あのとき、俺は確かに、マリーちゃんといっしょにいた

 VRとは、ざっくり言うと“視覚情報をどれだけリアルに近づけられるかに挑戦した技術”だと言える。「だったら、そこに香りや振動、温度などの要素を加えれば、もっと現実味が増すのではないか?」というコンセプトで作られたのが、今回ご紹介する“VR センス” だ。先日ロケーションテストが実施されたバージョンは、今年6月の発表会当時のモノからソフトが進化し、新たな体験を提供するVRマシンに仕上がっている。というわけで、今回はVR センスのプレイリポートをお届けしよう。ちなみに本記事の画面写真は、VRの特性上、画面が歪んで表示されている。実機で見るとキレイなのでご安心を。

 VR センスは、コックピット型の筐体の中に、プレイステーション VRが据え付けられているという構造。ロケーションテストで試遊できたソフトは、『超 真・三國無双』、『デッド オア アライブ エクストリーム センス』、『ジーワンジョッキー センス』と、開発元であるコーエーテクモゲームスの人気タイトルが揃っていたほか、オリジナルのホラーコンテンツ『ホラー センス ~だるまさんがころんだ~』も用意。これらからひとつを選び、1回10分~15分ほどのVR体験を楽しむ、というわけだ。

これは、新たなアトラクションの形。女の子たちのいい匂いがする『DOAX センス』&関銀屏といっしょに戦う『超 真・三國無双』プレイリポート_06
これは、新たなアトラクションの形。女の子たちのいい匂いがする『DOAX センス』&関銀屏といっしょに戦う『超 真・三國無双』プレイリポート_02
『超 真・三國無双』
『デッド オア アライブ エクストリーム センス』
これは、新たなアトラクションの形。女の子たちのいい匂いがする『DOAX センス』&関銀屏といっしょに戦う『超 真・三國無双』プレイリポート_03
これは、新たなアトラクションの形。女の子たちのいい匂いがする『DOAX センス』&関銀屏といっしょに戦う『超 真・三國無双』プレイリポート_04
『ジーワンジョッキー センス』
『ホラー センス ~だるまさんがころんだ~』

 個人的に、VRと香りの相性が気になっていたので、女の子のいい匂いがしそうな『デッド オア アライブ エクストリーム センス』をチョイス。
 プレイ料金の800円を投入すると、さっそく視界に南国の世界が広がり、かすみ、マリー・ローズ、ほのかの3人から、いっしょに遊ぶ女の子を選ぶ。筆者の視線の先には、金髪ツインテールのスレンダー美人がいた。
 マリーちゃんが姿を表した瞬間、あたりにフレグランスな香りが漂う。これは間違いなく、彼女が使っている石鹸の香り。筆者の魂がそう告げている。見る人が見れば、「VR センスさんが、マリーちゃんの登場に合わせて、いい感じに柑橘系の匂いを出してくれているんだよ」と言うかもしれないが、筆者にとっては間違いなくマリーちゃんの香りだ。柑橘類といえば、やはりバレンシアオレンジ。VR センスの匂い機能が、筆者をカリフォルニアへと運んでくれた。

 さて、筆者はそんなウッキウキな気分で、マリーちゃんとのつなひきに興じる。プールに浮いた不安定な土台の上でロープを引っ張るという。『デッド オア アライブ エクストリーム』シリーズでおなじみのアレだ。うまくロープを引いてマリーちゃんを水中に落とせば、水着がズレちゃったりするかもしれない。おのずと、手にも力が入るというものだ。
 合図と同時に、全力でロープを引っ張る。だが、マリーちゃんは小悪魔のような笑みを浮かべ、スッと力を抜いてみせた。本来、得られるはずの反発力を失った上体は、大きくバランスを崩し、なすすべなく後ろに倒れ込む。その瞬間、水しぶきが上がり、プールに落ちた衝撃で体がガタガタと揺れた。心なしか、マリーちゃんが小悪魔のように微笑んでいるように見える。まるで、ここはコスタ・デル・ソルではないか。VR センスのミスト機能&座席振動が、筆者をアンダルシアへと運んでくれた。

これは、新たなアトラクションの形。女の子たちのいい匂いがする『DOAX センス』&関銀屏といっしょに戦う『超 真・三國無双』プレイリポート_01
噂のマリー・ローズちゃん。

 ひとしきりつなひきに興じた後は、ロッククライミングへ。マリーちゃんは、細身の体で切り立った崖をスイスイと登っていく。さすが、軍隊格闘術”システマ”の達人だ。筆者もマリーちゃんに続いて登っていくのだが……。見上げると、先導してくれているマリーちゃんの臀部があらわではないか。なんということだ、ここが夢にまで見たエルドラドか。VR センスが作り出す映像の立体感が、筆者をアンデスへと運んでくれた。

