プレイステーション VR専用となる『GUNGRAVE VR』が本日配信開始! 開発およびパブリッシングを手掛ける韓国のスタジオIGGYMOBにメールインタビューを実施。同作に対するこだわりを聞いた。

 2002年にレッド・エンタテインメントよりプレイステーション2向けにリリースされ、のちにテレビアニメ化もされたスタイリッシュ・ガンアクションの『GUNGRAVE』。そのおよそ12年ぶりとなる最新作『GUNGRAVE VR』が、2017年12月14日に配信される。プレイステーション VR専用となる本作は、主人公であるグレイヴ自身の視点で、押し寄せる敵を撃破していくFPSモードと、グレイヴを操作してフィールドを自由に動き回りながら敵と戦うTPSモードを搭載。迫力のゲームプレイを実現している。

 往年の『GUNGRAVE』ファンにはとくにたまらない本作だが、さらにうれしいのは、原作の世界観をしっかりと遵守していること。『GUNGRAVE VR』の開発にあたっては、原作のレッド・エンタテインメントが全面的に監修し、キャラクターデザインを担当した内藤泰弘氏がアドバイザーとして参加。さらに、主人公・グレイヴの声を関智一が担当し、メインテーマを今堀恒雄氏が手掛けるなど、オリジナルのスタッフ&キャストが参加しているのだ。

 本作の開発およびパブリッシングを担当するのは、韓国のスタジオIGGYMOB。本作が初タイトルとなるというIGGYMOBだが、『GUNGRAVE』というIPにかけるこだわりは相当なもの。今回開発者の皆さんにメールにてインタビューを実施することができたので、『GUNGRAVE VR』に対するアツい想いを語っていただいた。

[メールインタビューに答えてくれた開発スタッフの皆さん]

JUN PD氏 開発部長
Kay Kim氏 ビジネスディレクター
KT_K氏 アートディレクター​

原作ファンの思い出を壊さない新作を……

──本作で展開するストーリーについて教えてください。

JUN 本作では、現在開発中のプレイステーション4用ソフト『GUNGRAVE G.O.R.E.(以降、G.O.R.E.)』の前日譚にあたるストーリーを描いています。前作『GUNGRAVE O.D.』のラストで、ガリーノとの戦闘を終えたグレイヴは、ふたたび眠りにつきました。しかし月日が流れ、なぜかまたシードが町中に広がり始めてしまう。シードに侵されていく世界を目の当たりにしたミカは、葛藤しながらもグレイヴを目覚めさせ、もう一度シードとの戦いに身を投じていくことになります。

──グレイヴのデザインのリファイン・ポイントについて教えてください。

KT_K キャラクタービジュアルについては、原作ファンの思い出を壊さないようにデザインしました。進化した映像技術を利用し、よりスタイリッシュな表現を追求する一方で、慣れ親しんだキャラクターへの懐かしさが感じられるよう努力しています。より繊細でハイクオリティーな表現、違和感のないリアルな質感を実現しています。

──本作のステージ構成は?

JUN チュートリアルを含め、6つのステージを提供します。TPSステージが3つでFPSステージがふたつ、TPSとFPSが混在するステージがひとつ、という構成です。ボスキャラは中間ボスを含め、合計11体が登場します。

