Madmind Studiosの『Agony』が海外で配信開始。プラットフォームはPC/PS4/Xbox Oneで、PC版はSteamで日本からも購入可能で、日本語字幕にも対応。Steamでの価格は3090円(現在は6月5日までの発売記念セールで10%オフの2781円)。

 本作でプレイヤーは、地獄に堕ちた亡者のひとりとして、脱出を目指すべく、デーモンの目をかいくぐりながら地獄の迷宮めぐりをしていくことになる。一種の一人称視点のホラーステルスアドベンチャーゲームと言えるだろう。

 とにかく凄まじいのが、それ自体が血と骨と内臓で作られた蠢(うごめ)く巨大オブジェのような地獄の描写。ゲーム史上最凶の地獄を目指し、宗教的・倫理的・社会的に普通はアウトとされがちなハードな表現がテンコ盛りだ。

『Agony』PC版は日本語にも対応! ドロッドロの地獄を彷徨う一人称視点ホラーステルスアドベンチャーが配信開始_05
ちなみにプレイヤーとおなじく地獄を彷徨う“殉教者”たちの頭陀袋を取っておくと、デーモンに捕まって魂が浮遊している間に憑依してそこからリスタートできる。
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いやー、食べない方がいいと思いますよ……。

 実は一度は「(特に海外で出る家庭用ゲーム機版で)レーティングに合わせていろいろ修正し、PC版ですべてを解禁するパッチを配信予定」とされていたのだが、交渉により最終的にはヨーロッパのレーティング機関であるPEGIで成人レーティング(普通のルートでは販売できなくなる)を回避し、ほぼすべての表現を収録することに成功した模様。

 一方で、カットになった一部シーンの表現(7つあるエンディングのうち2つとエンディング後の一部シーン)については、公式が解禁パッチの配布の代わりに映像を公開する予定となっている。

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おっと、なんか因縁がありそうな人を発見。アムラフェルというのが俺の名前なのか? 旧約聖書にそんな名前の王が出てくるのだが……。

少しこなれていない部分もあるが……。

 さて本作、基本的に画面が暗い上にプレイヤーの動きがノロく、また重要なシステムがあまりわかりやすく説明されないので(一応プレイ中にチュートリアル的解説が入るが、どう使うと正解なのか把握しづらい)、ストレスが溜まりがちだ。

 そこで軽く解説を加えておくと、少なくとも序盤はステルス要素が結構強めな作りで、デーモンに見つかるとほぼ死亡(後にデーモンのコントロールも可能になる)。そこで骨の松明を投げてデーモンを誘導したり(あんまり飛ばないのが悩みのタネ)、“息を潜める”アクションを使って隠れたりしながら、デーモンの包囲網をくぐり抜けていくのが大事になる。

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道中で“知識の果物”を入手すると、ステルススキルを強化できる。

 とっ捕まって死んでしまった場合は、一定時間幽体となって浮遊し、“殉教者”と呼ばれるほかの亡者たちに憑依できればそこから再開できる。ただし、殉教者たちは頭陀袋を被せられていることが多く、袋を外してやらないと憑依可能にならない。

 また、幽体の状態で時間切れになるとチェックポイントまで戻されるが、バリケードを松明で焼いたり、謎を解いたりして開けたショートカットは再利用可能。

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印を描いて封印を開ける“魔力印”のギミック。必要な印はそこら辺に落ちてるものに書いてあったりする。

 まだリリース直後ということもあって、変な所に引っかかるバグが残っていたりもするが(そういった辺りが執筆時点でのSteamの賛否両論な反応にも繋がっている)、既に述べたように、とにかくとてつもない禍々しさは間違いのないレベル。ホラーが映える夏にはまだ少し早いが、ヤバいものが見たい人はチェックしてみてはいかがだろうか。

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長いセリフは字幕がスクロールするという方式。