すごく好きなイベントを見学してきた。最高だったので、少しだけ感想を書かせてほしい。

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 そのイベントとは2018年5月11日(金)から13日(日)にかけて開催された“C4 LAN 2018 SPRING”のこと。参加者が好きなゲームやゲーム機、PC本体などを持ち込む“LANパーティー”と呼ばれるタイプのイベントだ。

※過去のリポート記事
C4 LANは砂場であり楽しい学級崩壊でありゲーム界のサグラダ・ファミリアでもある

52時間ぶっ通しイベント“C4 LAN”はゲーム業界のフェスだった

 上記の過去記事にも書いてあるとおり、最大の特徴は3日間(夜間も)ぶっ続けで開催されること。楽しい気持ちが何十時間も持続する。

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 2016年5月の初開催から徐々に規模を大きくしており、4回目となる今回の会場はそこらの体育館よりも広いベルサール高田馬場。用意された席数はおよそ400。開会の儀が始まる前から、どんどんゲーム機がセットされ、徐々に熱を帯びていく。

 総来場者数は1200~1300人ほどだったそうだ。右を見ても左を見てもゲーム好きしかいない空間。頼もしい。安心する。

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全体のMCを担当したゲームキャスター・Ooodaくん(左)と岸大河くん(右)。

 5月11日の16:00頃に開会の儀がスタートした。多くの参加者がいったん作業を手を休め、ステージ上のゲームキャスター・Ooodaくんと岸大河くんに目を向ける。

 諸注意の後、岸大河くんは「スペシャルゲストがいるんですよ。VTuberの○○アイさんが来てるらしい」と期待をあおった。

 いやいや、まさか。でも、絶対にありえない話というわけでもない。半信半疑(正しくは信1:疑9)の参加者が見守る中、キュー振りとともにスクリーンに映し出されたのは、

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この人。

 ランナアイとか言う人だった。これまでにもC4 LANに参加したことがある人は「知ってた!」、「お前かよ!」などとツッコんだであろう。

 ランナアイ、またの名をLANNER。LANケーブルをPCに挿すことでイベントの開幕を告げる、C4 LANではおなじみの存在だ。立ち位置としてはマスコットキャラクターだろうか。ディズ○ーにおけるミッ○ー○ウスみたいなものである。

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そろそろLANNERのコスプレをする人が出てきてもいいと思うのだが、今回はまだ見なかった。それほど好かれていないのかもしれない。
キズナアイじゃなかったことにがっかりすることもなく、「かわいいー!」などの声援が飛んだ。叫んだのはおもに僕だが。
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LANNERのVTRはゲーム実況パロディーだった。テーマはバトルロイヤルゲーム風。まずは武器を拾う。
この敵、めちゃくちゃ待つのが似合うな。
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敵を倒すとアイテムが入った箱になる。
Lv3月桂冠、布、サンダルを入手し、LANNERの姿に。
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聖火RUNNERならぬLANNERは数々の苦難を乗り越えて会場に到着。

 ついにLANNERはスクリーンを飛び出してリアルの世界へ。さっそうと、そして悠然と一歩一歩を踏み出し、ベルサール高田馬場にやってきた。参加者にハイタッチで迎えられ、ステージで高らかに宣言する。

「我々ゲーマー一同は、これより3日間、全世界のゲーマーの期待に応えるべく、チートを使わず、正々堂々とゲームをプレイし続けることを誓います」

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そして僕はその横で私物のほら貝を吹いた。C4 LAN 2018 SPRINGの開幕だあああああああああああああああ!!!!!!!

