Nintendo switch用『ギア・クラブ アンリミテッド』の開発を担当するEden GamesのCEO デビッド・ナダル氏へのインタビューをお届けしよう。

 アタリジャパンやVivendi Gamesなどに在籍し、25年間にわたって日本のゲーム業界に関わり続けてきたニコラ・ディ・コスタンゾ氏が新規で立ち上げたパブリッシャー3goo(サングー)。同社の参入第1弾タイトルとなる、『ギア・クラブ アンリミテッド』が2017年12月14日に発売された。同作の開発を手掛けるのはEden Games。レースゲーム開発のエキスパートが揃う同スタジオらしい、レースゲームファンにはたまらない1作となっている。そんなEden GamesのCEO デビッド・ナダル氏がインタビューに応えてくれたので、以下にお届けしよう。『ギア・クラブ アンリミテッド』の魅力を確認すべし!

Eden Games、『ギア・クラブ アンリミテッド』の開発チームの皆さん。

――『ギア・クラブ アンリミテッド』が発売されましたが、いまのお気持ちを聞かせてください。

デビッド シグナルが青に変わるレース直前のドライバーのように興奮しています! それはどんなときでも特別な瞬間です。私たちが開発したゲームが世界で発売されるわけですから。興奮とストレスが混ざり合った 2年間の集大成です。

――あなたのチームが専門的に手掛けてきたのは『テスト・ドライブ アンリミテッド』、『V-Rally シリーズ』、『ニード・フォー・スピード』などのレーシングゲームですが、この経験は『ギア・クラブ アンリミテッド』の製作にどう生かされましたか?

デビッド 私たちは過去20年のあいだに数多くのツールやゲームエンジンを開発してきました。システムやテクノロジーは絶えず進化しますが、物理法則のように変化しないものもあります。ビギナー向けのきめ細かなヘルプやサポートは10年以上かけて磨き上げてきたものです。私たちが立ち上げ当初からレーシングゲームを専門に手掛けてきたこと、この伝統がタイトル製作の専門性を保持し続ける原動力になっていることは確かです。

――リアルなレーシングゲームには正確さが不可欠の要素です。ゲームに登場するクルマをオリジナルのモデルに忠実に作れる自信はどこから生まれるのですか? 自動車メーカーとコラボレーションしてきたのですか?

デビッド ええ、そうです。機会さえあればコラボのチャンスをうかがっています。私たちはすべてのメーカーと緊密に業務提携しており、各メーカーのモデルを可能な限り正確に再現できる態勢を敷いています。予想している人もいると思いますが、メーカーからは最大級の正確さと忠実さを求められています。実際に、メーカー数社とは数年をかけて複数のタイトルの製作を進め、つねに一段階上の精密で正確な表現を実現し、また過去作との違いを生み出すことで真に良好な関係を築いてきました。

――Nintendo Switchにはアナログトリガーがありません。多くのレーシングゲームファンはこれを不可欠の要素だと考えています。この点をどのように補いましたか?

デビッド 段階的な計測シミュレーション・プログラムを開発し、プログラム上で指の圧力を変換することでアナログトリガーを模倣しました。

――『Forza』シリーズや『グランツーリスモ』シリーズのようなフランチャイズはリアルなレーシングゲームの標準モデルですが、『ギア・クラブ アンリミテッド』とこのふたつのタイトルとの位置関係はどうなっているでしょう?

デビッド 私たちもこのふたつのシリーズが大好きですし、よくランチタイムにもオフィスでプレイしています。私たちにはつねに謙虚な姿勢が必要で、同じ額の予算も能力も持ち合わせていないことを自覚する必要があります。Nintendo Switchに欠けている空白を埋めて、プレイヤーにリアルなドライブ体験を提供できるよう、ベストを尽くしています。こうすることでプレイヤーに喜んでもらえればと願っています。

――プレイヤーによるクルマのカスタマイズはどの程度まで可能ですか? カスタマイズでどのようなメリットを得られますか?

デビッド 『ギア・クラブ アンリミテッド』はただのレーシングゲームではなく、本物のクルマの世界が楽しめるゲームです。自分のパフォーマンスショップを持ち、やりたいことを何でもできるのです。複数の作業場を解放して従業員を雇用し、クルマを改良し、ペイントを施したりできますし、すべてが3Dで表現されます。すべてが視覚化され、素早く行えます。余計なテキストメニューはありません。

――FPS(フレームレート)と解像度の話になりますが、Nintendo Switchバージョンの携帯モードとテレビモードではそれぞれ、どれくらいのパフォーマンスが期待できますか?

デビッド テレビモードでは1080p、携帯モードでは720pです。どちらのモードでも最低30FPS(フレーム毎秒)を保証しています。

――200種類のサーキットコースで400のレースというのは、すごく多いですよね。すべて異なるサーキットコースなのですか? それとも、元になるコースがいくつかあって、そのバリエーションですか?

