2018年6月13日、任天堂は“Nintendo Direct:E3 2018”で、Nintendo Switchで発売される『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズの最新作、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(以下、『スマブラSP』の情報を発表。合わせて、アメリカ・ロサンゼルスにて、メディア向けの『スマブラSP』のプレゼンテーション&試遊会も行った。本記事では、プレゼンテーションなどで判明した情報を踏まえつつ、改めて『スマブラSP』のポイントを解説していく。

プレゼンでわかった『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』の新要素! 1vs1でのダメージ差やGCコントローラ仕様など細部を聞くQ&Aも【E3 2018】_01

 すでに、ほかの記事でもお伝えしている通り、今回の『スマブラSP』の特徴は、これまでのシリーズに登場したファイターが“全員登場”すること。『スマブラ』シリーズは、ゲームキューブの『大乱闘スマッシュブラザーズDX』に登場したピチュー、『大乱闘スマッシュブラザーズX』に登場したスネークなど、以降のシリーズ作には登場しなかったファイターがいたが、今回はそれらのファイターも全部ひっくるめて、全員が登場する本当の夢の競演が楽しめることになる。

プレゼンテーションでわかった『スマブラSP』の新要素

 プレゼンテーションでは、Nintendo of Americaのローカライゼーション シニアディレクター、Nate Bihldorff氏と、プロダクトマーケティング シニアディレクター、Bill Trinen氏が実際にゲームをプレイしながら解説。『スマブラ』シリーズの特徴といった既存の解説に加え、新たな情報もいくつか見られたのでピックアップして紹介する。

  • ゲーム全体が従来作よりもスピードアップしている。キャラクターの動きも、各種演出もテンポアップしている
  • 空中回避が、宙に浮いた状態であらゆる方向に少し動けるようになったことで、プレイの感覚が変わった。『大乱闘スマッシュブラザーズDX』などでは、空中回避中に左右に移動などはできなかったが、空中回避中の左右への移動ができるようになったことは、プロプレイヤーなどのトッププレイヤーにとって、重要な要素になるだろう
  • ジャンプボタンと攻撃ボタンを同時押しすることで、小ジャンプ攻撃ができるようになった。さらに、スティックを併用することで、小ジャンプ攻撃しながらの左右移動も可能。これまでハイレベルなプレイヤーが使っていたもので、彼らにとってより大きなテクニックになるが、今回の操作方法で新しいプレイヤーや、カジュアルに楽しむプレイヤーにとっても使い勝手がいいものになるだろう
  • ジャストシールドは、シールドを張っておいて、相手の攻撃に合わせてシールドボタンを離すと発生するように(編注:これまでは相手の攻撃に合わせて、シールドボタンを押すと発生できていた)。うまくジャストシールドができれば、相手にすぐに反撃できる
  • スプラトゥーン』のインクリングは、インクの補充が大事。インクがなくなると、補充するまで動きが遅くなってしまう
プレゼンでわかった『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』の新要素! 1vs1でのダメージ差やGCコントローラ仕様など細部を聞くQ&Aも【E3 2018】_03

 といった解説もあったのだが、上記のトークをしながらおふたりがプレイしているあいだにも、トークに含まれない情報が盛りだくさん! そんな、ゲームのプレイを観て判明した情報をまとめてお届けする。

リンクvsゼルダ ステージ:始まりの塔

  • ブレス オブ ザ ワイルド』の英傑の服をまとったリンクが、画面手前からパラセールを使って登場
  • 始まりの塔は、塔の上部にダメージを与えると破壊されるが、一定時間でシーカーストーンが起動して、塔が修復されるようだ
  • 始まりの塔だけあって、はじまりの大地に登場するおじいさん(原作でパラセールをくれる)が、突然パラセールに乗ってやってくる。しばらくすると、いなくなる
  • BGMは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の「メインテーマ」のアレンジ版。楽曲のテンポが早くなっているほか、コーラスが入ったりと豪華なイメージに
  • ダメージを表すパーセンテージの表示が、小数点まで表示されるように
  • 画面外までふっとばされたとき、画面にミニマップが表示される。ミニマップ内に画面の表示範囲が描かれるため、画面外でどこにいるかがわかりやすくなった
  • ストック制のルールで1vs1の場合、ミスになった際、互いのストック数が画面に大きく表示されるように

    インクリングvsリドリー ステージ:タチウオパーキング

  • ステージはタチウオパーキングのフェス版(夜景)。フェス仕様のステージが選べるのかは不明
  • フェス仕様のタチウオパーキングは、楽曲もフェス仕様でシオカラーズの「キミ色に染めて」に
  • ジャッジくんとコジャッジくんが背景で踊っている(原作のフェスと同じ動きだが、ここだけコジャッジくんが登場する『スプラトゥーン2』仕様の様子)
  • タチウオパーキングは左右で折り返す、つづら折のステージ。左右の幅は狭く、下の道路から上の道路へすぐに攻撃できたりと、上下への注意が必要になりそう

    ステージやバランス調整など、細部へまで質問が及んだQ&A

 プレゼンテーションの後半には、質疑応答が行われた。回答を行ったのは、前述のNate Bihldorff氏とBill Trinen氏。

Q シングルプレイヤーのモードはありますか?
A 今日はゲームのほんの一部にスポットを当てて見せています。もちろん、ほかの部分もあります。

Q 開発中のベータ版などを配信して、サーバーの負荷などをチェックする予定はありますか?
A ベータ版や体験版などの最終的なプランは現時点では決まっていません。開発チームは発売に向けてゲームを仕上げることにフォーカスしていますので。ただ、今年(2018年)のどこかでベータ版などのニュースがお伝えできれば、と思っています。

