コーエーテクモウェーブが手掛ける体感型VR筐体“VR センス”。同筺体で遊べるタイトルとして、現在6作品がラインアップされているが、男性ファンの注目を浴びている『DEAD OR ALIVE Xtreme SENSE』、女性ファンの注目を浴びている『3 Majesty × X.I.P. DREAM☆LIVE』に続き、2018年1月の月間稼動率ランキング3位に入ったのが、『超 戦国コースター』である。
“ジェットコースターアクション”と銘打つ本作は、ジェットコースターのスリル&爽快感と、刀を振って魔物を倒すアクションの楽しさを融合させたタイトル。道中、ゲーム開始時に選んだパートナー武将(石田三成、真田幸村、井伊直虎、茶々の中からひとり)が戦いをサポートしてくれるが、耳元で聴こえる彼らのセリフも、本作の魅力のひとつだ。
本記事では、この『超 戦国コースター』を初めて体験した編集者・北口徒歩2分と、何度目かの挑戦となる編集者・ロマンシング★嵯峨によるプレイリポートをお届けする。
怖い、ツライ、でも終わったら「また乗りたい」。それが『超 戦国コースター』
text by 北口徒歩2分
ジェットコースターって不思議な乗り物だなあと、つねづね思います。そもそも高いところは怖いし、発車後にどんどん上っていくときとかは緊張で太ももにめっちゃ力が入るし、急降下時のマイナスGで内臓が浮く感じもツライ。イヤなことしかないはずなのに、終わったときには「は~楽しかった。また乗りたい」という気分になる。人間の心っていうのはよくわからないもんです。
『超 戦国コースター』を遊んだときも、やっぱりそんな気持ちになりました。これまで、VRのコースター系ゲームをいくつか遊んだことがありますが、その中でも“リアルなコースターっぽさ”は、本作が抜きん出ているように思えます。マイナスG(体が浮き上がろうとする力)や横G(体が横に振られる力)こそ発生しないものの、吹き付ける風やシートの振動のおかげで、ジェットコースターに乗っている感じがスゴい。バーチャルなハズなのにツライ体験がフラッシュバックして、コースのテッペンに向けてどんどん上っていくときは、“太ももにめっちゃ力が入る”状態に。うう、ツラい。でも、いざ始まればそんなことを忘れてスピードに身を委ね、出現する敵をバッサバッサと斬り倒し、最後にはかわいい女の子(もしくはイケメン)が褒めてくれる。「『超 戦国コースター』最高! また乗りてえ!」……って、リアルなコースターに乗ったときと同じですねコレ。
風の発生は、いわゆる“VR酔い”への対策としても役立っています。乗り物に弱い系ボーイズ&ガールズの皆さんならおわかりでしょうが、クルマ酔いをしたときは窓を開けて顔に風を浴びると、気持ちが安らぐんですよ。で、『超 戦国コースター』では、本体から出る風が、それと同様の効果をもたらしてくれるというわけです。多分この効果を狙ってのことでもあると思いますが、少なくとも僕にはバッチリ効きました。これはうれしい。
『超 戦国コースター』は、風以外にも、香り機能(花畑にたどり着いたときにフレグランスな香りがする)や暖機能(戦場がメラメラ燃えているのに合わせて温風的なものが出る)、頭部タッチ機能(障害物が飛んで来たときに頭にぶつかる感覚がある)といった、VR センスの能力をフル活用しています。コースターに関して言えば、あとはGを感じる機能があれば……という状態。とはいえ、それは専用の筐体じゃないと無理(Gを体感できるという触れ込みのVRコースターは、海外にはすでに存在するようですが、それは本物のジェットコースターに乗りながら、VR映像を観る形っぽい)でしょうし、アミューズメント施設への導入のしやすさとかを考えると、この形がベストなのではないでしょうか。Gを感じたら、ふつうのジェットコースターと何も変わらなくなってしまうし、気軽に乗れるこちらのほうが、やっぱりいいのかも。
ちなみに、本作は3つのコースが用意されています。説明はロマンシング★嵯峨に譲りますが、最高難度の“黄昏”は、ゲームに慣れた人でもけっこう手こずる難しさ。こういった攻略要素も『超 戦国コースター』の魅力のひとつとなっていますので、ぜひくり返しプレイしてみてください。
逢魔時(おうまがとき)のスリルを表現した隠しコースは、一見ならぬ一験の価値あり
text by ロマンシング★嵯峨
過去にも『超 戦国コースター』を体験したことがある私。今回のプレイの目標は、条件を満たすことで遊べるようになる“?”コースを解禁すること!
