井戸の底を目指して下方向に進んでいくアクションゲーム『Downwell』で知られる“もっぴん”こと麓旺二郎氏が、任天堂に入社したことをTwitterで発表した。

 同氏は大学在学中に一念発起してゲーム開発の試作を開始。「1週間に1本のゲームを作って学ぶ」という“Game A Week”という学習法の果てにできた『Downwell』が海外大手インディーパブリッシャーのDevolver Digitalの目に止まり、PC/iOS/Android(後にPS4/Vitaも)でリリースされて世界でスマッシュヒット。

 その後、海外のゲームイベント“ファンタスティック・アーケード”向けに『NIUM』を提供したり(イラストレーターのNEMK氏との共作)、5人のインディーゲームクリエイターによる50本のゲームを収録するオムニバス作品『UFO 50』への参加が発表されるなど、フルの新作発表こそないものの、ユニークな活動を続けてきた。

 本誌では『Downwell』開発中の2014年末にインタビューを行っており、ゲームとはまったく関係のない専攻から独自にゲーム開発の勉強を開始し、『Downwell』開発に専念するために大学からの自主退学を決意するに至る経緯についても聞いている。

 実はその中で、インディーゲーム開発者としてキャリアを積んでいきたいという意向とは別に、『Downwell』を武器にゲーム会社に就職するというアイデアについても触れていて、「面接を受けようって時に“声楽科卒業の奴”と“海外パブリッシャーのDevolverと契約してx本売れた奴”だったら後者の方が価値があるじゃないですか」と語っていたのが今となると味わい深いところ。

 もちろんこれは、他の選択肢(大学卒業)を断ってでも今のチャンスを掴むために専念したいという決意の裏返しでしかないわけだが、はからずも約3年後、それが本当の形になったわけだ。同氏がどんな職能でどんなタイトルに関わっていくのかは不明だが、今後も変わらぬ活躍を期待したい。