコット・テイラー氏のインタビューをお届けする。テーマはもちろん、『Destiny 2 孤独と影』。テイラー氏の溢れる日本愛も必読です!

 2018年8月21日~25日(現地時間)ドイツ・ケルンメッセにて開催中のヨーロッパ最大規模のゲームイベントgamescom 2018。ここでは、『Destiny 2 孤独と影』の開発元であるBungieのプロジェクトリード、スコット・テイラー氏に話を聞いた。9月5日の配信日を間近に控え、「頭は『孤独と影』のことでいっぱい」というスコット氏に、同拡張パックのさらなる魅力を聞いてみた。

『Destiny 2 孤独と影』は初めての人が楽しむには最適の拡張パック

――改めてのお話になりますが、9月5日に配信される拡張パック『Destiny 2 孤独と影』(※)の狙いを教えてください。

※ゲーム本編と『孤独と影』やこれまでのダウンロードコンテンツなどがセットになった『Destiny 2 レジェンダリー コレクション』のパッケージ版は9月6日発売

スコット 『Destiny』シリーズをまだ一度もプレイしたことがない人が始めるには、過去にこれほど最適なタイミングはなかったと言えます。太陽系を舞台にした壮大な旅を描くすばらしいストーリーが展開されます。数多くの惑星を探索でき、戦いを追い、ギアなどのアイテムを集めることもできます。『Destiny』はどうなのかな……と思っている日本のゲームファンの方には、ぜひこの機会に始めてほしいです。
 私たちは、初めての方が入りやすくなるように、『孤独と影』を購入すると、キャラクターのレベルをブーストするアビリティを持つことができるようにしました。そのアビリティを持った状態で、キャンペーンや“ギャンビット”をプレイすることができるのです。通しでプレイすることもできますし、コンテンツが多いので、ひとつプレイしてまた違うキャラクターで別のことをするというのも可能です。ブーストはとても使い勝手がよくて、キャラクター画面上で選んですぐにアクションに入ることができますよ。

――E3のときも、“初めて『Destiny』をプレイする人も楽しめる”というお話をしていましたが、『孤独と影』は、初心者が入りやすくなるための配慮がいっぱいあるということですね?

スコット そのとおりです。キャンペーンは、新しいプレイヤーがゲームに親しむのにはよいスタート地点だと思います。プレイの仕方を学習できますし、ストーリーも理解できます。PvPに慣れている人なら、マルチプレイからスタートするのもいいでしょう。フレンドを誘っていろいろと試して、楽しみながらゲームに親しんでいけます。また、“ギャンビット”も深みがあります。モンスターを倒すことでチームに貢献できるという楽しさがあります。ゲームの内容はよくわからないけれど、とにかくいろいろなやりかたでモンスターを倒すのは楽しい、という方もいるでしょう。戦略を学べば、それは“ギャンビット”だけでなくて、『Destiny』全体で使えるので、プレイヤーとしてうまくなっているという手応えが感じられるでしょう。もちろん惑星を探索して歩き回り、忘れられた洞窟やその中にいるボスを見つけたり。とにかく自分のペースで楽しめます。

――E3でお披露目されたマルチプレイモード“ギャンビット”の反響を教えてください。あれからフィードバックを受けて改善した点などありますか?

スコット ゲームは継続して進化しています。E3での試遊などを経て、ユーザーがどんな戦略を使うのかがわかりました。ゲームをユーザーの手に渡すと、社内でテストしているときよりも、ずっと多くの情報を得ることができます。E3でお見せしたことで助けになったのは、どうやって最後のボスを倒すのかという戦略の部分でした。『孤独と影』を最高の経験にしたいので、ユーザーからのフィードバックはとても役に立ちました。

――gamescomでの“ギャンビット”のメディア向け試遊では、E3のときとは違ったマップが披露されましたね。

スコット そうですね。新しいマップです。マップの名前は“リーフ”といいまして、『孤独と影』の舞台となる“タングルドショア”の一部ですね。ちなみに“ギャンビット”には、全部で4つのマップがあります。

※ “リーフ”はメディア向けだけに用意されたもので、一般向けにはE3と同じマップでの試遊になるとのこと。

――“ギャンビット”と、通常用のマップのおもだった違いは何になりますか?

スコット “ギャンビット”は独立したゲームモードなので、違うアリーナで戦い、テーマも異なります。マッチを始める度に、本編とは違う対戦相手と異なるスペースで戦うことになります。組み合わせも変わります。マップも4つあるので、違うゲーム体験ができるのです。マップは“ギャンビット”用なので、通常のマップよりも小さめですね。

――4つのマップでも大小がある?

