エレクトロニック・アーツより2017年11月17日に発売予定のプレイステーション4、Xbox One、PC用ソフト『スター・ウォーズ バトルフロント II』。本作のメディア向け体験イベントが、オーストラリア・シドニーにて開催された。

 前作と大きく異なる点として挙げられるのが、シングルプレイのキャンペーンモードが追加されていること。本イベントは、このキャンペーンモードにフォーカスしたものとなっていて、キャンペーン序盤の体験プレイに加えて、開発を手掛けるMotiveスタジオのプロデューサー、David Robillard氏へのインタビューの構成で行われた。

『スター・ウォーズ バトルフロント II』は幅広いSWファンに向けた作品だと感じた。キャンペーンモード序盤のプレイリポートをお届け_01

 インタビューはこちらの記事を参照いただくとし、ここではキャンペーンモードのプレイリポートをお届けする。

 まずは、キャンペーンモードをおさらいしておく。このモードでは、映画『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』(EP6)から『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(EP7)までの期間の物語を、帝国サイドから描いている。主人公は、帝国の特殊部隊インフェルノ・スクワッドの女性隊員、アイデン・ヴェルシオ。帝国こそが正義だと徹底的に教え込まれて育った彼女(父は帝国軍大佐)は、皇帝の死後、復讐を胸に誓って反乱同盟軍との戦いのなかに身を置く。しかし、そんな彼女の心情にやがて変化が……!?

 すでに公開されているトレイラ―には、EP6直後の若きルーク・スカイウォーカーや、EP7でファースト・オーダーに所属しているカイロ・レンの姿も見受けられる。キャンペーンモードは、第2デス・スターの破壊(皇帝の死)から、ファースト・オーダーの勃興まで、映画で描かれる物語をつなぐ“オフィシャルな歴史”が語られるのだ。

 今回のハンズオンでは、物語のプロローグから第2デス・スターが破壊された直後(チャプター1&2)までがプレイできた。なお、プレイ中の動画やスクリーンショットの撮影は不可だった点にご留意いただきたい。掲載した動画と画像は、メーカー提供のものとなる。

プロローグ「THE CLEANER」

 おなじみの“a long time ago in a galaxy far far away”のセンテンスとともにゲームがスタート。物語は、反乱軍のスター・クルーザーの中に囚われたアイデンが尋問される場面から始まる。アイデンは彼女をサポートするドロイドID-10を携行しているのだが(普段は背中に収納している)、ID-10はどうやら別の部屋でこれまた尋問(ドロイドなのでロックの解除など?)を受けている様子がムービーで描かれる。

 プロローグ前半のゲームパートは、このID-10目線で進行する。プレイヤーはID-10となって、反乱軍の船のどこかに捕らえられているアイデンを救助する。ID-10の戦闘能力は相手を気絶させる電撃ショックのみで、基本的には敵の目を盗みながら進むステルスアクション的なミッションとなる。ここで役立つのが、一定時間、壁越しに敵の位置を知ることができるアビリティの広域スキャン。これを適宜使えば、難なくアイデンが囚われている場所までたどり着ける。

 続くアイデンのパートは、近接攻撃や武器の奪取、ブラスターの使用といった、地上戦闘の攻撃方法を学ぶチュートリアル的内容(とはいえ、油断するとわりとあっさり倒されてしまう)。アイデンは、ID-10のスキャン能力をアビリティとして使用できるため、部屋や曲がり角の前で使うといい感じ。ブラスターでの攻撃は、ヒットさせる敵の部位によりダメージが異なる。足や体には4~5発当ててやっと倒せるくらいだが、ヘッドショットなら一撃で倒せる。また、敵周辺のオブジェクトを破壊して爆発に巻き込むといった手段もある。そして、出口までたどりつけばチャプタークリアー。道中では次の目的地の方向と距離を示す青いアイコンで表示されるので、それを追っていけばおのずと出口まで進んでいけた。

<プロローグ プレイムービー>

チャプター1「THE BATTLE OF ENDOR」

 続くチャプター1は、エンドアでの地上戦。ここでは4人ひと組の小隊を組んで、反乱軍を殲滅しつつTIEファイターを奪取することが目的となる。アイデンはアビリティとして、ロングレンジで溜め撃ちする強力なパルスキャノンを持っている。これを使ってもいいが、溜めに時間がかかるので、道中のクレート(箱)から手に入るライフルを使ったほうが楽だった。ここでもID-10のスキャンが使えるので、敵の位置を把握して遠距離からひとりずつ潰していくといい。また小隊の助けもあるので、苦労せずとも進んでいけるはず。ただ、途中にやっかいなウォーカータイプの敵が出現する。近くのクレートにロケットランチャーがあったのでこれで撃破。殲滅する敵がいる場合には、その方向と距離を示す赤いアイコンが表示されるので、それを頼りに順次倒していけばオーケーと、これまた親切設計。それから少し進むとTIEファイターを発見し、これに乗り込んで宇宙戦に臨む。道中で小隊は第2デス・スターの壊滅を目の当たりにすることになり、いよいよ物語が動き出す。

