レイニーフロッグよりNintendo Switch向けダウンロードソフト『迷宮の塔 トレジャーダンジョン』が2018年1月18日より配信された。ゲームが好き過ぎてこの道に入ってきたというフランスのクリエイター、セドリック・マシオン氏に聞く。

 レイニーフロッグよりNintendo Switch向けダウンロードソフト『迷宮の塔 トレジャーダンジョン』が2018年1月18日より配信された。本作は、4キャラクターのパーティーで財宝の奪取に挑む3DダンジョンRPG。プレイヤーはリアルタイムでモンスターたちと戦い、巧妙に仕掛けられたトラップを避けて、塔に眠る財宝を探していくことになる。

 『迷宮の塔 トレジャーダンジョン』の開発を手掛けるのはフランスのデベロッパーであるMonkey Storiesのセドリック・マシオン氏。セドリック氏は子どものころからゲームが大好きで、IT系の仕事を投げ打ってゲーム開発の道に進んだという。『迷宮の塔 トレジャーダンジョン』はセドリック氏による初めてのタイトルで、デザインとBGM以外は全部ひとりで作り上げたのだという。と、そんな話をうかがうと、どんな経緯で本作が作られたのか、気にならずにはいられない。というわけで、セドリック・マシオン氏にメールベースでのインタビューを実施。以下に、そのやり取りをお届けしよう。お母様とのエピソードなど、微笑まし過ぎます!

Monkey Stories
セドリック・マシオン氏

――子どものころからゲームがお好きとのことですが、お好きなゲーム遍歴を教えてください。

セドリック 本当にたくさんの時間、ゲームをプレイしてきましたね。新しい物語、新しいタイプのゲームプレイを探すことに飢えていました。とくに印象に残っているゲームを挙げるとしたら……
Wing Commander 2
ウルティマアンダーワールド
Might and Magic III: Isles of Terra
シヴィライゼーション
 などです。それこそ忙しなく何100時間もプレイしましたし、いろいろ妄想を広げたりしていました。

――IT系のサポートのお仕事をお辞めになって、ゲーム開発の道に進んだとのことですが、お仕事を辞めることに不安はなかったのですか? やはりゲームに対する愛が、開発者への道へとご自身を突き動かしたのでしょうか?

セドリック 子どものころからずっとゲームを作ることを夢見てきました。最近、母があるノートを僕に渡してくれたんです。それには僕が考えたふたつのゲームのコンセプトアイデアが書いてありました。25年も経ってから読み返すと変な感じですね 。ゲームのプログラミングなんて、ほとんど不可能なことだと思っていました。学ぶべきことがたくさんありすぎるので……。
 でも、Unityが一般的になり始めて、興味を持ち始めました。使いかたをいろいろと学んで、チュートリアル動画もたくさん見てみました。そして少しずつですが、トライしてみるのもいいかもと思い始めました。
 ずっと夢見てきた作品を作れるチャンスがあったとしたら、チャレンジしてみるしかありません。けっきょくゲームをプレイすることに時間を費やしてしまって、1ヵ月後に「やっぱり仕事を探さないとダメだな」ってなってしまったとしてもです。結果としては、初日から過去に例がないぐらいがんばりました。でも、自分のためのプロジェクトなので、大変だとはまったく感じませんでしたね。

――とにかくゲームがお好きだったということですね。

セドリック 若いころはゲームばかり遊んでいました。学校があったのに1日6時間とかプレイしていました。あるとき、母は僕にコンピューターと本を買ってくれました。開発者になれるようにということで、何かに興味を持たせようとしてくれたんだと思います。画面上で緑の線を動かすというだけのために、1000行ものコードを書いたことがあります。何が何だか全然分からなくて、テキストのコピーに時間をただ無駄にしたと感じました。コンピューターは新しいゲームをプレイするのに、その後も使いましたけどね(笑)。

――本作を開発するに至った経緯を教えてください。なぜ、3DダンジョンRPGのゲームを作ろうと思ったのですか?

