サプライズゲストも登場し情報盛りだくさんの発表会に
角川ゲームスより発売が予定されているプレイステーション4/Nintendo Switch用ソフト『ラングリッサーI&II』は、往年の名作を復刻したリニューアル作品。グラフィックリファインに伴い新規要素も多数追加されており、新旧どちらのファンも楽しめそうな、注目のシミュレーションRPGだ。発売は角川ゲームス、企画・制作はキャラアニ、監修はエクストリームが担当となる。
2018年8月29日、その『ラングリッサーI&II』の製作発表会が都内で行われた。おもな発表については速報でお届けした通りだが、本稿では、声優陣のほかサウンド担当の岩垂徳行氏、イラストレーターうるし原智志氏なども登場した発表会の模様を詳細リポートしていこう。
発表会ではまず、主催者を代表して、キャラアニ代表取締役社長の藤本裕子氏があいさつを述べた。
「まだまだ開発の途中ですが、あらためて関係者の皆さまにお礼を申し上げます。弊社のゲーム事業のコンセプトは、過去の名作を未来につなぐ、というものです。コンテンツ大国の日本で、新しい作品がどんどん生まれる中、いま私たちをこの場この時にいさせてくれるきっかけとなった作品を、つぎの世代へ届け、そしてリアルタイムで経験された世代にも再び楽しんでいただきたい。そんな情熱の中、この『ラングリッサーI&II』は、その思いにふさわしい作品として、全力で取り組んでいきたいと思っています。ご協力をぜひともお願いいたします」(藤本氏)。
続いては同作のプロモーションを担当する、営業部の青野氏によるプレゼンテーションと移り、セールスポイントが具体的に紹介された。ポイントは、【1】ビジュアルリファイン、【2】新規キャストによるフルボイス化、【3】システム面の最適化、【4】新規シナリオ&ヒロインの追加、【5】ゲームを盛り上げるアレンジBGM、の5つだ。
ひとつ目のポイントは、ビジュアルの全面的なリファイン。今回は『アルトネリコ』シリーズなどで知られる凪良氏が新たにキャラクターデザインを担当し、グラフィックの一新に伴い、戦闘カットインやイベントシーンも追加されている。
ふたつ目のポイントは、新規キャストによるフルボイス化ということで、ここでは登場人物の声を担当する声優の一部が発表された。配役は以下のとおりとなる。(敬称略)
クリス:佐倉綾音
ジェシカ:喜多村英梨
エルウィン:酒井広大
レディン:逢坂良太
リアナ:大西沙織
へイン:下野紘
ナーム:大坪由佳
ルシリス:早見沙織
シェリー:小澤亜季
ベティ:東城日紗子
主役エルウィンを演じる酒井さんが登場!
ここで最初のゲストコーナーとなり、エルウィンを担当する声優の酒井広大さんがステージに登場。MCの問いかけに沿って、ゲームに関してのコメントを語った。概要を以下に紹介する。
――配役が決まったときのご感想は?
酒井 多くの方に長く愛されてきたこの作品がリメイクされることに、まず驚きました。その『II』の主人公を自分がやらせていただくことにはすごく興奮してうれしかったのですが、オリジナル版のファンの方に受け入れられてもらえるのかといった不安もあり、そんななかでいっしょうけんめい演じさせていただきました。
――演じる中で、意識された点などはありますか?
酒井 ストーリー分岐があり、選択によってはかなりいろいろな顔を見せてくれるキャラクターなんですね。主人公としてどうなの? という非道な部分も出てきたリ。ですので熱血主人公という基本のラインは保ちつつも、シーンによっていろいろなエルウィンを見せられたのかなとは思います。
――収録でのエピソードなどは?
酒井 ゲームの収録は、シーンをまとめてひとりでしゃべりつづけることが多いんですね。王道的なストーリーやシーンでは前向きにやっていけたのですが、後半にネガティブなシーンが続いたときは、やはり気持ち的にもダークになりました。ただ形はどうあれ、主人公は世の平定を願っているので、その部分は忘れないようにしました。
――最後にファンにメッセージをお願いします。
酒井 長く愛された作品に関われる幸せを感じています。プレイヤーの皆さんの選択によって違うストーリーが楽しめるすばらしいゲームになっておりますので、ぜひ皆さんの思う覇道を進んで、戦乱の世を平定してもらえればと思います。リメイクということで、遊びやすくパワーアップしていますので、オリジナル版をプレイした方もプレイしていない方も、発売まで楽しみにしてもらえればと思います。
つぎに紹介された3つ目のポイントは、システム面の最適化ということで、具体的にはユーザーインターフェイスが大幅に改良されている。クラスチェンジシステムの改善や、スキルの追加なども予定されており、『ラングリッサー』シリーズの戦略性の高さはそのままに、プレイの幅が広がるということだろう。また、スキップや戦闘早送り、中段セーブなど、多彩な機能の追加により、遊びやすさもより高まるはずだ。
新シナリオとヒロインも登場決定!
4つ目のポイントは、新規のシナリオとヒロインの追加だ。『II』で導入されていたルート分岐によるマルチエンディングを、今回は『I』でも採用。また追加されたルートでは、新規ヒロインのベティが登場する。
ここでふたり目のゲストとして、そのベティの声を担当する声優の東城日紗子さんが登壇。酒井さんと同様に、MCとのQ&Aを以下にまとめて紹介する。なおこの場では、東城さんが、同作の宣伝大使として任命されたことも発表された。
――配役が決まったときのご感想は?