『超 戦国コースター』では、タイトル選択後、初心者向けの“昼”コースと、中級者向けの“夜”コースを選ぶことになりますが、夜コースの隣に、“?”と書かれたコースが用意されているのです。このコースは、夜コースで高成績を収めることで開放されるのだとか。
というわけで、ハイスコアを得るために私が編み出したプレイのコツは、下記の通り。
1.むやみにボタンを連打せず、敵が近づいてきてから攻撃すると当てやすい
2.とはいえ、敵がつぎからつぎへと湧いてくるときは連打のほうが有効
3.回復アイテムを見逃さないように、画面の端のほうを見るように心がける
4.ボス撃破後、周囲を見回すと、千両箱(スコアアップのアイテム)が複数見つかるので、漏らさずゲット
これらを意識すれば、きっと高い得点をゲットできるはず! ……と、偉そうなことを書きましたが、今回のプレイで私が得られた点数は78点。残念ながら、?コースは開放されず……。悲しみに暮れていたところ、スタッフさんのご厚意で、特別に?コースをプレイさせてもらえることになりました。ありがとうございます!!
詳細が伏せられていたコースの名は“黄昏”。“上級者向けの、逢魔時(おうまがとき)の恐怖が味わえる”と説明に書かれています。いったいどんなコースなのか、ドキドキしながらスタートすると……
後ろ向きなんですよ。
昼コース、夜コースは、いわゆる通常のジェットコースターのように、体の正面から落ちていくのですが、黄昏コースは、背中のほうから落ちていくんです。USJにある“ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド~バックドロップ~”みたいな感じ。絶叫系はけっこう好きな私ですが、これにはつい「怖い!」と叫んでしまった。だって、いつ落下するかわからないんだもん。
いや、この“後ろ向きに落下する感じ”を、映像や風機能、“多機能3Dシート”(VR センスの特徴のひとつ。可動式の座席で、シーンに合わせて上下左右に動く)で表現するって、すごくないですか? と冷静になったいまなら言えるんですが、プレイ中はそんなことを分析している余裕があるわけはなく。しかも落下しながら敵がどんどん襲ってくる襲ってくる。見上げる空は美しくも禍々しい色をしていて、まさに逢魔時。
屋外から城内に入った後は、正面向きのコースになりますが、敵がひっきりなしに襲ってくる点は変わらず。ボスのいるところまで、ノンストップで戦いが続きます。必死に周囲を見回して、こまめに回復アイテムを取りつつ、先述のプレイのコツを意識して戦ったところ、成績は……83点! 「初見でこの点数はすごい」とスタッフの方が驚いていました。いやー、がんばってよかった!
敵の数はハンパないですが、後ろ向きに滑走するスリルを、アミューズメント施設にいながらにして楽しめる黄昏コースは、ジェットコースター好きの人にオススメ。ぜひがんばって開放してみてください。
2月22日のアップデートにより“キング オブ ザ ゴールド”モードが追加
2018年2月22日に行われたアップデートにより、本作に“キング オブ ザ ゴールド”モードが追加された。これは、体力がゼロにならない無敵の金色船(コースター)に乗ることで、ゲームオーバーにならずに、コースの最後までプレイを楽しめるというもの(ただしエンディング演出は見られない)。アクションが苦手な初心者や、ひたすら景色を楽しみたいという人にオススメだ。プレイの敷居が下がったとも言えるので、ぜひこの機会にプレイしてみてほしい。