セドリック  『Legend of Grimrock』(Almost Human開発によるリアルタイム3DダンジョンRPG)がリリースされたとき、衝撃を受けました。すごく気に入りました。そして、こういうタイプのゲームで昔ずっと遊んでいたなと思い出しました。本当に開発の人たちはすばらしい仕事をしたと思います。でも、僕なら違うふうにするかなと思った点も、いくつかありました。それが最初のきっかけでしたね。ああいうタイプのゲームのことを真剣に考え始めました。「自分ならどういう感じに作りたいか」ってね。

――『迷宮の塔 トレジャーダンジョン』を開発するにあたって、注力したポイントは?

セドリック  楽しさかな。プレイヤーにはただ楽しんでもらいたいです。フラストレーションなしでね。この塔の中に本当にいるような気分になれること、ひとつひとつのフロアで雰囲気に浸れること、素敵な体験だったとプレイヤーの記憶に残るようなものにしようとしました。だから、細かな部分にもこだわりました。それと音楽も特別にものにしたかった。マーティン・スコセッシ(映画監督)は、映画の50%は音楽が占めると言っていました。でも、僕自身は音楽家ではありません。そこで自分のゲームに使いたいと思える、プロが作曲した“これぞ”という曲を探すのにたくさん時間を使いました。ですので、いつでも聴きたいときに音楽を聴ける音楽プレーヤーを作って入れたことは、自分でも最高だなと感じています(笑)。

――『迷宮の塔 トレジャーダンジョン』ならではの魅力をお教えください。

セドリック  このゲームは、たぶん、いま家庭用ゲーム機でプレイできる唯一のグリッド移動タイプのリアルタイムバトルゲームだと思います。それと、この手のゲームにはありがちな、でも退屈な要素になりかねない食べ物とか明かりだとか、重量設定とかを排除したことかな。

――ご自身がベストだと思う3DダンジョンRPGのゲームを教えてください。『迷宮の塔 トレジャーダンジョン』は、そのタイトルに影響を受けている部分などありますか?

セドリック  やっぱり『Legend of Grimrock』かな。あれと、昔のダンジョンさまよう系のゲームからは大きな影響を受けました。安易にマネしてしまわないようにと努めていても、アイデアに入ってきてしまいますね。これは、『迷宮の塔 トレジャーダンジョン』を作った理由でもあります。自分の理想をジャンルに提示してみたんです。

――本作の開発期間はどれくらいですか?

セドリック  ふだんの仕事をしつつの作業が1年。でも、その後どうにも進まなくなりました。開発が複雑な工程に入ってきたからです。このあいだにゲーム開発について多くのことを学びましたけどね。それから1年半はフルタイムの仕事にして、詳細を詰めていきました。それからNintendo Switch版の制作に2、3ヵ月といったとこです。

――Nintendo Switchというハードに対する印象を教えてください。

セドリック  もう最高!!  任天堂はWii Uで実現できなかったことを、Nintendo Switchで完璧なまでに実現してしまったんです。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』をプレイするだけで分かりますよ、任天堂がまた新しい遊びかたを創り出したんだって。本当に任天堂の人たちは天才です!!

――ところで、開発スタジオMonkey Storiesのネーミングの由来を教えてください。

セドリック  いやっ、とくに理由は……。ゲームのタイトルが『Heroes of the Monkey Tavern』だったので(『迷宮の塔 トレジャーダンジョン』の原題)、そのタイトル名は使いたくなかったから、それでMonkey Stories ならしっくり来るかなっていう感じです(笑)。

――今後作ってみたいタイトルなどありましたら、お教えください。

セドリック  Oculus Go用のVR“体験”プロジェクトが現在進行中です。VR革命に僕も参加したくて。それから、できればNintendo Switchで披露したいプロジェクトがひとつありますね。

――最後に、本作を楽しみにしている日本のゲームファンにメッセージをお願いします。

セドリック  ありがとうと伝えたいです。僕のゲームを遊んでもらえる機会に恵まれたことに感謝しています。日本でゲームをリリースできたことを本当に嬉しく思っています。

『迷宮の塔 トレジャーダンジョン』

ジャンル:ダンジョンRPG
発売元:レイニーフロッグ合同会社
プラットホーム :Nintendo Switch
価格:1200円[税込]
配信開始日:2018年1月18日
開発会社 : Monkey Stories
CERO : B(12歳以上対象)

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