2018年7月24日より発売が開始されたSNKブランド40周年記念ハード“NEOGEO mini”。発売前に、SNKより検証用の実機をお借りすることができ、いろいろと触らせてもらっていたのだが、個人的に予約申込をしていた“NEOGEO mini”が手に入ったので、気になっていたことをいくつか検証してみた。
●今回試してみたあれこれ
- ボックス型のスタンドを用意すれば、よりMVS筐体に近づかないか?
- 外部コントローラー(アーケードスティック)は使える?
- モバイルバッテリーでどの程度遊べるんだろう?
- もしかしたらソーラーパネルを使って屋外で遊べる?
※記事内で検証した方法はいずれも動作対象外になるので、動作の保証はされません。また、動作対象外の機器を用いて本体が壊れた場合は、保証の対象外となる場合があります。

自作スタンドでファニーなMVS筐体を再現!?
筆者がNEOGEO miniを気に入った点は、なんと言ってもその筐体デザインに尽きる。最近は往年のゲーム機の縮小復刻版が業界を賑わせているが、NEOGEO miniは家庭用のNEOGEOを縮小再現するのではなく、アーケードに置かれていたMVS(Multi Video System)筐体を(若干デフォルメはしているものの)再現している。しかも、モニター部分も、通常このサイズだとダミーにしがちなところ、キッチリと液晶ディスプレイを搭載。その完成度の高さは、ゲームのデモを流しながら飾っておきたくなってくるほどだ。
このまま飾っていても当然かわいらしいのだが、ボックス型のスタンドを用意してみたらどうだろう。ということで、自作スタンドの制作をやってみた。



自作とは言っても、今回は工具も材料もきちんと揃えられなかったので、厚紙を用いて簡単に作ったただけのものだが、この上にNEOGEO miniを置いて見るとなかなかどうして、MVS筐体感がグッと増した……ような気がしてくる。これで、収録タイトルのデモ画面をオートで切り替えてくれる鑑賞用モードといったものがあるとさらに嬉しいのだが……。
サイズをキッチリと計測し、プラ版などを用いて製作したうえでコイン投入口などまで再現できれば、より完成度は高まるはずだ。どうせなら、MVS筐体(下部)型モバイルバッテリーなんてものをどこかのメーカーが出してくれたら、飛びついて買ってしまうかもしれない。
アケコンでNEOGEO miniは遊べるのか?
今回の“NEOGEO mini”は、外部コントローラ用端子がUSB Type-C端子となっているのは、開封リポートでお伝えした通り。今回、NEOGEO mini PADが同時に発売されているが、格闘ゲームを多く収録している“NEOGEO mini”なのだから、ジョイスティックで遊びたいところ。そこで、USB〜USB Type-C端子の変換ケーブルを用いて、PC用のアーケードスティックコントローラを試してみた。


結果から言うと、残念ながら編集部にあった外部コントローラは対応していなかった。写真のアーケードスティック以外に、PCで仕様できる通常タイプのコントローラも試してみたが、いずれもボタン類はいっさい反応せずといったところ(通電ランプは表示されていたので、USBとしての接続はできていたようだが)。
そもそもが動作対象外のうえ、“NEOGEO mini”本体にキーコンフィグ設定も用意されていないのだから、動かなくて当然だろう。もし動いたとしても、ボタン配置などが思ったようにならない可能性も高いかもしれない。『KOF』や『サムスピ』、『餓狼』などのタイトルはジョイスティックでしっかりと遊びたいところでもあるので、近々専用ジョイスティックが登場してくれることを期待したいところだ。
モバイル環境下&屋外ではどのくらい遊べる?
続いて、モバイルバッテリーでの動作を検証。筆者所有のAnker PowerCore 20100 (20100mAh)を満充電状態にして、NEOGEO miniに接続しての動作時間を見てみた。画面輝度は最大で、音量は最小から2番目にし、時折ゲームをプレイし、それ以外は電源オンの状態で放置したところ、28時間が経過したあたりでモバイルバッテリーの電源が残りわずかを示すランプ点灯状態に突入した。PowerCore 20100は大容量の部類に入るモバイルバッテリーだが、もう少しコンパクトなサイズ(スマホと同容量程度)の小型バッテリーでもそこそこ遊べるのではないだろうか。これなら、某有名珈琲チェーン店でPCではなく“NEOGEO mini”を設置して、ドヤ顔でプレイすることも(勇気さえあれば)可能だろう。

外部電源に対応しているNEOGEO miniだが、太陽光発電をするソーラーパネルを利用できれば、日中なら電源を気にせずに遊びまくれるのではないか。ということで、筆者が所有している太陽光パネル“ソーラーペーパー”を利用して、NEOGEO miniのプレイにも挑戦してみた。“ソーラーペーパー”は、キックスターターで入手した太陽光発電パネルで、パネルを4枚利用すれば5V2Ah程度の電源を得ることができるとのこと(太陽光の量により発電量は異なります)。
というわけで、都内某所で14時頃、炎天下直下で実際に試してみたところ、こちらも無事に動作。いまの季節だと暑さとの戦いになってしまうが、大自然のキャンプ場やバーベキューを楽しむ際、電源が確保できない状態でもソーラーパネルと太陽光があれば、NEOGEO miniがプレイできることがわかった。ただし、ソーラーパネルは通常の電源やモバイルバッテリーのように、ある程度安定した電源が供給されるわけではないので、気象条件によっては不安定になることも考えられる点には注意が必要だ。


なんだかんだいってNEOGEO miniは最高
NEOGEOの画面解像度は320×224と、カラー液晶の携帯電話が出始めた頃のQVGAディスプレイ(320×240)とほぼ同じサイズ。とは言え、NEOGEO mini本体の3.5インチ画面で見ると粗く見えることもなく、最適な解像度だと思えてくる。また、外部モニターに接続した場合も、ドット・バイ・ドット表示ではないため若干甘く見える節もあるが、NEOGEOをブラウン管モニターに繋いでいた時代よりもクリアーな表示だと言って差し支えないだろう。
当時は高嶺の花で、リッチな友人の家に行くか、ゲームセンターや駄菓子屋の店頭などで遊ぶしかできなかったNEOGEOのタイトル群をいつでもどこでも遊べるのだから、これを最高と言わずしてなんと言おう。ゲームの容量、表示解像度、さらにはCPUのスペックなどが優れる現在の2D作品と比較すると、古さを拭いきることはできないものの、NEOGEO miniは、当時のゲームファンを驚かせていたすごさの一端を伺い知れる、貴重なゲーム機と言えるはずだ。
NEOGEO miniはAmazon.co.jpとSNKオンラインショップで選考販売されていたが、現在は複数のショップで予約販売が行われている。欲しい人はそれらをチェックするか、今後の発売が予定(発売日は未定)されている、収録タイトルが異なる(よりアクションゲーム寄りになった)インターナショナル版を狙うのもいいかもしれない。

NEOGEO mini商品概要
・商品名:NEOGEO mini (ネオジオ ミニ)
・収録タイトル数:40タイトル
・液晶サイズ:3.5インチ
・外形寸法/質量:W108mm×D135mm×H162mm/390g
・付属品:電源ケーブル(2m/Type C)※ACアダブターは含みません
・接続端子:HDMI端子(TV出力用)、 ヘッドホン端子、 外部コントローラー端子×2
・販売価格:11,500円(税別)
以下で、“NEOGEO mini”に収録されている全タイトルのオープニングデモをまとめた映像を紹介。40タイトル分だけあって、合計時間は約1時間とかなりのボリュームになっている。