2017年9月21日?24日まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2017(21日・22日はビジネスデイ)。会期中に、PC用バトルロイヤルシューター『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』の開発を手掛けるBlueholeのディレクター、(PLAYERUNKNOWNこと)Brendan Greene氏と、プロデューサーのChang-han Kim氏が来日。世界1200万セールスを達成、同時接続数134万人超と、いまもっとも勢いに乗る本作について、両氏に話を伺った。
なお、2017年9月21日からはDMM GAMESによるチャネリングサービスがスタートしている。
――先日、ついに販売本数が全世界1200万本を超えました! その感想をお聞かせください。
Brendan まったく信じられないよ! いったい何が起きているのか。楽しんでもらえて、すごくうれしいね。
Kim 最初にBrendanと、どんなゲームにするかを話していたときに、このゲームは将来的にまったく新しいジャンルを切り開くと確信しました。それが、こんなにも早く皆さんに受け入れられるとは思ってはいませんでした。プレイヤーの皆さんに感謝しています。
――アクティブユーザー(販売本数に対する接続者数の割合)は、非常に多いのではないでしょうか?
Brendan Steamでは77%に近い数字になっていて、ユーザーの25%がもうすでに100時間以上プレイしているんだ。『PUBG』は日々、いろんな記録を塗り替えていっているわけだけれど、チームの貢献に感謝するしかないね。
――そもそも、『PUBG』の開発の経緯はどういったものだったのでしょうか?
Brendan 「僕が遊びたいゲームは何だ?」というところから始まって、それが4年前だね。それで、Kimとソウルで話をしたときに、持っているイメージを共有して。それで『PUBG』の開発が始まったんだ。
Kim メインの開発は韓国で行っていますが、じつにいろんな国のスタッフが入り混じっています。また、アートワークのデザインなどは、アメリカやフランスを始め、各地のチームが担当することもあります。
――現在、日本でもどんどんプレイヤーが増えていっています。その理由は何だと考えていますか?
Brendan 僕のほうが知りたいよ!(笑)
Kim もともとは欧米地域を狙ったタイトルだったのですが、アジア圏でこれほど人気が出るとは驚きです。日本においては、よりよいサービスを行うためにDMM GAMESとパートナーシップを結びました。日本のファンに向けた特別な施策も、これから検討したいと思っています。
Brendan ご存じのとおり、このゲームは日本の映画『バトル・ロワイアル』にインスパイアされている。そういった意味でも、日本で『PUBG』がウケているのは、もうホントに「うれしい」としか言えないよね。
Kim 世界的に見ると、プレイヤー数で言えば中国がもっとも多いです。北米や西ヨーロッパでの人気は高く、日本や韓国、オーストラリアといった地域がそれに続きます。そして、東ヨーロッパや南米のユーザーも徐々に増えてきていますね。
Brendan その国や地域の人口と『PUBG』のプレイヤー数の比率を較べると、ほとんどの国で同じような数字になっているんだ。これは興味深いね。
Kim 文化が異なるせいか、一般的なゲームは、特定の国や地域で流行ってもある国ではダメ、ということが経験上多かったです。これほど世界で満遍なくプレイしていただいているのはビックリですね。
Brendan ただ“生き残ること”。このシンプルなルールで、老若男女問わず自由に楽しめるってところが、これだけ遊んでもらえている理由なんじゃないかな。
Kim 前線に出て行って派手に撃ってもいいですし、静かに敵を待ち伏せてもいい。日本のプレイヤーは後者のタイプが多いですね。そういったプレイの中での緩急が、日本人にマッチしているのかも知れません。
――あとは、やっぱり“ドン勝”というワードですよね。
Kim そうですね。“ドン勝”は“トンカツ”のことです。日本語に翻訳する際に担当スタッフが何かダジャレを入れたいと考えました。日本には“勝つ=カツ”というゲン担ぎがあるとのことで、寿司や天ぷらではなくトンカツになったというわけです。
――プレイヤーが増えたことで、アップデートの計画を早めたりといったことはあるのでしょうか?
Brendan まずはバージョン1.0という大きな計画に向けて、速さやよりは、クオリティーを重視したいと考えている。もともと、ウィークリーパッチやマンスリーパッチはこれまでもやって来ているしね。
Kim 大きなアップデートに関しては、PC版の正式サービス開始時、Xbox One版のローンチ時に予定しています。このアップデート(バージョン1.0)では、新しい砂漠のマップや、クライミングのシステム、新たな乗り物の追加などを行います。
Brendan PC版とXbox One版では、マウスとコントローラーというデバイスの違いによる、プレイの差がどうしても出てしまうね。このあたりはまだ協議中なんだけど……同じサーバーで遊べるようにはしたいし、ハードによる差や不利益が生じないようなシステムを考えたい。
――プレイステーション4など、ほかの機種での展開は考えていいますか?
Brendan いまの開発環境のリソースでは何とも言えないね。まずは、Xbox One版のローンチとPC版の正式サービスを完璧なものにしないと。それから考えよう。
――Xbox One版とPC版のデータ連携(アカウント共有)はできるのでしょうか?
Brendan 現行のSteam版とDMM版と同じように、共通のサーバーで遊べるけど、データ連携はしない。あと、Xbox One版については、Xbox One Xでのプレイもサポートしたいと考えているよ。
――バージョン1.0では砂漠のマップが追加されますが、その後はさらに舞台が増えていくのでしょうか?
Brendan 僕の個人的にな考えでは、孤島と砂漠を含めて7つのマップが構想段階にある。それぞれのマップで地形固有の戦いかたはあるけど、基本的にはやることは同じだよ。マップの差よりも、プレイヤーそれぞれの戦略やアイデア、経験がものを言う点は変わらないね。
――ザッツ、バトルロイヤル! Brendanさんは、プライベートのプレイでの“ドン勝”率は、どれくらいなのですか?
Brendan そんなにがっつりプレイしているわけではないんだけど……いろんなゲームを遊びたいしね。えーと、アサルトライフルとスナイパーライフルを持って草むらに隠れる。これで、だいたい10位以内には入ってるさ(笑)。