4対4と10対10、ふたつの戦いの頂点が決定
2017年7月30日、東京ビッグサイト TFTホール1000にて、セガ・インタラクティブのロボットチームバトルゲーム『ボーダーブレイク』の全国大会+イベント、“公式ボダオフ3”が開催された。本記事ではその模様をお届けする。
本イベントは『ボーダーブレイク』プレイヤーにはおなじみの全国大会、“エースボーダー最終決戦”を中心に、“スカッドバトル頂上決戦”や、新情報を発表する“公式ボダオフ”などが複合されたもの。
イベントは、4対4のチーム戦、”スカッドバトル頂上決戦2”からスタート。通常の『ボーダーブレイク』の対戦より少ない人数、そしてプレイヤーたちがみずから作ったチームどうしが激突するという形式が特徴の大会(エースボーダー最終決戦のチームは、全国ランキングの順位+ポイントの上位陣が4チーム自動で割り振られる形)。10対10で戦うエースボーダー最終決戦よりも試合が動くのが早く、ゲージが大きく動くコアの割り合いが起きやすい印象を受けた。
決勝まで勝ち上がったのは茨城エリアB代表“ポップボーノ”と、大阪エリアB代表の“まめまめチルドレン”。激しい戦いが多かった1回戦や準決勝とはうって変わり、1戦目は中央のプラントの奪い合いにより、少しずつ両陣営のコアゲージが減っていく展開に。目視ではゲージ差がわからない接戦で先に優位に立ったのは、まめまめチルドレン。残り200秒台に入ったころからまめまめチルドレンがポップボーノを押し込み始め、残り190秒台でまめまめチルドレンのこくと選手、ざぶお選手がポップボーノ側のコアに攻撃することに成功。これが決め手となり1本先取した。
2戦目、優勝に王手をかけ勢いに乗るまめまめチルドレンは、開幕から全員が果敢に前に出る積極策を採用。これはポップボーノ側にいなされるが、素早く進軍した結果か、プラントの制圧ではまめまめチルドレンが優位に立つ。しかし機体の撃破数の差が徐々に響き、コアゲージは中盤以降、ポップボーノが優勢の状態で試合は進行。このまま2本目はポップボーノの勝ちで終わるかと思われたが、残り120秒を切ったあたりでまめまめチルドレンの機体が複数ポップボーノのコアに到達。断続的なコアへの攻撃で残り80秒あたりには逆転し、リードが取れたと確信したあとは自陣の防衛に切り替えてリードを堅守。全試合を通じて1戦も相手に取らせなかった、まめまめチルドレンがスカッドバトル頂上決戦を制した。
続いて行われた“第6期エースボーダー最終決戦”は、全国対戦の最上位44名がレッド、ブルー、イエロー、グリーンの4チーム(10名+リザーバー1名。リザーバーはチーム内の10番目のプレイヤーと1戦ごとに交代)に分かれて戦う、アーケードゲームでは他に類を見ない大規模なチーム戦。
プレイヤー数が増えてステージも拡大した影響か、エースボーダー最終決戦は、スカッドバトル頂上決戦よりもコアにたどり着くことが難しいようで、準決勝はどちらの試合、そして1戦ごとの展開も拮抗。そんな接戦を制して決勝に駒を進めたのは、チームブルーとチームイエロー。
1戦目は大会前の優勝予想で過半数以上の支持を集めていた優勝候補の本命、チームイエローが先にプラントを制圧して優位に立つ。しかしコアゲージに差をつけるまでにはいたらず、以降は数百カウントの間、目視ではどちらが勝っているかがわからない均衡状態が続いた。ようやく試合が動いたのは残り320秒あたり。チームブルーが遠距離攻撃でコアに攻撃を当てリードを取るが、すかさずチームイエローもコア攻撃に成功。ここから互いのコアゲージが動く展開になるが、決め手となったのは残り170秒あたりに行われた、チームイエローのコア攻撃。ここで大きくリードを取り、1本目はチームイエローが前評判通りの活躍を見せた。
