Sidebar Gamesが先週海外で配信開始したNintendo Switch用ソフト『Golf Story』を紹介する。なお本作は、日本ではフライハイワークスより今秋発売予定となっている。
本作は、父との夢を果たすためプロゴルファーを目指す男の冒険を描く“ゴルフRPG”。海外では『MOTHER』シリーズなどが引き合いに出されているように、ゴルフゲーム要素と往年の日本のRPGからの影響が混在する、どこか懐かしく、そしてコミカルで優しい雰囲気が特徴のひとつ。

物語はコーチに認めてもらうために奔走する所から始まり、妙にクセのある連中と交流しながら、各地のゴルフ場をまわり、修行の日々が続いていく。
各地での基本的な流れは、まずは(閉まっていることが多い)ゴルフ場を開けてもらうために人々の悩み事や問題を解決する“おつかい”的ミッションをこなし、特訓などを経て新しいクラブをゲットするための資金や経験値をゲット。準備が整ったら大会やライバルとのマッチプレイに挑む……といった感じだ。


世界には8つのエリアがあり、それぞれ異なるギミックや特徴を持ったコースが存在する(なおストーリーモードでアンロックしたゴルフ場は、ソロや対戦でラウンドできるクイックプレイモードでも選べるようになる)。
各ゴルフ場の象徴的な動物の近くにゴルフボールを打ち込むと勝手にバンカーなどに移動されてしまったり、逆に亀の甲羅にヒットさせることでプラスアルファの飛距離を稼げたり、ギミックを乗りこなしてナンボ。
その分、ゴルフゲームとしての操作はシンプルにまとまっているので、何かしらゴルフゲーをプレイしたことがある人なら、すぐに基本を把握できるだろう(もちろんひとつずつチュートリアルもある)。

そしてコースだけでなく、各地でのミッションもいろんなシチュエーションや変則ルールが用意されている。
“ゴルフで魚にエサを与えてこい”とか(池の魚めがけてエサ球を打つ)、“ゴルフで敵を倒せ”、“サンドウェッジでお宝を発掘してきて欲しい”といった“無理やりゴルフで解決”系のミッションもあれば、“バンカーとグリーン以外禁止で1ホールクリアーしろ”とか(あえてバンカーからバンカーへ打ち続ける)、“ボートから打ってグリーンに乗せろ”といったマンガ的特訓なんかもあって、プレイヤーを飽きさせない。


とまぁ、やっていることはほぼゴルフ一辺倒なのだが、ピュアなスポーツゲームでない分、バラエティに富んだ広げ方をしている本作。ベタながら懐かしくなってくる優しいゴルフ世界に、詰め込まれた小ネタの数々、スーパーファミコン時代辺りを思い起こすグラフィックやサウンドなどがあいまって、個人的に何か癒されるような感覚すら覚えた。
インディースタジオによる作品であるためゲームの規模はそれほど大きくないのだが、動画などを見てこの雰囲気に惹かれるものがある人を裏切らない丁寧な作りになっていると思う。


ちなみに海外版を遊んだ感じでは、出てくる単語自体はそこまで難しくないものの、ぱっと見わかりそうでいまいち伝わらない口語表現が多めなので、日本語ローカライズ版が予定されているのはありがたいところ。
またキャラのテンションによってセリフのフォントサイズが自在に変わったり、テキストを打っているかのように“言いかけたことを消す”表現や、吹き出しをやたらと重ねていくギャグなんかもあるので、日本語対応はなかなか大変だと思うが、ぜひ違和感なく遊べるローカライズをお願いしたい。

