インソムニアックゲームズ開発による『Spider-Man』のラウンドテーブルの模様をお届けしよう。

スパイダースーツにもこだわりが

 2017年11月1日~5日まで(現地時間)、フランス・パリにてゲームイベントParis Games Week 2017が開催。10月31日に、同イベントに合わせる形で、ソニー・インタラクティブエンタテインメントヨーロッパ(SIEE)によるメディア向けのBCDセッションが行われた。ここでは、インソムニアックゲームズ開発による『Spider-Man』のラウンドテーブルの模様をお届けしよう。ラウンドテーブルといっても、クリエイティブ・ディレクターのブライアン・インティハー氏が記者団からの質問に答えるという感じのもので、インティハー氏のざっくばらんなお人柄のためもあり、終始和気あいあいとした雰囲気のうちに行われた。ここでは、そんなラウンドテーブルから、気になる発言を切り取っていこう。まずは、“PlayStation Media Showcase 2017”で公開された最新映像をどうぞ。

クリエイティブ・ディレクターのブライアン・インティハー氏。

――本作は、先日公開された映画『スパイダーマン:ホームカミング』とはまったく別の世界になるのでしょうか?

ブライアン お互いの作品にはまったくつながりはありません。まったくオリジナルのユニバースだと思ってください。

――ゲームオリジナルのピーター・パーカーを造形するということで、注力したポイントは?

ブライアン 大きな違いは、ゲーム版のピーター・パーカーのほうが年を取っているということです。スパイダーマンになって数年経っていて、24歳くらいです。何年もスパイダーマンをやっているので、力にも慣れているし、戦闘にも慣れています。より経験を積んだピーター・パーカーだと言えるでしょうね。

――サム・ライミ版のピーター・パーカーではありませんが、己の力に悩むこともある?

ブライアン 本作のピーターは、もっと自分の能力をよく把握していますし、街中でどう立ち回ったらいいかもわかっています。戦闘でも、映画のピーター・パーカーと比べるとレベルが高いようになっています。格闘やスパイダーウェブの使いかたもそうです。彼は科学者なので、ガジェットを駆使するのですが、映画よりも遥かに熟練しています。

――ゲームオリジナルのヴィランは登場しますか?

ブライアン 本作にはオリジナルのヴィランが出てきますよ。先日公開したトレーラーに出てきたものを始め、皆さんおなじみのヴィランが出てきます。ゲームオリジナルのヴィランは存在しないですね。先日公開したトレーラーのヴィランは、実際に登場するヴィランのごく一部です。

――ヴィランはどれくらい登場するのですか?

ブライアン たくさん!

――本作では、どのようなストーリーが展開されるのですか?

ブライアン ピーターが23歳のときの話になります。敵との激闘の中で、ピーターはピーター・パーカーとしての自分とスパイダーマンとしての自分のバランスを保つのに苦労し始めます。そこで新しい敵が出てきます。Mr.ネガティブとか……。じつはメイおばさんが働いているシェルターを運営しているのが、Mr.ネガティブの昼の顔なのですが、より個人的なつながりをもった敵が出てくるというのが、本作のストーリーの概要になります。

――ラブロマンス的なものは?

ブライアン もし、ロマンスがなかったら、それは『スパイダーマン』とは言えないんじじゃないかなと思います(笑)。ただ、とても難しい局面も出てきます。『スパイダーマン』ではおなじみなものですが、ちょっと複雑です。

――アクションで注力したポイントを教えてください。

ブラインアン その質問には1時間くらいかけて答えられるのですが(笑)、まずは“スイング”に関してはスパイダーマンの特徴だと思うのですが、それだけそれをスムーズにするかとか、どれだけいろいろなところでできるようにするかとか、どれだけ簡単にするかとか……。戦闘に関していえば、4つの要素で構成されています。スパイダーウェブ、格闘、環境に応じたアクション、そしてガジェットです。もうひとつ、本作ではスパイダーマンだけではなくて、ほかのキャラクターでもプレイできます。たとえば、ピーター・パーカーがスパイダーマンスーツを脱いだときとか、あと、メリー・ジェーンもプレイアブルキャラクターです。それを通して、スパイダーマン以外の姿を通して世界を探索していけます。

――ガジェットというのは?