左右の陣営を入れ替えて行われた2戦目は、1戦目以上に堅い内容に。序盤こそチームイエローのざぶお選手によるコア攻撃でゲージが動いたが、その後はプラントの制圧合戦に移行。そこから互角の勝負が続き、明確にゲージ差がつきはじめたのは残り220秒あたり。機体の撃破でゲージを削ってきたチームブルーが逆転。残り100秒あたりになってからは、拠点の防衛に切り替えたチームブルーが、強引に攻めてくるチームイエローを迎撃してリードを死守。結局この試合はコアへ攻撃するシーンが実況モニターにはほとんど映らないという異例の展開で終了した。
準決勝2試合と同じく3戦目までもつれたこの日最後の戦いは、これまでの手堅い動きから一転。お互いが積極的に前に出る作戦を採り、序盤から多くの機体を撃破しあう流れでスタート。ここで優位に立ったのがチームイエロー。チームブルーにコア攻撃を許すも、機体の撃破によるゲージ差、プラント制圧の両面で優位に立ち、残り400秒に迫ったあたりには明確なゲージ差を作り、そこからさらにコア攻撃を成功させて優勝へ一気に近づく。対するチームブルーも敵コアまで迫るも攻撃を当てる前に迎撃され、その間にもチームイエローはブルーの陣営を激しく攻め立てる。終わってみればチームブルーのコアゲージを7割ほど削り取る、圧巻の内容で大会を締めくくった。
スカッドバトル頂上決戦2 優勝チーム“まめまめチルドレン”インタビュー
――皆さんは、今日の大会のどちらにも出場し、ケケ@猫飯屋(ブライダルベール)さん、流さん、ざぶおさんは両大会で優勝されていますが、スカッドバトルとエースボーダーで戦い方は変わってくるものでしょうか?
ざぶお 圧倒的にスカッドの方が仕事量が多いんですよね。何より人数が少ないので、ひとりひとりの仕事量が違うんです。ただ、10人のエースボーダーはやれることが多いので、いろいろなことが試せるからこその難しさもありますね。両方優勝できてよかったです。
――モニターで試合を見たかぎりでは、スカッドバトルでは、エースボーダーと違ってどのチームにも重装型がいなかったように見受けられたのですが、この理由は?
ざぶお うちらの中に重火力兵装をうまく使えるプレイヤーがいなかったのと、大会のマップだと重火力型が弱かったというのがありますね。
こくと 単純にスピードが足りなくて、ほかの部隊に置いてかれちゃうんですよね。だから重火力はないかなと。
――マップを見ると、狭いうえに正面からのぶつかり合いを避けられないように見えたのですが、火力よりスピードの方が重要なんですね。
こくと 確かにそうなんですけど、お互いのベースの近くにカタパルトがあって、それを使うと相手の頭を越えたりできるんですよね。あと1回(中央のプラントを)抜けちゃうとマップ全体がゴチャゴチャしてるせいで、攻撃が当たりにくい。だったらスピードのある方がいいよねって話になりまして。
――スカッドバトルの練習は、エースボーダーの練習とは異なりましたか?
流 『ボーダーブレイク』って、基本的に野試合をやってみないとわからないところがあるので、個人技を練習するっていうよりは本番と同じ感じでガチンコで対戦して、自分たちの悪かったところや相手の崩し方を覚える、という練習方法だったと思います。
こくと エースボーダーよりも期間が長かったので、スカッドの方が練習量は多かったかなあ。
ざぶと 人数的にも集めやすかったですし。
――優勝までで印象に残っている試合は?
流 初戦の東京エリア代表、ハングリー便座カバー試合が死ぬほどきつかったですね。
こくと そんなに?
流 辛かったよ!
