いま波に乗っている、もっともキテいるジャンルと言えるのがバトルロイヤルゲーム(バトロワ)だ。2017年に正式サービスが始まった『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』がPCゲームでは異例といえるほどの大ヒットを記録し、『フォートナイト』はコンソールやモバイルでいち早く展開して、爆発的にプレイヤー数を増加させている。
いわゆるバトルロイヤルゲームのシステムをざっくりと説明すると
・多数のプレイヤーが参加し、最後の生き残りをかけて戦う
・丸腰で任意のポイントに降下し、ランダム配置されるアイテムで装備を整える
・時間経過とともに安全地帯がせばまっていく
といったところだろう。
緊張感あるプレイが楽しめるのはもちろん、ルールのわかりやすさから“観ているだけでおもしろい”というのもトレンドになっている理由のひとつ。TwitchやYoutubeで多数のストリーマーがこぞってバトルロイヤルゲームを配信しており、“観る専”のファンもついている。
esportsシーンにおいても、多くのプロゲーミングチームが『PUBG』のリーグに参加しており、この夏には世界大会も開かれるほどに。『フォートナイト』も賞金総額1億ドルを投じて、esportsに力を入れるなど盛り上がってきている。
現在のバトロワは『PUBG』、『フォートナイト』の2大巨頭といった様相を呈しているが、それに続けと言わんばかりに多数のゲームが登場してきている。また、『バトルフィールドV』や『コール オブ デューティブラックオプス4』といった大作FPSも、バトルロイヤルモードの実装をアナウンスしており、バトロワは今後もいっそう加熱していくと思われる。
さて、前置きが長くなったが、『PUBG』、『フォートナイト』を始めとするバトロワゲームを簡単にまとめて紹介する。無料で手軽に始められるゲームも多数あるのでプレイしてみてほしい。
いまキテいるバトロワゲームをまとめて紹介
『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』
■開発:PUBG Corp.(Bluehole)
■発売日:発売中
■ハード:PC、Xbox One、モバイル(iOS/Android)
■価格:3300円[税込]
バトロワゲームの火付け役と言える『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』。PC版、Xbox One版に続き、モバイル版が先日リリースされ、各プラットフォームの合計プレイヤー数は4億人を突破した。孤島(Erangel)、砂漠(Miramar)に加えて、PC版では6月22日より4×4の小規模(Mini BR)マップ“Sanhok”が実装される。
esportsにも力を入れており、現在はDMM GAMESによる国内リーグが開催中。国内トップ20チームが、国際大会出場をかけて熱戦をくり広げている。
現在、Steam版、DMM版ともにセールが開催されているので、この機会にゲットしてはいかがだろうか。
※『PUBG』Steam ストアページ
※『PUBG』DMM GAMES公式サイト
『フォートナイト』
■開発:Epic Games
■発売日:発売中
■ハード:PC、プレイステーション4、Nintendo Switch、モバイル(iOS)※Androidでも配信予定
■価格:無料
建築物やオブジェクトを破壊して資材を集め、壁や床を作り出す“建築要素”がキモとなっている作品。最終局面では建築を行う早さや正確性が勝負の決め手になることが多い。キャラクターのポップさや、ノリノリのエモート(ダンス)も大きな特徴で、バリエーション豊富なスキンが多数販売されている。なんというか、いい意味で“パリピ感”が強いゲームだ。
2019年には“Fortnite World Cup”の開催が決定しており、2018年~2019年にかけて行われるさまざまな大会やイベントで、総額1億ドルもの賞金を搬出するという。
『H1Z1』
■開発:Daybreak Game Company
■発売日:発売中
■ハード:PC、プレイステーション4(日本でのサービスは未定)
■価格:無料
※日本語未対応
150人同時対戦によるバトルロイヤルが楽しめる本作。全体的に『PUBG』の面影を感じる……という方も多いと思うが、それもそのはず。本作を手がけていたのは『PUBG』の生みの親であるPlayerunknownことBrendan Greene氏その人であり、『H1Z1』は『PUBG』の前身と言える作品だ。ただし、こちらは車両に乗ったままバトルロイヤルを行う“Auto Royale”というモードもあったりする。
本作は2018年3月よりF2P化(基本プレイ無料)を実施。積極的にアップデートが行われているのの、日本語に対応していないので、とっつきにくい点は否めない。なお、プレイステーション4版のオープンβテストが海外にて実施されている。
『Realm Royale』
■開発:Hi-Rez Studios
■発売日:早期アクセス中
■ハード:PC
■価格:無料
※日本語未対応
もともと、アクションヒーローシューター『Paladins』のバトルロイヤルモードとして開発されていた作品だったが、タイトルを『Realm Royale』とし、単体でのリリースとなった。世界観やキャラクターなど、『Paladins』のファンタジー要素を多分に引き継いでおり、プレイヤーキャラクターとして、ウォリアー、メイジ、ハンター、エンジニア、アサシンといったクラスを選択可能で、各クラスには固有のアビリティが存在する。
また、ゲーム中で不要な装備や他クラスのアビリティなどは素材に分解でき、マップに点在するフォージ(鍛冶場)で素材を消費して、武器や防具、自クラスのアビリティを造り出すことが可能。
DeToNatorのストリーマー、StylishNoob氏が自信の配信で取り上げていたことで、本作を知ったという人も多いだろう。
『Darwin Project』
■開発:Scavengers Studio
■発売日:早期アクセス中