『スター・ウォーズ バトルフロント II』は幅広いSWファンに向けた作品だと感じた。キャンペーンモード序盤のプレイリポートをお届け_02

 ここからは、エンドア軌道上でTIEファイターを駆っての宇宙戦がくり広げられる。左スティックで機体の回転、右スティックで旋回と、操作に若干の慣れが必要かもしれないが、始めのうちは右スティックだけの操作でも大丈夫だと思われる。向かい来る反乱軍のXウィングを迎撃していくのだが、周囲にはデス・スターの残骸が散らばっており、これにぶつかると一瞬でボカン。敵を深追いしすぎて残骸にぶつかってしまうなんて、映画みたいな展開にならないよう注意しなければならない。基本的には、敵の後ろにつけてロックオンし射撃を行えばオーケー。敵が近くにいる場合には、その方向を示す矢印が表示されるので、それを追っていけばバックを取れる感じだ。

チャプター2「THE DAUNTLESS」

 チャプター2では、帝国の拠点に帰還したアイデンが父であり上官のヴェルシオ提督から皇帝の死を告げられる。その後、極秘任務のため惑星フォンドアへと向かう。ここでは再度、TIEファイターに乗り込んでの戦いとなる。たんに反乱軍のXウィングたちを仕留めるだけでなく、スター・デストロイヤーを守ることもミッションのひとつだ。その後は、相手の母艦に乗り込んで、艦内での戦いへと突入。そして、艦の砲を破壊すべく内部を進んでいくのだが、道中ではID-10を駆使してハッキングでロックを解除したり、電撃で敵を倒したりといった場面もあった。

『スター・ウォーズ バトルフロント II』は幅広いSWファンに向けた作品だと感じた。キャンペーンモード序盤のプレイリポートをお届け_03

 と、体験プレイは以上の範囲までで、プロローグ~チャプター1は、地上戦・宇宙戦のチュートリアル的内容で、チャプター2からいよいよ実戦、といった感じ。わりと親切に段取りを提示してくれるので、FPS/TPSあるいはアクションが苦手な人でも戸惑うことなく進められるはず。マルチプレイではテクニックが必要なので、なかなか厳しいところもあるが、キャンペーンは自分のペースで進められるのでのんびり楽しめる。

 このあと、どんな物語が待っているのか。インタビューでプロデューサーのDavid氏が言っているとおり、EP6のその後が帝国側から描かれるのは非常に新鮮。ルークやカイロ・レンといったキャラクターも登場するということで、それだけでもうワクワクが止まらない。

<チャプター1~2 プレイムービー>

<取材後記にかえて>

ジェダイになりたかった僕とあなたに

 今回のキャンペーンモードと、先だって行われたマルチプレイベータをプレイした感想は、「あ、これは紛れもなく『スター・ウォーズ』そのものだ」。ここで、ひとりの『スター・ウォーズ』ファンから見た『スター・ウォーズ バトルフロント II』の雑感を少々……。

 僕はずっとジェダイになりたかった。ライトセーバーで戦いたい。手をヒラヒラさせて交渉したい。無茶な操縦をするパダワンの後ろに乗って「いやな予感がする」と言ってみたい。僕は(もちろん)ジェダイになれないし、ミディ=クロリアン値だってきっと足りないんだろう。でも、『スター・ウォーズ バトルフロント II』は、そんな僕の夢を(ほぼ)叶えてくれるゲームだと言える。

 前作も高い評価を得たが、今作は映画で見たあの世界に“まんま居る感”がすごい。なんて言うんだろう、マルチプレイでトルーパーになったときや、宇宙戦をくり広げているとき、ルークやアナキン、オビ=ワンが戦っている後ろや端っこのほうでは、こんなふうに一般兵が戦っているんだな、という感じ。世界や戦いの一部として、そこに自分がいる感じ。それと同時に、じつに『スター・ウォーズ』的なアクションが楽しめるんだから、おもしろくないはずがない。

 EP1~EP7の3時代にまたがった舞台ということで、数々の人物がヒーローとしてプレイできるのもいい。ジェダイにだってなれるし(やったね!)、マルチプレイベータで対峙したダース・モールの圧倒的強さや遠隔チョークを目の当たりにして、あやうく暗黒面に惹かれるところだった。ジェダイになりたかった少年も、たまにはシスになりたいのだ。誰だってダース・ベイダーになって、『ローグ・ワン』のエンディングみたいな圧倒的絶望感を相手に味わわせてやりたいと思うよね。そんなことも実現できちゃうんだからヤバい。

 さて、前置きが長くなった。それだけ『スター・ウォーズ』ファンは本作をめいっぱい楽しめるってこと。

 キャンペーンモードは、次の目標が画面上にアイコンとしてわかりやすく表示されたり、難易度が3段階に分かれているので、FPS/TPSが苦手な人(記者がそう!)でも気軽にのんびりと楽しめる。『バトルフィールド 1』(本作と同じDICEが開発)などのFPSタイトルとくらべて、またキャンペーンのなかった前作とくらべても非常にライトな作りになっていると感じる。これはきっと、幅広く『スター・ウォーズ』ファンをゲームに取り込むためなのだろう。FPSはちょっと……と尻込みする必要はまったくないです。あ、マルチプレイの場合はヒーローキャラになるためのポイント稼ぎが辛かったけど……。

 余談ですが、イベントでのプレイ後に取材陣で感想を言い合ったりしているのが、段々とただの『スター・ウォーズ』談義になっていったのがおかしかった。「ID-10はBB-8よりかわいい」、「R2には及ばないけど」、「R2ははっちゃけると火を吹くからな!」とかね。まったく、ジェダイになりたかった僕やあなたにとって、本作のプレイはマストです。なんたって新たに正史が語られるわけですし! 12月公開の劇場最新作『最後のジェダイ』を前に、あの空白の30年を本作で知ることにしましょう!

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