2018年4月28日から30日にかけて、人気アクションシリーズ最新作『GOD EATER 3(ゴッドイーター)』(以下、『GE3』)を試遊しつつ開発者と交流が行えるイベント“最速体験会&開発サミット”が開催。本稿では、サミットver.(試遊版)のミッションの概要やプレイインプレッションをお届けする。
今回挑むことができたミッションはふたつ。ひとつはハバキリと呼ばれるアラガミが登場する“雷鳴への誘い”。もうひとつは、アヌビスと呼ばれるアラガミが討伐対象の“灰域の皇”だ。2体とも『GE3』で追加されたアラガミとなる。
試遊版では、ショートブレードやロングブレードなど、過去作からの神機パーツもひと通り使うことができたが、今回は新しい神機である、バイティングエッジとヘヴィムーン、レイガンを重点的に触れた。また、試遊にあたり動画の撮影許可をいただいたが、直接のキャプチャーは禁止とされていたため、肩越しでの撮影となっている。その点、ご了承いただきたい。
まずは、戦闘準備画面を動画で確認してほしい。プレイヤーと仲間のユウゴが牢獄のようなところに幽閉されているシーンからゲームはスタート。ここが、本作の活動の拠点となる“ミナト”だ。付近にある端末を使って、装備の変更などが行える。バースト状態に発動する“バーストアーツ”は、今回の試遊版では固定。自身と近くにいる仲間に強化効果を付与する“エンゲージ”、特定条件を満たすことでさまざまな恩恵が得られる“アクセルトリガー”、“バースト状態”専用の追加効果を設定する“バースト制御ユニット”は、自由に付け換えることができた。
続いては、ミッション“灰域の皇”のプレイ動画。神機はバイティングエッジとレイガン。アヌビスによるプレイヤーの捕喰、バースト状態後の行動の変化なども確認できる。
※動画内、テロップに不備がございました。ミッション名は“灰域の皇”となります。
こちらの動画は、ミッション“雷鳴への誘い”のもの。神機をヘヴィムーンに変更している。ヘヴィムーンの形態による攻撃方法の違いなどにも注目してほしい。
※動画内、テロップに不備がございました。ミッション名は“雷鳴への誘い”となります。
クセは強いが長所も多い新型神機
バイティングエッジは、二刀流形態と薙刃形態を切り換え可能。リーチは非常に短いが、攻撃の回転率においては、すべての近接型神機の中で最高クラス。薙刃形態へ移行すると、スタミナが回復不可、さらに攻撃を防ぐための装甲が展開できないというリスクを背負うが、攻撃の回数と速度がさらに強化される。薙刃形態の使いどころが重要だ。
バイティングエッジを使いこなすには、形態を問わず、敵に張り付いて攻撃したほうがいい印象を受けた。一方で、接近しすぎると敵の体で画面が見にくくなるということも。手数の多さを活かしてある程度のダメージを与えたら、すぐさま離脱してつぎのチャンスをうかがうといった、一撃離脱戦法が合っているかもしれない。
薙刃状態の瞬間火力は圧巻のひと言に尽きる。流れるような動きでアラガミを斬り刻むスピード感がたまらない。展開中はスタミナが回復しないが、1回の攻撃あたりに消費する量は少なめで、コンボをくり返しても、その後ステップなどでその場から離脱する余裕はあった。ただ、二刀流と薙刃では、攻撃方法や火力こそ違うが、連撃で攻めるという根幹のスタイルは共通している。そのため、デメリットを抱えた薙刃形態よりも、どちらかと言えば、制約のない二刀流形態のほうが使いやすく感じた。
ヘヴィムーンは、通常形態と斧月展開状態を切り換えられる。通常形態では、半円状の刃を使った、自身を軸に回転する技が中心で、広範囲への攻撃が可能。斧月展開状態になると刃が斧の形に変化し、多段攻撃により圧倒的な瞬間火力を発揮する。また、特定のボタンを入力しているあいだのみ、ヘヴィムーンは斧月展開状態へと移行する。
斧月展開状態はあくまでも通常形態の中に存在する攻撃手段のひとつであり、素早い通常状態と、火力に優れる斧月展開状態をスムーズに切り換えることができる。ふたつの形態は長所がまったく異なるため、通常形態を軸に攻め、怯んだ敵に斧月展開状態の攻撃を当てるという一連の流れは爽快感があった。
ただ、斧月展開状態での攻撃は非常に遅く、動いている状態の敵に当てるのは難しい。相手の行動パターンを把握するまでは、ここぞというときの切り札として使うほうがいいだろう。斧月による攻撃は、オラクルポイントの残量が多いほど威力が増すため、銃身形態も多用するなら、オラクルポイントを回復できる“Oアンプル”などを持ち込んだほうがいいだろう。
