海外大手インディーゲームパブリッシャーのDevolver Digitalが、スペインのゲームスタジオFouratticのアクションアドベンチャー『Crossing Souls』PS4版を本日より配信開始。価格は1600円。

 なお本作は架け橋ゲームズにより日本語化が行われているほか、PS4版から引き続き本日夜にPC/Mac/Linux版もSteamやGOG.comで配信予定だ。

不思議な石を発見したことで始まる少年少女の大冒険

 本作は1986年カリフォルニアを舞台とした、ドット絵スタイルのアクションアドベンチャーゲーム。5人組の少年少女が、幽霊たちを見たり会話できるようになる不思議な石“ドゥアトストーン”を発見したことで巻き起こる大冒険が描かれる。

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天才少年マットの発明により、石の能力が判明。
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黒幕の手先からチャリンコで逃走。こうしたミニゲームがチョイチョイ挟まれる。

『E.T.』や『グーニーズ』など、80年代文化へのオマージュ

 本作の特に序盤では、『E.T.』や『グーニーズ』、そして『スタンド・バイ・ミー』などの80年代の映画に影響を受けた、どこか懐かしい少年少女の冒険が描かれる。そのあたりの作品にオマージュを捧げた作品として、2011年の映画『スーパーエイト』や海外ドラマ『ストレンジャー・シングス』などと同じ傾向の作品と言うこともできるだろう。

 なので、これらの作品に慣れ親しんだ人なら「あぁこういうのあるある」と頷けるハズ(映画だけでなく当時の音楽やゲームネタもいろいろ仕込まれている)。実際、Fouratticの開発者はスペインの人なので、テレビや映画館で観た“フィクションとしてのアメリカンな子供生活”との距離は日本人とあまり変わりがない(記者が過去に開発者たちと会った際にその手のネタで盛り上がった)。

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ケビンによって秘密基地的な“ツリーハウス”に招集されたメンバー。いつものしょうもない話だったら良かったのだが……。

 というわけで本作の主人公にあたる仲良し5人組も、みんなの中心になるクリス、発明が得意なメガネ少年マット、太っちょで力持ちのジョー、飲んだくれの父親とトレーラーハウスに住む少女チャーリー、そしてみんなの末っ子的存在でお騒がせキャラなクリスの弟ケビンと、なかなかにコテコテな感じ。

 しかし、だからこそビデオテープノイズ混じりで流れる80年代カートゥーン風のアニメカットシーンに映えるし、細かな描写の積み重ねによりそれぞれのキャラクターがじっくり描かれるので、キャラが薄くなることはなく、パロディ的なトーンを入り口にしつつも、段々と話の本筋に引き込まれていく。

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シーンの合間にはカットシーンとして80年代カートゥーンスタイルのアニメが挿入されることも。ビデオテープのノイズ(わからない世代も増えてきたと思うが)まで再現されていて細かい。
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紅一点の少女チャーリーの家は、飲んだくればかりがいるトレーラーパークにある。もちろん父親も飲んだくれ。

現実と幽霊の世界、ふたつのレイヤーを行き来するゲームプレイ

 物語は石を発見したケビンがメンバーに招集をかけるシーンで始まり、ほどなくして石を狙う謎の人物“オーラス少佐”が彼らの住む小さな町“タジャンガ”を封鎖。クリスたちは町に平穏な生活を取り戻すために奮闘することになる。

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少佐の手下たちとバトル。ちなみに下っ端2名は“タックルベリー”、“ゼッド”という名前で、80年代に一世を風靡したコメディ映画『ポリスアカデミー』ネタっぽい。

 グループの各メンバーは、ストーリー上離脱している時以外は自由にスイッチ可能。それぞれ体力や移動速度などが異なるほか、戦闘/非戦闘用の専用アクションを持っており、それらを活かしてバトルを有利に進めたり、謎を解いて先に進んでいく。

 例を挙げると、クリスはバットで直接攻撃だけでなく弾を打ち返すこともでき、ジャンプやツタなどへの掴まりアクションなどが可能。一方マットはレーザーガンを持つほかホバリング移動が可能。ジョーはガードを固めることができて、重い障害物を動かせる……といった塩梅だ。

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ビッグジョーは重い障害物を押せる。中盤以降は謎解きで大活躍。

 またもうひとつ重要な能力として、石の能力を発動すると霊の世界に干渉できる。敵対的な幽霊系クリーチャーと戦うだけだなく、時には謎解きで友好的・中立的な幽霊からの協力が必要になることもある。

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西部開拓時代の幽霊だらけの町で聞き込み中。全員記憶があやふやで、なかなか核心をつく情報が手に入らない。

「ずっと一緒だ」怒涛の展開の果てに待つ感動のラスト

 本作は中盤以降、少佐が石の奪取に必死になるにつれてなかなかハードな話になり、最初は別々だった“仲間との絆”と“生者と死者”というふたつのテーマも重なり合うようになっていく。彼らの町タジャンガに再び平和は訪れるのか、そして5人組にどんな結末が待っているのか? 怒涛の展開の先にあるエピローグまでじっくり見届けて欲しい。