『Ghost of Tsushima』海外版は日英音声同時収録に? 馬のモーションキャプチャーやリーク危機などを振り返る【PSX2017】

オープンワールドアクションアドベンチャー『Ghost of Tsushima』の発表までの経緯を振り返ったパネルディスカッションを紹介。

 オープンワールドアクションアドベンチャー『Ghost of Tsushima』は、『InFAMOUS』シリーズなどを手掛けたゲームスタジオSucker Punchによる新作。PlayStation Experience 2017で、その発表までの経緯を振り返ったパネルディスカッション“Ghost of Tsushima: From Concept to Reveal”が行われていたので、その模様をお伝えしたい。

 『Ghost of Tsushima』は、モンゴル帝国による第一次日本侵攻、いわゆる文永の役の最初に起こった対馬での戦いをテーマとしている。史実では、対馬の小茂田浜に上陸してきた1000人の軍勢に対し、対馬守護代である宗助国以下80余騎は壊滅する。しかしもし降伏を拒んだ侍がひとり生き残り、謎の“ゴーストテクニック”を使って抵抗を続けたら……というのがその内容だ。

 Sucker Punchではこのテーマに取り組むにあたって、ロケーション調査などを念入りに行い、対馬での取材も二度にわたって行ったそう。「サムライムービーが好きなんだけど、江戸時代のものが多いからね。でもこの(鎌倉)時代も参考にできる鎧とかすごく良くってさ」といったちょっとした発言からも、海外作品でありがちなテキトーな日本描写ではなく(個人的にそれはそれで好きなのだが)、あくまで史実を理解した上でSucker Punch流のオープンワールド鎌倉時代対馬を生み出そうという気概が伺えた。

使用画像はすべて公式配信からのもの。

 面白かったのが、SIE JAPAN Studioのローカライズプロデューサーである石立大介氏の協力を得た取材旅行中にやり取りをした相手が、地元紙のコラムに本作について書いてしまったというアクシデント。

 証拠としてアニメーションディレクターのビリー・ハーパー氏と石立氏の名刺まで掲載されているという有様で(それは編集が止めろよと思わないでもない)、広まれば「Sucker Punchの新作は元寇テーマ」というリークとなり、今年のパリでの発表が台無しになるところだったワケだ。判明した時にスタジオが大騒ぎだったというのも無理はない。

 また、当時の資料があるというので地元高校に行ったところ、「ベースボールトーナメントのトロフィーの横に置いてあるってどういうことだ」と衝撃を受けていたのもニヤリ。学校のガラス棚にそういうのがごちゃっと混ざってること、確かに日本ではありますな。

 ちなみに発表トレイラーの制作にあたっては馬のモーションキャプチャーにも挑戦しており、砂糖原料の接着剤を使い、モーションキャプチャー用のマーカーを馬にびっしり貼り付けて走らせている様子が紹介されていた。

 パネルディスカッションのラストでは、クリエイティブディレクターのネイト・フォックス氏が「皆に聞いてみたいことがあるんだが……日本語音声でやりたいか?」と尋ねてみたところ、会場は大歓声に。

 これは、いわゆる“和ゲー”の英語ローカライズなどでも、日本同様に原語音声+字幕派と母語吹き替え派がいることを念頭に置いたもの。日本テーマのゲームのパネルディスカッションに集まるようなハードコアな人たちは、「やっぱり日本語を聞きたいぜ!」ということなのかもしれない。

 フォックス氏はそれを受けて「覚えておこう」と述べるにとどまったが、少なくとも北米版については日英音声同時収録という仕様になるのかもしれない。なお日本での発表トレイラーなどはすでに日本語吹き替えになっており、日本版はSIEの他作品同様に日本語音声で楽しめることになりそうだ(2言語収録可能な仕様になった時にマニアのために英語音声が収録されるかはわからない)。