“みんなのプレイステーション”の実現に向けて――ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイド・スタジオ 吉田修平プレジデントインタビュー【TGS2017】

2017年9月21日(木)から9月24日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2017(21日・22日はビジネスデイ)。初日となる2017年9月21日に行った、ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールワイド・スタジオの吉田修平プレジデントのインタビューを掲載する。

 2017年9月21日(木)から9月24日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2017(21日・22日はビジネスデイ)。初日となる2017年9月21日に、ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールワイド・スタジオの吉田修平プレジデントのインタビューを実施。TGS2017に先駆けて2017年9月19日に実施された“PlayStation Press Conference in Japan”での発表内容や今後のプレイステーションの展望などについてうかがった。

ソニー・インタラクティブエンタテインメント
ワールドワイド・スタジオ
プレジデント
吉田修平氏

SIE JAPANスタジオの主力タイトルが発売ラッシュ!

――まずは、先日(2017年9月19日)に行われた“2017 PlayStation Press Conference in Japan”を振り返っていただけますでしょうか。

吉田 おかげ様でプレイステーション4も日本での普及が進んできて、より幅広いユーザーさんに向けたタイトルが揃ってきました。ビッグタイトルの続編だけでなく、完全新作やプレイステーション VRの今後の展開、さらにはPlayLink(仮称)シリーズの『Hidden Agenda』のようなカジュアル向けなタイトルの日本での展開もありますし、よりバラエティー感が出てきたなと思いますね。

――吉田さんが個人的に気になった発表を挙げていただけますか?

吉田 個人的には、スクウェア・エニックスさんの『LEFT ALIVE』がかっこいいなと思いましたし、アトラスさんの『十三機兵防衛圏』は、とても魅力的な世界観ですね。あと、KONAMIさんの『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS:M∀RS』はビックリしましたね。

――タイトルラインアップという意味では、“すべてのゲームがここに集まる”という状況が実現しつつありますよね。

吉田 2016年末の『ファイナルファンタジーXV』に始まって、『ドラゴンクエストXI』が発売され、年明け(2018年1月)には『モンスターハンター:ワールド』が控えています。弊社でいうと、『New みんなのGOLF』や『グランツーリスモSPORT』もありますし、豊富なラインアップが揃ってきたかなと思いますね。

――御社の場合、とくにJAPANスタジオの代表的なタイトルが、昨年(2016年)から今年(2017年)にかけて立て続けにリリースされましたね。

吉田 『人喰いの大鷲トリコ』に始まって、『GRAVITY DAZE2』、『New みんなのGOLF』、『KNACK ふたりの英雄と古代兵団』と、ラッシュのように発売されて、このあと『グランツーリスモSPORT』が控えています。JAPANスタジオのメンバーのほとんど全員が、何かしらの形でこれらのタイトルに携わりましたから、いまはみんな抜け殻のようになっていますね(笑)。JAPANスタジオにとっては、とてもプロダクティブな1年だったと思います。今後はリフレッシュして、新たなプロジェクトに取りかかっていくという段階です。

――ワールドワイド・スタジオからも、『ゴッド・オブ・ウォー』など有力タイトルが控えていますね。

吉田 そうですね。最近は、『Horizon Zero Dawn(ホライゾン・ゼロ・ドーン)』や『アンチャーテッド』シリーズ、『Destiny』シリーズなど、海外発のタイトルも日本で好評をいただいて、日本の多くのユーザーの方にも楽しんでいただけております。うれしい限りですね。

PS VRは、ようやく需要に応えられる状況に

――続いてはプレイステーション VR(以下、PS VR)についてお聞きします。ずっと品薄が続いていましたが、ここに来て少しずつ解消されつつあるようですね。

吉田 生産体制を少しずつ強化してきましたが、10月にはさらに生産体制が整えられますので、新価格で展開していきます(※2017年10月14日より、PlayStation Camera同梱版が、現行の49980円[税抜]から44980円[税抜]に)。やっと需要に追いつけるかなと。よりお買い求めいただきやすくなると思いますので、ぜひ期待していただきたいですね。

――PS VR向けのコンテンツも、先ほど挙がった『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS:M∀RS』のほか、『Bravo Team』など、新しいコンテンツも発表されました。

