本日2017年11月10日、東京・国立新美術館で“新海誠展 「ほしのこえ」から「君の名は。」まで”のプレス向け内覧会が開催。記者発表会と展覧会会場をひと足早く見てきたので、その様子をお届けする。
本展覧会は、アニメーション映画『君の名は。』を手がけた新海誠監督の軌跡を紹介するもので、11月11日より国立新美術館にて開催される。デビューから15年を迎えた新海誠氏の歴史を、貴重な制作資料である絵コンテ、設定、作画、美術、映像をはじめ、世界観を体験できる造形物などを通して紹介するというもの。個人制作の『ほしのこえ』から、初の長編作品となった『雲のむこう、約束の場所』、『秒速5センチメートル』、『星を追う子ども』、『言の葉の庭』、そして、2016年に公開し記録的な大ヒットとなった『君の名は。』までを完全網羅。
また、現役アニメーション映画監督の名を冠した展覧会が開かれるのは、国立の美術館において初となる。
内覧会に先立って行われた記者発表会では、新海誠監督と、『君の名は。』で主人公“立花瀧”の声と本展覧会の音声ガイドを務めた俳優の神木隆之介が登場。
本展覧会が開催される国立新美術館は、最新作となる映画『君の名は。』で主人公“瀧”とアルバイト先の先輩である“奥寺ミキ”がデートで食事をしたカフェ“サロン・ド・テロンド”(国立新美術館内併設)があり、「『君の名は。』の舞台にもなった国立新美術館は東京の象徴として選んだ。風景として圧倒される建築物で、高校生のデート場所にしては少しだけ敷居の高い場所として、国立新美術館を描きました。高校生の瀧のキャラクターを描くために国立新美術館を選んだのですが、まさか1年後にこの場所に戻って展覧会ができるとは思わなかったので、とても光栄です」と喜びを表した。
また展覧会会場について神木龍之介は、「新海監督の絵は写真のように美しくて、展示物を見て1本1本手で描かれているのが実感できました。語りつくせないです……!」とコメント。じつは誰よりも興奮していたようだ。
本展覧会では、各作品の絵カットを随所に展示しており、「アニメーションの1カットは4秒ほどしか映らないが、今回の展示ではカットの成り立ちから、じっくりと見ていただくことができる」(新海監督)とアピール。また、音声ナビゲーターを担当した神木は、「解説するお相手の様子を見ながら説明するのとはわけが違うますし、聞き心地のよい速度を意識しないといけなかったので、悩みながら収録しました。あまりにも淡々としてはいけないし、とはいえものすごく感情をこめてもいけないので、難しかったです」と苦労を明かす。なお、ガイダンスには神木からの新海作品にちなんだクイズもあるとのことなので、足を運んだ際には、ぜひ音声ガイドを利用していただきたい。
最後に新海監督は、「今回展示していただいたものは映画アニメ作りの過程なので、僕とスタッフとのコミュニケーションの過程でもあります。コミュニケーションのトライアルのようなものを見ていただくのは初めてですし、“どうやって何を誰に伝えようか”という葛藤も描かれている展示です。来場者の方に、僕たち製作陣がどうやってコミュニケーションをとっていったのかを見ていただき、そこで感じた来場者の気持ちは何らかの形で製作チームに伝わってくると思います。それを受けて、また新たな作品を作れたらと」と期待を寄せる。
また神木は、「新海監督のいままでと、これからも感じさせる素晴らしい展覧会です」と太鼓判を押した。
展覧会は明日11月11日から12月18日まで国立新美術館にて開催。限定グッズの販売もあるので、新海誠ファンはぜひ足を運んでほしい。