ざぶと 決勝がなんだかんだでいちばん接戦だったかなと。
ブライダルベール あえていうなら最初だけど……
こくと 決勝の茨城チーム、ポップボーノはいままで練習で戦ったことがないチーム構成で、支援2、アサルト1、遊撃1だったので、やりにくかったですね。
ざぶと でも蓋を開けてガチンコでやりあってみたら、うちのスタンダードな編成(アサルト2、遊撃1、支援1)のほうが強かった感じですね。
――最後に、優勝した感想をお願いします。
流 代表に選ばれたときのインタビューで、「支援兵装がかっこいい」と言っていて、イルミナルっていう一撃必殺の武器で会場を沸かせられてよかったです。自信になりました。
ブライダルベール こっちのチームではいちばん年下ということもあって、けっこうこき使われたのですが(笑)、それが実ったのかなと。優勝できてよかったです。
ざぶと チームゲーなので連携はもちろん大事なんですけど、連携以前に個人のポテンシャルも重要なので、高いポテンシャルを持ったメンバーをそろえられたので、優勝は当たり前だったよねと(笑)。
流 嫌なキャラ(笑)。
こくと スカッドはメンバーを決めるところから自分たちで始められるので、10対10以上に実力で勝負できるかなあと思う点もあるので、それで優勝できたのは気持ちよかったし、うれしかったですね。
第6期エースボーダー最終決戦優勝、チームイエローインタビュー
――優勝チームアンケートはぶっちぎりの1位予想の優勝候補でしたが、試合自体は準決勝、決勝ともに3戦目までもつれこむ拮抗した試合でした。
ケケ@猫飯屋 そうですね、けっこう苦戦を強いられる場面はありました。(優勝予想が)50%と言っても、たちさんやヒヤシンスさんみたいに飛び抜けてランクの高い人が多かったってのがあると思うので。どこが優勝してもおかしくない状況だったとは思います。
――決勝戦ですが、3試合目はこれまでの戦い方と違う、チーム全体が攻めに特化した立ち回りに見えたのですが、そこは意識して変えたのでしょうか?
ケケ@猫飯屋 負けた2試合目からブリーフィングで話し合う時間はほとんどなかったのですが、そこは以心伝心というか。
流 練習で「相手がこのパターンできたらこう返そう」っていうのは決めていたので……。
ケケ@猫飯屋 そうだっけ? 心はつながっていた……的なことを言っといた方がキレイじゃない?(笑)
――(笑)。『ボーダーブレイク』はボイスチャットみたいな機能がないので、試合中にチーム全体の動きを軌道修正するのはすごく難しいと思うのですが。
ケケ@猫飯屋 そこはひとりひとりのポテンシャルが高かったのがやっぱり大きいですね。
――優勝時のコメントで、「一番練習したチームだと思う」とおっしゃってましたが、具体的にどのような練習をしたのですか? 10人そろって対戦するのはなかなか難しいと思うのですが。
ケケ@猫飯屋 そうなんですけど、チームみんなの意識がすごく高くて、「集まろう」ってなったときはほとんど10人そろって練習できましたね。対戦相手はざぶおさんが中心になっていろんなクランに「対抗戦やりませんか?」と声をかけた結果、毎週2、3回のペースで練習できました。練習は、まず初戦で当たる緑チームの編成を予想して、そこから勝つためにどうするかを考えました。
――決勝戦の戦い方に関してはきょう話して決めたのですか?
ケケ@猫飯屋 いえ、大会前からLINEの通話やSNSで話し込んでいたので、直前のブリーフィングではあまり話さなかったかな。指向性の武器はどこに設置するとか、どのルートから攻めるかみたいなことは、大会の前からみんなでミニマップを見ながら話して決めていました。
――今日の試合でいちばん印象に残った場面は?
ケケ@猫飯屋 これは緑との2試合目で……これはたちさんから話した方がいいかな。ドヤ顔で(笑)。
たち 敵のアサルトが4枚(人)ベースに接近してくるのを、ぼくのセンサー支援とメイくん(機神メイナス)だっけ? の遊撃で完全に止めたところですね。それが2試合目の勝敗を分けて、さらに3試合目にもつながったのかなと。
――対戦相手で一番印象に残っているのは?
ケケ@猫飯屋 青チームのアフリカ語講師さんですね。名の知れた突アサ(アサルト)で、防衛が厳しくなるんじゃないかなと思ってましたし、実際つらかったですね。
――では最後に優勝した感想と、『ボーダーブレイク』のプレイヤーに何かコメントがあればお願いします。
ケケ@猫飯屋 53%もの人が自分たちを指示してくれて、その人たちにメガロCVが届けられたのがよかったなと。あとぼく個人としては……全国でマッチしたらCPくれ(笑)。
――(笑)。
流 今回、黄色チームはメイナスくんみたいに初めて会うプレイヤーもいたんですけど、チームになることでできる絆もあったと思います。『ボーダーブレイク』のプレイヤーって、このゲームのためにいろいろな場所に旅行に行ったりするんですよね。人のつながりを生んでくれるっていうのは『ボーダーブレイク』特有かなあって思ってます。
ケケ@猫飯屋 最後にいいこと言ったね(笑)。模範解答。
流 1個ぐらい言っとかないとダメでしょ(笑)。