『塊魂』シリーズや『のびのびBOY』などを生み出した高橋慶太氏による奇妙なゲーム『Wattam』を紹介。

 Funomenaの『Wattam』は、『塊魂』シリーズや『のびのびBOY』などを生み出した高橋慶太氏による新作。海外ではAnnapurna Interactiveより、2018年にプレイステーション4/PCでリリース予定だ。

 本作については過去に、2015年のE3に出展されたバージョンの模様を高橋氏へのインタビューを交えつつお伝えしているが、今月頭にアメリカで行われたPlayStation Experience 2017でデモを遊んできたので、あらためてプレビューをお届けしようと思う。

 本作の目的を一応説明するならば「100体以上の個性的なキャラクターたちと友達になっていく」といったところ。高橋氏の過去作同様、その魅力を言葉で説明しきるのはちょっと難しいのだが、頑張ってみよう。

 一応の中心となるキャラはMayor(市長)。ゲームはナイスなハットを被ったジェントルマンである彼が泣いているところから始まる。友達が誰もおらず孤独なのだ。

このトボけた感じのダンディが市長。ちなみに2Pでプレイをスタートすると、スポットライトのキャラを操作できる。

 すると近くの石が泣いているのに気がつく。誰もいないと思っていたけど、石もキャラクターだったのだ! そうしてしばし追いかけっこをして遊ぶと、やがて近くの岩もその輪に加わるようになる。

 プレイヤーは操作キャラを自由に入れ替え可能で、基本アクションとして「手を繋ぐ」ことができるので、文字通り友達の輪を作れる(実は各キャラにはちゃんとした名前があるのだが、文が煩雑になるので省略)。

アナログスティック入力で自由に操作キャラを変更可能。どんどん友達の輪を広げていこう。

 そしてみんなで輪になって集まったところで、市長は帽子の中から爆弾を取り出してみんなを吹っ飛ばす。友情の爆発だ! みんなで笑い転げていると、新たなキャラが見つかり……。

どかーんと爆発。ちなみに爆破自体はいつでも可能だけど、ある程度友達を増やして爆破でお祝いすると、つぎのステージに進めたりする。

 いや、誤字とかあなたの読み間違えじゃなくて、本当に市長の特技は「爆弾でみんなをふっ飛ばしてお祝いし、笑わすこと」なのだ。キャラはそれぞれ果物だったり、家具だったり、多くがなんらかの“モノ”を擬人化したもので、それぞれオリジナルな能力を持っている。本作ではそれがなんかこう、いい具合に繋がっていく。

 例えばドングリのキャラは土に植えることができて、そうするとそこから木のキャラが育つ。木のキャラは周囲のキャラをいろいろ吸い込むことで、今度はイチゴなんかの果物のキャラを生み出せる。

 そうこうしていると口(くち)のキャラがやってきて、果物のキャラを食べるとうんちのキャラが生みだされ、続けてやってきたトイレのキャラはうんちのキャラを流すことができ……という塩梅。風が吹いたら土埃から桶屋まで友だちになるようなもんだ。

増える色とりどりのうんち。花キャラとセットで出てくる鼻キャラがいるのだが、彼(?)に嗅がせると……。

 そんな感じに、PSXでプレイできた序盤は、“新たなキャラがやってくる→彼/彼女の個性を発見したり、すでにいるキャラをうまく活かしてお願いに応える→するとさらに新たなキャラがやってきて……”という流れで進行していく。

 ユルユルなんだけど、それがなんかいい。しかも、「何々をしろ!」と次になにをするか指示されることもほぼない。たまにセリフ代わりの絵で「自分と同じ高さになって」といったようなことをリクエストしてくるキャラもいるけど、それを無視してうんち製造に精を出してもオーケー。

 というかまぁ、なんだったらうんちを重ねてタワーにすれば、そのお願いもクリアーできるのである(普通はもうちょっと高さのあるキャラを使って調整していくのが“セオリー”だろうけど)。

「自分と同じぐらいの高さになって」というオーダーに対し、黄金のうんちタワー建設で挑もうとする来場者2人組。

 『塊魂』が“ゴロゴロ転がす”、『のびのびBOY』は“ニョロニョロ伸ばす”といったように、高橋氏はつねにゲーム操作の“触感”を大事にしてきた。今回の『Wattam』でもそういうところはあって、手を繋いだり、手を使って別のキャラによじ登ったりするアクションがそれだ。

 “いろんな人(キャラ)と繋がりあい、そのユニークな個性を喜ぶ”というテーマがここにある。それぞれのキャラには固有のBGMがわざわざ用意されているし、フキダシに描いてある笑い声なんかも、英語だけでなく、日本語も含めたさまざまな言語で表記されていたりする。

 膨大な数のキャラにそれぞれ異なるアクションがあり、固有のBGMがあって(しかも過去記事によると、手を繋ぐと両者の音楽がミックスされるという)、それぞれ登れるように作る……というのはちょっと考えてみるだけでも相当めんどくさいのだが、でもそれが多分、このゲームにとってすごく重要なことなのだ。

 そしてひとりでも遊べるんだけども、ささいな発見を喜び合える人(要は親しい友達か子供)と2P協力プレイで遊ぶと、「え、今度来たこいつはなにができるの?」、「このキャラでコレをこうしたらどうなんの?」と試すのが更に楽しくなる。そんな、ユルくて妙な引力があるゲーム、それが『Wattam』だ。