吉田 ユーザーさんが増えることによって、メーカーさんもより投資がしやすい環境が整っていき、さらに規模感のあるコンテンツが作りやすくなっていくと思います。すでに『バイオハザード7』のような本格的で長時間遊べるVR体験をしていることもあり、ユーザーさんの要望として、今後はよりゲームとしての深みや、長く遊べるというものが求められていくと思いますので、今後はオンラインを通じて、ゲームの中でユーザーさんどうしが会えるような、VRの特性を活かしたコンテンツが増えていくんじゃないかなと思っています。我々も、そういうことを意識しながら、ゲームの規模感やゲーム性の深みというものを上げていけるように準備をしているところです。また、『Far Point』では、シューティングコントローラーを使った新しい遊びを提案しました。おかげ様でたいへん好評で、逆にシューティングコントローラーがお買い求めにくい状況になってしまいましたが、こちらも生産体制を強化しています。今年中に『Bravo Team』も発売されますし、今後も未発表のタイトルを含めてシューティングコントローラーを使ったタイトルを継続的にリリースできるように仕込みを行っています。

――PS VRは、常日頃から「ユーザーが体験する機会を提供したい」とおっしゃられていましたが、それは今後も継続していきますか?

吉田 VR元年から1年経ち、PS VR以外にもOculus RiftやHTC VIVE、さらにはバンダイナムコエンターテインメントさんが展開されている“VR ZONE”など、手軽にハイエンドなVR体験を楽しめる環境は整いつつありますが、それでもVRを体験されていない方が大半だと思うんです。その状況は昨年(2016年)からあまり変わっていませんので、VRを体験していただいて、「こんなことができるんだ」ということを実感していただくというのが非常に大事だと思っています。トライアルができる環境というのも意識して増やしていきたいです。

PlayLinkの、日本独自のコンテンツは?

――日本での展開が発表されたPlayLink(仮称)ですが、こちらは欧米で先行して展開する形になっていますね。

吉田 PS4が全世界で6040万台以上普及していますが、これから1億台に向けて、より幅広い方にPS4で遊んでいただくために展開していくのが、このPlayLink(仮称)です。ひとつのPS4で複数のプレイヤーが遊べるゲームを増やしていこうという中で、DUALSHOCK 4を人数分揃えるのは難しいかもしれませんが、すでに多くの人が持っているスマートフォンやタブレットをコントローラの代わりに使って楽しめるカジュアルゲームを、シリーズとして展開していこうというものです。もちろんボタンやスティックがありませんので、派手なアクションゲームなどは無理ですが、逆にスマホならではの手軽さと、たとえば撮影した写真を使うなど、スマホの機能を使った、新しいソーシャルゲームを展開していきます。欧米では2017年のうちに4タイトルが展開される予定ですが、その中でもとくに日本市場に向いていると思われる『Hidden Agenda』というミステリーアドベンチャーを、2017年のうちにリリースする予定です。

――今後、日本独自のコンテンツを作っていく予定などはありますでしょうか?

吉田 いまはありませんが、日本でも欧米のようにPS4の普及が進んでいく中で、ひとつのPS4を使って複数のプレイヤーがつながるような状況を作っていくというのは重要だと思っています。でも、まずは2018年1月に発売される『モンスターハンター:ワールド』は、プレイヤーの皆さんがオンライン上でつながって、いっしょに狩りを楽しんでいただきたいですね。

――わかりました。続いて、ゲーム業界全体の話になりますが、2017年は任天堂から新ハードのNintendo Switch(以下、ニンテンドースイッチ)が発売され、非常に話題になっています。吉田さんから見て、この状況をどのように分析されていますでしょうか?

吉田 いろいろな企業が違ったアプローチでゲームの楽しさを提供するというのは、ゲーム業界全体がさらに広がっていきますので、とてもいいことだと思います。実際、ニンテンドースイッチが売れていることで、家庭用ゲーム機の売上は伸びていると思うんですよね。ゲームを作るパブリッシャーさんとしても、自分たちが作ったコンテンツを提供する選択肢が増えることになりますし、ユーザーさんも、ライフスタイルに合わせて、いろいろな形でゲームを楽しめますので、とてもいいと思います。もちろん、スマートフォンを使ったゲームも楽しいですが、やはりボタンとスティックを使ったゲームを多くの人に楽しんでいただきたいと思います。そういう意味では、我々は任天堂さんと同じ船に乗っているのかなと。私はずっと、そのように思っています。

――最後に、これから年末商戦を迎えますが、プレイステーション全体にとってのキーワードを挙げるとしたら、何になりますか?

吉田 “みんなのプレイステーション”ですね。『New みんなのGOLF』や『KNACK ふたりの英雄と古代兵団』など、いっしょに遊ぶとより楽しいゲームが揃っていますので、ぜひ手に取っていただき、皆さんに楽しんでいただきたいと思います。