スコット ほぼ同じサイズですが、今日プレイしてもらったのは少し大きいですね。また、高低差があるのでジャンプ移動できます。

――ジャンプしきれずに、マグマが煮え立つ下に落ちてしまいました。

スコット あら(笑)。そこは少し難しくなっていますので、最初は落ちてしまいますね。

――“ギャンビット”のマップは、今後追加していくのですか?

スコット いまは4つのマップで“ギャンビット”を知ってもらうことにフォーカスしています。E3のときと同じように、プレイした人たちがどんなマップを求めているのかをフィードバックしてくれるでしょう。『Destiny』は最初からコミュニティに耳を傾け、それに順応してきました。このモードを知ってもらって、そこからつぎのステップを決めるつもりでいます。

――『Destiny』シリーズは、通常のFPSでもなく、昨今のesportsの流れに乗るわけでもなく、と独自の道を歩んでいるように思います。

スコット そういう意味では、『Destiny』は極めてユニークなゲームだと思います。いろいろなタイプのプレイヤーが楽しめるようになっているのです。FPSが好きなカジュアルプレイヤーにはその要素があります。アビリティは第1級のものを揃えています。あるボスにはどのロードアウトが最適かをじっくり探したい人には、その奥深さを提供します。いろいろな遊びかたができるのです。『Destiny』は、ほかとは違う独特なゲームだと思います。私たちはつねにさまざまなタイプのプレイヤーに、このゲームを試してほしいと考えています。

――それは意識的に取り組んでいることなのですか?

スコット そうですね。独自の道を切り開いていると思います。『Destiny』を愛してくれている人たちのために作っています。ファンもコミュニティもすばらしい。さまざまなプレイヤーが容易にアクセスでき、しかも奥深いゲームとして、積み重ねていきたいです。

――たしかに、『Destiny』には熱心なファンが多いですね。

スコット E3でメインキャラクターのひとり、ケイド6が死ぬという発表をしましたが、翌日には会場の一角に祭壇が作られて花や写真が飾られていました。ファンの反応と情熱にはとても感激しました。これは最近のエピソードですが、ファンはつねにゲームについて質問してくれたり、話してくれます。これはとても特別なことだと思っています。

――こういう質問をするのは少し無粋ですが、どうしても気になったもので、質問させてください。どうして、ケイド6は死ぬことになったのですか?

スコット 私たちは、明確な動機を持った、ほかにはないストーリーを語りたいと思っています。『Destiny』は、一貫性を持つ生きたワールドなので、ひとりのキャラクターを取り除いたら、プレイヤーだけでなくて、ワールドのほかのキャラクターはどう感じるか、ワールドはどう変わるのかを考えてみました。“ケイド6の死”を選択することによって、ストーリーの語りかたやゲームのトーンが豊かになると感じました。
 このアイデアからほかのさまざまな可能性が引き出され、私たちが共鳴し影響を受けることで、さらに「どんなボスと戦うのか?」、「誰が悪人なのか?」、「ゲームはどこへ向かうのか?」、「それをどう描くのか?」、といったキーになる決断をかなり早期に行い、そこからすべてが落ち着きました。
 この決断をしなかったらどうなっていたかは、いまはもう想像もできません。“ケイド6の死”によってゲーム全体を通してプレイヤーのモチベーションが上がりました。キャンペーンの後にエンドゲームのロケーションが出てきますが、ケイド6のストーリーやそこで起きたことは、よりすばらしいことに繋がっていきます。従って、これは非常に強力でわかりやすい動機に基づいたものなのです。プレイヤーにはよいストーリーをプレイして、『Destiny』が提供するほかのすべてを楽しんでもらいたいと期待しています。

――E3のときは、スコットさんとスティーブさん(スティーブ・コットン氏、ゲームディレクター)の仲のよさが印象的で、おふたりを通してチームの雰囲気のよさがうかがえました。それでつい、「おふたりはとても仲がよいようですが、チーム全体も仲がよいのですか? そうであればその秘訣を教えてください」という質問をしてしまったのですが、その後いかがですか? 私はあのお答えがとても印象的で、何か新しいトピックなどありましたら。

