ドイツ・ケルンメッセにて開催されたヨーロッパ最大規模のゲームイベントgamescom 2018。今年、日本貿易振興機構(JETRO・ジェトロ)がgamescomに初出展を果たした。ジェトロは日本の中小企業の海外展開を支援する独立行政法人。記者がビジネスエリアをふらりと歩いていたところジェトロのブースを見つけ、「たしかChinaJoyでも出展していたけど、どんなことを目的にしているんだろう」と疑問に思い、突撃で取材をお願いしたところ、快く受けていただけた。取材に応じてくださったのは、ジェトロ サービス産業部 クリエイティブ産業課長 深川敦子氏。
なお、今回ジェトロブースからは、の13社が出展している。
――まずは、ジェトロはどのような団体なのでしょうか?
深川 70か所を超える海外事務所ならびに本部(東京)、大阪本部、アジア経済研究所及び国内事務所をあわせ40の国内拠点からなる国内外のネットワークをフルに活用し、対日投資の促進、農水産物・食品の輸出や中堅・中小企業等の海外展開支援に機動的に取り組んでいます。クリエイティブ産業課ではコンテンツ産業に関わる日本企業の海外展開を支援しておりまして、今回のgamescomでのジャパンパビリオン出展もその一環となります。
――ChinaJoyも出展していらっしゃいましたよね?
深川 そうですね。ChinaJoyへの出展も今年が初めてで、今年はgamescomと合わせて初出展した形にになります。
――なぜ、今年初出展を?
深川 日本企業の皆さんからの声があったこと、またジェトロとしても中国市場や欧州市場にリーチできていなかったので、今年度は出展を決定しました。
――ゲームイベントとしては、ChinaJoyとgamescomを選ばれたということですね?
深川 はい。あとは、東京ゲームショウに合わせて海外からバイヤーさんをお招きして、日本の企業さんと商談をセッティングするといったこともこれから予定しています。日本のコンテンツを欲している海外のバイヤーさんはけっこう多くいらっしゃるので、なかなかそういった方たちと出会う機会のない、中小企業の方が多くいらっしゃいます。大きなイベントであれば、海外のバイヤーさんも呼びやすいということもありますので。
――今回gamescomへの参加を呼びかけたと思うのですが、反響はいかがですか?
深川 ジェトロのウェブサイト、メルマガ、業界団体を通じて募集をしたのですが、反響はかなりのものがありました。当初は10社程度を想定していましたが、それよりも多くお申し込みをいただきましたので、最終的に13社様にご参加いただくことになりました。
――出展してみての参加者の方の反応はいかがですか?
深川 ご質問いただいたことの直接のお返事になっているかどうかはわからないのですが、ChinaJoyとgamescomの両方に出展した企業さんからは、「ChinaJoyは、皆さん事前アポなしでガンガン訪れるけれど、gamescomはしっかりとアポを取って来られるケースが多い」みたいなことをはうかがいましたね。
――ああ、お国柄ですね(笑)。
深川 中国の方は勢いがよく商談のスピード感が早い、それと比較するとこちらの方は慎重に進んでいく分確度が高いと思うとおっしゃっている企業さんがいらっしゃいました。もちろん全部ではないと思いますが。
――出展しての手応えはいい?
深川 そうですね。具体的なところまで話が行きそうだとおっしゃっている企業さんもあります。
――ジェトロさんとしては、ChinaJoyやgamescomなどへの出展を通して、日本の企業の世界市場に対するニーズをどのように感じますか? 肌感覚で構わないのですが。
深川 ジャパンブースには「“日本”を掲げているからこのブースに来た」と訪れる海外企業の方が多く、日本の企業には引き続き高いニーズがあると感じています。
――来年以降も継続して出展していく予定ですか?
深川 出展者の皆様の反応も見つつ、今後検討していきたいと思います。