2018年10月4日に全世界で同時発売されるカプコンの最新作『ロックマン11 運命の歯車!!』(以下、『11』)。プレイステーション4、ニンテンドースイッチ、Xbox One、PC(Steam)の4ハードで発売され、幅広いプレイヤーが遊べるようになっている。今回、筆者がプレイしたのは、ヒューズマンステージと、世界最大のゲームイベント、E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2018でプレイアブル出展されたブロックマンステージのふたつ。本記事では、新要素のダブルギアシステムとふたつのステージをメインにお届けしていく。

悪の科学者Dr.ワイリーが、装備したロボットの能力を飛躍的にパワーアップさせる代わりに、過大な負荷も強いる禁断の装置“ダブルギアシステム”の開発に成功。それを使って平和なロボット社会に再び混乱をもたらそうとしている。プレイヤーは、ロックマンを操り、8つのステージに潜むボスを撃破し、Dr.ワイリーの野望を阻止するために奮闘することとなる。


世界中を熱狂させたロックマンが帰ってきた!
最初に操作して感じたのが、「ロックマンが帰ってきた」という安心感と懐かしさ。本作は最新ハードでリリースされ、さまざまな点で従来の『ロックマン』よりも大幅なパワーアップを遂げている。『9』や『10』であったドット調を廃し、新システムも導入されている。しかし、ファミコンやスーパーファミコンのころと同じような感覚で遊べるので安心して欲しい。ピョンピョンと跳ねながらロックバスターを連射して、ザコ敵やギミックに苦戦しながらボスにたどり付く。そしてボスを倒して特殊武器を手に入れ、つぎのステージを攻略する。この一連の流れがとても懐かしく、最新ハードでそのまま蘇ったかのような印象を受けた。


ロックバスター、チャージショット、ジャンプ、スライディング、ラッシュコイルといった基本的なアクションは昔とまったく変わらない。大きく変わった点はふたつ。特殊武器装備中のロックマンと、ダブルギアシステム(後述)。ボスを倒したときに得られる特殊武器を装備すると、ロックマンの色だけではなく、見た目も変化するようになった。これのおかげでボスの特殊武器をゲットする楽しみがより一層増した。


『ロックマン』といえば、1987年にファミコンで発売され、以降、アクションゲームの金字塔として多くのファンに親しまれている。その理由のひとつが、ゲーム難度の高さ。アクションゲームの中でも歯ごたえがあり、トライ&エラーをくり返してプレイヤー自身が成長していく、そこが『ロックマン』の醍醐味と言っても過言ではない。しかし、なかには「難しい」と、コントローラーを投げた人もいたはず。

そういったさまざまなプレイヤーのために、本作では、“NEW COMER”、“ADVANCED”、“ORIGINAL SPEC.”、“EXPERT”という4つの難易度が用意されている。初めて遊ぶ人は、“NEW COMER”で『ロックマン』というゲームのおもしろさを、まずは体感して欲しい。このモードでは、敵の耐久力低下などの要素があり、じっくりとステージ攻略に打ち込める。過去のシリーズを遊んだ人は、“ADVANCED”、“ORIGINAL SPEC.”がオススメ。“EXPERT”は……相当難しいらしいので、ほかの難易度をクリアーしてから遊ぶほうがいいかもしれない。


ダブルギアシステムで誰でも魅せプレイ!
ダブルギアシステムとは、ロックマンの新たな能力。機動力を上げることで、相対的に周囲の動きが遅く見える“スピードギア”、ロックバスターやチャージショット、特殊武器が強化される“パワーギア”、そしてロックマンの体力が少なくなったピンチのときにだけ使える“ダブルギア”の3種類が用意されている。ボタンひとつでギアのオンオフができるので、自分の好きなタイミングで発動可能。ボスからもらえる特殊武器と違って、発動するとロックマンの頭の上にゲージが出現し、このゲージが最大になるとギアがオーバーヒートしてしまい、一定時間に使用不能となる。


このシステムがとにかく便利で、息をするかのごとくギアを切り換えて遊んでしまう。ギアを切り換える際、ロックマンが「スピードギア!」、「パワーギア!」といったようにギアの名前を叫ぶのだが、今回の試遊では終始ロックマンが叫びっ放しだった。なぜ、そこまで使ってしまうのか。先ほども書いたが、ボタンひとつで切り換えられるのが大きい。ジャンプやロックバスターと同じ感覚で発動できるので、「危なくなったらとりあえず!」みたいな感じで使えちゃう。オーバーヒートという概念があるものの、オーバーヒートする前に解除すれば、時間経過でゲージが回復するので、1回の発動で長時間使わなければオーバーヒートすることはあまりない。

ステージに慣れていないころは、スピードギアが本当に重宝する。周りが遅くなるだけではなく、ロックマン自身の動作も緩やかになるので、敵の攻撃やギミックをかわすのが楽になるからだ。しかも、スピードギア中は、いわばスローモーションのような状態になるので、ただギミックをスライディングやジャンプで突破しただけなのに、妙なカッコよさが生まれ、スーパープレイをしたかのような錯覚に陥ることも。

パワーギアは、ロックバスターの連射能力が高まり、 チャージショットがダブルチャージショットへと進化するので、ステージに慣れてくるとこちらのほうが使い勝手がよくなるかもしれない。ステージの道中では、スピードギアに頼る場面が多かったが、ボス戦では、ダメージ効率が大幅に上がるので、こちらを意識して使うようにした。パワーギアの発動中は、特殊武器も強化されるので、ギアと特殊武器をうまく使いこなせれば、ボスをスムーズに倒すことも可能だ。



慣れてくると、スピードギアでギミックをかわし、パワーギアで待ち受ける敵をせん滅することもできる。こういったギアの切り換えを使ったプレイがうまくいくと、“ステージや敵の攻略法を身に付けた”という達成感と爽快感をより一層感じられる。スピードギアでスーパープレイをしたかのような錯覚に陥るのと同じで、“ジャンプして避けてチャージショットを撃つ”という動作にギアの切り換えを挟むだけで、プレイに華が生まれる。平凡なプレイを魅せプレイへと変身させる、魔法のような新要素だと思った。

ダブルギアは、今回の試遊では一度だけ発動することができた。このギアは、発動に大きなリスクをともなうものの、スピードギアとパワーギアの効果を同時に得ることができ、ダブルチャージショットよりも上位の“ファイナルチャージショット”を放つことができる。攻撃時のエフェクトも派手、かつ、とてつもない威力を持っているが、途中解除できないため、 強制的にオーバーヒートするという弱点がある。しかもほかのギアのオーバーヒートと違い、 回復までの時間が長く、攻撃能力も大幅に低下してしまう。調子に乗ってぶっ放したら、逆にピンチに陥ることも……。まさに諸刃の剣だ。個人的には、残り体力が少ないボスへの最後の切り札として使うほうがいいかもしれないと思った。