デビッド 異なる3種類の環境(地中海、砂漠、緑の大地)に置かれた200種類の異なるサーキットコースをプレイヤーに提供しています。

――マルチローカルとオンラインで、同時に何人のプレイヤーのプレイをサポートしていますか?

デビッド マルチローカルでは分割画面で4人まで同時にプレイできます。オンラインでは最大8人でプレイできます。

――Nintendo Switchの性能をどう考えていますか?

デビッド 私たちは子どものころから任天堂の大ファンでしたし、Nintendo Switchはすでに任天堂のクラシックだと信じています。開発者がゲームプレイを念頭に置いて考え出したゲーム機です。とても巧みに作られたシステムで、ゲーマーとして私たちもプレイするのが大好きなゲーム機です。『スプラトゥーン2』、『ぷよぷよフィーバー』、『マリオカート』が私たちのオフィスで人気のゲームです。

――プレイヤーが最も驚くのはギア・クラブ アンリミテッドのどの点ですか?

デビッド 私たちの細部へのこだわりが違いを生み出しているのだと思います。ドライブ体験への没入感を高めてくれます。私たちは20年以上に渡ってレーシングゲームを専門的に手掛けてきたので、何にも増して自分たちの仕事に情熱を注いでいます。私たちはクルマの大ファンでもありますので、その点は私たちの作品にも影響を及ぼしています。

――『ギア・クラブ アンリミテッド』はシミュレーションゲームとアーケードゲームのどちらですか?

デビッド 『ギア・クラブ アンリミテッド』は、個々のプレイヤーに合わせたレース体験を提供するために、Nintendo Switchのゲームプレイのあらゆる可能性を開拓しています。たとえば、Joy-Conのジャイロスコープ機能(とハンドル)を利用すれば、ギアの変換を気にせずに運転できます。上級者になれば、ブレーキ補助、ギア変換など、もっと多くの機能を使いこなせるでしょう。このゲームはすべてのタイプのプレイヤーを想定して作られています。Proコントローラー、Joy-Con (1~2)、ジャイロスコープでプレイ可能(Nintendo Switchのみ)です。
●HD振動(Nintendo Switchのみ)
●オートマチックとマニュアルのギア変換(Nintendo Switchのみ)
●ブレーキ補助
●ハンドル操作のアシスト
●車輪のスリップ防止
●走行軌跡の表示

――『ギア・クラブ アンリミテッド』を開発する際にもっとも達成すべき部分は何でしたか?

デビッド 任天堂のシステムではゲームプレイがもっとも重要なので、私たちは操作性がちょうど良いと感じるまで、プレイテストをするのに驚くほどの時間を費やしました。製品には401の異なるトラックを提供しているため、レベル設計も大きな成果でした。

――今回実現できなかった機能はありますか?

デビッド 友人との競争をよりエキサイティングにするために、私は分割画面でより多くのゲームモードを楽しめるようにしたかったのですが、今回実現できませんでした。この点については、将来SplitScreen Multiplayer Championshipモードのダウンロードコンテンツを提供することを検討しています。

――開発スタッフのほとんどがクルマを愛しているとのことですが、ゲームに登場するクルマを運転している開発者はいますか?

デビッド レーシングゲーム開発者として、我々はカーメーカーの協力を得て多くのスポーツカーをサーキットで走らせています。私の好きな瞬間のひとつは、フィンランドのドライビングスクールで、アリ・ヴァタネンといっしょに運転の訓練することでした。このとき私は、レースカーを運転することは芸術であり、即興でできることではないことに気付かされました。また、昨年(2016年)3月には Paganiから2500万ドルのPagani Huayra BCがイタリアの象徴的なモデナサーキットを周回するところを撮影するチャンスいただきました。私自身は以前ロータスエリーゼを所有していました。エリーゼは素晴らしいクルマで非常に敏捷でした。現在私は父親になりましたので SUVを運転しています。

――日本のユーザーにどの部分を楽しんでいただきたいですか?

デビッド 私たちはカスタマイズゲームプレイメカニックを非常に誇りに思っています。まず、プレイヤーが自分のパフォーマンスショップを完全にカスタマイズできるということ。第二に、すべてのクルマのカスタマイズは、深い物理演算に基づいているため、道路上でクルマの挙動が異なるということです。最大4人で対戦できるマルチスクリーンも楽しんでいただけると思います。私はひとりのゲームユーザーとして最近のコンソールゲームは画面分割で遊べるものが少なくなっていることに悩んでいました。私は友人や家族といっしょに楽しめることはエンターテインメント産業の大きな部分であると信じています。

――最後に日本のゲームユーザーにメッセージをお願いします。

デビッド 私たちは日本のゲームをプレイして成長し、任天堂は象徴的かつ伝説的です。 私たちのゲームが日本で受け入れられたことは非常に幸運でした。日本のゲームユーザーに感謝しなければなりません。私たちの努力が日本のゲームユーザーの期待に応えられることを謙虚に願っています。