スコット 質問されてとても嬉しかったです(笑)。スティーブと私だけではなく、チームにとってもそうです。人々が愛してやまないものに従事できる素晴らしい機会をいただいていることに、つねに感謝しています。後ろの壁を見てください。モンスター、ガンファイト、エイリアン……スタジオでいろいろな像を見るにつけ、自分は「なんてラッキーなのだろう!」と思います。自分の職や仕事についてひねくれた態度はとらないようにしています。このようなプロジェクトの一部であること自体が大きな機会なのですから。
私やほかのチームのリーダーがこれについてじっくり考えることはとても重要です。チームの誰かが悩んでいるときには、子どものころは、「こんなことができたらいいなあ」というファンタジーでしかなかったことを、いま実際にやっている事実を思い起こして欲しいと思っています。この仕事はとても楽しいわけですから。ゲームのストーリーを考え、キャラクターを作り、そのひとりが死んだり、惑星を作り、エイリアンがいて……。誰がこんなに楽しい仕事につけるでしょう?
 私は長くスタジオにいますが、私だけではなくて、チームがこのように感じることが大事だと思います。プロジェクト、フランチャイズ全体を視野に入れると、全員が同じように感じているわけではないので、それは伝えていきたいです。リーダーになる鍵は、本物の情熱だと思います。情熱だけではうわべだけのものになってしまいますが、心底から情熱を持っていないといけないですね。それがあれば、チーム全員が楽しく仕事ができるように助けられると思うので、努力していますし、そのことはつねにに頭の中にあります。

――熱い言葉をありがとうございます。ところで、『孤独と影』のリリースを楽しみにしていますが、『Destiny 2』のワールドはこれからも続いていくことと思います。『Destiny』ワールドで目指していることは?

スコット いまは発売までの2週間にフォーカスしています。それ以降のことは、いまは考えられないです。この2週間が予定通りにきちんと進むことしか頭にありませんね。発売後に脳を休めてからなら、つぎに進めるかもしれないです。まあ、拡張パックのプランはすでに発表していて、年間パスもアナウンスしました。『孤独と影』から始まり、来年の9月までのコンテンツです。これがつぎのステップですね。詳細も、間もなく発表できると思います。
『Destiny』のプレイヤーは熱心でとてもゲームを愛してくれています。エンドゲームのスペシャルリワードがあり、クエストがあります。昨年学んだことをつぎに活かしていきたいです。

――今後何かやってみたいことがあります?

スコット “ギャンビット”はそういうものでしたね。プレイヤーがアクティビティに取り組んで、リワードを受け取って喜んでもらう。そこから積み重ねてきたわけですし、これからさらに特別なものにしていきたいです。いまは“ギャンビット”を育てていくことにワクワクしています。ローンチの後にその方向性がわかると思います。まったく新しいゲームモードの導入は久しぶりですし、“ギャンビット”はチームの多くの人の情熱の賜物、夢でもあります。そういう意味では、いまは“ギャンビット”をどう進化させるかということに興味津々です。

――わかりました。最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

スコット E3 2018のインタビューのときにもお伝えしましたが、日本は大好きな国です。世界のいろいろなところに行きますが、その度に日本はいいなと感じます。すっかり日本に夢中になってしまいました。来年4月には行くことにしていますが、今年の11月にも行くかもしれません。

――東京ゲームショウはいかがですか?

スコット 東京ゲームショウはわからないです。

――前回は、渋谷に泊まって東京ディズニーシーに行ったと教えてくれましたね。

スコット そうです。前回は渋谷に泊まりました。東京ディズニーシーは世界一のテーマパークです。ディズニーワールドは多目的に作られていますが、東京ディズニーシーの独特の感触や詳細の素晴らしさは驚くべきものがあります。ライドもすばらしいですし、娘が大好きなマーメイドラグーンもありますし。火山もゴンドラも素敵です。次回日本に行くときは、娘を連れて園内にあるホテルミラコスタに泊まろうと話しています。
 あと、東京都内では銀座に泊まるのもいいかなと思っています。渋谷と新宿には数回泊まっているので、違うところに行ってみたいですね。銀座には泊まったことがなくて、あまり時間を過ごしたことがないので、ここを根拠地にしたいです。
 サンシャインシティも私のお気に入りのひとつです。屋上は最高ですね。それに混んでいなくて、とても楽しいです。ほかには……だいたいどこかの地域を選んで電車で出かけて探索します。野球も見に行きますよ。だいたいジャイアンツの試合を見に行きます。近接の東京ドームシティにはサンダードルフィンというジェットコースターがありますが、信じられないくらいすばらしいです。
 そうそう、美味しいラーメン! 食べるのが大好きなので、なんでも美味しい。ベスト!
 妻も行くのを楽しみにしています。2009年に家族で日本に行きましたが、一度だけしか行けないと思ったので、そのとき4~5歳だった娘も連れて行きました。けっきょく娘は2回日本に行っていますが、近いうちにまた連れて行きたいです。今年はこのプロジェクトがあるのでまだ日本には行っていませんが、ぜひ旅したいです。いつも日本を訪れることを考えています。すばらしい国でいてくれてありがとうございます!……って、前回同様メッセージになっていないかな(笑)。