ひたすらゲームを遊ぶ自由時間

 何の前触れもなく僕が登場したが、勝手にほら貝を吹いたわけではない。本イベントの総合プロデューサーを務める田原さんから「ほら貝吹いてもらえません?」と頼まれていたのだ。

 凝っているのにどこか手作り感のあるLANNER映像が流れ、リアルの世界に飛び出したと思ったら、少し派手なおじさんがほら貝を吹く。不条理マンガの1シーンのようだ。明け方に見る夢だろうか。

 微妙にふわふわした雰囲気もC4 LANの醍醐味である。企業主催の大型イベントなのに、きっちりし過ぎていない。

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 この“きっちりし過ぎていない”というのが、C4 LANを快適な空間たらしめている要素だと思う。

 開会の儀の後は閉会まで自由時間みたいなもの。好きなゲームを黙々とプレイする人もいれば、仲間内でまとまって席を確保してわいわい遊ぶ人たちもいる。何なら雑談に華を咲かせたっていい。

 僕は会場内をふらふら歩き、プレイ画面をのぞき込むのが好きだ。知らないゲームがあったら「これ何ですか?」と聞けばたいてい丁寧に教えてくれる。自分の好きなゲームに興味を持ってもらうことをうれしく思うゲーマーは少なくない。

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メディアで「賞金総額20億円以上!」と紹介されるものの、肝心のゲームの中身について触れられることが少ない『Dota 2』ファンも参戦。
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『PLAYERUNKNOWN`S BATTLEGROUNDS』や『Fortnite』あたりはやっぱり人気だった。
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格闘ゲームは「ちょっと遊ばせてください」とお願いしやすいと思う。
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コミュニティ単位で参加している人たちは仲間を増やしたがっていることも多い。名作RTS『StarCraft II』コミュニティの吸引力は毎回すごい。
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彼のカスタムキーボードはかわいいので毎回撮らせてもらってる。今回のやつもいいなあ。
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PCやゲーム機の設置方法は人それぞれ。たぶんいちばん自分ち感が強かったのは『機動戦士ガンダムオンライン』勢。模型やら何やらを飾ってた。
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自慢のPCを持ってきて見せびらかすのもいい。
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ケースやパーツをデコレーションする“MOD PC”愛好家も参戦。
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会場でMOD PCを作ってる人もいた。
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ファミ通AppVSの工藤エイムが『Overwatch』をひたすらプレイしていた。左で笑ってるのはコミュニティー大会などを主催するみずイロさん。
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ぶりのぬいぐるみで遊ぶ岸大河くん。
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『PLAYERUNKNOWN`S BATTLEGROUNDS』大会のアナリストを務めるabaraくんに撮ってくれと言われた。
こちらはabaraくんの席。お母さんに怒られるタイプのやつだ。
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ステージ企画もある。トップバッターは『StarCraft II』コミュニティによる特殊ルール対戦。
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ドスパラのステージでは人気コスプレイヤーのえなこさんが登場。
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C4 LANではみんな自分の遊びを優先する。ステージを見る人は少ないのが通例なのだが、えなこさんはかなりの視線を集めていた。すごい。歴史が動いた。
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じゃんけん大会の熱気もすごかった。
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Sycomからピザ300人前の差し入れ。「うおー!」と一斉に群がる。

その場にいるだけで楽しい

 ここらで、これまでにも何度か書いてきた僕の意見を述べておきたい。

 こういったオフラインイベントの利点としてよく挙げられるのが“ほかの参加者とのコミュニケーション”だ。人といっしょに遊ぶのはたしかに楽しい。

 とはいえ、世の中には“ほかの人と話さなきゃ”とプレッシャーを感じる人もいる。そういう人はどうすればいいのか。答えは簡単。無理をしてまで人に話しかけなくてもいいのだ。

 ぼっちでもいいじゃないか。C4 LANほど大きなLANパーティーともなれば、ぼっちはたくさんいる。別にぼっち同士で仲よくする必要もない。お祭りみたいな高揚感を漫然と感じているだけで、C4 LANは十分に楽しい。

 むしろ、それがいちばんの魅力だと思っている。

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オフラインイベント好きとしては「ぼっちだから行けない」という人がひとりでも減ったらうれしい。
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こういう場になじむのも楽しいし、なじまなくてもまた楽しい。

