2017年10月14日〜15日、シンガポールで開催されたゲームコンベンション“GameStart 2017”。10月14日には、『NieR: Automata』ステージイベントが行われ、プロデューサー齊藤陽介氏とディレクターヨコオタロウ氏が登壇した。

 2017年10月14日〜15日、シンガポールで開催されたゲームコンベンション“GameStart 2017”。10月14日には、『NieR: Automata』ステージイベントが行われ、プロデューサー齊藤陽介氏とディレクターヨコオタロウ氏が登壇。事前に受け付けていたファンからの質問に答えつつ、『NieR: Automata』のアンケート結果を発表するなど、興味深い内容が語られた。

登壇した齊藤陽介氏(写真左)とヨコオタロウ氏(写真右)。
イベント中、ヨコオ氏は主催側が用意した曇りガラスで覆われた、通称“ヨコオタロウボックス”に入ってトークを進行。

 登壇した齊藤陽介氏は「日本からやってきたスクウェア・エニックスの齊藤です。短い時間ですが楽しい時間を共有したいと思いますのでよろしくお願いします」と挨拶。一方、ヨコオ氏は「アイアム ヨコオタロウ。アイアム ディレクター オブ 『NieR: Automata』。サンキュー フォーカミング トゥデイ」とコメントし、開幕からヨコオ節が炸裂。

 「街はキレイだし、ご飯はおいしいし、女の子はかわいいし、とてもいい国だと思いました」と、ヨコオ氏が初めて訪れたシンガポールの感想を述べてイベントはスタート。ファンからの最初の質問は、「ゲームのキャラクターをデザインするにあたって、特に影響を受けた考え方とかイメージはありますか?」というもの。

 ヨコオ氏は「ゲームをクリアされた方はわかると思いますが、あの黒い服はみんな死んでいる、喪服を意識しています。目隠しは真実から目をそむけているという秘められた意味があって、クリアするにしたがってだんだんキャラクターの目隠しが取れていくところが物語に絡んでいます」とコメントした。続いての質問は、「映画や本で影響を受けた作品はありますか? ハワード・フィリップス・ラヴクラフト作品、『ゲーム・オブ・スローンズ』、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』とか」。

 「たくさんあります。たとえば『エヴァンゲリオン』や『24 -TWENTY FOUR-』に影響を受けているんですけど、あまり有名な作品からパクるとバレるのでマイナーな作品からインスピレーションを受けてパクっています」とヨコオ氏が答えて会場を沸かせていた。3つ目の質問は、「こんなにヒットすると思ってましたか? こんなにヒットしたことをどう思いますか?」。

 齊藤氏は「「こんなにヒットすると思ってましたか」という質問への答えは、思っていませんでした。「どう思いますか」は、ヒットするとシンガポールに連れてきてくれるんだなと、うれしく思います」とコメント。ヨコオ氏は「まったく思っていませんでした。こんなにヒットしてシンガポールに来ることができて、いい冥土の土産ができたと思います」と回答。つぎの質問は、「あなたたちは自分のキャラクターが嫌いなんですか? それとも悲しい話が好きなだけですか?」というもの。

 齊藤氏は「大好きです。『NieR: Automata』でいちばん好きなキャラはデボル&ポポルです」と回答。「自分が作ったキャラは割りと好きで女の子のキャラはほとんど好きですね」とヨコオ氏が答えると、齊藤氏から「じゃあ9Sは好きじゃないってこと?」とツッコミが。ヨコオ氏が「そんなに好きじゃない」と反応すると、会場からは大きな声があがっていた。また、悲しい話は好きかという問いにヨコオ氏は「前回、「悲しい話だ」とみんなに言われたので今回はハッピーエンドを作るようにがんばりました。同意していただけると思いますが、今回ハッピーエンドで終わってよかったです」と答えていた。5つ目の質問は、「好きなお酒を教えてください」。

 この質問には、齊藤氏とヨコオ氏の答えは同じで、ふたりともに「タイガービール」(シンガポール産のビール)と答え、会場を沸かせていた。つぎの質問は「もし巨額のお金を積まれて「ぜひ心温まる作品を作ってください」と言われたら作りますか」というもの。

 「たくさんお金をもらったら、そのお金のうちのほんの少しで安っぽい心温まる話のゲームを作って、逃げます!」とヨコオ氏が答えると、会場は爆笑の渦に包まれていた。続いての質問は、「お互いの尊敬できる部分を教えてください」と、一風変わったもの。

 「とくにないです」と答えた齊藤氏とは対照的にヨコオ氏は「齊藤氏さんはりっぱなプロデューサーで、愛人がいっぱいいるところが尊敬できます」と答えると「ネクスト、ネクスト」と齊藤氏が司会に指示。映し出された質問は「これまで二人で一番議論したことは何なんですか」。

 ヨコオ氏は「最近、新しい仕事をしたいね、という話ですごく揉めました」と回答。齊藤氏は「でも、ふたりでワインを3本くらい空けたら仲よくなりました」と仲のよさを伝えていた。続いての質問は「自己犠牲(セーブデータ削除)でが他のプレイヤーがクリアするのを助けるといういアイデアは、どこから生まれたんでしょうか」。

 「僕が小さいころ『ドラゴンクエストIII』というゲームあって、そのセーブデータが消えてしまったことがあったんですね。すごく悲しかったけど、両親はわかってくれなかった。世界中のみんなにこの悔しさを思い知らせてやる、と思ってセーブデータを消すゲームを思いつきました」とヨコオ氏が答えると会場からは笑い声が。齊藤氏が「でも消えるだけじゃなくて、人を助けられるところにヨコオさんの優しさがあると思いますよ」とコメントすると「本当に助けてるかどうかわからないですけどね」とヨコオ氏が煙に巻いていた。続いての質問、「ギャルゲーの開発はいつごろになりそうでしょうか」が映し出されると会場からは笑い声があがっていた。

