『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか インフィニト・コンバーテ』 木村真二郎プロデューサーに気になるアレコレを直撃

2017年6月30日にティザーサイトがオープンし、話題となった『ダンまち』のゲーム。その詳細が、2017年9月21日に公開された。さらなる情報を求めて、木村真二郎プロデューサーにインタビューを実施した。

 ライトノベルを原作とした人気テレビアニメ『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』(通称、『ダンまち』)が、ダンジョン探索型のアクションRPGとして登場! 『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか インフィニト・コンバーテ』(以下、『インフィニト・コンバーテ』)として、2018年春に発売される予定だ。本作では、主人公のベル・クラネルはもちろん、外伝『ソード・オラトリア』の主人公、アイズ・ヴァレンシュタインのストーリーも体験できるという。本作の開発の経緯や気になるゲームシステムなどを、木村真二郎プロデューサーにうかがった。

木村真二郎
本作のプロデューサーを担当。これまで数多くのアニメ原作のゲームを手掛けてきた。(文中は木村)

ダンジョン探索型のアクションRPGにチャレンジ!

――まずは、『インフィニト・コンバーテ』の企画が動き出した経緯から教えてください。

木村 『ダンまち』をゲーム化したいという話は、2015年にテレビアニメ化される前からありました。テレビアニメが放送されて企画が動き出し、2016年の夏から本格的に詰めていったという感じです。もう少し早く動き出せるとよかったのかもしれませんが、いまのタイミングだったからこそ、外伝の『ソード・オラトリア』のエピソードも収録できました。

――ベルだけではなく、アイズの視点でもエピソードが楽しめるのは驚きました。

木村 当初は、ベルの成長物語にしようと思っていました。ただ、『ソード・オラトリア』が放送されると、ファンの方はアイズの物語も追体験したくなるだろうと考えて、収録を決断しました。ただ、アイズは最初からかなり強いキャラクターです。どんなゲームバランスにすればいいのか、現在も試行錯誤していますが、強いキャラクターを操作して敵をなぎ倒していくのも、おもしろいかなと考えています。

――ダンジョン探索型のアクションRPGというジャンルも、アドベンチャーゲームを多く手掛ける御社にとっては、挑戦的だったと思います。

木村 そうですね。私はアニメ原作のゲームを多く手掛けていますが、アドベンチャーゲームを主体に開発してきました。とはいえ、原作のファンが楽しめる『ダンまち』のゲームにするなら、ジャンルはRPGしかないと思います。ベルの成長を描いて、ダンジョンを探索できる、しっかりとしたRPGを作るしかないなと。さらに、気軽に遊べて長くプレイしてもらえるものにしたかったので、誰でも直感的にプレイできるアクションRPGを選びました。

――ちなみに、サブタイトルの『インフィニト・コンバーテ』には、どのような意味が込められているのですか?

木村 先ほどの話につながるのですが、“長く遊べるタイトルにしたい”ということで、永遠や無限の意味を持つ“インフィニット(infinite)”と、戦いという意味の“コンバット(combat)”を組み合わせて、スペイン語読みに変換したものになります。“インフィニティー”ではなく、“インフィニット”を選んだのは、私たち開発スタッフの趣味です。ちょっと変えたほうがカッコいいんじゃないかって(笑)。

――なるほど(笑)。2017年6月30日に本作のティザーサイトが公開されましたが、ファンの反応はいかがでしたか?

木村 ティザーサイトのアクセス数は、私たちが想定していた数よりも多かったです。原作ファンが多いので、正直プレッシャーも大きいですが、注目されるのはやはりうれしいです。

イベントの数はアドベンチャーゲームさながらのボリューム!?

――“ベルの成長物語”ということは、ストーリーはテレビアニメを追体験できる内容になっているのですか?

木村 はい。勝手に完全オリジナルストーリーを作るわけにはいきませんし(苦笑)、ベルになって“迷宮都市オラリオ”を冒険したいというファンが多いと思うので。本作では、テレビアニメのストーリーを最後まで追っていますが、オリジナルのエピソードも収録していますし、その後の戦いも体験してもらえるように、内部が自動生成されて構成が変わる“エクストラダンジョン”を実装しています。エクストラダンジョンは、ベルのストーリーをクリアーするとチャレンジできます。

――ベルとアイズのストーリーは、どのタイミングで切り替えられるのか教えてください。

木村 ふたりのストーリーはそれぞれ章仕立てになっていて、各章をクリアーしたタイミングで切り換えられます。基本的にはベルで進める作りになっており、章によってはベルのストーリーをプレイした後、アイズのストーリーが遊べます。

――ストーリーでは、各キャラクターとの“デートイベント”も用意されているとか。

木村 デートイベントは、ダンジョンを探索すると溜まる“親密度”を使い、各キャラクターとデートを楽しむことができます。キャラクターごとに複数のイベントを用意していて、同じキャラクターでもベルとアイズで異なるイベントが楽しめるので、かなりの数を用意しました。ベルとアイズのイベントも違う内容にしていますので、見比べてみるのもおもしろいと思います。今回はRPGなので、ふだん私たちが手掛けるアドベンチャーゲームを作るよりは、シナリオの量が少なくて済むかな、と当初考えていました。ですが、デートイベントを実装したことで、アドベンチャーゲームのようにシナリオが多くなっていますのでご期待ください(苦笑)。

――ファンにはうれしいニュースですね(笑)。原作者の大森藤ノ氏は、シナリオの監修をされているのでしょうか?

