ジェイソン・ロバーツ氏のパズルアドベンチャー『Gorogoa』を紹介しよう。本作は海外インディーパブリッシャーのAnnapurna Interactiveより、PC/iOS版が本日より順次配信開始(海外ではNintendo Switch版も)。
その内容は手描きの絵によって構成されたパズルアドベンチャーゲームで、すべての謎解きは絵の中に隠されている。それぞれの絵にズームできたりスライドできたりレイヤーが分離したりといったギミックが隠されていて、他の絵と繋がるように並べたり、絵を重ね合わせたりすることで、話が進行していくのだ。
日本語対応は行われているものの、ストーリーはアニメーションする絵のみで語られていく。そこで描かれるのは、少年と街に出現した巨大な生物をめぐる物語だ。
“なにやら古い博物誌的な書誌に記述を見つけた少年が、その生物と関係のあるらしい「珠」を集めていく”というのが本筋なのだが、謎解きが進んでいくと、どうも異なるバージョンの「少年」が見られるようになり、話が多層的に分裂しては収束するようになり、ファンタジーがうごめきはじめる。
というわけで、それほど長くない短編だが、絵自体がストーリーテリングしながら变化していくのとあいまって、魔法にかけられたかのような感覚を味わえる本作。静かな夜に紅茶でも淹れつつ、この不思議な物語を紐解いてみて欲しい。