 ヨコオ氏は「お金さえくれればいますぐにでも開発を開始します。スクウェア・エニックスにメールで「ギャルゲーを作れ」とみんなで届けてくれればきっと作る日がくると思います」と回答。手を上げて賛同してくれる観客に「(登場キャラクターが)全員死にます」とコメントしていたのはヨコオ氏ならではだろう。つぎの質問は『NieR: Automata』に関することで「どのバッドエンドが一番好きですか」というもの。

 齊藤氏は「好きか嫌いかでいったら、嫌いすぎて好きになったんですど、Kエンドですね」とコメント。ヨコオ氏は「すべてのエンディングをハッピーエンドに作ったので、ひとつもジョーク(バッド)エンドはないです」と回答していた。続いては、「エミールにあれほど下手くそな歌を歌わせることを思いついたのはどなたのアイデアですか」という質問。

 「そんなにヘタじゃないですよね」とヨコオ氏が答えると、齊藤氏は「かわいそうに、わざとヘタくそに歌えと、収録のときにヨコオさんが指示してましたからね」とチクリ。続いての質問もエミールに関するもので「エミールを安らかに眠らせるのはできないですか」というもの。

 この質問に対してヨコオ氏が「やってもいいんですけど、二度とエミールが出てこなくなりますが、いいんですか?」と答えると会場からは「ノー!」の声。それを受けてヨコオ氏は「じゃあ、このまま苦しみ続けます」と回答し、会場からは笑い声があがっていた。ファンからの質問はここまでで、イベントの後半は事前にシンガポールのファンに回答してもらったアンケート結果を発表。まずは、アンケートに答えてくれた人のデータを公開。性別やプレイ時間、遊んだ言語などがスクリーンに映し出された。

 最初に公開されたアンケート結果は、「どこで暮らしてみたいですか?」。

 遊園地が1位という結果を見たヨコオ氏は「遊園地は音楽も人気があって、なんで人気があるのかよくわからないとスタッフのあいだで言っています」とコメントしていた。つぎの公開されたのは、「サラサラのロング、カッコイイショート。A2の髪型はどっちが良い?」。

 結果は約60パーセントの人がロングを選択。齊藤氏は「もっとロングが圧倒的だと思った」とコメントし、ヨコオ氏は「女の子的な正解はどっちもかわいいよ、なんですよね」とコメント。さらに、おふたりがどちらが好きかについては、齊藤氏は「ロング」、ヨコオ氏は「ショート」と回答していた。つぎに公開されたのは「2Bのどのパーツが好きですか?」というアンケート結果。

 パワーポイントで表示されたグラフが伸びていく様子を見てヨコオ氏は「(結果については)聞いたことがないからよくわからないです。ただ、こんなにムダにがんばっているパワーポイントを初めてみました」とコメントしていた。続いての「貴方が100万ドルする高価な壺を割ったとします。どうしてほしいですか?」というアンケート項目に、司会者から「どうしてこんな質問を?」と疑問の声が。

 ヨコオ氏は「回答を観てもらえればこの質問を用意したい意味がわかると思うので、答えを出してほしいです」とコメントすると、スクリーンに結果が映し出される。

 つまり、誰に怒られたいかというアンケート項目だったのだが、齊藤氏は「けっこういい勝負ですね。ただひとつ言えるのは、どれを選んでも絶対に死にますからね」とコメントし、会場を沸かせていた。続いて映し出されたのは「もし無人島で一緒に過ごすとしたら、誰と一緒がいいですか?」。

 齊藤氏は「無条件で司令官ですね」と答え、ヨコオ氏は僕はオペレーターさんですね。いちばん殴られなさそう」と回答。司会者から「アンケートの項目に「ニーアじゃなくてFFに出てくるキャラクターの方がいい」と入れたのはなぜ?」と問われたヨコオ氏は「僕だったら『ファイナルファンタジー』のキャラクターと過ごしたいと思って。ライトニングさんだったり」と答えると、齊藤氏は「私はユウナがいいな」と答えていた。続いてはゲームにまったく関係のない設問。「ディレクターのヨコオタロウは、プロデューサーの齊藤さんが権力を盾に声優や女優を抱き散らしているんじゃないか? と疑っています。貴方はどう思いますか?」というもの。結果は以下のとおり。

 齊藤氏は「まったく『NieR: Automata』に関係ないからね」と笑いながらコメント。齊藤氏の願いが通じたかのように、スクリーンに映し出されたつぎの設問は、「もし仮に、ニーアの続編があるとすると、以下のどのジャンルを希望しますか?」というもの。

 “機械生命体しか出てこないアダルトゲーム”が最多得票だったことを受け、「セクシーな機械生命体だっていますからね」と齊藤氏がコメント。ヨコオ氏は「オーケー アイ アンダースタンド」と棒読みでコメントし、会場を沸かせていた。続いては「もし仮に、ニーアオートマタの続編の予算があまりなかったら、貴方はどのキャラクターをリストラしますか?」。

 エミールが最多得票だった結果を受けて齋藤氏は「みんなエミール好きって言ってたじゃん」とコメント。ヨコオ氏は再び棒読みで「オーケー アイ アンダースタンド」とコメントしていた。つぎは最後の設問で、「最後の戦い、あなたが選ぶ行動は?」。

 85パーセントの人が「最後まで戦い続けろ!!」を選んだという結果に。終始アットホームな雰囲気で進行したイベントは、最後に集まったシンガポールのファンといっしょに“人類に栄光あれ”ポーズを決めて終了となった。