Q 今年(2018年)中に、新たなファイターを出す予定はありますか?
A 60以上のファイターという多くの選択肢を提供しているので、十分ではありませんか?(笑)。ファイターの情報は、現時点では何もお答えできません。

Q 今回はゲームバランスが、より一層深さを増していると思います。すべてのキャラクターの外観、動きの調整だけでなく、1vs1用のバランス調整もされている。こういったバランス調整に、『スマブラ』のプロプレイヤーは関わっているのでしょうか?
A ゲームデザインについては桜井さん(桜井政博氏。『スマブラ』シリーズの生みの親であり、ディレクター)が各キャラクターのパラメーターを見て調整しています。今回は従来作とゲームスピードを変えたので、スピードに合わせて各キャラクターを調整し直す必要があり、ダメージについても、1vs1の場合とマルチプレイの場合で変えたりと、桜井さんは細心の注意を払って調整を続いている状態です。E3で見せているバージョンは最終的なゲームバランスではなく、今後も継続して調整していきます。

Q ステージについてお聞きします。『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』(以下、『スマブラfor』)では3DSとWii Uでステージが異なっていましたが、今回はNintendo SwitchがTVモードや携帯モードでステージが変わったりするのでしょうか? また、従来シリーズのすべてのステージが登場するのでしょうか?
A Nintendo Switchのプレイスタイルによってステージが変わることはありません。従来のステージは、すべてが登場するわけではありませんが、数多く登場します。本日見せたバージョンにもありましたが、3DS専用だったものもグラフィックをアップグレードさせて登場します。

Q Joy-Conひとつだけでも操作はできますか? また、ゲームキューブコントローラは使えるだけでなく、再販もあるのでしょうか?
A Joy-Conはひとつだけでも使えます。Nintendo Switchを携帯して、テーブルモードでJoy-Conをひとつずつ持ってプレイすることも可能です。ゲームキューブコントローラは、以前に発売されたWii Uの“Wii U用ゲームキューブコントローラ接続タップ”も使えますし、接続タップもコントローラ単体も、どちらもロゴを一新して販売する予定です。なお、ゲームキューブコントローラは、Nintendo Switchをドックに挿しているときにだけ使えます。

プレゼンでわかった『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』の新要素! 1vs1でのダメージ差やGCコントローラ仕様など細部を聞くQ&Aも【E3 2018】_02

Q 『スマブラ』は、ゲームをより楽しめるように開発側でアップデートをするものの、ファンやコミュニティーはどこが変更されたのかを自分たちで見つけなくてはいけないことが多いように感じます。ファンやゲーマーにわかりやすく変更の説明をするという考えはありますか? とくに、今回の『スマブラSP』は、コアゲーマー向けに変更されているように感じています。
A まず、このゲームはコアゲーマーやコアなファンだけに向けたものだとは思っていません。『スマブラ』シリーズは幅広い層に魅力を感じてもらえるゲームで、コアゲーマーやコアなファンの方はもちろんこのゲームに多くの魅力を発見していただけるでしょう。ですが、全体として『スマブラ』シリーズは、あらゆるゲーマーを視野に入れていますので、多くの方に楽しんでもらえると思っています。また、アップデート内容についてどこまで説明するかはデベロッパーによって異なります。詳しい説明をするところもあればそうでないところもある。詳しく説明することで話題性をもたらすこともあるでしょう。ですが、どのように対応するかはひとりひとりのクリエイターに任せています。

Q リドリーのamiiboは発売されますか?
A これまでのamiiboはすべて使えます。たとえば、『ゼルダ』シリーズのリンクのamiiboも、『スマブラ』シリーズのamiiboと同じ機能が使えます。ほかの新しいamiiboについては、今週発表があるのでお楽しみに。いくつかサプライズがありますよ。

Q 『スマブラfor』では、バンダイナムコゲームスが開発チームに入って協力していましたが、今回の『スマブラSP』ではデベロッパーと協力をしているのでしょうか?
A 今回の『スマブラSP』も任天堂とバンダイナムコスタジオ、ソラでいっしょに仕事をしています。そのほか、『スマブラ』についてはいろいろな話が進んでいます。

Q ほかの格闘ゲームでは、コンサルタントとしてプロゲーマーを入れて、バランスに意見をもらったりしていますが、今回、任天堂はそういった取り組みをしましたか?
A テストプレイはとてもたくさん行っています。カジュアルなユーザー、コアなファンを問わず、いろいろな意見を集めてどのようにゲームのバランスを取り、アプローチするかを決めています。もちろん、ファンコミュニティーの話を聞かないということはありません。

Q 前作では、新情報を出す際に桜井さんがかなり詳細に書き込んだ情報を公開していましたが、今回は?
A 前作は、発表からリリースまでの時間が長くありました。今回は、発表したのが2018年3月で、発売は2018年12月であまり時間がありません。でも、期待はしてください。桜井さんは『スマブラ』についての情報を出すために、いろいろなアイデアを持っています。そう遠くないうちに、チームから何か発表があるかもしれませんよ。

 以上でプレゼンテーションは終了。詳細発表と同時にかなりの情報量が出てきた『スマブラSP』。ファミ通.comでは、ほかの記事で新情報のまとめや、インクリングなどの新ファイターのプレイリポートを掲載しているので、合わせてチェックしてほしい。だが、Q&Aの内容などを見ていると、まだまだ驚きの新情報が近いうちに出てきそうな様子。どんな発表があるか、楽しみでしょうがない!