 C4 LANはまだまだ発展途上のイベントだ。いまのところ主催側は1000席規模を目指しており、回を追うごとに改良が加えられている。

 今回の大きな変更点は、無料ゾーンの設置だろう。基本的には有料チケット制のイベントなのだが、協賛各社のスペースに無料で入場できた。

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気軽にLANパーティーの雰囲気を体験できる無料ゾーン。

 C4 LANの知名度はじわじわ向上し、「よくわからないけどLANパーティーがすごいらしい」という噂も広まっている。軽く体験してみたい人もいるだろう。どちらかと言うとコアゲーマーに向けたイベントなのに、一見さんお断りじゃないのは素晴らしい。

 ドスパラブースではえなこさんが登場。プロゲーミングチーム・DeToNatorブースではゲーミング煮豚を販売。各社はいわゆる展示会的に自社製品のデモを実施した。

 さらりと書いてみたものの、“ゲーミング煮豚”の違和感がすごいな。

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ドスパラブースでデモプレイをするプロゲーミングチーム・Rascal Jester。彼らを見に来る参加者の中には女子の姿も目立った。
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左からテクニカルライター・高橋敏也さん、えなこさん、声優・村井理沙子さん、ストリーマー・ShoboSukeさん。『Super Bunny Man』をプレイする企画で、ShoboSukeさんがえなこさんの近くの空気を吸ったことが憎らしいので、見切れ写真を掲載する。
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えなこさん単独の写真もどうぞ。
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プロゲーミングチーム・DeToNatorブースは単独でブース出展。彼らをひと目見ようと、この人だかり。
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代表の江尻氏はセールストークがうまい。楽しく遊ぶには健康も大事。ゲームのお供においしくて栄養満点な煮豚をどうぞ。

 ゲームのオフラインイベントと言うと、対戦ゲームの大会や新情報の発表、有名人を招いたトークライブなどが主流だ。ステージ上の人が主役みたいな印象がある。

 一方、C4 LANは参加者が自分で自分の遊び場を作るイベントだ。何百もの「おもしろいゲームあるからやろうぜ」が集まった、そんな場である。C4 LANというMMORPGの主役はすべての参加者であるとも言える。

 考えてみれば、ゲームのイベントとしてこれほどピュアなものはない。だって、目的はあくまで“ゲームを遊ぶこと”なのだから。

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3日目にSycomブースで遊んでいるのは、
DeToNatorのStylishNoobくんでした。
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有料ゾーン内のASUSブースでは、マルチディスプレイ時のベゼル部分を光の屈折で消すユニットを参考展示。矢印のところにそのユニットをセットしてある。没入感がすごいぞ。
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アナログゲームを楽しむ人も多く見られた。
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UNOやってる人がいるなーと思ったら、ShoboSukeさんやDeToNatorメンバーも参加してた。
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最後のじゃんけん大会は大盛り上がり。
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協賛各社に「ありがとうございましたー!」。

 全日程が終了し、フィナーレで3日間の様子がまとめられたエンディングムービーが公開された。そして、僕らはありったけの声を振り絞って歓声を上げる。

 次回のC4 LAN開催日は2018年12月7日~9日であると発表されたのだ。場所はベルサール高田馬場。

 イベントリポートのラストは「興味があったら参加してみよう」などと結ばれることが多いが、ゲーム好き仲間を遊びに誘う言葉としては少し堅苦しい。C4 LANにはこういう言葉が似合うと思うのだ。

 esportsを盛り上げようとか、ゲームの芸術性がどうとか、VRの未来がどうとか、そういう難しいことはいったん忘れて、みんなでいっしょにゲームやろうぜ。

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3日間おつかれさまでした。

 ところで、僕は下の写真のような後光が差す装置を背負ってC4 LANに参加した。これについては別の形で記事を書こうと思う。

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もっとも徳が高い参加者がSycomブース名物・ゲーミング足湯でくつろぐ図。