──TPSモードは従来のシリーズ作に近いゲームモードとのことですが、新たに変更・導入されたシステムについて教えてください。

JUN 変更を加えた箇所は“ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を活用した照準”と“デモリッションショット”です。本作では、照準はコントローラーではなく、プレイステーション VRのヘッドトラッキング機能で合わせます。そのおかげでより直観的に戦闘を行えるよう改善しました。グレイヴの必殺技である“デモリッションショット”もパワーアップしています。本作では2タイプ実装していますが、どちらもより強力な新しい技になっています。また、各必殺技の使用条件と“ビートカウント”の累積システムも改善しています。そのほかにも、カメラワークなどの演出面も細部まで拘って開発しました。
 新システムの“クーリング”と“バレットタイム”は、より戦略的なプレイを楽しんでいただくために導入しました。本作のケルベロス(グレイヴの二丁拳銃)は、使い続けると熱くなり、オーバーヒートで使えなくなるという設定です。オーバーヒート状態を回避するには、クーリングボタンを使用し、ケルベロスを冷ましながら戦闘に臨む必要があります。バレットタイムは、時間経過にともなって自動チャージされるゲージを消費することで発動できます。バレットタイム中はプレイヤー以外の時間経過が遅くなるため、敵からの攻撃が避けやすい状態で、より多くのダメージを与えることができます。バレットタイムは無制限に使用することができないため、状況に合わせて戦略的に使う必要があります。ボスとの戦闘で発生する“QTE(Quick Time Event)”は、バトルシーンへの没入感を高め、いままで以上に『GUNGRAVE』の世界を堪能できるようになっています。

──PS VRを装着してのプレイ感覚で、東京ゲームショウ2017以降ここが大きく変わった(改良された)という要素があれば教えてください。

JUN 東京ゲームショウ2017以降、日本メディアの記事や現場でのフィードバックを受け、最適化作業を行ってさらなるフレームの安定化を図り、ゲーム性を改善しました。東京ゲームショウでプレイしていただいたものと比較すると、「戦闘がさらに激しくなった」と感じられると思います。またミカは、いただいたご意見をもとにデザインを調整し、もっとかわいらしくなっていますよ。

──『GUNGRAVE VR』の追加コンテンツに関する予定などありましたら教えてください。

Kay ステージと追加キャラクターをダウンロードコンテンツとして配信する予定です。キャラクターに関しては、これまでのシリーズ作に親しんでくださっていたファンの方々に楽しんでもらえるよう、『GUNGRAVE』の世界において大事な役割を担うキャラクターを登場させたいと考えています。声優についても引き続き交渉を行い、ファンの期待に応えられるよう努力しています。

シリーズの復活を名乗り出たIGGYMOBの心意気

──開発スタッフの、『GUNGRAVE』との出会いかたと好きになったきっかけ、惚れ込んでいることがわかるエピソードがあれば教えてください。

JUN 私は『トライガン』のときから内藤泰弘さん(マンガ家)のファンでした。当時、内藤さんが参加したゲームが発売されると聞き、すごく楽しみにしていました。そのゲームが『GUNGRAVE』だったのです。ずっとファンとして愛情を持っていた『GUNGRAVE』のシリーズ作に、現在開発者として携わっていることを誇りに思います。

──すでに『G.O.R.E.』を開発中とのことですが、現時点で新生『GUNGRAVE』サーガの構想はどのくらいのスケールを想定していますか?

Kay 新生『GUNGRAVE』は、『GUNGRAVE VR』から幕を開け、『G.O.R.E.』へと続いていきます。全体的なスケールについては、現時点ではお伝えすることが難しいです。ただ、『G.O.R.E.』は『GUNGRAVE VR』を超えるスケールとクオリティーでお届けしたいので、最新のUnreal Engineで 開発を進めています。よりハイレベルなゲームと比較しても遜色がないスケールを目指していますが、一番大事なことは、“既存のファンに、どれだけ納得し共感してもらえる作品にできるか”ということだと考えています。この『GUNGRAVE』の世界観の理解と表現については、もっとたくさん努力し、追求していきたいです。

──新生『GUNGRAVE』サーガを構築する際に、絶対変えてはいけないポイントと、自分たちでオリジナティを発揮すべきポイントを教えてください。

JUN 弊社が作っているのは、“グレイヴの物語”です。新生『GUNGRAVE』においても、グレイヴというキャラクターは絶対に変えてはいけないと考えています。外見だけではなく、グレイヴの性格や雰囲気といった内面も変えてはいけない大切な部分だと思います。弊社がオリジナリティーを発揮すべきところは戦闘パートだと考えています。弊社だからこそ表現できる、よりスタイリッシュに進化した戦闘を通して、IGGYMOBのオリジナリティーを見せられればと思っています。