東城 こんなにかわいらしいキャラクターを担当できるの? という出会いがうれしかったです。その反面、長きに渡るシリーズの追加ヒロインということで、プレッシャーはありましたね。魅力的なキャラクターが多い作品なので、ベティが埋もれないように、彼女の魅力を発揮していかなければと思ったので、気合を入れて収録に臨みました。
――ベティの人となりについての印象はどうですか?
東城 女性騎士であり、名門の家柄であり、無鉄砲で、妹属性でもあるんですよね。いろんな属性を持っていますが、収録では、彼女の芯の強さをうかがえるセリフが多かったので、好印象を持ちながら収録できました。
――オフィシャルの宣伝大使ということですが?
東城 何をするのか、正直わかっておりません(笑)。ただわかっていないなりに、『ラングリッサーI&II』の魅力と、ベティの魅力を伝えていかなければならないという使命感は感じておりますので、任務はしっかり果たしていきたいです。
――今後はおそらく、プロモーションイベントなどで、東城さんのお力を借りることになるかと思います。では最後に、ファンにメッセージをお願いします。
東城 なにぶん新規ヒロインですので、お話できることはまだ少ないのですが、これから宣伝大使としても、イベントなどのなかで『ラングリッサーI&II』の情報を皆さんにしっかりお届けして、新旧の幅広いお客様に愛させるように、宣伝をがんばっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
BMGも新アレンジ、さらにモバイル版も登場!
最後の5つ目のポイントは、BGMのアレンジ。今作ではオリジナルサウンドを当初担当していた岩垂徳行氏本人がセリフアレンジを行い、さらには新規楽曲も追加している。ここで3人目のゲストとして、当人の岩垂氏がステージに登場し、オリジナルと新アレンジの両方を流して聞き比べて、違いをみずから解説。最後には新曲についての思いを「いまだからこそ作りたい、『ラングリッサー』への思いを込めた曲です」とコメントした。
「ゲーム内容はもちろん、音楽のほうもパワーアップしていると思います。ぜひ遊んでいただけたらと思います」(岩垂氏)。
続いて登壇したのは、エクストリーム代表取締役社長 CEOの佐藤昌平氏だ。同氏はもともと日本コンピュータシステムの社員で、メサイヤレーベルの事業部として作品に携わり、退社したのちもタイトル権利などを引き継いで展開。今回は『ラングリッサー』の元祖を知り見守る立場として、ゲーム内容を監修している。
ここで佐藤氏より明らかにされたのは、かねてよりアジア圏でサービス展開されていた『ラングリッサー』のモバイルゲームが、日本国内でもサービス開始されることが決定したこと。佐藤氏の呼びかけにより、モバイル版を制作しているzlongame(天津紫龍奇点互動娯楽有限公司)の代表・CEOの王一氏もステージに登場し、コメントを語った。
「『ラングリッサー』シリーズは、私が学生のころに遊んでいたゲームで、思い入れが深い作品です。今回の『ラングリッサーI&II』発売も、とても喜ばしく思っています。エクストリーム社と提携して作り上げたモバイル版は、中国では配信ずみで、さらにアジアにも広く展開する予定です。日本ももちろん大事な市場ですし、来年にはリリースしたいと考えています」(王氏)。
限定版はうるし原氏イラストのBOX仕様!
発表会はここでひと段落となったが、ここで最後のサプライズとして初公開となる情報が2点紹介された。まずひとつは、限定版がオリジナル作のイラストを担当したうるし原智志氏の新規描き下ろしによる、スペシャルBOX仕様になるというもの。もうひとつは、“クラシックモード”の搭載だ。これはゲーム内のイラストや音楽が、オリジナル作のままで遊べるというモードで、ダウンロードコンテンツとして配信される。新ヒロインのベティも、もちろんうるし原氏バージョン。なおこのDLCコードは、初回製造分に同梱されるが、その後の配信などは未定となっている。必ず手に入れたいなら、初回ぶんの予約がオススメだ。
そして最後のサプライズゲストとして登場したのは、発表された特ダネ絡みの、うるし原智志氏。グラフィックがリファインされてのゲーム復活に関する心境としては、「もともとクセが強い絵なので、新しいイラストのほうが多くの方に楽しんでもらえるかもしれません。クラシックモードというのもちょっと恥ずかしいんですが、昔の人に楽しんでもらえればいいかなと思います」とコメント。
続けてうるし原氏が語ったのは、当時キャラクターデザインを担当した思い出について。絵の全般については、「シミュレーションRPG自体も少ない時代で、よくわからなくて手探りで描いてました。自分の持ち味としてはセル画というのがあったので、それを押し出す中、賛否両論を受けながら進めていったという感じです」とのこと。また同氏を代表する、いわゆる美少女キャラの描写については、「深く考えず、そのときの気分で描いてました。何も考えず描いたシェリーの後ろ姿が、Tバックでお尻が話題になったというのも、まったく自覚もなくて。だからユーザーさんに教えてもらう部分も多かったような気がしますね」とうるし原氏。最後は「この新しい『ラングリッサーI&II』は、いまの時代にあっている、よりおもしろい作品だと思いますので、楽しみにしてもらえればと思います」と、ファンに向けてメッセージを語ってくれた。
発表会はこれにて終了。最後に、キャラアニ取締役の平賀忠和氏が締めの閉会あいさつを述べ、フォトセッションが行われてフィナーレとなった。
「すべての『ラングリッサー』ファンに満足していただけるよう努力していますので、ご期待いただければと思います。ゲームショウ2018への出展も予定しています。リリースに向け、佳境を迎えていますので、今後ともよろしくお願いします!」(平賀氏)。