■ハード:PC、Xbox One
■価格:PC版は無料、Xbox One版は1750円[税込](※2018年7月4日より無料化されることが発表されました)
※日本語未対応
雪山を舞台に10人が弓や斧を駆使し、生き残りをかけて戦う……というと原始的なイメージだが、じつはこのバトルロイヤル自体が、テレビのショー番組となっている点がミソ。10人のほかに、もうひとり、ショーディレクターという役割のプレイヤーが存在している。
バトロワ側プレイヤーは、ゲーム内で素材を集めつつ、斧や弓を強化し、焚き火で暖を取り、敵の足跡や焚き火の痕跡をたどりながらせっせと居所を探る……(ときにはテレポートやエネルギーシールドなど特殊能力も使う)。
ショーディレクターの役割は、ずばり“試合を盛り上げること”なので、試合がショーとして地味だなーと感じたら、一部のエリアを閉鎖したり、特殊能力が使えるようになるハイテクメカを投下したりと、“神の手”を加えることができる。強すぎるプレイヤーがいれば、個人に対してアクションを行うこともできるが、ゲーム参加者からの評価が下がってしまう危険性もあったりで、さじ加減がおもしろい。
※『Darwin Project』Steamストアページ
※『Darwin Project』Xbox One版ゲームプレビュー
『Cuisine Royale』
■開発:Darkflow Software
■発売日:早期アクセス中
■ハード:PC
■価格:2018年6月25日まで無料で入手可能
※日本語未対応
パンツ一丁で鍋や皿を装備し、おたまで戦う本格(?)バトルロイヤル。正直、絵面がとてもバカバカしくて好感が持てる。
本作は、もともと第二次世界大戦をテーマにしたMMO型のFPS『Enlisted』のエイプリルフールネタとしてリリースした企画モノなのだが、ファンの声に応え(?)、このたび晴れて公開された。『Enlisted』がリアル志向のゲームだけに、『Cuisine Royale』もムダにグラフィックのクオリティーが高い点が、またバカバカしさに拍車をかけている。
現在、Steamにて2018年6月25日まで早期アクセスとして無料で公開されている。期間終了後は、有料ゲームとして提供される予定だが、6月25日までにゲームを始めたプレイヤーは、その後も無料で楽しめるとのこと。
『Islands of Nyne: Battle Royale』
■開発:Define Human Studios
■発売日:2018年7月13日(早期アクセス開始)
■ハード:PC
■価格:未定
※日本語未対応
近未来を舞台にしたSF色の強い完全FPS型(一人称視点のみ)のバトルロイヤルシューター。パワードスーツや、ジェットパックによる飛行などの要素はあるものの、ハンドガンやマシンガン、アサルトライフルなどを使用し、わりとオーソドックスな戦闘が楽しめるだろう。
ソロやDuo、4人Squadといったモードのほかに、武器の扱いを学んだり、リコイルコントロールの練習ができるモードも用意されている。
価格は未定だが、2018年7月13日よりSteamでの早期アクセスが開始予定となっている。
※『Islands of Nyne: Battle Royale』Steamストアページ
『Mavericks: Proving Grounds』
■開発:Automaton Games
■発売日:2018年8月クローズドベータテスト実施予定
■ハード:PC
■価格:未定
※日本語未対応
なんと最大1000人規模で展開される、スーパー大規模戦闘がウリ。16km×16kmの広大な舞台が用意され、天候が動的に変化するほか、マップ内には野生動物がいたり、足跡や血痕が残ったりと、かなりリアルに作り込まれている(トレーラーには雪が積もったり、あたり一面が火の海になっていたりする様子も)。
プレイヤーは4つの勢力ののいずれかに所属し、ソロのほか最大25名規模の小隊を組んで行動が可能。武器や防具などのカスタマイズや、RPG的なクエスト、クランといった要素もある。バトロワジャンルというよりはMMORPG型シューターで、その中にバトロワ要素を含むモードがあるといった感じだろう。
2018年8月からクローズドベータテストが実施予定で、テストに参加するには公式サイトからサインアップをする必要がある。
※『Mavericks: Proving Grounds』公式サイト
番外編
『Radical Heights』
■開発:Boss Key Productions
■発売日:早期アクセス中
■ハード:PC
■価格:無料
※日本語未対応
80年代のカルチャー色をビンビン感じる異色のバトロワゲーム。ゲーム中に手に入れたお金で武器や防具を買って強化可能で、手に入れたお金を銀行に預けることで、次の試合へ持ち越すこともできる。
……なのだが! 開発スタジオのBoss Key Productionsのボス、クリフ・ブレジンスキー氏(『ギアーズ・オブ・ウォー』などで知られる)が、2018年5月に同スタジオを閉鎖することを発表。『Radical Heights』のサーバーも近く閉鎖されるかも……という状況だ。
80年代風レトロフューチャーな演出やエクストリームスポーツ系アクションに加えて、たとえ負けたとしても次の試合にお金を持ち越せるという、“死んだら終わり”の他のバトロワとは一線を画すシステムがおもしろいと感じていただけにとても残念。
『Totally Accurate Battlegrounds』
■開発:Landfall
■発売日:発売中
■ハード:PC
■価格:520円[税込]
※日本語未対応
バトロワの“パロディ”だと公言するゲーム。操作するキャラクターはグニャグニャ人間で、関節のいたるところがぐにゃんぐにゃんなので、走れば足元がおぼつかないし、エイムは揺れるし、銃の反動ですっ飛んだりもする。何より致命的なのは、画面酔いしやすいことだ。ぐにゃんぐにゃんなので。
おふざけなゲームのわりには意外としっかり作られているので(でも公式では「少しバギー」だと)、物は試しにプレイしてみるといいのではないだろうか。ただし、めっちゃ酔う。