 ロッククライミングが終わると、マリーちゃんとともに砂浜へ。ここはきっと、彼女のお気に入りの場所だ。マリーちゃんは水辺に向かうと、筆者に向かって水をバシャバシャと浴びせてくる。ああ、彼女は天使だ。そう魂が告げている。小悪魔でありながら天使。マリーちゃんはアンヴィヴァレンツの体現者なのだ。

 かわいいマリーちゃんとともに世界を一周する気分を味わったところで、コンテンツが終了。ふっと現実に戻ってきたわけだが、この“現実に引き戻される感覚”は、何か心当たりがあることに気づいた。そう、テーマ型アトラクションから降りたときのソレだ。テーマパークに設置されているアトラクションは、作り込まれた造形物や音楽、特殊効果などによって、乗客をさまざまな世界へと誘う。VR センスも、それらと同じ。VRで表現された世界が、音楽や香りといった五感の刺激によってリアルさを増し、ここでしか得られない体験を与えてくれるのだ。VR センスは、アトラクションの新たな形を提示しているのではないだろうか。
 今回は前述の通り、つなひきに負けてしまったため、ゲームのプレイング評価は3段階の真ん中にあたる“B”。この評価は、最後に流れるムービーの種類に関わっているという。プレイヤー諸氏は、ぜひ最高評価のエンディングを目指してほしい。

 最後に、『真・三國無双』も体験できたので、軽く触れておこう。同作では、迫りくる敵兵たちをなぎ倒しながら、最強の戦士・呂布と、彼の義父である董卓を討つべく戦っていく。パートナーに選べるのは、関銀屏と徐庶のふたりだ。2年前の東京ゲームショウで出展されたバージョンでは、王元姫と趙雲がパートナーを務めていた。そのときは王元姫ちゃんに同行してもらったのだが、王元姫ちゃんはプレイヤーより微妙に背が低いうえ、胸元がパックリ開いている。いきおい胸元を覗き込む格好になるので、大いに目のやり場に困った。ガン見すりゃいいのだが、なにせコンパニオンのお姉さんが後ろにいて、プレイの模様を見守っているのである。さすがにガン見はキツイ。それでも魅力に抗えず、目線を誘導されそうになって本当に恐ろしかったのだが、その点、関銀屏ちゃんは胸元がしっかりと覆われていて悲しい、いや安心だ。

 攻撃とガードを使い分けて敵を蹴散らしていくと、呂布が出現。強敵なので、しっかり攻守を切り換えつつ戦うといいだろう。呂布の撃破後は、董卓を追うことに。どうやら、彼に連れ去られた貂蝉を救出するのが目的のようだ。
 董卓追撃戦では、馬に乗って追いかけ、矢を放って敵の騎馬兵を倒していく。VR センスから放たれる風により、疾走感は抜群だ。その後は、崖を駆け下り、荒廃した洛陽へ。燃え盛る街並みの中を駆け抜けていくことになるが、その際もヒーター的なもので熱されるような感覚を覚えた。また、崖を下りるシーンでは、ジェットコースター並(筆者比)のスリルが味わえたことも伝えておく。

 残念ながら道中のミッションに失敗してしまったため、ゲームはここまでで終了(さっきと似たようなパターン)。挑戦たちの結末がどうなるのかは、ぜひ正式稼動後に、自身の目で見てみよう!

これは、新たなアトラクションの形。女の子たちのいい匂いがする『DOAX センス』&関銀屏といっしょに戦う『超 真・三國無双』プレイリポート_05
鉄壁のガードに定評のある関銀屏ちゃん。

女子が『DOAエクストリーム センス』を体験すると?

 ちなみに、同行したロマンシング★嵯峨も『デッド オア アライブ エクストリーム センス』をプレイしていたので、その模様も記しておこう。嵯峨が選んだ女の子は、かなりのわがままボディが自慢の“ほのか”。いい匂いがするほのかちゃんが動き回り、目のやり場に大層困ったそうだが、「水着とボディのあいだの隙間の表現に、Team NINJAのこだわりを感じた」と言っていたので、なんだかんだガン見していたようだ。ちなみに、プレイ評価は“C”だったようで、「Cランクのご褒美映像を見てかなり動揺したので、評価“A”を見たらどうなってしまうんだろう」と語った。女子をもトリコにする『デッド オア アライブ エクストリーム センス』、恐るべし。