アクシデントで人間の魂を集めるのだ!
上海のNEXT Studioが開発、販売を手掛ける『Death Coming』が、2017年11月6日にSteamにてリリースされた。Steamでのレビューは“非常に好評”となっており、ユーザーから高い評価を受けている。いったいどのような作品なのか、果たしてその魅力はどこにあるのか。プレイインプレッションでお伝えしていこう。
というわけで、まずは『Death Coming』の概要を紹介しよう。本作はドット絵で描かれたパズルアクションで、個性的なのはその目的だ。何と主人公は死神の代理で、生き返るために町中の魂を集めていくこととなる。
しかし、死神と言えど直接人間を殺すことはできない。ではどうやって魂を集めるかというと、アクシデントを発生させ、間接的に殺害していくのだ。
たとえば、家の下をウロウロしている人がいたとする。その家の屋上には、いまにも落ちそうな位置に植木鉢が置かれている。死神代理である主人公は、この植木鉢を人に落として倒す、という具合だ。
この仕掛けはバリエーションがとても多く、どんなトラップがあるのかを探すのが楽しい。これ見よがしに設置されているマンホールや、いまにも落ちそうなツララなどわかりやすいものが多いが、中には意外な挙動を起こすギミックもあって、ついついアレコレ探してしまう。
さらに、ある仕掛けを動かすと別の事象が発生するという、連鎖反応も存在する。たとえば仕掛けを動かしたいけれど、見張りがいるとき。まずは電話を鳴らして見張りをおびき寄せ、上から看板を落として倒す。すると仕掛けを動かせるようになるので、さらに別のターゲットを倒せるようになる。ステージにあるものを発見するだけでなく、それらを組み合わせて使うという、パズル要素も楽しめるワケだ。
ただし、見つけたものを動かすだけでクリアーできるほど、死神の仕事は甘くはない。多くの人は移動しているため、何かを落としたり転がす場合には、うまく当たるようにタイミングを見計らう必要がある。さらに、一部の仕掛けは動かせる回数が決まっているため、失敗し続けるともうその仕掛けで人を倒すことはできなくなってしまう。
また、多くのソウルを集めると、お邪魔キャラの天使が登場する。仕掛けを動かす場面が彼らに見つかると、ライフをひとつ失ってしまうのだ。すべてのライフを失うとゲームオーバーとなり、ステージの最初からやり直すことになる。このように、パズル要素だけでなく、タイミングを見極めるアクション要素も味わえる作りになっている。
ステージ上には多数の人間がいるが、一定以上の魂を集めると死神が登場し、彼をクリックするとステージクリアーとなる。これをくり返して全ステージのクリアーを目指すのが目標だ。また、各ステージには3人ずつターゲットが存在し、彼らの魂を集めるのがゲーム全体を通しての目標となる。ほかの人物より倒すのは難しいが、ぜひとも魂を集めたい存在だ。
本作はステージごとにテーマがガラッと変わるのも大きな特徴。町や工場、遺跡などバリエーションが多く、各ステージごとに異なったアクシデントを楽しめる。
一部のステージは天気が変化することもあり、特定の天候でのみ作動するギミックも存在する。さらに、町に雪が積もるといった例に代表されるように、天候の変化でステージの様相が様変わりすることもある。
本作は、ボリューム的にはそこまで大きくはなく、クリアーするだけなら3~4時間ほどだろう。ただし、各ステージの人間をすべて倒したり、さらにコンボを重ねてハイスコアを狙ったりすると、もっと長時間楽しめる。何度もくり返しプレイしてギミックを見つけ出し、さらに最適な攻略手順を構築していくというプレイの流れは、ちょっぴりアーケードゲームの感覚に近い。カジュアルに遊ぶことも、ハイスコアを狙ってやり込みまくるプレイスタイルも可能な作りになっている。
死神という題材ながらコミカルなドット絵で描かれており、悲壮感なく殺戮劇を楽しめる本作。パズル好きはもちろん、スコアアタックが好きなプレイヤーにもオススメ。先日のアップデートで日本語にも対応したので、ぜひ気軽にプレイしてみてほしい作品だ。