ブライアン インソムニアックゲームズは、『ラチェット&クランク』などを開発しており、おもしろいガジェットを作るスタジオとしておなじみなのですが、ピーターは科学者で非常に優秀な人間なので、自分のためのアイテムを作るんですね。たとえばショットガンみたいなブラストを作ったり、網を放って敵を壁に貼り付けるような武器を使ったりとか。敵どうしをくっつけてしまうような武器を作ったりとか。いろいろなおもしろいガジェットをピーター自身が発明します。

――ガジェットは一度にどれくらい装備できるのですか?

ブライアン いくつまでとは言えませんが、無制限に持てるわけではなくて、数には制限があります。

――ゲームはオープンワールドに?

ブライアン そうですね。

――どれくらいの広さになるのですか?

ブライアン Xbox Oneで『Sunset Overdrive』というゲームを作ったのですが、それよりも遥かに大きなオープンワールドになります。実際にニューヨークに行ったことのある人が、「ニューヨークだな」と思えるような場所にしたいと思っています。セントラルステーションとか、いろいろなランドマークになる建物も入れています。スパイダーマンは、『Sunset Overdrive』のキャラクターよりも早く移動することができるので、当然そのぶんフィールドも大きくないといけないですね。

――ニューヨークのここからここまで再現したというのはあるのですか?

ブライアン 正確にはお話できないのですが、だいたいニューヨークといって思いつくような地域は入れる予定でいます。ほかにもいくつか、マーベルといって思いつく要素は入れていますよ。

――マーベルですか?

ブライアン 具体的には言えないのですが、ニューヨークをスイングして進んでいると、「あれ、これはマーベルのあれでは?」という要素に出会うんじゃないかなと。トレーラーをよく見ていただくと、気付かれるところもあるんじゃないかなと思います。

――メリー・ジェーンを操作するシチュエーションってどんな感じになるのですか?

ブライアン いくつかシチュエーションがあって、メリー・ジェーンを操作する状況になります。これ以上は言えません。ただ、スパイダーマンになるのとは、ぜんぜん違った状況になります。

――スパイダースーツもオリジナルだと思うのですが、とくにこだわったポイントは?

ブライアン よく聞いてくださいました! 最初から独自の『スパイダーマン』のユニバースを作りたくて、スーツがそれを象徴していると思います。これはインソムニアックゲームズの『スパイダーマン』なのですが、すべてのことにストーリー上の理由をつけたいと思っています。ですので、プレイしていただければ、物語上でなぜあのようなスパイダースーツになったのかということが理解していただけると思います。

――ああ、デザイン面でこだわった部分は?

ブライアン 白い蜘蛛がポイントですね。

――基本的なところをうかがいたのですが、そもそも『スパイダーマン』をゲーム化しようと思ったきっかけは?

ブライアン 私たちは『スパイダーマン』とともに育ちましたし、『スパイダーマン』が大好きです。『スパイダーマン』がインソムニアックゲームズの作るタイトルとしても合致していると思いました。世界中で人気のあるキャラクターでもあります。これまでにないスパイダーマン像を構築できるというのが、ワクワクするところでした。私は正直、世界でいちばんやりたい仕事をしていると思います!

――このプロジェクトは、インソムニアックゲームズさんからソニーに働きかけた?

ブライアン インソムニアックゲームズに提案されて、その瞬間に「これは逃がすものか!」とガツッと食いつきました(笑)。自分たちもこの提案をされたときは、夢みたいでした。自分たちで企画すべきだったかもしれませんが、喜んで受け入れました。とくに、ソニーとマーベルといっしょに仕事ができるのは光栄ですし、皆さんが成功に向けて同じ方向を向いているので、とてもいいプロジェクトだと思います。

――ソニーは『スパイダーマン:ホームカミング』のゲーム化をしてくれと言ってきたわけではなかった?

ブライアン 違います。まったくの独立した企画となります。実際に映画を観に行った人たちに話しを聞いてみても、映画とは違った体験を求めているというのがわかっているので。たとえば……スイングで街を移動してスパイダーマンみたいに感じられたり、あとはユーモアがあるとか。リアルな世界でピンチに見舞われたとしても、ユーモアがある。あとはたくさんのヴィランを出してほしいという要望もありましたね。

 オリジナルの『スパイダーマン』のゲームを手掛けられるということで、インソムニアックゲームズの開発陣も、よりワクワクしながら開発に取り組んでいるとのこと。考えてみると、インソムニアックゲームズと『スパイダーマン』というのは、極めて相性のいい関係に見える。どのようなタイトルになるのか……楽しみ!