『レッドシーズプロファイル』や『D4: Dark Dreams Don't Die』などの作品で知られるゲームデザイナー、SWERY氏の新作『The Good Life』は、現在KickStarterでクラウドファンディングを実施中。
現在ボストンで開催中のゲームイベント“PAX EAST 2018”では、そのKickStarterが構えた会場内のデモルームで、世界初公開となる実機ゲームプレイが連日披露されている。
イベントに合わせて渡米中のSWERY氏によるデモでは、主人公ナオミの生活の糧であるカメラマンとしてのプレイ要素をメインにフィーチャー。その内容をお伝えしよう。
本作のストーリー上の最大の目的は、借金を抱えてイギリスの田舎町“レイニーウッズ”に滞在することになったナオミの借金返済。クライアントである新聞“モーニングベル”の依頼をこなしたり、写真共有サイト“フラミンゴ”に作品を投稿して高評価を集めることで、少しずつ返済を行っていくことができる。
そして、もちろんレイニーウッズの奇妙な住人たちも被写体となりうる。しかし普通にその生活を撮ったところであまり価値はないし、ミッションなどで特定のシーンをフレームに収めるようリクエストされることもある。時に微笑ましい瞬間の写真を、ある時はレイニーウッズの文○砲とばかりに、カメラの腕でガッツリ稼ぐのだ。
本作での撮影アクションは、基本的にフレームを決めてシャッターを切るだけ。シャッタースピードや絞りといった要素は、本作の装備にあたる機材で決まってくる。つまり、シャッタースピードが速い機材を手に入れるまでは高速に動く被写体はブレて写ってしまう、といった問題がある。
そんな時に本作では、ゲーム的な解決が可能だ。例えば「街を周回する赤のトラックを撮影してくれ」という依頼では、ショボい機材で普通に撮った場合はブレブレ。しかし周回ルートに植木などを置きまくって道を封鎖してみると、『グランド・セフト・オート』バリに跳ね飛ばすこともなく、トラックが停車してくれる。後は落ち着いてシャッターを切るだけだ。
また住人は、見られていると認知している状態とそうでない場合で行動が変わることがある。そんな時は頭を使って工夫することで、普段は見せない姿を写真に収めることができるのだ。
例えばカフェにいる老人は、周囲に人がいない時だけ、机の下に隠し持ったビールを飲み始める。店内にナオミがいると飲み写真は撮れないが、店外から窓ごしにカメラを向けてみると、見事激写成功。
人が離れるとキスをし始めるカップルの場合は、ズームレンズを手に入れさえすればカンタン。ズームレンズがあれば、教会の塔の上での意味深な密会の様子などもキャッチできる。
さらに、人間では入り込めない場所で決定的瞬間に遭遇することもある。本作は過去に紹介したように、ナオミを含めた住人が夜に猫(または犬)になって行動できることがある。そういった時、動物用のカメラを入手しておくことで、狭い塀の間をすり抜けた裏庭でシャッターを切ったり、あるいは屋根の上から撮ったり、通常では難しいアングルからの撮影ができるようになるのだ。
本サイトで最近掲載したインタビューでは、住人の行動をAIによって制御するという構想が明かされており、ミニオープンワールド的でもあるレイニーウッズではいろんな可能性が起こり得る。そんな中で臨機応変に対応し、パズルアドベンチャー的に工夫を凝らすことで超レアな写真を狙えるのだとすれば、なかなか面白いことになるんじゃないだろうか。
なお同作のクラウドファンディングページでは、アップデートとして本作の生活シミュレーション部分に関わるパラメーターの解説なども掲載されている。そちらもどんなプレイになるのか興味深い内容となっているので、気になる人はチェックされたし。