木村 大森先生はこだわりの非常に強い方なので、しっかり監修を行ってくれています。私たちは、女性キャラクターを描くのは得意なのですが、男性キャラクターの特徴を捉えるのに苦労したこともありました。本作では、ヘスティアやアイズたち女性はもちろん、男どうしの友情も描いていきます。

――『ダンまち』は、男性キャラクターも魅力的ですからね。拠点となる“迷宮都市オラリオ”には、ギルドや鍛冶屋、ファミリアなどの施設がいくつかあるようですが、各施設の役割を教えてください。

木村 ギルドはさまざまなクエストを受ける場所で、クエストには“ストーリー”と“サブ”の2種類があります。前者を達成するとストーリーが進行し、後者を受けると報酬が獲得できます。また、鍛冶屋ではダンジョンで取得した武器や防具、アイテム、合成用素材を合成して強化できます。原作では、“装備品を強化できるのか?”という問題もありますが(苦笑)、そこは大森先生に確認を取りまして、実装できることになりました。

――鍛冶屋は木村さんたちのこだわりのポイントなのですね。

木村 プレイヤーは、ナイフだけではなく、剣や大剣など、いろいろな武器を使いたいと思うので。アクションのモーションも、ナイフと剣、長大剣で変化するようにしています。また、オリジナルの武器はもちろん、原作に登場した武器なども入手できます。

――それはうれしいですね! 施設のファミリアは、やはり“ステイタス”の更新が行えるのですか?

木村 ベルの“ステイタス”の更新は、ヘスティアが行ってくれます。ダンジョンから帰還しないとキャラクターがパワーアップできないのは、多くのプレイヤーに受け入れてもらえるのか、正直、不安ではありますが、おもしろいシステムですし、縛りにもなるので、楽しんでもらえるとうれしいですね。

――原作では“ステイタス”を更新して、ベルのレベルを上げていきますが、本作でも同じような仕様になっているのですか?

木村 本作では、キャラクターの成長度合いを示すレベルの代わりに、“バトルグレード(BG)”という項目を用意しました。ファンの方はご存じの通り、原作のレベルの概念を導入してテレビアニメのストーリーで作ると、ベルは“レベル2”までしか成長できません。本作ではより成長の度合いを体験していただけるように、BGの成長要素を考えました。

――なるほど。スキルの習得方法もお聞きしたいです。

木村 スキルは、“スキルシート”に記載されたスキルを解放していくと習得できます。スキルの解放には、ダンジョン探索で入手できる“経験値(エクセリア)”か、“スキルポイント”が必要になります。これらを使い、スキルシートで解放していくのですが、スキルは隣接したものだけ解放できるので、どのような順番で習得していくかによって異なるキャラクターメイクが楽しめます。たとえば、魔法に特化したベルを育成することも可能です。

――ベルやアイズたちが探索を行うダンジョンは、どのようなものになっているのでしょうか?

木村 プレイヤーは、クエストを受けてダンジョンに向かいます。原作と同じく、下の階を目指して潜っていきますが、内部は数多くのモンスターが徘徊しています。倒しながら進むのか、それとも下の階を目指すのか。キャラクターの成長具合や状況、プレイスタイルなどに応じて、戦略的な戦いが体験できます。クリアー後に挑めるエクストラダンジョンは、6種類実装する予定です。火や水など、それぞれ属性を分けて個性を出そうとしています。たとえば、とあるエクストラダンジョンは火属性で、火に強いモンスターが出現する。火に有利な武器や防具を装備していると、戦いやすくなるといった攻略を考えています。

――本作はアクションRPGですが、アクション要素がどのようになっているのかも教えていただければ。

木村 キャラクターの移動は、左のアナログスティックで行います。4つのボタンはアクションに対応していて、□で弱攻撃、△で強攻撃、○で魔法、×で回避が行なえます。また、方向キーには回復アイテムなどを割り当てられ、ボタンを押すと対応したアイテムが使えます。

――敵をターゲッティングすることはできますか?

木村 敵のターゲッティングは、いまのところ実装する予定はありません。というのも、本作では並みいる敵を斬り倒していく爽快感に加えて、敵の攻撃を避けて反撃する、アクションの硬直を回避でキャンセルするなど、アクションゲームのテクニックを駆使して戦う楽しさも体験してもらいたいので。

――なるほど。画面写真を見るとベルやアイズのほかに、仲間を連れていけるようですが?

木村 仲間は、サポーターという形で、最大2名を選んで連れていけます。同じファミリアの仲間はもちろん、ストーリーが進むと異なるファミリアのキャラクターも誘えるようになります。

――そうなんですね。サポーターはどのような役割を担うのでしょう?

木村 ベルやアイズが攻撃を行うと、サポーターのゲージが溜まり、強力な魔法などで支援してくれます。サポーターにもBGを設定していて、ダンジョンを探索するとパワーアップしていきます。

――お気に入りのサポーターを育てる楽しみもありそうですね。東京ゲームショウ2017では、本作の体験版が出展されますが、たとえば体験版などの配信はあるのでしょうか?

木村 体験版を作れるかどうかはわかりませんが、店舗などで体験会を行いたいと思います。

――木村さんが手掛けるタイトルは、限定版にも力を入れている印象があります。本作の限定版をリリースする予定は?

木村 限定版も発売予定です。『このすば』(『この素晴らしい世界に祝福を! -この欲深いゲームに審判を!-』)の初回特典のシューティングゲームのように、何かミニゲームを作るのもいいかもしれません。とはいえ、限定版の特典はまだ決まっていないので、続報に注目していただければと(笑)。

――シューティングゲームのデキが非常によかったので、とても楽しみです(笑)。それでは最後に、メッセージをお願い致します。

木村 原作ファンが楽しめるのは大前提ですが、ゲームとしておもしろい作品に仕上げるべく、鋭意開発中です。2018年春の発売を目指していますので、ぜひご期待ください!



(C)大森藤ノ・SB クリエイティブ/ソード・オラトリア製作委員会 (C)MAGES./5pb.