バイティングエッジとヘヴィムーンにセットされていたバーストアーツは、過去作に登場した“ブラッドアーツ”ほどの派手さはないが、動きは滑らかで、コンボに組み込みやすいようになっていた。通常攻撃からコンボ捕喰を行い、そのままバーストアーツにつないでも、違和感はほとんどない。さらに、バースト制御ユニットにより、バースト状態に受けられる恩恵はより大きくなっている。
過去作の“ブラスト”の性能を引き継いだ神機であるレイガンは、“照射弾”と呼ばれる専用の弾を使う。一度射撃ボタンを押せば、オラクルポイント(おもにバレットを撃つときに使用する)がなくなるまで照射を続け、時間が長いほど威力が上昇していく。射撃を中断すると威力がリセットされてしまうため、敵の動きを把握し、長く射撃可能なタイミングを見つけ出すのが肝だ。また、オラクルポイントは消費が激しく、実際の運用としては“オラクルリザーブ”を使って蓄積させるのが前提だと思うが、長時間の射撃は思いのほかしやすかった。
オラクルポイントの消費が激しいため、手数で攻めるバイティングエッジとの相性がよかった。オラクルポイントをバイティングエッジによる連撃で回復させ、レイガンのオラクルリザーブで蓄積させる。射程も長く、火力も十分だが、撃ち続けているあいだはローリングやジャンプしかできず、敵の追跡を逃れたり、攻撃を避け続けるのは至難の業。さらに、標的が遠いほど照準を合わせにくくなるため、適度に近づかなければならない。敵が自分しか狙ってこないソロプレイよりは、NPCやほかのプレイヤーを交えた複数人でのプレイのほうが活躍しやすいだろう。
強力な力を備えた“灰域種”に苦戦
通常状態のアヌビスの攻撃は、基本的には手足を使ってくるためリーチは短いが、突進を始めとした移動をともなう攻撃も多い。もっとも脅威なのは、アヌビスのバースト状態。『GE3』では、アラガミも捕喰をするのだ。バースト状態になったアヌビスは、四足から二足歩行へと移行。前足に赤い爪が追加され、なぎ払いのリーチが倍近く伸びたり、上空からレーザーのようなものを降らせたりと、攻撃がかなり激しくなっていた。とくに、全体的な火力の伸びがすさまじく、なぎ払いを一度受けただけで体力の約8割を削られるほど。
アヌビスをバースト状態にさせるのは不利だが、二足歩行になると弱点の胸部が露出するため、オラクルリザーブで蓄積させたレイガンで照射弾を撃ち、大ダメージを与えることもできた。効率よくダメージを与えるなら、あえて捕喰されるという戦法もアリかもしれない。
もう1体の新アラガミであるハバキリは、両腕のブレードによる近接攻撃と、脚部のブースト機構を用いた高速移動が特徴。さらに遠距離からは雷を使った砲撃をくり出すため、隙がない。ブレードの振りは素早く、こちらが攻撃中に装甲を構えようとしても間に合わない。なるべく側面や後方から攻撃することで、敵の攻撃範囲から逃れたり、ハバキリの攻撃を防いでから反撃するほうが安定して戦えた。
さらに、長距離の砲撃は、敵に接近することでロックオンから逃れられることができた。砲撃前に赤い線がプレイヤーを追尾してくるため、それに合わせてハバキリに近づくといいだろう。
戦闘で強力な武器となる“エンゲージエフェクト”と“ダイブ”
エンゲージを発動させた際に効果を発揮する“エンゲージエフェクト”。その中でも強力だったのが“午後のうたたね”だ。エンゲージ中、お互いのHPが徐々に回復するというもので、効果量はなかなか。何より、回復アイテムを使わなくていいのは大きい。行動を中断する必要がないため、戦いに集中できるだけでなく、こちらの隙をなくすことにもつながる。接近戦をメインにするなら、午後のうたたねは非常に強力な存在になってくれるだろう。エンゲージが溜まりやすくなるバースト制御ユニット“SNC 12mmΦ”との相性もよく、午後のうたたねを多用して強引に攻めるといった戦法も取れる。
新要素のひとつ“ダイブ”も注目だろう。盾を構えて突進するというシンプルな技で、ロックオン時はアラガミへ、それ以外のときはプレイヤーの向いている方角へ文字通りダイブする。敵への接近はもちろん、離脱にも応用が可能。加えて、神機を使った攻撃、捕喰にもつなげられるという万能ぶりだ。試遊版でのチューニングではあまりに強く、ステップやブーストハンマーのブースターなどの存在価値が危うくなるほど。仕様としてはかなり最近のものらしく、まだ調整の余地があるとのこと。
部分的にはなったが、今回のインプレッションはここまで。まだ荒削りな部分は残っているものの、アクション部分は非常に完成度が高い印象で、ここからさらにブラッシュアップされるとなると、いやが上にも期待は高まる。据え置き機向けタイトルになることや、開発チームが一新されたことも含めて、ナンバリング最新作は大きく飛躍しそうだ。