Media Moleculeの新作『Dreams』のプレス向けデモの様子をお届け。同スタジオの過去作『リトルビッグプラネット』の流れを継ぐ、ちょっとしたゲームを作って世界中にシェアできるクリエイティブプラットフォーム。

 カリフォルニア州アナハイムで開催中のゲームイベント“PlayStation Experience 2017”で、Media Moleculeの新作『Dreams』のデモを見てきた。

 本作は『リトルビッグプラネット』(LBP)シリーズなどを手掛けてきた同スタジオのプレイステーション4向けの新作。LBPシリーズの流れを引き継いでいて、収録された開発ツールを使ってミニゲームを制作でき、インターネット経由でシェアして遊ぶことができるという、(ゲームというよりも)一種のクリエイティブプラットフォームとなっている。海外では2018年に発売予定で、βテストも予定されている。

 さて本作、同スタジオやLBPについての事前知識なしにトレイラーを見ても、テイストがまったく違う映像が入り乱れていて、わけがわかんない人もいると思う。正直、何でもアリの作品なんだから仕方がない。

 本作では、ひとつひとつのレベル(ステージ)は“Dream”と呼ばれる。そしてプレイヤーが作ったDreamには、「謎を解いて扉を開けた」とか「ゴールにたどり着いた」とか、いろんな形で終わりが設定されていて、そこを繋ぎにDreamを連ねることができる。そして夢の内容が脈絡なく変化するようにDreamからDreamへと移っていけるから『Dreams』というワケだ。

クマちゃんと狐くんのカジュアルな三人称視点アクション。
ジャジーな感じの3Dグラフィックのポイント・アンド・クリック型アドベンチャー。上と見比べてみて欲しい。

 じゃあどんなジャンルのゲームを作れるのか? その幅はかなり広い。デモ解説はトレイラーにも出てくる“クマちゃんの女の子と狐少年の2P協力プレイ対応三人称視点アクション”と“ハードボイルドタッチのカメラ固定のポイント・アンド・クリックアドベンチャー”を主軸に行われ、“一人称視点の宇宙船ドッキングゲーム”なんかもあったし、アートスタイルもさまざま。

陶器っぽい質感なんかもあったりして何気にビビる。

 背景の構築、キャラの配置、ゲームとして機能させるためのロジック構築、照明の配置と調整、レンズエフェクトやペイントエフェクト、音楽や音声のセット……いろんなパーツを読み込ませてゲームを作れる。

 作業はDUALSHOCK 4やPS Moveコントローラーで行え、きっちり並べるためにグリッド表示をしたり、垂直や水平を保つようにセットしたり。ちょっとした橋を作りたければ、木板のパーツを選んでちょっとボタン連打すれば、ニョキニョキ隙間なく並べてくれるし、ちょっとスパイラル風に配置するなんていうトリッキーな配置もできる。

ちょっと写りがアレだが、実際のデモの様子。3D空間内のいろんな所に見えるアイコンは、ゲームロジック・音・ライティングなど。こういったアイコンからそれぞれの編集画面を開いたり、キャラクターに入って即テストプレイしたり、シームレスに作り込めるのがいい感じ。ちなみに手前に見えるモジャモジャのキャラ“インプ”がエディットなんかをするための3Dカーソル代わりになっていたりもする。

 それだけでなく、それらのパーツを作ることもできる。基本アニメーションがプリセットされた素体から肉付けしていけば、コントローラーでちゃんと動くオリキャラの完成。

 BGMだったら、今時のループシーケンサーがメインでついている。音色を選んでコントローラーでそれっぽく叩けば、そこで使ういい感じのループシーケンスを作れる。タイミングや音階を修正したければ、ステップシーケンサーで正確に直せる。

 声が欲しければ、PS Cameraでもヘッドセットでも、マイク入力が可能な周辺機器を使って吹き込めばいい。それを曲中で使うことも、セリフとして使うこともできる。なんと複数トラックを切替可能にして多言語ボイス対応することもできるという。

ショーフロアーでの公開デモより、ループシーケンサーを開いている様子。Ableton Liveとかの感じ。別にループ自体のシーケンスも組める。

 シェアはDream単位でもパーツ単位でも可能で、タグやテキスト検索が可能。気に入ったクリエイターのフォローなんかもできるし、音楽ストリーミングサービスのようにDreamのオートプレイリストを自動生成してランダムに遊ぶ機能なんかもある。

 誰かが作ったパーツを使ってゲームを作ってもいいし、誰かの作ったDreamをリミックスして改変することもできる。ちなみに自分が作ったパーツを人気クリエイターが使ったりして、自分の作ったパーツが入ったDreamがたくさん遊ばれると、自分の作ったゲームがヒットした時と同様、それだけ“経験値”が増えるそう。

 では無限に作れるのかと言えば、制限はある。マップを含む3Dオブジェクトを例に挙げると、物理的スケールではなく複雑度によって制限されている。動作の安定と素早いダウンロード&ローディングのためにDreamのデータサイズがある程度決まっているので、その中で使われるパーツ一個のデータサイズも限界があるわけだ。

 また、発売後のアップデートでPSVRへの対応を追加予定とのこと。「Day1(発売日)には無理だがDay2(翌日)には足したい」と冗談交じりに語っており、優先度は高い模様。複雑なプログラミングコードを習得せずに、簡易的とはいえVRコンテンツを作れってシェアできるというのは面白い。酔いを避けるためのルール作りや高速な描画を維持するための制限の設定が大変そうだが、早く試してみたいところだ。